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島の風景を重ね合わせて

対象に目を凝らす


2025年、瀬戸内の島をめぐる旅をした。海を渡り、
島の風景を重ねていく。最後にたどり着いた犬島
で、風景は立体感を帯びていく。過去に見た風景が
現在に重なり、今見た風景が、過去の風景を呼び
起こす。視点はここと向こうと、過去と現在を行き
来して、目に見えるものを少しずつ拡張していく。



レンズを通して見た風景に



旅の視点を重ねていく



作品と作品の


緩やかな連鎖にふれる



港の奥に見える作品と


水面にゆらぐ船の影



海、港、家々、漁船が連なる島の風景



点と点がつながって



線となり、曲線を帯びては



面となる。旅先のモチーフを重ねては


持ち帰り、旅と日常の境界の上を歩く



電柱は水面に滲んでは



船はロープに繋ぎ止められる


連なる港の風景に



島のくらしをつなぐ存在でもある


船の記憶をつないでいく



島への旅を繰り返し



風景に引かれた線に沿って



ふと目に留まる形を



重ね合わせ、拾い集める



岩に覆われた波打ち際に



揺らめく光と



染み込む影



岩の表面は質感をまとい


島の記憶の一部となる



防波堤が隔てる水面に



吹かれては



風にそよぐススキを伝い


流れる時間に沿って



島の周囲をぐるりとめぐる



足元に島の断片が取り込まれた絵が



コンクリートを這うように



島に広がっていく


積み重ねられるものが



芸術家によって綴られる線に沿い


島から島へと記憶をつなぐ



揺らめく水面と



揺れ動くのれんの


穏やかなリズムの上に



風景を切り取るように


旅の補助線を引く

島に視点を沿わせる。旅先の何気ない風景が、視点
の重なり動き出す。焼杉板の凹凸。地面に描かれた
植物。丸みを帯びた椅子。波打ち際の岩。風に揺れる
ススキ。視点は、近づくほどに過去とのつながり
を強くし、離れるほどに緩やかにつながっていく。


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