旅先の物語を拾い集めて
建物の形に宿る物語
旅先の見知らぬ風景に、いつかの旅を思い出を重ね
そこに流れる物語にふれるように、寄り添うように
旅を続けている。そこから広がる世界に思いはせ、
旅を繰り返すほど、風景は幾重に色をなしていく。

建物が帯びる形について
なぜひかれるのか。形の持つ記憶、強さ、つながり。

カンカンと踏切が降りる。緑のボーダーの琴電が走り去る

風景の中に散りばめられた色や形に目が留まる

屋根の上のピンがつなぐ風景
特徴的な形は記憶に鮮明に残る

立体的な窓の構成にも
ひかれながらの寄り道を重ねる旅路

朝焼けに浮かぶボウリング場の屋上のピン

いつかの旅で出会ったピンを掲げる建物は
懐かしさが漂い、記憶に佇む

雲は朝日を包み込み、光はやわらかく降り注ぐ

屋根の上の三角の看板に
旅先の風景と形のつながりを振り返り

デザインされた徳島大正銀行の壁の

舞ひとつ、心ひとつ、となる踊り子の壁画に
梅田の街で出会った阿波踊りの風景が浮かぶ

またこの通りには気になる建物があって

近くへと寄ってみると、kruh 2ndの文字

朝焼けを映すガラスに描かれた新しいイラスト

内部のざっくりとした仕上げはそのままに、ここは以前は
金庫屋からホステルへとなった Kinco. hostel で
d design travel でも紹介されていた。3年前に

閉店しても、空間は維持されて、今のカフェへとつながる

旅先の何気ない風景に沿って進めば

壁には太陽の飾りフック

とくれば月のデザインも

私の中で心に留める月と太陽の組み合わせ
風景の中の形をつなぎ旅をする
ここは石をつなぎ合わせて作るアクセサリーの

STORYという名のお店。旅先の物語は

ホテルに並べられた、持ち寄られた小説に
誰かの言葉とつながるように

古来に記された、たおやかな物語は
京都の宇治で、今も受け継がれている

足元に目をやれば、マンホールに矢島の戦いの風景

おごれるものは久しからず。栄華をほこった平家が
壇ノ浦で海に散った物語を旅で感じて

旅をするほどに風景が層を重ねて

港街に漂う香りにひかれ海へと進む

明るみ始めた空に、少し時間を気にしながらが

それでも、街に散りばめられた形には足を止め

遠くに見えるホテルに出会いの予感を感じながら

港に広がる海の風景へ
今回の旅は、以前の小豆島からの旅の続きで

朝一の高速に乗り込んで、新たな物語に会いに行く
旅先の物語を拾い集めてたどりついた海の風景。
穏やかな波。水平線の先に浮かぶ島々を朝もやが
包み、光は雲に拡散され、風景をおぼろげにする。
島への旅を繰り返している。前回は小豆島へ。その
前は能古島だっただろうか。そしてまたその先へ。
