【島総①魚#02】 魚と名所で勝負だ!島の魅力プレゼンバトル、開幕!/vol.2 おさかな天国編 離島の総合的な学習①
前回は、島に着いて間もなく、5・6年生6人の子どもたちと一緒に島内を歩き回り、フィールドワークに出かけました。 見つけたものや気づいたことをデジカメで記録しながら、島の姿を自分たちの目で確かめる活動でした。 活動の必然性の中で機器の使い方もマスターしていきました。
前回までのお話👇
※2002年度(平成14年度)1学期(4月〜7月)、離島勤務1年目の「総合的な学習の時間」の記録です。 ※本文中の地名・固有名詞・氏名などは一部仮名にしています。
私が勤務する島はこんなところでした。👇👇
1.“調べて終わり”じゃない──「誰かに伝える」が学びを深める
フィールドワークを終えたあと、私たちは次のステップへと進むことにしました。 ただ調べて終わりではなく、「見つけたことを誰かに伝える」という視点を持つと、子どもたちの学びはまったく違うものになります。 調べた内容をどう整理し、どのような形で、どんな言葉で伝えるのか──それを考えることで、活動の質が大きく変わっていくのです。
とはいえ、誰に伝えるのかという“相手”の設定はとても重要です。 離島という環境では、子どもたちが出会う人は限られています。 家族や島の人たちは、いつも顔を合わせている身近な存在であり、改めて島のことを紹介する相手としては少し違うように感じられました。 先生方に伝えるというのも悪くはありませんが、やはり身近すぎて今ひとつ意欲が高まりません。 かといって、まったく知らない人を相手にするとハードルが高く、子どもたちの関心が続かないかもしれません。
そこで私が選んだのは、月に一度学校に来るALT(外国語指導助手)のジョナサン先生(仮名)でした。 イングランド出身の20代の先生で、昼休みに一緒にサッカーをするなど子どもたちとの距離も近く、適度な緊張感と意欲を引き出せるのにちょうどよい相手です。 この「誰かに伝える」という意識が、次の活動の原動力となっていきました。
2.相手の顔を思い浮かべて──島の魅力を見つけるフィールドワークへ
まず取り組んだのは、「青波島(仮名)のよいところ」をウエビングマップに書き出すことでした。 子どもたちは、島の名所や自然、特産品など、フィールドワークで見つけた情報をどんどん広げていきます。
やがて話し合いの結果、二つのチームが誕生しました。 ひとつは島内のおすすめスポットを紹介する「名所班」、もうひとつは島でとれる魚介類を紹介する「魚班」です(それぞれ3名ずつ)。
このとき大切にしたのが、「ジョナサン先生に何を紹介したいか?」という相手意識でした。 調査に出るときには、気づいたことを書き留める調査カード(ワークシート)を持たせ、思いつきではなく根拠をもって話せるように準備を進めました。

実際のフィールドワークでは、ただ写真を撮るだけでは終わりません。 名所班は町会長さんのもとを訪ねて話を聞き、魚班は漁協の組合長さんにインタビューを行いました。 少人数で、交通事故の心配もなく、学校から歩いてすぐに調査地へ行ける──離島ならではの条件がフィールドワークを後押ししてくれました。
3.1枚のスライドに込める工夫──子どもたちが見つけた表現の力
調査を終えると、次は集めた情報の整理です。 班ごとに話し合いを重ね、どのような流れで紹介していくのか、どんな順番で話すのかを決めていきました。 写真の使い方やキャッチコピーの表現など、子どもたちの間では熱い議論が繰り広げられました。
この過程そのものが、情報を整理し、伝わる形に変えるという大切な学びになります。 それは、プレゼンづくりという実践的な力にも直結しました。
さらに、1枚ごとのスライドを想定して、イラストや文字の配置、工夫したい点などをワークシートに記入しました。 パソコンでプレゼン資料を作るのは全員が初めての経験でしたが、事前に構想を描いておくことで不安が軽減され、作業もスムーズに進みました。
また、英語が母語のジョナサン先生に向けて、教師のアドバイスのもと,ところどころに英語表記を入れる工夫も加えました。 “伝える相手”を具体的に思い浮かべながら作る資料は、単なるスライド以上の意味を持つものになっていきました。
4.緊張と笑顔のステージ──“伝える喜び”が子どもたちを成長させる
7月、いよいよジョナサン先生が来校する日がやってきました。 午後の総合的な学習の時間、2つの班がそれぞれのプレゼンテーションを披露します。
発表に使用したデジタルボード導入の経緯はこちら👇👇
子どもたちは少し緊張した様子でしたが、新しく導入されたデジタルボード(※ICT編4参照)の前で、一生懸命に島のことを伝えようとしていました。 お互いの班もよきライバルとして刺激し合い、発表会は熱を帯びていきます。 ジョナサン先生も、時折身を乗り出して聞き入り、積極的に質問を投げかけてくれました。

この経験を通して、子どもたちはデジタルカメラの使い方やパソコンでの資料作成といった技術だけでなく、「誰かに伝える」ことを意識したプレゼンテーションの力を身につけました。 そして、“調べて終わり”ではない学びの面白さを、体験を通して実感したのです。
▶ 離島の総合的な学習の時間①#03へ続く👇👇
今回の解説編02はこちら👇👇
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