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離島の暮らし【子供会の魚釣り】1

夏休みも何日か過ぎて

朝早くまだ夜が明けきらないうちに
島の西地区の子供が漁協のコンクリートの岸壁に集まり出す

今になって
この島の子供に
「おはよう」と挨拶する習慣が無かった事に気づく

ワラワラ集まり出していきなり話し始める

「お前は誰の船に乗る?」とか
「ここにいれば良いんだよな」とか
もちろん方言で

今日は子供会の魚釣りだ(いおつりと発音する)

中学生の兄さん何人かがそれぞれリーダーで
エンジン付きの漁船(本船)で近所のオッさんが
伝馬と呼ばれる小舟を数隻繋いで
釣り場まで引っ張ってくれる

女子は中学生の姉さんの指示で
真砂の浜に出向き天草をとり
心太を作る

いよいよ全員集まって
リーダーが班分けをした後
伝馬に自分のチームを誘導する

2〜3人のグループだ

「じゃあ行くよ」リーダーの中でも
特に影響力のある兄さんが先導して
それぞれの伝馬に乗り込んだ

本船の後ろにまわり
ロープで一隻目を繋ぐ
1隻目の後ろに2隻目、3隻目…
順次繋いで行く

本船のオッさんが「よかか〜?」と声をかけて
それぞれの伝馬から「よかよ〜」と返事が来たら
出発だ  ブロロロ〜! 本船がうなる

何隻も繋いでいるのでさすがに進まんな

風が気持ちいい

出発の頃になると夜が明けていて
大きな岩を積み上げて造られた
西波止、東波止が良く見えている
港からその間を通って沖に向かう

波止の間を抜けて右に旋回して
右に見える真砂の浜の先端を回り込んで
島の裏手の観音崎を目指す

左手の遠くに本島の大きな山が見える
本島と自分の島の間が海峡になっているので

真砂の浜の沖は潮流が早く
潮の満ち引きで流れる方向がかわる
魯漕ぎでは到底乗り越えられない

島方向に流されるならまだしも
反対の沖に流されたら戻る事ができない

船が真砂の浜の先端
形のいい松の木を右手に見て進んでいく
この移動も凄く楽しい

小さな島だ
小1時間くらいの航行で島裏まで到着する

観音崎沖に着いた
「もう少し引っ張ってもらいたかったなぁ」
と思いながら
本船から切り離して
魯漕ぎでそれぞれ思った場所に錨を下ろし
手釣りの釣り糸を海底に向かって落とす

底に付いたら
エサが海底から10〜20センチくらい浮き上がるように釣り糸を少し上げてアタリを待つ

祖父さんに教わった釣り方だ

エサが海底から離れたらすぐ
ゴツゴツ  !!アタリが来た

指をしゃくって合わせる シュッ!
ブルッブルブル
かかった!

右手左手を交互に動かして釣り糸を手繰る

バシャバシャ!

アラカブだw

海底の状態でかかる魚が変わる
今この下は岩場なんだろう

ふるさとの海では釣り糸を垂らすとすぐ
アタリがあるのが当たり前で
釣れない日はない

アタリが遠のいたら場所を変える

中学生のリーダーが
「上げろよ」と言ったら場所変えだ
私が乗っている伝馬のリーダーは

中学生の中でも運動ができて
足も早く毎回リレーのときはアンカーを勤め
かなり離されていてもゴボウ抜き
トップでゴールする

島の子供の間ではヒーローだ

そのヒーローが班分けする時に
「ターボ行くぞ」と自分の伝馬に誘ってくれた

凄く嬉しくてもうそれだけで良かった

場所を変えてまた垂らすと
ゴツゴツ!すぐアタリが

しゃくって合わせる
シュッ!かからない

待つ…  …  …

ゴツゴツ!シュッ!
かかった!!

急いで手繰る
バシャバシャ
クサビだ
この下は砂地で所々に藻があるんだろう

クサビは見た目は色が派手で
気持ち悪いと言う人もいるが
(もちろん島の外の人)
これが刺身にしても味噌汁にしてもうまい

特に味噌汁は出汁が良く出て本当に美味しい
ここら辺ではアラカブの味噌汁が有名だが
私は断然クサビが好きだ

刺身は骨ごとぶつ切りにする背切り(せぎり)
と呼ばれる調理で
私は骨がましくて好きじゃない
普通に刺身がいい

ちなみに
アラカブはカサゴ
クサビはベラ

標準の呼び方なのかはわからないが
今住んでいるところではそう呼んでいる

ひとしきり釣っているうちに飽きてくる

そうなるとアレが途端に襲ってくる

船酔いだ
夢中になっている時は感じないが
飽きたり
する事が無くなると酔ってくる

自分で魯を漕いでいる時も酔わないが

いよいよ気持ち悪い「うぇっ」
船酔いは船を降りない限り治らない

どうしようもなくて
気持ち悪くて泣けてくる
いや、泣いてたw

中断する訳にはいかないからどうしようもなく
泣き続けて兄さんを困らせていた

そのうちいつの間にか寝ていた

帰る時間になり
また本船に繋いで帰路に着く

不思議と引っ張ってもらってる時は
平気なのだw

困らせてたからもう誘ってもらえないかなぁ
とか凹んでいたが
陸に上がったらすぐ忘れるのだw

船を降りてまた漁協に集まると
漁協のコンクリートの岸壁辺りの
恵比寿様が祀ってある土が残っている広場で
女子グループが薪を燃やして
天草を大きな釜で茹でている

なんか嬉しい気持ちになっていた
女房に迎えられた亭主ってこんな感じか?
みたいな心持ちだったような

マセたガキですw

まだする事が残っている
釣った魚を魚種ごとに仕分けして
地区の家庭に売りに行く

3匹250円とかだったかな?
その当時ではたぶん高かったと思う

まあ大人は子供会への寄付のつもりで
買ってくれていたんだろうな
今にして思えば

女子が作る心太ももちろん売って
子供会の資金にする

夏休みのうちに何回もない行事だったけど
本当に楽しかった

船酔い以外はw
また魚釣りシリーズを
気が向けば書こうと思っています。

ここまで長々とお付き合いいただき
ありがとうございました。

ねこターボ🐈

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