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打ち放しコンクリートがつなぐ風景へ

風景とともにある打ち放しコンクリートをたどり

美術館を後にし、直島を歩いてめぐる。もう少し
北へ進めば港へと出る。途中には築100年を越える
古民家が建ち並ぶ。その中の建物のひとつは、内部
に打ち放しコンクリートで構成された空間を持つ。



その焼杉板の外壁をまとう建物の名は



ANDO MUSEUM 。そこでは安藤忠雄氏が紡ぐ建物に



ふれることができる。30年を越える月日の中で



打ち放しコンクリートは自然と関係性をもちながら



ひとつまたひとつと、物語を綴り続けてきた



ここでは古民家の中に打ち放しコンクリートの空間が



入れ子構造のように設けられる



傾斜のついた壁は光を拡散させ



視線を区切る。自然光のみで構成されるという



古民家の中に生み出された空間の一部には



トップライトからにじむ光



内部の傾く壁や天井は、手掛けられた建物の記憶をつなぐ



展示には光の教会の



打ち放しコンクリートに模した模型と



影に浮かび上がる光のコントラストを示すパネル



光の教会にはいつか訪れたことがあり



差し込む十字の光と



印象的な影を生み出していた建物を思い起こす


形を際立たせる打ち放しコンクリートによる



壁の構成と、開けられた開口部に視点を上下させながら



展示されている建物の記録をたどる。2004年に建てられた



大地と一体となる地中美術館



その建設の険しさは想像に難くない



建設時から、建物の周囲の緑も成長し


建物は自然の中へと溶け込んでいく



2010年には李禹煥美術館。直島で重ねられる


コンクリート打ち放しの建物の数々は



島の自然に沿うよう風景を形作る



時は重ねられ、2013年に建てられたANDO MUSEUM



2025年に大阪で行われた安藤忠雄展で、その風景と出会い



築100年の歴史を持つ古民家の中に広がるという


新しさと古さが混在する空間に会いに来た




そこには、新たな記憶を刻む打ち放しコンクリートと



時が染み込むような木の質感の対比された空間がある



トップライトがガラスのオブジェのごとく



素材の対比が重ねられる前庭を過ぎ



やわらかな風合いのれんをくぐり



時が交差するような建物を後にする


固さと柔らかさが入り交じる空間で


打ち放しコンクリートがつむぐ物語


安藤忠雄氏に手掛けられるの建物は、直島の風景
とともにあり、30余年をかけて、それらは島と一体
となる。打ち放しコンクリートに触れるほど、過去
の空間が頭の中で形をなす。ひんやりとした質感、
反響する音。無機質のようでも、どこか表情のある
壁の質感は、時を経て少しずつ風合いを持つ。記憶
の中に立ち上がる素材を携えて、また旅を続ける。

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