SoFiは「金融版Amazon」になるのか――SoFi Plusが示すクロスセル革命
CEOアンソニー・ノトは、よく「SoFiは金融業界のAWSになる」と言う。しかし、本日はその話ではない。
Amazonではほぼすべてのジャンルの買い物ができる。
SoFiはその金融版になるという意味である。
すなわち、預金も株・暗号資産取引もローンもクレジットカードも保険も送金も…、と金融サービスに関するものであれば、SoFiのアプリ上ですべてを完結できるという意味である。
もともとSoFiは「ワンストップサービス」を標榜し、SoFiアプリ内であらゆる金融サービスを提供してきた。しかし、複数サービスを使用する会員は決して多くなく、2026年第1四半期時点で、会員あたりの利用商品数は平均1.5にとどまっている。

その流れが大きく変わろうとしている。
先日開催されたJ.P.モルガン主催の「第54回Annual Global Technology, Media and Communications Conference」に登壇したアンソニー・ノトによると、「SoFi Plus」の有料会員数は16万人に達したということである。
2025年の加入者数は約6万人のため、実質的な有料制度の開始となった2026年3月31日以降、約6週間で10万人が「SoFi Plus」に加入したということになる。
SoFi Plusの100万人到達について、2年以内を「最低ライン」に近い感覚で見ているようだが、このペースでいけば、より早く有料会員100万人に到達しそうである。
100万人に到達すれば、
・100万人×月10ドル×12か月=1.2億ドル
がSoFi Plusのサブスク収入として生まれる。
加えて、アンソニー・ノトは「SoFi Plus加入者の40%が“3つ目”の商品を利用する」と繰り返し述べているように、SoFi Plusの拡大は、クロスセル率の上昇につながり、さらなる収益を生む。
以前【ブロックチェーンとスマートコントラクトが溶かす「金融業界の壁」】というブログを書いた。
そこでは、“ブロックチェーンとスマートコントラクトによって、分野ごとに存在していた「銀行・証券・保険・カード・為替・送金」などの境界があいまいになり、サービスの融合がはじまる。結果、あらゆる金融サービスをワンストップで提供できる企業に有利に働く”という将来について書いている。
私は、もともとRobinhoodなどの基本的に単機能の金融サービスを提供する企業には強い魅力を感じていない。なぜかというと、ブロックチェーンとスマートコントラクトといったテクノロジーが、今ある各金融サービスの壁を壊していき、SoFiにとって有利な世界が到来すると踏んでいるからである。
すなわち、技術の進化も相まって、複数の金融サービスを一つのアプリで提供できる会社が勝ちやすいという世界がやってくるということである。
そして今回のSoFi Plusの急拡大は、その世界が単なる未来予想ではなく、少しずつ現実に近づいていることを示しているように見える。なぜなら、SoFi Plusは単なる有料会員制度ではなく、SoFiの中で複数の商品を使うきっかけになり得るからである。
預金、投資、ローン、保険、暗号資産、送金、そしてステーブルコイン(SoFiUSD)まで、金融に関するあらゆる機能が一つのアプリに集約されていく。
Amazonが買い物の入口になったように、SoFiは金融の入口になる。
SoFi Plusの急拡大は、その未来が単なる構想ではなく、現実に近づき始めていることを示しているのではないだろうか。
なお、SoFiUSDについても、数週間以内にSoFiアプリ上に登場する見通しが示されている。SoFi Plusに続き、こちらの展開もまた楽しみである。次回は、このSoFiUSDが【年内に1億ドルの収益に到達する可能性】について記載していく。
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