なみ筋肉さんち用、うちのBL方面登場人物一挙公開(イラスト過多、というかむしろ展示会)
企画趣旨
なみ筋肉さんちの「第一回・俺の話を聞け!1万字だけでもいい!」で「登場人物一挙公開」。
BLじゃなくてもいいらしいんだけどBLの企画だし、つかそもそもうちの主要キャラ(単独及びシリーズ主要メンバー)はファンタジー除いた神津だけで100人近いから長編BLに限定することにしてみた。
①あらすじ
②書いた経緯(大抵すごく雑)
③BでLな人の属性
④描いた絵
⑤一部紹介(ぱっと開いた頁のコピペ)
で書いてみます。
それはそれとして僕は名前付けのほとんどを他人に頼んでいるので、既存名を省くために作ったキャラリスト⤴と神津の地図⤵を置いてみる。

0.僕の書いてるBL概観
僕が書く話の15%くらいがBLだろうか。
NLもGLも書くけどBLが好きなわけでも全くなく、テーマ的にNLで書いたら付随する価値観が面倒くさい時の迂回路に使うのがメインなのでいわゆるBL感はまるでない。非定型恋愛という方が正しい気はする。
好きに書くけど賞に出す前提でR18なので(全然エロくないと定評がある、そして通らない)、noteにはあまり持ってきてない。
今回改めて昔のを読み直したら今の方が文が上手いから、4以降は全体的に書き直したい気分になった。
1.恒久の月(販売中)
笠井あゆみ先生に表紙とキャラ絵書いてもらったのです。綺麗!
アンダルシュノベルスから売ってて、確かピッコマとかでも売ってるはず(あまり把握していない)。今見たらレビューが7に増えていた、ありがとう~。全然売れてない。
①あらすじ:
李延年は体を売りながら踊り子をしていたけれど、どうせなら一番高く売ろうと思って武帝のお膝元の長安にたどり着き、一念発起して宦官になって寵愛を受ける?、話。
改めて思ったけど、これ恋愛だけ好きな人は読んでも面白くないや。話の主が歴史と風俗に振り分けててBL分野に置くには所謂恋愛感が乏しい。宦官ってBLなのかとはずっと思ってる。
サンプルはアルファが一番長いと思うが出会ってすらいない所までだから、正直ちっとも購買にはつながらない気はする。2章頭くらいまで無料で読めた方がいいと思うんだけどな。
②書いた経緯:
もともとのテーマは『後宮シンデレラ(NL)』。ノベマのコンで書いていて(僕の書く話は大体テーマに合致しない)アルファの歴史コンで奨励賞をもらったやつなので、そもそもBLのつもりで書いてなかった。そんなわけで、もともとのVerは妹も同じくらい主人公のつもり。
それでエロで長編にトライしてみませんかとお声がけ頂いたので書いてみたものの、もともと歴史の頭で書いてて間を恋愛で埋める頭がなかったものだからどちらかというと民俗とか習俗で埋まり、やけに道教臭い話になった。多分もっと恋愛で埋めるのを期待されていた気がするのだが、時代ではなく歴史で書いてると登場人物のおおよそ(エスフィアと西姫以外)が史実にいるので、想像で恋愛を埋めるのに抵抗があるんだよ。史料にないから中心ど真ん中の妹の名前も架空でつけられないほど僕の中で歴史は縛りが強い。うん。編集さんごめんなさい。でも何も言われなかったからお互い様だ。これが最初から時代やBLなオリジナルで書いてたりすると少し違う。これ以外の僕のBLは最初からBLのつもりで書いている、一応。
結局メイン登場人物の4割は女性なのも含めてBL感はあまりない、と思う。
③BでLな人の属性:
武帝(攻):前漢7代皇帝劉徹は景帝の9男でおよそ帝位につける立場になかったところから即位し、若いころは様々なしがらみに雁字搦めにされていた。治世の前半は漢が積み上げてきた財を費やし匈奴を駆逐し漢の版図を最大にした。シルクロードを開いた人で、その後の中華と世界に大きな影響を与えている。書いてないけど後半は道教にかぶれて恐怖政治した。
李延年(受):踊り子から犬番を経て武帝の愛妾となり、楽府で協律都尉という長官的な役職につく。書いてないけどこの時代の流しの踊り子の踊りって多分下品だよなと思いつつ、弟の李広利は中国での印象は最悪だけれど、中央アジアのあたりでは一部神的に敬われていたりする。だから本当に李家の実体はよくわからない。文献が乏しいんだよ。一応裏付けあるところを前提に書いたけれど、こんな純粋な感じの人じゃないだろとガチ目に思っている。
韓嫣(受):徹の幼馴染で綺麗なゴリマッチョ武官(?)イメージ。徹は皇帝なので自動的に徹ガ攻めで他は受けという雑な扱いのお兄さん。この話の半分以上はエアな存在です。この人の資料は更に少ないが、一応残存する資料を基に書いている。この本では狂気的に竹を割ったような性格だけど、実はこの人もあんまりいい印象はないんだよね。
④描いた絵:
一番最初の表紙
歴史の話ってこんな感じのイメージ線画で描く事が多い。虚実不確かな残像ラインで書いてるから。歴史と時代の違いは、歴史は史実を基礎として(しかし僕はありうるラインの学説で突っ張っている)、時代は過去の一つの時代で展開したフィクションという認識だ。

もとの表紙用2

もとの表紙3
本が出ると決まってから書いたイメージ絵。すでにフィクションに振り切ってるから顔がある。

笠井先生にキャラデザ参考にご送付した衣装参考立絵。

Kindleでも出るというので個人的に販促用に書いてみた韓嫣と延年。

初回発売特典でSSカードが付いてるんだが、それをイメージして僕が適当に書いたやつ。月見の話だから趣味でSF。

⑤一部紹介(売ってるのは権利関係が不安なので共通するポエムを旧版から。ポエムも序章語りも恐れぬ)
おのれ。
おのれ。
おのれ。
運命よ。
呪われた運命よ。
何故そこまで李に仇をなす。
俺たちが何をしたというのだ。
俺たちは不幸であり続けねばならないのか。
ソウイウモノだとでもいうのか。巫山戯るな。
畜生、畜生、畜生め。
いや、まだだ。
俺はそれを覆す。
何があっても、何をしても。
必ずそれを成し遂げる。
必ずだ。
見ていろ、必ずだ。
俺の楔はまだここに刺さっている。
この国の最も尊きこの場所に。
見ていろ。運命よ。
俺は必ずこの地位を守り抜く。
劉髆を守り抜く。
妹のためにも。
2.十日間の関係(連載中)
①あらすじ
帰宅した樹は成彰の遺書をみつけ、夜の海に向かう。
遺書って書いちゃったけどまあいいや。
②書いた経緯
テーマは『恋愛感情じゃなくても誰かと一緒にいたい気持ちは存在しうる』。この話は性別以外はBLじゃないんだけど、NLにすると異性は友人になるかみたいな面倒くさい論点に引っ張られるからBLにした。違うんだよ。俺がいいたいのはむしろ恋愛の否定なんだ。そんなわけで二人とも他人と恋愛関係になれない人たち。
この話は前後編になっていて、最初は前半の樹Verだけだったんだけど、公募用に後半の成彰Verを追加。当初のきっかけは忘れたけれど多分ミニコン用と思う。初稿はもっと好き勝手書いてて、成彰はえーと、今は催眠療法的に書いているけれど、もともとは地球の海に落下した高次元生命体に自殺した成彰が体を明け渡し、それで再構築する話だから極端にSFの話なんだが過疎ジャンル過ぎるので普通のコンに出そうと今の構成にして、エロを最後に微妙に追加した。
そんなわけでこの話は元々エロ必須じゃないのでNoteではエロなしにする予定だったんだけど、定期更新撤退に伴い終了。他の所でもともと書いていたのをNoteの構成で修正して完結させる予定。
③BでLな人の属性
この2人は方向性は違うけど同じ悩みを持っている。
樺島成彰(攻):世界の受容が少々人と異なるアスペの画家。人との距離感がつかめず選択ボッチな暮らしをしていた。
浅井樹(受?):文芸系出版会社の美人社員で、アセクでアロマだから多対関係が面倒くさくて友人を恋人ということにしていた。
④描いた絵
Note表紙。全身Verもあるんだが足が納得いかない。

もとの表紙

前半の表紙

後半の表紙。絵で描くとこうなる。

⑤一部紹介
電車は地面より橋梁上の方がよく揺れ、鉄橋の凹凸がもたらす振動がガタリと体に伝わる。目の前を過ぎる鉄のフレームがまるで映画のフィルムのようにカタカタと過ぎ去っていくのを眺めるうち、その向こうで流れる波の反射はやけに作り物のように、色褪せて非現実的に見えた。遠くの世界の、まるで全てが遠く過ぎ去った残滓であるかのように。
ああ、樺島は死んでしまったんだ。
唐突にそう感じた。
あの書き置き。あれこそが樺島の真実だ。ビィは色々と言っていたけれど、あの現実に移された行為と意思こそが樺島の真実。樺島は死ぬのをやめるつもりはなかった。けど、何かの奇跡で今、樺島は息をしている。ただ、それだけだ。
死んだ。
樺島は死んだ。
そう感じた。自然に。
いつのまにか握りしめたつり革には力が籠もっていた。
あの海の冷たさこそが、樺島にとっての真実だった。
昨日触れた樺島の体温は、既に失われたはずの体温だ。
死。
車窓から海が見えなくなっても、ずっと海の方向を眺めていた。もし魂というものがあるのなら、一度死んだ樺島の魂はきっとすでにあの海に沈んでいる。そう思えた。
3.遠くて近い(長編版連載中)
①あらすじ(連載版)
通り魔に襲われ後遺症で相貌失認となった叶人は夜の街で男を漁るようになる。それを知った真尋は叶人の後をつけ、初めて会ったふりをして関係を持つ。
②書いた経緯
長編の中心テーマは『人格の破壊を伴う解放と過渡期的依存』。
もともとはBLOVEの短編コンで締め切り1時間前に大急ぎで書き始めた(僕の公募はだいたいこのパターン)ら準GPをもらったので長編化してみた。
名前違いも含めてVerが5つくらいあって、テーマの深度にあわせて精神が崩壊しかかってるようなエロ本から賞狙いの病みプラトニックなやつもあるけど、僕としては一番病んだ奴をメインに考えてる(もともと公募用に書いてるけど通るとは思っていない)。
③BでLな人の属性
高輪叶人:天才的な腫瘍内科専門医。相貌失認と右上肢麻痺と味覚喪失によって自己の完全性を喪失し、良き人であらねばならないという呪いから解放されて初めて自己の魂を認識する。
三蓼真尋:放射線技師。離人症的に曖昧な現実感を抱えて生きていたが、病院の屋上で煙草を吸う叶人に喪失の幻想を覚え、自己の存在を取り戻すために叶人に傾倒していく。
久我山奏汰:叶人の後輩として昔から叶人の幸福を願っていた。この話の役割はメンター。
④描いた絵
短編の表紙。短編版では叶人は数学科院生で、真尋は理学共通過程の学生。

長編Ver2と4の表紙

非エロのVer3の表紙

⑤一部紹介(青姦立ちバック中なのに全然エロくないな)
「神様、私はうまくできているでしょうか」
その声はとても澄んで綺麗だった。
うまく?
何が、うまく。
そんなことはわかりきっている。心がそう感じた。けれども何がわかっているのか、俺の頭はちっとも理解できていなかった。高輪叶人の冷たく震える左手が俺の左手首に触れ、その喉元に導く。何を?
「は、は」
奇妙な長い息の間に漏れる断続的な笑いのような音は、左手に力を込めれば止まった。その手の中は暖かかった。
俺はそれからどうしたのだろう。頭の何処かでひゅうひゅうと漏れる息の音を聞く。ガクガクと揺れる体を感じる。そこから先の記憶は唐突に途切れ、気がついた時には真っ暗な闇の中で身動きをしない高輪叶人を抱きしめていた。慌ててその口元に手をあてれば、わずかに湿る。よかった。生きている。
「よかった? 何が……何が良かったって言うんだよ!」
ぐちゃぐちゃの頭はようやく俺が何をしたのか理解した。逃げるように空を見上げれば木々の影の間に月が昇っていた。
4.歯骨&トロンプ・ルイユ(完結・たまに短編追加)
短編は色々あるけど、noteにあるのはこの間書いたこれだけか。
①あらすじ
両方とも果ての青っていうミステリのシリーズキャラで、果青は夜道ちゃんが死ぬところから始まるんだけど、キャラにそれぞれ単独の話がある。
②書いた経緯
両方ともエロBLをかけというリクエストで書いた。だからプロローグからわかりやすくエロ。リクエストは気が付けば適宜受け付けます。
歯骨はお互い狂気的にフェチが合致してる短編連作。恋愛のVer2では狂ったようにいちゃついてるけど、ホラーのVer1ではちょっと昂じてデスエンド。現在の神津の世界線はVer2。Ver1は大岳がいない世界線なので名前を変える予定。
トロンプは自我がないところから恋愛(というより対人)概念を作る話。彼らのは恋愛じゃなくて吊橋効果とパブロフの条件付けじゃないかと思う。
③BでLな人の属性
久我山奏汰:骨フェチ。もともとは幼馴染の大岳と夜道の骨格に惚れてて大岳に一方的にいちゃついていたけれど、運命的に好みの骨をお持ちの周を鹵獲する。基本的に体が気持ちよければ幸せは否定できないというNLでやったらいかん頭をお持ちだけれど、相手の幸福度重視で嫌われないよう絶妙なバランスで迫る。もともとバイな攻だったんだけど、周が絶許なので最近受でもいいんじゃないかと思い始めている。
麻井周:歯フェチ。ヘテロだが性別より歯が好き。奏汰は女顔なのでなるべく体を見ないようにして自分をごまかしている。歯しかみてない。押しに弱い自覚はあって奏汰は正直友人ならいい奴だけど、恋愛関係なら鬱陶しいと思っている。
西園寺啓介:老舗製薬会社の西園寺商会の先代(父)が急死し、急遽の代替わりで途方に暮れていたところを秘書をしていた片桐の力で窮地を乗り切り、いつのまにか惹かれていた。
片桐紫苑:大岳の義兄で母方の姓を受け継いでいる。いろいろあって(複雑)先代に啓介のことを頼まれていたので支えていたが、啓介に告白されてひょっとして自分も啓介のことを好きなんじゃないかと勘違いする。
④描いた絵
短編用の表紙。

歯骨の短編連作用表紙

短編3つ目イメージイラスト

奏汰さん。

いちゃついた感じ

トロンプ表紙

いちゃついてる感じ

3等身的

⑤一部紹介 この2つは中身の半分以上エロだから引用可能部分が少ない。
「トロンプ・ルイユ」
「トロンプ?」
「精緻に描かれた騙し絵のことだよ。片桐は本物と見分けがつかないくらい頑張って装ってるんだから、私としてはそっとしておいてあげてほしい」
「装う?」
「そう。そうやって外側を装って精神を安定させている。そうしないと何が何だかわからなくなる。前はうちで『仕事に生きる片桐』をしていた。今はあんたが気に入ってるようだから、そうだな『あんたに好かれている片桐』になりたがってるようにみえる。それが良いことだと認識しているから、そういうふうに装っている。その結果、片桐の症状は安定している」
「それは……。でも装わなくても本当に好きだから、俺は中身を幸せにしたいんです」
「中身がないから装ってるんだよ。まぁでも、ひょっとしたら今はあんたが好きっていう中身ができたのかもな」
俺が好きという中身。
それがあるなら、外装ではなくその中身を抱きしめたい。
5.ノーマルエンドは趣味じゃない(連載中)
関連する話が1つもないな。これは基本は超長編のハイファなんだけど、性別以前にいろんなことを気にしないので無意味にBLが生じている。
①あらすじ
私(女)が前世を思い出したのは残念王子とのノーマルエンド。そんなの絶許。世界は未だ続いていて、だから私はやり直す。ダンジョンはまだ攻略されていないのだから!
②書く事になった経緯
テーマは『異世界転生崩し』。基礎はすごくメタな話。
これも頓狂な話でアイリスの女性異世界主人公用に書いたんだけど、主人公を無個性モブにしたから絶対どこの賞も通らないやつなんだ。だから男主人公にしてキャラの性別を変えて書き直そうとも思ったんだけど、この話とキャラは多分僕の話のなかで上位3には気に入ってて、新しく書き直す気になれない。性別どころか色々超越したキャラばかりだ。
③BでLな人の属性
魔王ミフネ・グローリーフィア:このキャラは僕の全部の話の中で一番気に入っている。転生前は主人公の友人(肉体性別は女のノンバイナリ)で、魔王(とりあえず男の体)に転生する。性別転換したのに何の興味もない。武人。
魔人ヘイグリッド:この人も極端な武人なんだけどこの話のメタな呪いでお姉言葉になっている。強者を食べて血肉にする。
賢者ソルタン・デ・リーデル(エステレラ):この人がどうイカレてるかは説明が難しい。
魔族王ブロディアベル:俺様ハーレム体質だけど本質は同化だからハーレム増やしても全部自分になるだけっていう刺激を求める家を守りたい人。
④描いた絵
集合。真ん中あたりの角つきが魔王でその右隣がヘイグリッドさん。妖精挟んだ2つ右の帽子がブロディ。吹き出しのある主人公のすぐ左がソルタン。

ヘイグリッドさんと魔剣グリアーイオ。

ソルタン。草木が生えてる。

ブロディ。カラー苦手。

ファンタジーにも地図があるよ!

⑤一部紹介
「……ちょっと、意味が、わかんない」
「悪ぃな。俺は刀より、徒手の方が、得意なんだよ、本当は」
ハァハァと荒い息は俺の口からも漏れ続けていた。
「グリアーイオを手放したのに! 何、なんですかぁ!」
「いやぁまさかお前が、剣をブラフに使うとは、思わなかった」
「本っ当に嫌だったんですからね! はぁ。一体どうしたらミフネちゃんに勝てるんですかぁ」
やっぱりいいな。なんだか素の俺に戻ってる気がする。
素の俺か。なんだかんだ魔王というフィルターが俺にかかっている。俺をそのフィルターを通さないで見ているのは今の所ヘイグリットだけだ。まあそれが俺を殺したいとかいうなんだかよくわからない目的によるものだとしても、それはそれで気分がいい。楽しい。なんだか友達みたいだ。
前世のあいつらのことが思い浮かぶな。あいつらは真に俺のことをどうでもいいと思ってた。
「ミフネちゃん、ヒント! ヒント下さい!」
「ヒント? うーん、お前、何のために剣を握ってる」
「何のため? ええと、ミフネちゃんを殺すため?」
「その目的のために必要なことだけを考えろ」
「必要なこと? うぅん」
ヘイグリットは転がったまましばらくぶつくさ呟いてからひょいと立ち上がり、きちんと礼をしてから奥に茶をいれに向かう。
いつしか景色はもとの桜の舞い散る小さな庭と縁側に戻っていた。
6.リアムとザイン(休載中)
近未来SF。エロなし。
①あらすじ
目を開ければリアムと名乗る白人の男子がいて、俺のことをザインと呼ぶ。リアムは俺の飼主で、自分はペットであるそうだ。ペットである俺は人間としての記憶を消されている。
②書いた経緯
テーマは『人間性という幻想』。
書き始めたのが多分DomSubが流行ってたころで(今もかはわからんが)こうなった。バースは全部よくわからん。個人の性癖が一般化しただけじゃないんです? と思ったので制度的にやってみた。
この話は犬とかペットとか出てくるけどその間にエロい概念の全くない話で、階級差として自然と受け入れられている世界の話。人間とペットのエロは獣姦で気持ち悪いと道徳的に忌避される。ペット側も認識阻害されて飼主以外とは意思疎通できなくなっている。
ちなみに別にペットだからといって支配されたいわけでもなく、そこは社会受容性と個性によるんだろう。階級が人と人外でわかれるだけで体組成的には全く変わらないので差別の極みといえば極みなんだけど、これをNLでやると支障があるのでBLになってる。
③BでLな人の属性
キャラ同士の愛憎はあるものの、社会派的な話で認識阻害なミステリ部分もあるので書かないでおく。
④描いた絵

アドリアンとリアムとザインとラファエロの関係

⑤一部紹介
「リアムから3メートル以上離れない。キゾル以外の『ペット』とは話さない。リアムの指示に従う」
俺の答えにリアムは頷く。
「そう、それが決まり。他の飼主はもっと厳しい制限をかけるけど、ザインは賢いから大丈夫」
これを破れば、また首輪が締まる。その事実は俺を萎縮させた。
「例えばもし、俺がさらわれたりしたら?」
「そんなことはありえないよ。この設定は全ての首輪についていて、だから『ペット』を盗めば『ペット』が死んでしまうことは皆知っている。誰も僕からザインを盗もうとは考えないよ」
盗む……。その当然のようにリアムから出る、まるで物を扱うような言葉にはやはり慣れなかった。
何故慣れないのだろうと考えれば、リアムが時折、俺を人のように扱うことも理由の一つだろう。例えば俺には部屋でコップで水を飲むことやリアムと同じ皿から菓子をとることが許されている。そして時折、リアムは俺に机の上の紙をとって欲しいなど簡単な頼み事をする。キゾルなどを見ていても、普通の『ペット』はただただ『飼主』に世話をされるだけで、『飼主』は戯れ以外に『ペット』に何かをさせたりはしない。
その中途半端な対応が、俺をますます混乱させ、俺自身が『ペット』であると認識する妨げになっているのだろうことを、リアムは気がついているのだろうか。
7.実直な牧師と朗らかな死者のその長い夜が明けるまで(休載中)
明治時代。エロなし。
①あらすじ
端照島の本島教会で、死んだはずの勝矢滿治郎は蘇る。滿次郎は発見された時、首と体が轢断されていたものだから、仮死状態のはずもない。 クロエは頭を抱えながら、それでも滿次郎を教会の奥に匿い、細々と生活を始める。
②書いた経緯
テーマは『宗教的コンフリクト』。
なんかのコンがきっかけだったかもしれないが、外国資本で炭田を掘ってた時代なので書きたくて。ゾンビとかかいてるけどわりと真面目に史実と宗教マターのファンタジーな話かもしれない。関係を禁忌にするためにBL。
キリスト教的に死者の蘇りは悪魔のしわざで禁忌だが、実際に何の罪もない満次郎がキリスト教ではない理屈で蘇って来る。クロエはトロンハイム生まれでヴァイキング王オラル・フラルドソンの末で岩倉具視使節団がストックホルムに来たのを縁で日本にわたってきたから通常のキリスト教とは少し異なる。持衰がいたりベースはケルトで円卓物語やマビノギオンを引いたりするからかなり宗教的に混迷した話。
③BでLな人の属性
クロエ:牧師、当然ソドムは禁忌。
滿治郎:無邪気で日本人的宗教感の炭鉱夫。
④描いた絵

ハロウィンイラストのエルリン、ドルイドの司祭。

⑤一部紹介
牧師クロエ・マクダーモットは自らの信じるものと自らの愛する者の狭間にぎゅうぎゅうに押し込められていた。何度も自問をしていて、それでも結論が出ない問題だった。
「それでも、死人は蘇ってはならないのです」
クロエの教義はそのように告げる。
神々が最終戦争で悪を打倒した時、最後の審判に備えて全ての死者は蘇り、永遠の命を与えられる者と地獄に堕ちる者を分け隔てる。その時には魂と体の双方が必要なのだ。
死後に体が変質すれば審判が受けられない。天国への道は閉ざされてしまう。それを防ぐ為にはその者の死は静謐に保たれなければならない。これ以上の変質がもたらされないためには、その動きの源となる心臓を止めるしかない。そして時間が無限にあるとも思えなかった。
「ちゃんと死んで、全ての祝福とともに再び天国で巡り会いましょう」
「先生、わいは先生のおっしゃることはようわからんけん、先生の思う通りにして下さんせ」
クロエはその言葉に天でも落ちたかのような悲壮な表情を浮かべ、教会の冷たい寝台に大人しく横たわる勝矢滿四郎の胸に木杭を当てた。そしてひと想いにハンマーをその上に振り下ろそうとして、逡巡した。何故ならその木杭を支える左拳の小指側の側面、つまり滿四郎の胸に接した部分で、確かに心臓がトクリと波打つ振動を感じたからだ。
「先生。わいも死んだら先生にまた会いたいんや」
クロエがその声に釣られ、見ないようにしていた滿四郎の顔に目を向ければ、滿四郎は戸惑い気味に僅かに微笑んでいた。いつも通りの人懐っこい微笑みだ。滿四郎はクロエのような西洋人と較べると小柄で、子どものようにしか思われない。その美しいつややかな黒色の短髪と月明かりを反射して優しさを満たす黒い瞳は、クロエにとっては悪しきものどころか罪穢れがないかのように見えるのだ。
ご紹介頂きました~。
どうやったら次回を覚えていられるのか……?
新しい話を思いついたら書き始めてもとのが休載になりがちですが、一応全部完結する予定です~。
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