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素材に絡まる音を伝う

島に残されたものに

時間が重ねられていく。静かな石、錆びゆく鉄、
うねるカラミ煉瓦。絡まるツタが隙間を埋める。
表面を撫でては影と形を生み出す光。素材の間に
絡む音。過ぎ行く時間とひっそりと沈む時の間へ。



続く石を遮る鉄格子の



揺らめく影を数えては



錆びゆく鉄に



時の長さを計るように



空へと伸びる煙突を見上げる



光をまとうカラミ煉瓦が
 

積み重なる空間を



覆うツタと絡みつく音



光はほのかに素材を包んでは



虹彩に映る



固定された時間と



過ぎゆく時の間に



かかる形を踏んでは



ざらりとした表面に触れる



列をなす質感が


レンガの記憶を呼び起こす



ひとつひとつの形が重なって



空間に浮かんでは沈む音を



測るように、手に取るように



覗き込んでは


時の流れに沿いながら


浮遊する言葉を拾う



均一さとはかけ離れた


 
痕跡を刻む煉瓦は



輝きを帯びては



影をまとう



静かに時を重ねる場所に



ひっそりと浮かぶ色彩の


連続を網膜に重ね



光と影の境界に立ち止まる



素材と素材の重なる音が



風景に浮かんでは



沈みゆく。表面の輝きと



絡まりあう色の奥行き



埋められた隙間



混じり合う素材



レンガは空と



海を背景に光を浴びて



複雑に混じり合う



島の風景の一部となる



カラミ煉瓦が残された場所は



新たな場所の背景となり


島の記憶をつないでいく



島の歴史を伝える素材の間を



縫うようにして



素材が帯びる質感をたどり



焦点をずらしては合わせ



静かに連なるカラミ煉瓦と



犬島の石に刻まれた大地の音



素材はぶつかり、絡まりあって



島の新たな歴史を伝える場所となる


この地で生成された煉瓦は、かつての時を物語る。
光を吸い込み、跳ね返し、沈むように、輝くように。
忘れられた場所に新たな時間が流れている。幾重
に連なる時間の層を縫うようにして、耳をすまし、
目を凝らし、言葉を重ね、素材に絡まる音を伝う。

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