旅に視点を置きながら
過去と現在を照らし合わせる
少しずつずれては、焦点を合わせ、目に見える風景
の中に、見えないものを探し求める。石の肌理が
浮かんでは、板張りに木々の影が揺れる。直線に
沿って、曲線の間を縫い、旅に視点を置きながら。

石垣に目線を沿わせるほどに
浮き上がる質感と、その先の風景

対象は複雑に絡み合い

見えているものに動きを与える
対象と自らの位置関係により

見える風景は一様ではなく

歩調にあわせてゆらいでいく

空間の向こうに映る緑

白い壁が切り取る島の風景と

鏡の中に映り込む風景

空間に浮かぶ補助線をたよりに

空間に設置された鏡が結ぶ像をめぐる

寄るほどに、あいまいとなる空間が

重なる点を探すように

鏡の奥のまた奥へと

視点を運ぶ

鏡に映るものと映らないもの

ずれた焦点を

微調整しながら
旅に視点を重ねていく

鏡に取り込まれる緑

自らの位置を変えるほどに

映る風景はずれては
焦点を結ぶ

線分は互い違いに

また折り重なる。何をどのようにして見るか

またどのように見えるか。その先に見える像を

重ねるようにして、視点を選ぶ

置かれた鏡と自分の位置と

また風景との関係性に
視点を重ね

圧縮された空間で
芸術家が置いた視点に
促されるようにして
ものの見方を置き換える。今ここにあるものと、
いつかどこかにあるものと。芸術家が置く視点。
島にそよぐ緑。白い壁。コンクリートを分かつ影。
空間が質を帯びる。鏡を覗き込む。映り込む線分。
重なる視点はここから向こうへ、またその先へ。
