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ステーブルコインはドル箱?SoFiへの株価インパクトを試算⑨【後編】B2C市場を含めた最終試算

前回、B2B市場において、SoFiが取れるシェアは5%(約1.6兆ドル×5%=約800億ドル)とし、そのときのSoFiの収益インパクトを次のとおりとした。※詳細は前回参照

・準備金運用収益:800億ドル×2%=16億ドル
・手数料収入:2.4兆ドル×0.05%=12億ドル
・最終利益:(16億ドル×90%+12億ドル×50%)×(1−25%)=約15億ドル
(利益率:準備金運用収益90%、手数料収入50%を前提)

今回は最終章として、B2C市場(約1,800億ドル)を含めた「2030年のSoFiへの株価インパクト」を総括する。

<B2C市場における米国比率:30%~40%>
世界のステーブルコイン市場を地域別に見る際、各国のGDP比率に加え、ステーブルコインをどの程度円滑に使える制度やインフラが整っているかも重要だ。

米国は世界のGDPの約25%を占める経済大国である。また、GENIUS Actによる法制度の明確化や、銀行・フィンテック間の接続インフラも進んでいることから、実際のシェアはGDP比を上回るだろう。

一方、米国外では国・地域によって制度の進捗に差はあるものの、新興国を中心に通貨不安や送金コストの高さ、銀行口座へのアクセス不足といった側面から実需が強い。そのため、利用ベースで見れば世界全体の多くを米国外市場が占めるのではないだろうか。

このように、経済規模・制度の整備状況・実需という要素を加味すると、B2Cステーブルコイン市場の地域配分は、おおよそ以下のレンジではないだろうか。

・米国30〜40%/米国外60〜70%

この地域配分を前提に、SoFiがそれぞれどの程度のシェアを取れるのかを整理してみる。

<SoFiのB2C市場における米国内シェア30%>
ステーブルコイン市場のうち、消費者が日常の買い物や送金に使う「B2C領域」は、2030年にかけて急拡大する分野のひとつである。

一方、米国ではApple Pay、Venmo、PayPalなど、多数の決済手段が並立し、各サービスがユーザー層や利用シーンごとに分かれて存在している。そのため、「PayPayのように全米の店舗でSoFi Payが使われる」という形で覇権を取るのは現実的ではない。

しかし、SoFiの会員数は現在約1,200万人で、2030年までに5,000万人の目標を掲げている。これが仮に実現できれば、米国の成人人口約2.6億人の約20%がSoFiの会員になる。さらに、BaaS事業を通じて、他社のウォレットやフィンテック企業にも金融インフラを提供できる。2025年現在、BaaS経由の口座数は約1.6億件である(口座の国別の内訳は不明だが、米国内のユーザーが半数程度を占めると思われる)。

こうした構造的優位性を踏まえれば、2030年時点でSoFiが米国B2C市場の30%程度を握るシナリオは十分可能だ。さらに、運用益(国債利回り)を原資としたキャッシュバックや利息還元を通じて、利用者の囲い込みを進めれば、ネットワーク効果は一段と加速する。

<SoFiのB2C市場における米国“外”での市場シェア1%~3%>
SoFiは香港を除き、海外支店や現地銀行法人を持たない。したがって、米国外の消費者に対して自らステーブルコインを発行することは難しいため、BaaSを通じて各国のフィンテックにステーブルコイン機能を提供することが、シェアを拡大する唯一の方法となる。現時点で、大きな期待は持てず、2030年時点のシェアは1〜3%前後が妥当だろう。

<SoFiがB2C市場(1,800億ドル想定)から得られる収益>
上記を踏まえ、SoFiが世界のステーブルコイン市場(B2C)から得られる収益は以下となる。

米国内:1,800億ドル×35%×30%=189億ドル
米国外:1,800億ドル×65%×2%=23.4億ドル 
全世界のB2C市場におけるSoFiの市場シェア:約12%((189億+23.4億)÷1,800億)
(米国30〜40%/米国外60〜70%、米国外シェア1%~3%の中央値で計算)

<2030年:SoFiがステーブルコイン事業から得られる収益>
最後に、2030年にSoFiがステーブルコイン事業から得られる収益についてのまとめである。

―世界のステーブルコイン市場―
・ステーブルコイン発行残高:2兆ドル
・ステーブルコイン発行残高のドル建て比率:90%(1.8兆ドル)
・ドル建てステーブルコインB2B・B2C比率:90%(1.62兆ドル)・10%(0.18兆ドル)

―SoFi獲得シェア―
・B2B市場5%(810億ドル)、B2C市場12%(210億ドル)
・2030年ステーブルコイン発行残高:約1,000億ドル(810億ドル+210億ドル)
・SoFi Coin取引額約3兆ドル/年(Velocity 30回転/年と想定:1,000億ドル×30)
※Velocity=1年間に同じコインが何回決済に使われるかを示す回転率

―SoFiへの収益インパクト―
・準備金運用収益:1,000億ドル×2%=20億ドル
・手数料収入:3兆ドル×0.05%=15億ドル
・最終利益:(20億ドル×90%+15億ドル×50%)×(1−25%)=約19億ドル
(利益率:準備金運用収益90%、手数料収入50%を前提)

2025年の最終利益予想が3.7億ドルのため、約5倍の利益押し上げ要因となる。

SoFiはまだステーブルコインを発行していないため、上記試算はあくまで“未来像の一つ”にすぎない。しかし、SoFiがステーブルコインを発行するのはほぼ間違いなく、ステーブルコインが金融システムに対して与えるインパクトが大きいのも疑いの余地がない。

Citiの強気ケースでは、世界のステーブルコイン発行残高が約4兆ドルに達すると見込まれており、そのような環境が実現すれば、SoFiの収益機会は一段と拡大する。反対に、仮に上記試算の半分しか実現できなかったとしても、なお強い株価インパクトをもたらす。

そして、この株価インパクトは、ステーブルコイン市場の拡大とともに、2030年以降もより強く続いていく――。

最後まで読んでいただき、心から💖本当にありがとうございました🙏 皆さんのたくさんの「スキ」フォローが、静かに背中を押してくれます💪 これからも丁寧に、SoFiの歩みを追いかけていきます✍️
 
※補足:昨日10月28日20時(日本時間)に発表されたSoFiの2025年第3四半期決算で、2025年の最終利益予想が🎉上方修正🎉されておりますが、投稿済の記事との一貫性を保つため、最終利益予想3.7億ドルは、決算発表前の数字にしております。ご了承ください。2025年第3四半期決算の解説は近日中に投稿します😊 フォローしてお待ちいただけるとうれしいです。

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