【AOE2DE】文明別メモ(16)古蜀
シリーズ第16弾。2025年5月リリースの三国志DLCで魏、呉とともに実装された新文明。「蜀漢」は、演義や吉川英治・横山光輝らの三国志では主人公としてなじみの深い劉備が最終的に割拠した益州(現在の四川省)、巴蜀を基盤とする地方政権。軍師の諸葛亮(孔明)も、格言やネットミームの他、様々な漫画化の題材にもなっている。
文明特性と基本戦術
「射手と攻囲の文明」。そもそも連弩兵(“諸葛”弩)を発明したのが孔明だという伝承がある。木牛流馬や妻の黄月英が作った機械など、メカに関する逸話も多い。AOE2の文明としては、木こりが追加の食料を生成するのが(アテナイ同様)全時代を通じて強力。射手関連のテクノロジーコスト削減や兵器の移動速度アップを活かしてマイクロ操作で勝ちたい。半面、近接攻撃力が貧弱なため接近戦を苦手とする。近接ユニットは肉壁と割り切って射手や兵器をしっかり出したいところ。
ユニークユニットと天敵
城から出るユニークユニットの白羽衛兵(60F15G)は敵ユニットの動きを一時的に遅くする歩兵。訓練時間は11秒、EL化コストは900F500G。デバフを与える安価な歩兵ということではオブヒに近い存在か。基礎防御力0/3。天敵は、射手。
兵器小屋からは弩兵戦車(65F90G。2025年8月アプデ以前は50F90G)を作成可能。戦車に乗った連弩兵と考えればよい。集中攻撃モード(連射)と弾幕モード(範囲攻撃)に切り替えが可能。数をためて多対多で輝くユニットだろう。基礎防御0/5のため射手に強く近接ユニットに弱い。長槍/白羽衛兵などを肉壁にしたい。精鋭化アップグレードは存在しない。射手鎧、繁殖(移動速度)、攻囲技術者(射程&攻撃力)等のアップグレードが有効。矢羽根系統は無関係。基礎射程6、最小射程1。
実装直後から「全文明で最弱のUU」と評価は散々だったが、6月のアップデートで移動速度、攻撃速度ともアップした。しかし即兵器小屋戦術で猛威をふるったためコストが上方修正される。
戦車
移動速度が上昇 0.8 → 0.9
攻撃間隔が減少 8 → 6.5
7/4追記: 上方修正をうけてRed Phosphoruが早速実戦投入。
NEW Red Phosphoru War Chariot!-T90Official
NEW Red Phosphoru War Chariots! (PART 2)-T90Official
食料と金で出せるため内政拡大に資源を振り向けやすいメリットがある。対策は領主全力斥候が有力。城主進化を急いで騎士等を出すのは策にハマるということらしい。
帝王の時代に劉備(500F500G)を作成可能。両手に双剣(雌雄一対の剣)を持った徒歩ユニット。HP425の他は近衛剣士のスペックに近い。曹操や孫堅と同じく1体限定の英雄ユニットで転向不可、周囲のユニットのHPを回復する(45/分)。
地域ユニット(魏呉蜀共通)
魏呉蜀の3文明は、黒光鎧騎兵、牽引投石機、楼船などの地域ユニットをもつ。このうち楼船については中国系の他文明と共通。
黒光鎧騎兵(65F65G)
騎士の代替となる騎乗ユニットで、3文明それぞれに強弱がある。基礎HP60/精鋭90と騎士系統(100/120/160)よりだいぶ低く、ステップランサー(60/EL80)の方に近い。しかし基礎防御力が4/3もあるため、射程ユニットに対しガンガン突っ込める。相手がこれを出していたら、長槍やラクダなどアンチユニットでもない限り正面からぶつかるのは避けたい。
蜀の黒光鎧騎兵は血統がなく攻撃力も1段階しか上がらないため主力としては使いづらい。
参考動画 Introducing: Hei Guang Cavalry! Three Kingdoms Testing | AoE2: DE
牽引投石機(175W210G)
遠投投石機を出せない代わりに、兵器小屋から出る長射程の投石機。基本射程14で、通常の遠投(射程16)よりは短く、命中率も30%と低い。基礎移動速度0.57で、破城槌や投石器系統より若干遅くなった。ちょこまかと動き回れるが大砲ほどの正確さはないのでこれだけに頼るのは危険。
蜀の牽引投石機は移動速度+15%。
参考動画 Introducing: Traction Trebuchets! Three Kingdoms Testing | AoE2: DE
楼船(250W225G)
キャノンガリオン船(200W150G)やドロモン(175W150G)に相当する遠距離攻撃可能な軍船。射程10から鉄工所テクで最大射程13。最小射程3。同枠の他ユニットと較べ高価な分、接近戦でもある程度の火力が出る。詳細は割愛。
蜀の楼船は移動速度+15%。
参考動画 Introducing: Lou Chuans! Three Kingdoms Testing | AoE2: DE
内政面
・木を切る人は木材の他に食料を生み出す(10:0.7の比率・2025年12月アプデ以降)。クロニクルDLCのアテナイ人と似たボーナス。ポルトガルやポーランド等と同様、メイン資源の回収タイミングと関係なく持続的に増え続ける。オープンマップの普通の立ち上がりで城主押しまでに木およそ1000を伐るとすると食料70が得られる。
キャンペーンシナリオ等
専用のキャンペーンシナリオ「劉備」。詳細はこちらの記事を参照。
テクと出せないユニットのメモ
鉄工所テク
既存文明も含め、全50文明で唯一鉄工所の攻撃テクが1段階しか上がらない。したがって中盤以降の接近戦では必敗。蜀らしいと言えばそう。
文明ボーナス
・弓兵育成所と鍛冶場での射手関連テクノロジーのコスト -25%
……弓兵系統・散兵・弓騎兵のアップグレードや弓懸、矢羽根/矢尻/小手、弓鎧等のコストが削減される。弾道学・化学は対象外。
・攻囲兵器と攻囲軍艦の移動速度が城主/帝王で+10%/+15%
……兵器と楼船が対象。
チーム ボーナス: 歩兵射手の視界+2。相手の騎乗ユニットや兵器の接近をいち早く知れる。呉の火矢弓兵の基礎視界11と合わさると強力な索敵能力に。
ユニークテクノロジー
城主ユニテク: 螺旋の蛇の陣/トグロを巻いた蛇の配列(350F300G)
いわゆる双頭の蛇の陣型のこと。槍兵系統と白羽衛兵は互いが近くにいる場合、追加のHPを獲得する。モナスパの攻撃力加算と同じシステムで、付近の該当ユニットが数体ごとに加算され、槍兵は最大+6、白羽衛兵は+14まで増加する。暫定的に[10タイル以内の味方5体ごとに2% x 6回加算]としておく。
攻撃力が決定的に劣る蜀の近接ユニットの中で、肉壁としてマトモに使えそうなのはこの2種ということに。
帝王ユニテク: ボルトマガジン(650F750G)
射手系、弩兵戦車、楼船は追加の発射物(命中率・低)を発射する。重石弓が連弩兵モドキに成長すると考えると一見強力そうに思えるが、少数同士では差が実感できるほどではない。射程防御の高いユニット相手に多数の射手で対するなら有効。
出せないユニット・使用不可テクノロジー
戦士小屋……剣士・槍系統ともフルアップ可能。ただし攻撃力が1段階しか上がらない。
弓小屋……パルティア戦術のみ研究不可。重石弓・精鋭散兵・重弓騎兵が出る。それぞれアップグレードコストや弓懸が安価。砲撃手使用不可。
馬小屋……騎士系統の代わりに(重)黒光鎧騎兵が出る。血統研究不可なのでHPが低く、攻撃力も1段階しか上がらない。ハサーへのアップグレード不可。
兵器小屋……白ラム、改良投石機が出る。スコーピオン系統の代わりに弩兵戦車(65F90G)が作成可能。帝王の時代に牽引投石機が作成可能。
聖職者……贖い・活版印刷とも研究不可。他に神聖(HPアップ)、薬草学が研究不可。
学問所……人力起重機、防御塔、砲台研究不可。帝王前半までの防衛力は比較的高いといえそう。
内政テク……石の掘削と輪作が研究不可。2つとも実戦ではほぼ使用しない。他に、土木技術研究不可。
海軍……高速火炎船へのアップグレード不可。キャノンガリオン船の代わりに帝王で楼船が出せる。サイフォン・焼夷兵器研究不可。
参考動画
歴史のうんちく
巴蜀の地は、戦国七雄の秦の時代に開発が始まった。地勢的に険阻なため、全中国史を通じて割拠政権の基盤となりやすかった。 前漢末に王莽が新を樹立した際には公孫述らが割拠し、足かけ12年間統治したが光武帝に攻め滅ぼされている。
221年に蜀漢を興した劉備は前漢の中山靖王の末裔というが、没落して庶民とあまり変わらぬ暮らしをしていた。しかし首都洛陽への留学資金を出してくれる親類がいた事などから、一部の創作物で描かれるような貧民であったとはいえない。黄巾の乱に義勇兵として参加した功から地方の下級役人となったが出奔。後に徐州牧の陶謙に取り立てられるが呂布との抗争で敗北。曹操や袁紹、劉表といった群雄の間を渡り歩く、一種の傭兵隊長のようなポジションだったのでは、とも考えられている。
211年に益州の劉璋が、漢中の張魯ら五斗米道に対抗するために劉備を招聘。劉備はこの地盤をもとに益州全体を乗っ取り、改めて漢中に進出、219年の定軍山の戦いで曹操軍を撃破したことで割拠が成立した。魏の曹丕が禅譲により後漢を滅ぼしたことを受け、221年に登極。盟友・義弟関羽の横死(220年)への復仇のため、222年に呉(孫権)の支配する荊州に出兵するが陸遜らに敗れ翌年憤死。
蜀漢はその後も後継の劉禅のもと諸葛亮らの群臣に支えられて40年間存続したが、度重なる北伐の試みは成らなかった。魏末期に鍾会・鄧艾らの率いる遠征軍によって滅ぼされたが、その魏も2年後に晋に禅譲して滅びたのだった。その後も五胡十六国や五代十国といった動乱期のたびに巴蜀の地で割拠するものが現れ、それは明末まで繰り返された。詳細は別記事も参照。
以上です。ご意見・ご感想はツイッターまで
