見出し画像

SoFi Technologies, Inc.(SOFI)⑧競合分析と将来性

今まで以下のように長きにわたり投稿してきたが、最後に、競合分析(簡易版)と将来性についてである。

①     SoFi Technologies(設立経緯・会社概要)
②     各事業概要および業績推移
③     ローン事業・金融サービス事業
④     ローン事業詳細
⑤     金融サービス事業詳細
⑥     Technology Platform事業「SoFiは金融業界のAWSになれるのか?」
⑦     財務分析(キャッシュフロー他)

<SoFiが挑むのは誰?>
SoFiとよく引き合いに出されるのがRobinhood、Affirm、Chime、PayPalといったフィンテック企業だ。いずれもオンライン完結型のサービスで、特にデジタルネイティブ世代を中心に急成長を遂げてきた企業である。

これら企業に共通するのは、Robinhoodは「投資」、Affirmは「消費者金融(BNPL)」、Chimeは「預金」、PayPalは「決済」というように、特定領域に特化したビジネスモデルを持っているという点だ。

一方、SoFiは、借りる(ローン)、貯める・使う(銀行口座・デビットカード・クレジットカード)、投資する(株式)、守る(保険・資産管理)といった金融ニーズをすべてワンストップで提供する総合型のプラットフォームを提供している。これは今のところ、米国では唯一のフィンテック企業といってよく、そのビジネスモデルは他フィンテック企業と本質的に異なる。

またSoFiの大きな強みは、米国で正式な銀行免許を保有している点だ。これにより、預金による低コストで安定的な資金調達と貸出能力を武器に、銀行としての本質的な競争力を有している

さらに、SoFiは法人向けにも金融インフラを展開、海外市場にも事業領域を拡大することで、収益源の多角化と継続課金型モデルによる中長期的な成長基盤を築いている。AmazonがAWSを通じて企業向けクラウド型インフラに大きな影響力を与えたように、SoFiは「金融業界のAWS」を目指している。(詳細はこちらを参照。)

しかし、これらの企業とSoFiを単純に比較して優劣を論じるのではなく、もっと大きな視点で考えたいSoFiが本当に置き換えようとしているのは、既存の大手銀行をはじめとする従来型金融機関ということだ。

<真のターゲットは大手銀行>
CEOのAnthony Notoは、「米国トップ10の金融機関」になることを明言し、また「それが実現するかどうかではなく、いつ実現するかの問題だ」
と繰り返し述べている。

私自身、コロナ禍で学生ローンの返済凍結が決まり、窮地に陥った状況でも堅実な成長を続けた現経営陣の能力、市場の構造変化(AI・自動化の進展、デジタルネイティブ世代の増加、それらに伴うフィンテック市場の拡大)などを考えると、この野心的目標は実現可能と感じる。

2024年末現在のSoFiの会員数は1,000万人強、米国の成人人口約2.6億人程度を考えれば、開拓可能なマーケットは非常に大きい。SoFiの2024年末現在の総資産ランキングは全米63位預金額は全米78位、それぞれ10位のTD Bankとは10倍以上の開きがあり、この点においても拡大の余地は十分ある。

今や一般個人が銀行の窓口に行く必要性はないなか大手金融機関は多数の物理店舗や古いITインフラを抱えるためコストが高く、また意思決定も遅いといった構造的な弱みを持つ。よって、フィンテック企業内の優劣だけではなく、「金融業界の構造的変革」という文脈でSoFiを評価した方が正しいように思う。

今のSoFiは新興企業に過ぎない。時価総額でもJPモルガン、ウェルズ・ファーゴといった大手にはまだ遠く及ばない。しかし、構造的な優位性と成長市場の波をとらえて一気に存在感を高め、いずれS&P500、NASDAQ100の仲間入りも果たし、株価も100ドルを超え、さらに先日、Amazonがウォルマートの四半期売上を上回ったように、将来的にはSoFiがJ.P.モルガンの個人向け事業を超える時代が来ると期待している。

Anthony Notoは、「時価総額でトップ 15 に入るテクノロジー企業になる」とも繰り返し述べている。時価総額でトップ 15 に入るテクノロジー企業になることができれば、少なく見積もっても株価は15倍以上になる。

トランプ大統領がどうだとか、関税がどうだとか、短期的に株価が下落したとか、長期的視点に立てば、これらはとても些細なことだ。インターネットがなくなることはない。AIが発達していくことも疑いの余地がない。多数の物理的な銀行の支店はもはや必要ではない。SoFiが挑もうとしているのは「金融業界の変革」という視点で捉えれば、その未来は極めて明るい。金融業界にもWinner Takes Almost ALL(勝者がほぼ独占する)があるかもしれないと期待し、本稿を終える。

【免責事項】 本ブログは情報提供を目的とし、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。内容は執筆時点の情報に基づき、将来的に変更される可能性があります。投資判断は自己責任で行い、十分な調査のうえ決定してください。本ブログの内容を基にした投資損失について、当方は一切の責任を負いません。また、外部リンクや第三者情報の正確性も保証するものではなく、各自の判断でご利用ください。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー