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描かれた線をくぐるように、その先へ

複雑に絡まり合っては

入り組み合う線に重なる時間をたどる。直線で
構成された灯台。切り取られた風景。航跡を立て
つつゆっくりと過ぎゆく船。朝の港のひとときに
描かれた形や円をくぐるように、沿うようにして。


灯台に夜の残像が浮かぶ



赤い光を湛えていたせとしるべ



穏やかな海を船はゆく



引かれては消える航跡に



絶え間なく過ぎゆく時間を感じ



繰り返される朝焼けの中に



すっと、先への補助線を引く


角度を変えて、時を違えて



瀬戸内の山の稜線と



連続する島並みと



散りばめられた瀬戸内の島々を



眺めてはたどる旅を続けている



港に流れる日常の時間を



自らの視点と重ね合わせ



織り込んでは綴るように



風景に描かれた線をなぞっては


 
視点を内外へと転じさせる


閉じてはつながる円に



風にゆれる形の連なりに


時と場所を超える彫刻家の姿が浮かぶ




大きく弧を描く線の先に浮かぶ船は



小豆島と高松を結ぶもの


航路は目に見えない線で島をつなぐ




港に置かれた彫刻が描く



緩やかな線が空を切り取る



時を刻む石の肌理



彫刻は円を描く



空へと伸びる線は



ねじれ、折れ、平滑に、凹凸に



すれては重なり



その向こうに続く海を切り取る



港にたたずむ立体的な彫刻の



先に続く島は、芸術祭の舞台ともなる



描かれた線をくぐるように、沿うように



高松の港と街を繰り返し


なだらかな屋根が描く曲線に



空へと伸びる垂線に



空間を生み出す彫刻が描く円に


彫刻家の思いを拾い集めるようにして



風景の中に連続する円に沿う

マタキテノ、という名の作品。彫刻家のまなざし。
繰り返す日々に、彫刻は人を出迎えては送り出す。
円に切り取られた海の風景。高松の街に日は昇り、
一日が動き出す。芸術祭をめぐる旅は、その先へ。


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