X-MEN全作品の時系列ガイド(邦訳マーベルアメコミ版)③絶滅危機の時代(2000~2010年)
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【邦訳『X-MEN』のアメコミに絞った時系列ガイド】
こんにちは!X-MANです。
過去記事では「マーベルアメコミ時系列まとめ」という形でマーベルの歴史全体をまとめましたが、本記事では邦訳されている『X-MEN』のアメコミに絞った時系列をまとめていきます!
▼前回記事(②暗黒と激動)はこちら
このネタの初回記事でX-MENの歴史を大きく以下5つの時代に分割しましたが、今回はその内「③絶滅危機の時代」の作品紹介を行います!
【X-MEN時系列の全体像(5つの時代)】
①誕生期~黄金期(原点1963年~クリス・クレアモント時代1980年代)
②暗黒と激動(90年代〜00年代)
③絶滅危機の時代(2000~2010年)
④仕切り直しと再編(2011~2018年)
⑤クラコア時代(2018年〜現在)
次の章より、邦訳されているマーベル正史/アース616のX-MENコミックについて、できるだけ全ての作品を時系列順でご紹介します。
③絶滅危機の時代(2000~2010年)
X-MEN史で最も重要な転換点。ミュータント種そのものが滅びかけます。
キーワードは No more mutants で、「House of M(ハウス・オブ・M)」でスカーレットウィッチの暴走によりミュータントが激減し、
・生き残りをかけた戦い
・希望 / 救世主の物語
・絶滅を防ぐ未来への抵抗
がテーマの中心として描かれます。
出版時代(Marvelアメコミ時系列)
・イベント・リブート期(イベント時代初期~ダークレイン期)
邦訳アメコミ作品(時系列順)
以下、時代区分毎にご紹介していきます
イベント(初期)
アベンジャーズ:ディスアセンブルド 2004-2005年
あらすじ:本作はX-MENタイトルではないが、今後のイベントに重要な転換点となる作品のためピックアップしました。
アベンジャーズが内部から崩壊していく未曾有の危機が描かれるが、その問題の根底にはミュータントであるスカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)の精神崩壊があった。彼女の無意識の力は現実を歪め、アベンジャーズの仲間たちを次々と死と破壊へ追い込んでいく。
この事件は「現実改変能力を持つミュータントの危険性」をマーベル世界全体に強く印象づける出来事となる。X-MENの視点では、ワンダがミュータントであるがゆえに恐れられる存在として扱われ始める転換点となった。
この不信と恐怖は、後にミュータント社会全体へ向けられる疑念へと拡大していく。本作は、後の『ハウス・オブ・M』やミュータント絶滅危機へ直結する、X-MEN史上きわめて重要な前兆となる事件である。
収録作品:AVENGERS #500-503,AVENGERS: FINALE #1(2004-2005)
X-MEN/アベンジャーズ ハウス・オブ・M 2005年
あらすじ:精神的に不安定なスカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)の力によって世界が大きく改変される。その新世界ではマグニートーが支配者となり、ミュータントが人類の頂点に立つ社会が築かれている。そんな中、唯一、過去のあるべき世界の記憶を取り戻したウルヴァリンは、マグニートーの治世を突き崩すべく行動を開始する..。
最終的に現実は元に戻るが、ワンダの「No more mutants(ミュータントはもういらない)」という言葉により、世界中のミュータントの大半が能力を失う。
この出来事はミュータント種の存亡を揺るがす未曽有の大災厄となる。
本作はX-MEN史における最大級の転換点であり、以後の「絶滅危機の時代」の出発点となった。
収録作品:House of M #1-8
ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト 2004~2005年
あらすじ:本作はウルヴァリンがハンドとヒドラに捕らえられ、洗脳・支配された状態で世界中のヒーローを襲撃するところから始まります。
操られたローガンは、X-MENやアベンジャーズさえ敵に回し、圧倒的な戦闘力で各地に甚大な被害をもたらします。やがて洗脳から解放されたウルヴァリンは、自分が犯した行為の重さと向き合うことになります。
最終局面では、ヒーローとしてではなく、獣でも兵器でもない「意志を持つ人間」として戦う姿が描かれます。
本作は、ウルヴァリンがアース616正史において最も暗い局面と、その後の再生へ向かう転換点を示す重要エピソード。
収録作品:WOLVERINE #20-32
X-MEN:デッドリー・ジェネシス 2006年
あらすじ:前作の「No more mutants(ミュータントはもういらない)」後のミュータントが絶滅危機に瀕した世界を舞台にした作品。
本作でっは、かつて語られなかった「第2期X-MEN誕生の裏側」に隠された真実が明かされる。初代X-MEN救出作戦の前に、プロフェッサーXは別のミュータントチームを密かに編成していたことが判明する。そのメンバーの中には、サイクロプスの弟が含まれているのであった..。
彼の出現はサマーズ家の悲劇を決定的なものとし、X-MENの道徳的正義を揺るがす。本作は「X-MEN神話の書き換え」とも言える衝撃作であり、絶滅危機後の暗い時代を象徴する物語である。
収録作品:X-Men: Deadly Genesis #1-6
シビル・ウォー 2006年
あらすじ:MCUで同名の映画化もされている『シビル・ウォー』では、映画版と同じくヒーロー登録法を巡る人類側の内戦が勃発するが、X-MENとミュータント社会は基本的にこの争いから距離を置く立場を取る。
(X-MAN私見:このような理由からX-MENは脇役扱いな部類であるため、X-MENのみ楽しみたい方は優先度を下げても良い作品)
ミュータントたちはすでに登録・管理・迫害を経験してきた存在であり、「M-デイ」後のX-MENには人類同士の対立に加担する余裕はなかった。
その一方で、ウルヴァリンは独自に事件の真相を追い、登録法の裏に潜む責任と暴力の問題を突き止めようとする。
この事件により、人類社会は力を持つ存在を恐れ、制御しようとする姿勢をさらに強めることとなる。結果として『シビル・ウォー』は、ミュータントが再び孤立し、後の絶滅危機と分断が深まる土壌を作った出来事となった。
収録作品:
・シビル・ウォー
・CIVIL WAR #1-7(2006)
・ウルヴァリン:シビル・ウォー:
・WOLVERINE #42-48(2006)
・X-MENユニバース:シビル・ウォー:
・X-FACTOR #8-9, CABLE & DEADPOOL #30-32
・X-MEN:シビルウォー
・Civil War: X-Men #1-4
ケーブル&デッドプール 2004~2006
あらすじ:本作は絶滅危機後のX-MEN世界を背景に、ケーブルとデッドプールという異端の二人が「世界をどう救うべきか」を巡って衝突する物語。
デッドプールによるメタギャグ・ブラックジョーク・第四の壁破りが大量に入っているため、表面的にはかなりコメディ寄りに見えますが、中身はかなりシリアスで、
・ケーブルが背負う「未来を知っているがゆえの絶望」や、
・ミュータント存続のためなら独裁すら選ぶ危うさ、
・そしてそれに対する「X-MEN的倫理(力をどう使うか)」
が物語の芯になっています。
特に「M-デイの絶滅危機後の世界」、シビル・ウォー前後の「管理か自由か」というテーマを別視点から描いており、実はかなり重たい思想的内容を、デッドプールの笑いで包んでいる作品です。
ケーブルの管理と強制による理想は、シビル・ウォーの登録法思想と共鳴し、デッドプールの自由奔放さはそれへのアンチテーゼとなっている。
本作は「守るために縛るのか、自由を信じるのか」というテーマを、シビル・ウォーと地続きで描いた重要作。
「こんにちわ赤ちゃん」では、新たなミュータントの誕生という希望が描かれ、後のメサイア・コンプレックスへと思想的に繋がっていきます。
収録作品:
・青の洗礼:CABLE & DEADPOOL #1-6(2004)
・銀の衝撃:CABLE & DEADPOOL #7-12
・こんにちわ赤ちゃん:Cable & Deadpool #13-18
・桃色の誘惑:CABLE & DEADPOOL #19-24(2005-2006)
X-MEN:メサイア・コンプレックス 2007-2008年
あらすじ:本作はメサイア三部作の1作目。
「No more mutants(ミュータントはもういらない)」以降、初めて誕生した新生ミュータントの赤ん坊を巡り、世界中の勢力が動き出す。X-MENはこの子を「希望(ホープ)」として守ろうとするが、未来を知るケーブル、暗殺を狙うビショップ、支配を目論むミスター・シニスターらが激突する。
戦いは過去・現在・未来をまたぎ、ミュータントの運命そのものを左右する争奪戦へ発展していく。
最終的にケーブルは赤ん坊を未来へ連れ去り、守り育てる決断を下す。
この選択はX-MENの結束を揺るがし、ビショップとの決定的な対立を生む。
本作は「絶滅危機の時代」における最大の希望と新たな争いの火種を描いた重要イベント。
収録作品:
・vol.1:Messiah Complex One-Shot Uncanny X-Men #494 X-Factor #27 X-Men #206-207 New X-Men #45-46
・vol.2:New X-Men Vol.2 #45-46,X-Men Vol.2 #206-207,Uncanny X-Men #494,X-Factor Vol.3 #27
ウルヴァリン:オールドマン・ローガン 2008~2009年
あらすじ:本作は、ホープという希望が守られなかった先にあり得る最悪の未来を描いた作品です。
ヒーローたちが敗北し、ヴィランが世界を支配した荒廃した未来を舞台に、老いたローガンの旅を描いていきます。かつてある重大な事件によって多くの仲間を死なせてしまったローガンは、二度と爪を抜かないと誓い、家族を養うために荒野を生きています。彼はホークアイと共に旅をする中で、かつてのヒーロー世界の残骸と、自身の罪の記憶に向き合っていくこととなります。
本作は別アースの物語ではなく、正史世界/アース616から分岐した未来の可能性(オルタナティブ・フューチャー)として描かれています。制作時には、「ハウス・オブ・M」でミュータントが激減し、「メサイア三部作」で「かろうじて希望が繋がれた」世界が、もし再び失敗したらどうなるか、という問いが強く意識されていました。
同時に、不死身で戦い続ける象徴だったウルヴァリンを、老いと後悔を背負う一人の人間として描き切ることも大きなテーマの作品です。
この物語で提示された絶望の未来像は、X-MEN世界における希望の価値を逆説的に強調しています。
後年「Secret Wars(2015)」でこの未来のローガン本人が現代616へ合流することで、本作はIFに留まらず、正史と接続される重要な位置づけを持つエピソードとなっています。
収録作品:WOLVERINE #66-72 and WOLVERINE: OLD MAN LOGAN GIANT-SIZE(2008-2009)
ダークレイン期(2009〜2010序盤)
X-フォース/ケーブル:メサイア・ウォー 2009年
あらすじ:本作はメサイア三部作の2作目。
ミュータントの未来を拓く救世主メサイアと目された赤ん坊「希望の子(ホープ)」を巡り、時間を越えた戦争が勃発。ケーブルは赤ん坊を守りながら過酷な未来世界を生き抜き、成長と犠牲の物語が描かれる。一方、現代ではX-フォースが暗殺部隊として裏の戦争を続け、未来を守るために非情な選択を迫られる。ビショップは未来から現代へと執拗に追撃し、復讐と絶望に囚われた存在として立ちはだかる。
時間軸を越えた視点から、ミュータントの未来がいかに脆く危ういものかが強調される。戦いの果てに希望は守られるが、その代償はあまりにも大きかった..。
本作は「絶滅危機の時代」後半を象徴する、最も過酷でシリアスなX-MEN叙事詩のひとつ。
収録作品:
・vol.1:Cable Vol.2 #11-14, X-Force / Cable: Messiah War, X-Force Vol.3 #14
・vol.2:2009年04月:X-Men: The Times and Life of Lucas Bishop #1-3, X-Force Vol.3 #15-16 , X-Men: Future History: Messiah War Sourcebook, Cable Vol.2 #15
アベンジャーズ/X-MEN:ユートピア、ロード・トゥ・ユートピア 2009年
あらすじ:『ロード・トゥ・ユートピア』では、ダークレイン下でノーマン・オズボーンがミュータント問題を掌握しようと暗躍。オズボーンはエマ・フロストやネイモアを取り込み、X-MEN内部にも不信と分断を生み出す。
『ユートピア』本編では、ダーク・アベンジャーズがサンフランシスコを舞台にX-MENへ全面攻撃を仕掛ける。サイクロプスはついに人類側の支配から距離を置き、ミュータント独立の決断を下す。
X-MENは海上に人工島「ユートピア」を建設し、独自国家として立ち上がる。
これはアベンジャーズや人類社会からの精神的・政治的な決別を意味していた。本作は、X-MENが「守られる存在」から「自ら国家を持つ存在」へ変貌した物語。
収録作品:
・ロード・トゥ・ユートピア:Dark X-Men: The Confession X-MEN LEGACY #226-227 DARK REIGN: THE CABAL Dark X-Men: The BEGINNING #1-3
・ユートピア:Dark Avengers / Uncanny X-Men: Utopia,Uncanny X-Men #513-514,Dark Avengers #7-8,Dark Avengers / Uncanny X-Men: Exodus
X-MEN:セカンド・カミング 2010年
あらすじ:本作はメサイア三部作の3作目。
未来から戻った希望の子「ホープ・サマーズ」を巡り、ミュータントの存亡を懸けた最終局面が描かれる。
人類側では反ミュータント主義者のバスチオンが復活し、今をミュータント根絶の好機と見て、残されたミュータント達に全面攻撃をしかけてくる。
そんな死闘の中、ケーブルに預けられ16年を未来世界でのサバイバルに費やしてきたミュータントの救世主「ホープ」は、己の力の目覚めを知り、故郷の時代を目指す。
本作は、絶滅寸前だったミュータント種に「未来が再び動き出した」ことを明確に示して物語を締めくくる。
収録作品:
・vol.1:X-Men: Second Coming #1 Uncanny X-Men #523-524 New Mutants #12-13 X-Men: Legacy #235 X-Force #26
・vol.2:Uncanny X-Men #525 New Mutants #14 X-Men: Legacy #236-237 X-Force #27-28 X-Men: Second Coming #2
次回予告
今回の記事はここまでとなります!
次回記事では「④仕切り直しと再編(2011~2018年)」をご紹介していきます!
