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「着工前に1区画$15万の規制費」——米国住宅高騰の本当の原因と、Meritage Homesが今買える理由

イランとの戦争リスクや金利の動向が市場を揺らす中、米国住宅市場の構造的な問題が改めて注目されている。Steve Eismanの「The Weekly Wrap」では、米国第5位のホームビルダーMeritage Homes(NYSE: MTH)のCEO、Philippe Lordへのインタビューが公開された。

住宅価格が下がらない本当の理由、Meritageの投資機会、そして、業界の構造変化を整理する。


1. 住宅市場の現状——「三本足の椅子」が崩れている


1-1. 新築需要を支えてきた構造

Lordは、住宅市場を「仕事・住宅コスト・消費者信頼感」という三つの要素で説明した。2020年以降、低金利と既存住宅オーナーのロックイン(低金利で購入した住宅を手放せない状況)により、新築住宅市場だけが堅調に推移してきた。

しかし、2024年後半から状況が変わった。消費者信頼感が歴史的低水準に落ち込み、雇用市場も一部で軟化し始めた。Meritageの主要顧客である中低所得層に影響が出ている。

1-2. モーゲージバイダウンという価格調整手段

Lordが説明した重要な業界慣行として「モーゲージバイダウン」がある。ホームビルダーは自社の住宅ローン子会社を通じて、市場金利より低い金利を顧客に提供できる。たとえば市場金利が6.5%でも、ビルダーが費用を負担して5.5%の金利を提示する仕組みだ。これが新築市場の競争力の源泉だったが、金利が高止まりするほどコストが膨らむ構造でもある。

2. 住宅が高い本当の理由——地方規制という「見えない壁」


2-1. 三つのコスト要因

Lordは住宅コスト上昇の主因を三つ挙げた。労働力不足(最も軽微)、建材・サプライチェーンコスト上昇(中程度)、そして、土地に関わる地方規制費用(最も大きい)だ。

2-2. カリフォルニアで着工前に$15万

最も衝撃的な具体例がカリフォルニアだ。

「カリフォルニアでは、土地の購入費や造成費を一切含まず、ただ着工する権利を得るためだけに、1区画あたり$10万〜$15万の規制費用を支払っている。建築許可費・インパクトフィー・学校費・交通費など、あらゆる名目の手数料がこの数字になる」とLordは語った。

50区画の土地を開発しようとすれば、建物に一切着手する前に$500万〜$750万を地方行政に支払う計算になる。当然この費用は住宅価格に上乗せされる。

2-3. 地方政府に改善するインセンティブがない

Lordが指摘した構造的な問題は深刻だ。

「地方の規制当局には、土地を安く市場に出すインセンティブが存在しない。むしろ住宅価格が高いほど、既存の住宅オーナー(=有権者)の資産価値が維持される。だから問題は悪化し続けてきた」

連邦政府が解決しようとしても、権限は地方自治体にある。トランプ政権も取り組もうとしているが、解決策は見えていないのが現状だ。

2-4. テキサスモデルという例外

対照的にテキサス州では、安価な地方債(ムニシパルファイナンス)を活用して、ホームビルダーが手頃な住宅を供給する代わりにインフラ費用を低コストで調達できる仕組みが機能している。Lordはこれを「連邦政府が参考にすべきモデル」として挙げた。

3. Meritage Homesという投資機会


3-1. 会社概要——米国第5位のホームビルダー

Meritageは、カリフォルニア・アリゾナ・テキサス・フロリダ・ジョージアなど米国南部を中心に展開する、年間約15,000戸を建設するホームビルダーだ。平均販売価格は全社で約$40万、ターゲットはFHA(ファニーメイ・フレディマック)融資対象の手頃な価格帯だ。

3-2. なぜ今割安なのか

現在のMeritageは、タングブルブック価値比0.95倍で取引されている。歴史的に見て、この水準でホームビルダーを購入した投資家は長期的に利益を得てきた。

Eismanはこう語る。「歴史的に、タングブルブック価値以下でホームビルダーを購入し、忍耐強く持ち続ければ利益が出てきた。Meritageのタングブルブックは約$74〜75で、株価は$68台だ」

3-3. ROE改善の道筋

現在のROEは、10%以下だが、過去には12〜17%を達成していた。改善の鍵は「土地オプション比率の引き上げ」だ。

現在Meritageは、購入土地が約70%、オプション土地が約30%という構成で、業界平均(50%前後)より自社保有比率が高い。LAR(レナー)やDHIのような大手は70〜90%をオプション化しており、資本効率が高い。

Meritageは、これをERNINGSコールで「40〜50%のオプション化」へ移行すると表明した。資本効率の向上はROE改善につながり、評価倍率の上昇(現在0.95倍→目標1.5倍以上)をもたらす可能性がある。

3-4. 自社株買いという追い風

CEOは2026年を通じて発行済み株式の約10%に相当する自社株買いを実施する方針を示した。タングブルブック以下での自社株買いは、1株当たり帳簿価値を直接向上させる効果がある。

4. リスク要因——何が逆風か


最大のリスクは金利だ。Eismanが推奨した1月時点では10年国債利回りが4%台前半だったが、イラン戦争の影響で4.4%まで上昇した。住宅ローン金利が上がれば需要は鈍化し、Meritageのモーゲージバイダウンコストも増加する。

消費者信頼感の低迷、雇用市場の軟化も短期的な逆風として残っている。

まとめ


「なぜ米国の住宅は高いのか」という問いに対して、Philippe LordのCEOインタビューが提供した答えは明確だ——主因は金利でも建築費でもなく、地方規制の重複と既得権益にある。この構造は短期で解決できる問題ではない。

一方で投資機会としてのMeritageは、タングブルブック比0.95倍・自社株買い・オプション比率改善という複数のカタリストを持つ。金利が落ち着くタイミングで、評価の再評価が起きる可能性がある銘柄だ。本記事は情報提供を目的としており、投資推奨ではない。投資判断は自己責任でご判断ください。

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