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きっかけは、点数でいい。——調剤時残薬調整加算と、疑義照会のこれから

前回の記事に、ある先生から返信をいただきました。

「調剤時残薬調整加算がはじまるからこそ、この疑義照会アプリは重要だと思う」と。

正直、はっとしました。これは薬局側の調剤報酬の話で、僕を含め、ふつう医師はほとんど気にも留めない領域です。なのにこの先生は、薬局側の改定の動きまで見て、その意味を語ってくれた。

医師でありながら、薬剤師さんの世界にちゃんと目を向けている。——前回書いた「わかってくれる先生」とは、まさにこういう人のことだと思いました。

2026年改定で新設された「調剤時残薬調整加算」

簡単に説明します。

2026年度の調剤報酬改定で、残薬対策を評価する加算が新しくできました。調剤時残薬調整加算。患者さんの残薬を確認した薬剤師が、処方医に照会して日数や量を調整したとき、50点または30点が算定できる。これまで一括りだった「重複投薬・相互作用等防止加算」は廃止され、残薬への対応が独立して評価される体系になりました。

つまり国は、お金をつけてまで「残薬の調整=薬局と医師の連携」を進めたい、ということです。

「点数のため」でいいのか?

ここで、こう思う人がいるはずです。「結局、加算が取れるから連携するんでしょ。点数誘導じゃないか」と。

否定しません。きっかけが点数なのは、事実かもしれない。

でも僕は、きっかけは何だっていいと思っています。

この加算が、本当に求めているもの

大事なのは、加算の"中身"です。

この加算は、ただ日数を引き算すれば取れるものではありません。求められているのは——「なぜ、残薬が生じたのか」

飲み忘れたのか。副作用がつらくて自分で減らしたのか。介護する家族の状況が変わったのか。生活のどこかに、必ず理由がある。それを薬剤師が読み解き、医師に素早く伝える。
これは前回書いたWET情報——処方箋(DRY)には絶対に書かれていない、患者さんの生活の文脈そのものです。

しかもこの加算は、調整した理由や内容を原則「翌営業日まで」に医師へ伝えることまで求めている。皮肉でも何でもなく、対人業務の核心に、ようやくお金がついたんです。

だから、出会いのきっかけでいい

残薬の理由を伝えたい薬剤師さん。それを面倒がらずに受け止めて、素早く返事をする医師。——この連携が、患者さんを待たせない。

ただ、電話だとこの"素早く"が難しい。だからLINEのテキストで、非同期に。相手の手を止めず、手が空いたときにひとことで返せる。相手の時間を奪わないこと自体が、ひとつの敬意だと思っています。

加算をきっかけに、いい先生と、いい薬局が出会う。一度つながってしまえば、点数があろうがなかろうが、「ここは患者のために動いてくれる」という信頼だけが残ります。

きっかけは、点数。残るのは、信頼。

それでいいと、僕は思っています。



※本サービスは薬局と医療機関の連絡を補助するコミュニケーションツールであり、診断・治療を行う医療機器(SaMD)ではありません。連絡は薬局からの発信のみで運用しています。緊急を要する疑義照会は、従来どおりお電話でお願いします。


  


今日はここまで



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