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Intel大型増資の裏側、Nvidiaの5,000億ドル金融スキーム、ドローン企業の急成長 ― 資本市場の熱

Bloomberg Techがシリコンバレーから生放送で伝えた今回の番組では、Intelの増資に対する想定を超える需要、NvidiaによるGPUの「金融資産化」構想、AI関連レバレッジ型ETFの市場集中リスク、そして、防衛関連ドローン企業への大型出資まで、AIブームを取り巻く資本市場の動きが数多く取り上げられました。ビジネスマン・投資家にとって、AI投資サイクルが実体経済とどう結びついているかを俯瞰する好機となりそうです。


1. Intel、目標を上回る200億ドルを調達 ― 購入希望者の3人に1人が買えず


前回発表されたIntelの公募増資について、続報が伝えられました。当初150億ドルを目標としていた株式売却は、最終的に200億ドル規模まで拡大されたと報じられています。Bloomberg NewsのIan King氏は、購入を希望した投資家のうち最大で3分の1が実際には株式を購入できなかったとの報道を紹介し、これは同社の将来性に対する強い支持のサインだと説明しています。既存株主の一部は希薄化を嫌う声もあるものの、全体としてはIntelが本格的にAI競争に参入していくことへの強いシグナルだとされています。

同氏は、この増資の最大の目的がバランスシートの立て直しにあったと指摘しています。増資前は500億ドルの負債に対して300億ドルの現金しかなかった状況が、今回の調達によってほぼネットキャッシュポジティブに近づき、これは数年前の同社の状況から見れば大きな転換だと説明されています。この改善によって、新工場建設に向けたより安定した基盤が整うとされています。

同氏はまた、200億ドルという金額の規模感について、最先端半導体の製造という文脈では、工場をゼロから1つ建設するのにも足りない規模だと補足しています。さらに、AI工場やソフトウェアの運用が汎用コンピューティングへと戻る流れが見られる中、Intelの強みであるCPU分野には需給の逼迫と強い需要があるとの分析も示されています。

2. Nvidia、Apollo・Blackstone・KKRなど6社から5,000億ドルを動員 ― GPUの「金融資産化」


今回最大の注目ニュースの一つが、Nvidiaが米国の大手投資会社であるApollo、Ares、Brookfield、Goldman Sachs、Blackstone、KKRから合計5,000億ドル規模の資本を動員しようとしているという報道です。この仕組みでは、ウォール街がNvidiaの計算資源(コンピュート)を裏付けとした債務を発行し、その資産を顧客にリースする形になるとされ、実質的にGPUを「投資可能な金融インフラ資産」に転換する構想だと説明されています。

BMO Wealth ManagementのCarol Schleif氏は、この構造をどう評価すべきか問われ、市場はこうした複雑な情報を消化する能力を既に発揮していると述べています。同氏は、インフラ投資が難しい理由として、テクノロジーがS&P500の中で非常に大きな比重を占める一方、製造業インフラの比重が長年縮小してきたことを挙げ、現在はその再配置(リポジショニング)の非常に初期段階にあるとの見方を示しています。

循環的な資金調達への懸念についても言及があり、Schleif氏は、こうした循環的な構造が株式市場・債券市場の両方に既に存在していると指摘し、経済全体がこうした構造に依存している側面があると述べています。ただし同氏は、これはデータセンター建設だけの問題ではなく、これまで数十年にわたり過小投資が続いてきたインフラ全体の「遅れを取り戻す」動きであり、AIの「使い方」そのものが生み出す新しい可能性も含めて評価すべきだと補足しています。

半導体株のローテーションについては、直近四半期に約50%近い調整があった後の再投資機会である可能性を指摘しつつ、レバレッジ型ETF、特に単一銘柄型のETFが、限られた銘柄に集中する「混雑した取引」を助長している面があるとの見方も示されています。

3. Apple、「オールガラスiPhone」開発中止報道を否定 ― 2027年発売は計画通り


前回取り上げたJefferiesによるApple株のダウングレードと「オールガラスiPhone」開発中止の観測について、続報がありました。Bloombergの独自取材によれば、複数の関係者が、この2027年発売予定の新デザインは計画通り進行しているとし、開発中止との分析報告とは異なる情報を伝えています。

Bloomberg IntelligenceのAnurag Rana氏は、Jefferiesの分析が本質的に伝えたかったのは、Appleが平均販売価格(ASP)を引き上げ、それを長期間維持する仕組みを見つける必要があるという点だと説明しています。同氏は、部品コストの上昇を受けてAppleが2四半期連続で市場シェアを失っており、今四半期も同様の傾向が続く可能性が高いと指摘し、その理由として、Appleが主要企業の中で唯一値上げを行っていない点を挙げています。値上げは秋に実施される可能性が高いとされています。

同氏はまた、参考として折りたたみ型スマートフォンの価格帯が2,500ドル前後になる可能性を挙げ、通常モデルの1,200〜1,300ドルと比較して大幅な価格上乗せになるとしつつ、Appleが年間2億2,000万〜2億4,000万台という規模で販売している中で、こうした高価格帯モデルがエコシステム全体にどこまで浸透するかが重要な論点になると説明しています。現時点では、メモリ価格の動向がApple株にとって他の何よりも重要な要因になっているとの見方も示されました。

前四半期の決算について問われた同氏は、Appleの株価が急騰した後にPERが30倍台前半まで達し、ハイパースケーラー各社が20倍台前半で取引されている状況との「バリュエーションのミスマッチ」が主な要因であり、業績自体は市場予想とほぼ一致していたとの見立てを示しています。

4. レバレッジ型ETF、AI関連銘柄への集中度が58%に急拡大


市場構造に関する重要な話題として、AI関連銘柄に紐づくレバレッジ型ETFの拡大が取り上げられました。Bloomberg NewsのDenitsa Tsekova氏は、2022年時点でAI関連への集中度が26%程度だったのに対し、現在は58%に達していると説明しています。これらのETFは運用資産と派生的なエクスポージャーを大きく拡大させ、現在は5,000億ドル規模の「強気エクスポージャー」が存在し、その約6割がAI関連銘柄に集中しているとされています。

同氏は、より重要な指標として直近30日間の取引高を挙げ、これらのETFがETF市場全体の中では比較的小さな部分を占めるにすぎないにもかかわらず、約700億ドル規模の取引が行われており、市場全体への影響力が大きいと指摘しています。実際の事例として、韓国のSK Hynix株で発生した大きな価格変動において、レバレッジ型ETFがその変動を助長した数少ない実例の一つになったと説明されています。

レバレッジ型ETFの仕組みについては、デリバティブを用いてNvidiaなどの個別銘柄に対する2倍・3倍のエクスポージャーを作り出すもので、逆に2〜3倍のショート(逆レバレッジ)を取る製品も存在するとされています。韓国・香港などアジア市場でこうした製品が特に人気を集めており、SK Hynix関連の製品は規制当局の介入前には最大規模の単一銘柄型レバレッジETFになっていたと紹介されています。

5. Rumble、AI計算事業が四半期最高収益を記録 ― Q3ガイダンスも初公表


動画配信プラットフォームRumble Groupは、第2四半期の売上高が前年比61%増の4,040万ドルに達し、四半期として過去最高を記録したと発表しました。同社CEOのChris Pavlovski氏は、6月中旬に完了したNorthern Dataの買収がAI計算サービス事業「Quake AI」として寄与し、四半期で1,010万ドルの貢献があったと説明しています。同社は今回初めて第3四半期の正式なガイダンスとして8,700万〜9,300万ドルを提示しました。

同氏は、同社が保有する2万基超のNvidia GPUのうち、現在収益化されているのは約2万2,000基で、メガワット当たり600万〜700万ドルの収益を生んでいる一方、まだ収益化されていない250メガワット分の容量(このうち150メガワットはジョージア州)が、最新世代のチップと組み合わせれば年間30億ドル規模の収益機会になり得ると説明しています。ビデオプラットフォーム事業についても、月間5,700万人のアクティブユーザーを抱えるコミュニティが生成する動画データが、今後のロボティクス向けAI訓練において独自の強み(モート)になるとの見立ても示されました。

6. Neros、シリーズCで2.5億ドル調達し企業価値3倍に ― イラン情勢が開発を加速


防衛関連ドローンスタートアップのNerosは、Sequoia Capitalが主導するシリーズCラウンドで2億5,000万ドルを調達し、企業価値を3倍に引き上げたと発表しました。同社CEOのSoren Monroe-Anderson氏は、単一製品だった同社が、対無人機用インターセプター「Bandit」、そして今回新たに発表された自律飛行能力を搭載した「Archer AIA」など、複数製品への展開を進めていると説明しています。

生産能力についても具体的な数字が示されており、現在は年間5万機のドローンを生産しているものの、年末までに年間10万機体制に到達する計画で、最終的には年間100万機規模の生産能力を持つことが、米国と同盟国にとっての戦略的インパクトの観点で重要だと説明されています。

Sequoia PartnerのShaun Maguire氏は、同社を含む有効な実績を持つ防衛テック企業は現時点で5社程度にとどまるとし、Anduril社と並ぶトップ企業の一つだと評価しています。同氏はドローンの本質を「飛ぶ携帯電話」と表現し、重要なのはジャミングされない高度な通信技術やセンサー類であり、これらはムーアの法則的なペースで指数関数的に進化していく領域だと説明しています。

今回のシリーズC調達の直接的な引き金になったのは中東情勢の緊迫化だとされています。同氏は、米軍関連の資産がイラン製ドローンの標的になっているにもかかわらず、有効な防御手段がなかった状況を目撃し、迅速な対応が必要だと判断したと説明しています。同社はロシアのウクライナ侵攻開始当初からウクライナ支援を通じて実践的な製品開発を進めてきており、この経験がインターセプタードローンの開発にも活用できる基盤になっているとされています。

7. その他の注目トピック


Amazon:ニューヨーク市が提案する「配達保護法案」が、配送員を業務委託ではなく直接雇用することを企業に義務付けようとしており、これに対しAmazonが約500万ドル規模の資金を投じて反対運動を展開していると報じられています。同種の規制が他都市に波及することへの警戒感が背景にあるとされています。

あるeコマーススタートアップ:ショッピング支援アプリを提供する企業が、実際には関与していない購入についても「クッキー・スタッフィング」という手法でコミッションを不正に受け取っていた疑いが報じられ、共同創業者らが半年以上前からこの手法の採用を把握していたことを示す社内メッセージも確認されているとされています。

Rocket Lab:同社CEOは、今年中の新型ロケット「Neutron」初打ち上げを目指す方針を維持していると説明しつつ、重要なのは「10回目の飛行」であり、量産・打ち上げ頻度・再使用性の実証がより重要だとの見方を示しています。

TikTok・OpenAI・Anthropic:ホワイトハウスが、TikTokを政府端末での使用禁止対象から除外する方針を示したことや、ビットコインマイニング企業がAnthropicに20年間・数十メガワット規模の計算能力を提供する数十億ドル規模の契約を検討していること、OpenAIがIPOを見据えて現従業員・元従業員から70億ドル規模の株式買い戻しを計画していることも紹介されています。

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