デジタルで働き方をアップデート② ~閉鎖的な組織文化を打破する情報共有のコツ~
▶︎はじめに
「デジタルで働き方をアップデート」の2回目のテーマは、閉鎖的な組織文化に潜む「コソコソ主義」「忖度文化」からの脱却するために必要な「情報共有」の重要性と、情報共有するためのデジタルツールの正しい使い方について書きます。
▶︎なんとかしたい「コソコソ主義」
閉鎖的な組織文化で働く社員にありがちな行動を「コソコソ主義」と言います。具体的な例を挙げると、「重要なプロジェクトの進捗が上司に伝わらず、納期に間に合わなかった」「部署間の連携が不十分で、同じ作業を重複して行ってしまうことがよくある」「優秀な社員が情報を独占して、他の社員の成長を妨げてしまう」という事です。皆さんの職場ではこんな「コソコソ主義」が蔓延していませんか?
沢渡あまねさんの著書「コミュニケーションの問題地図」の中でも、以下の様な具体的な例で言及されています。
その場にいる人にしか情報が共有されない(井戸端ベース)
決定事項や重要事項が噂話でしか伝わってこない。
具体的には、ある特定の人が自分の存在感を示したいがために情報を抱え込こんだり、タバコ部屋に代表される閉鎖的な空間でしか情報共有されないとことを指します。
▶︎なんとかしたい「忖度文化」
閉鎖的な組織文化にありがちな行動様式のもう一つに「忖度文化」があります。具体的な例を挙げると、「上司の意見に反対すると評価が下がる」「新しいアイデアや提案を出すと面倒なことになる」「自分の考えを言わないと、上司が勝手に決めてしまう」などです。
沢渡あまねさんの著書「コミュニケーションの問題地図」の中では、以下の様な具体的な例で言及されています。
役職者や社歴が長い人の発言は絶対。
「会議で観点が違う発言をすると年長者にダメ出しされる」「先輩の言うことは絶対という空気が流れ、会議で誰も発言しない」というシーン、経験されたことありませんか?
彼らが心地良いやりかたに合わせろ。
これも良くありますね。「チャットやメールを送ったのに返事がなく対面で伝えるように言われる」や「いちいち逐次報告しなければいけない。口頭で」というシーンです。
▶閉鎖的な組織文化がもたらす弊害
このような閉鎖的な組織文化は、どのような弊害をもたらすのでしょう?
コミュニケーション・コストの垂れ流し
能力や意欲を持った人が発言する機会を失いモチベーションの低下
意思決定のスピードや質の低下
全ての情報を社員全員で共有する必要はありませんが、チームで行う業務やプロジェクトに関する情報は、原則「関係者全員に対してオープンであるべき」かつ「できる限り早く共有すべき」です。また「プロジェクトの成否やメンバーのモチベーションの維持」は、情報共有が行われているかどうか、に依存するといっても過言ではありません。
出典、参考「コミュニケーションの問題地図」(著 沢渡あまねさん)
▶︎デジタルツールで情報共有!
閉鎖的な組織文化を打破し、風通しの良いオープンな組織文化へと変えるためにはどうしたら良いのでしょうか?
情シス部門ができることは、「デジタルツールの活用」です。TeamsやSlackなどのビジネスチャットやコラボレーションツールを導入・定着させることで、生産性を上げながら組織文化を変えることができます。
それではビジネスチャットやコラボレーションツールの具体的な利用シーンと効果を見てみましょう。
1.テレワークやフレックスタイムでの勤務が容易になり、社員のワークライフバランスや生産性が向上する
2.チームやチャネルで情報を共有することで、業務の進捗や状況がリアルタイムで把握できる
3.メンションやスタンプでリアクションすることで、チーム内のコミュニケーションの質やスピードが高まる
4.ファイルをチームに置くことで、ファイルの管理や検索が簡単になる
いかがですか?それでも従来の仕事の仕方に固執しますか?
▶︎ガイドラインの重要性
折角導入したビジネスチャット、実は定着させるのは簡単ではありません。最初は一部のITリテラシーが高い従業員だけ使うツールになりがちです。従業員全員に正しく使ってもらうには、業務で使用するツールであることを宣言し、正しい使い方を「ガイドライン」にまとめて定着させることが重要なのです。
情シス部門は、「導入したら終わり」ではなく、このルール作りと定着のための普及活動やサポートを怠ってはいけないのです。
以下にガイドラインの一例を紹介します
■脱メール
社内の仕事に関するやり取りは全てチーム(うちの会社の場合はMicrosoft Teamsのチーム)に統一する事
■社外メールはチームに共有
社外からのメールを社内に展開する時は、「メール転送」ではなく「チームに共有」する事
■個人チャットは原則禁止
チームを使う報連相だけでなく業務や仕事に関する指示や確認、ファイルの共有やレビューなどは、チーム(チャネル)を使用すること。個人チャットは使用しない
▶社内勉強会でのフォローが大事
チームでメッセージをやり取りする際の最低限のルールがあるのでこれを覚えておかないと、いざ社外の人とビジネスチャットでやり取りする時に恥ずかしい思いをしてしまいます。このような使い方については、社内勉強会を通じて定着を図っていくとよいでしょう。
以下に、社内勉強会でやった事を抜粋して紹介します。細かい使い方のルールやTIPS的な技を紹介しています。
【其の壱】 必ずメンション(@)
【其の弐】 シンプルに結論を2-3行で
【其の参】 書式を使って伝わりやすく
【其の四】 スタンプでリアクションする
【其の伍】 ファイルは置き場を決めてリンクで共有
まずはビジネスチャットの間違った使い方(イケてない例)をご紹介

【其の壱】 必ずメンション(@)
チームやチャネルなど複数の人が集まる場でメッセージを送る時は「誰に対してのメッセージなのか」を明確にしないと見過ごされてしまいます。メールのToとCCと同じ意味がありますが、それ以上に「通知される=あなたに見てほしい」という重要なメッセージが込められています。
【其の弐】 シンプルに結論を2-3行で
田中部長殿
お疲れ様です。総務部の山本です。いつもお世話になっています。
ビジネスチャットの世界では上記のメールのマナーは不要です。
もちろんメンション後の役職名や殿も不要ですし失礼にあたりません。
あと、メールのようにお願いなのか質問なのか、相談なのか、催促なのかがわからない文章をダラダラと書かれても相手は困ります。タイトルに書くか、結論を3行以内で先頭に書くように心がけると良いでしょう。
【其の参】 書式を使って伝わりやすく
①強調する時は太字 ②さらに強調したい時は赤字や蛍光ペン ③相手のメッセージの一部に対する返信は引用を使い ④スタンプで感情を表現 ⑤箇条書きで読みやすく表現 この5つだけでもいいので覚えて使って下さい

【其の四】 スタンプでリアクションする
ビジネスチャットは、チームやプロジェクトのコミュニケーションを円滑にします。特に報告などで使う時には、報告された人は必ず反応しましょう。「反応がない=スルー」ですよ!

【其の伍】 ファイルは置き場を決めてリンクで共有
チームに置くとファイルが探せない!という声をよく聞きますが、それは誤解です。チームにはファイル管理機能があり、そこでファイルサーバと同じようにフォルダを作って管理できるのです。投稿画面にファイルをアップロードしてしまうと全て「ファイル直下のフォルダ」に入ってしまうため、先にファイルを指定のフォルダに入れてからそのリンクを共有する手順で投稿画面で共有するようにしましょうね。


いかがでしたか?ツールを導入しただけでは、閉鎖的な組織文化やコソコソ主義はなくなりません。推進する情シスの方は、勉強会を開催してこういった内容を直接伝える場を設けるなどして、定着するまで粘り強く対応する事が必要だと思います。
