10年スパンで考える布切れビジネスの構想
大学生の頃、貧乏なくせに定期的にステューシーの三宮店に行って、Tシャツや小物を数千円も出して買っていた。ヤフオクでA BATHING APEのTシャツやエビスのデニムパンツも落札したりして。
今考えると、あのころは貧乏学生なりに服にやたらとお金をかけていたんだなと思う。毎日私服で通っていたからか、おしゃれする以外にアイデンティティがなかったからかは分からないけれど、バイト代をそういうストリート系のブランド品につぎ込んでいた記憶がある。
ただ、そんな僕だけど、今はそうまでファッションに熱を注いでいるわけではない。むしろ、「ブランドを売る」という行為そのものに興味を持っている。
レッドブルとかコカコーラみたいに、“中身”より“イメージ”を買ってもらう商売が面白いなと思う。
何もないところに価値を作り出す、そのマーケティングが妙に好きだ。商品そのものが良いに越したことはないけれど、必ずしもそれだけが価値にはならない。むしろ「イメージ」に人はお金を払うことが往々にしてある。人の心理って不思議だし、そこにブランドの強さがある気がする。
なので、ちょっとしたアパレルビジネスを、こぢんまり始めてみたいとずっと思ってる。いまXで発信しているような自分のキャラクターと世界観を組み合わせたブランドを作って、年に一度だけ受注生産で販売する──そんな形なら在庫管理がほぼ必要なくて、僕の性分にも合いそう。
実際、オンライン講座も同じようなやり方で運営していて、在庫リスクがなく、新規募集のタイミングだけ集中すれば済む仕組みだ。
けど問題は、生地や製造を請け負ってくれる会社との契約だとか、発送作業だとか、いろいろ面倒なことがある。そこがネックで一歩踏み出せない。在庫管理は絶対に無理だと思う。
しかも、僕はスタッフを雇う気もないし、基本“ひとり社長”としてやっていきたい。少しずつファンが増えれば、その分は外注や仕組み化で乗り切るつもり。すぐに大きくしようなんて野心はあまりない。どちらかと言えば「面倒くさいことはしたくないけど、ブランドを扱う楽しさを試してみたい」という気持ちが大きいんだろう。
何もないところからイメージを作って、自分の好みや世界観を“布”に乗せて売ってみる。それが成功したら面白いし、失敗したら失敗したで「やっぱり手間だったか」と納得できる気がする。
実際、よく考えると僕が大学生だった頃、ステューシーのキャップもAPEのTシャツもエビスのデニムも、デザインや機能性ではなくて、“ブランド名”がほとんどの価値だったとも言える。
いまの僕がやりたいのも、実質的にそれに近い。
僕がかつて消費者側だった。今度はイメージを提供する側にまわってみたいというわけだ。そう思うとちょっとだけワクワクするし、同時に「面倒そうだけど大丈夫かな」っていう不安もある。でもその曖昧なテンションこそ、ブランドビジネスの魅力じゃないかと思っている。
ひとまず、来年から10年くらいをスパンに少しずつやってみようかな、という気持ち。
来年すぐに大きく展開するつもりはない。けれど、ちょっとずつOEMを選んだりロゴを考えたりしてみたい。なんにもないものに価値を与えて人が買いたいと思う──そんな不思議な構造を自分の手で作り上げてみたい。
もちろん苦労も多いだろう。僕はあくまで“できるだけラク”にやりたいし、在庫管理とか煩雑な作業は外注に頼りたい。いま思えば、学生時代にあれだけブランド品を買ったていたのも、「自分の世界観を服に乗せて表現したい」という潜在的な欲求があったのかも?なんて振り返ってみたりする。
今は控えているけど、数年前は、コカコーラやレッドブルを何気なく飲んで、「これってイメージが全てだよな」と改めて感じてた。
だって味は好き嫌いあるし、特別身体にいいわけじゃない。いや、むしろ体には悪いものでしかない。けどそれなのにロゴや広告が心をくすぐって、買う手を止められない。
僕もそんな“イメージの魔法”を操れるようになってみたい。ある日突然、僕が作ったロゴのTシャツやパーカーがネットでポツポツ売れたりして。想像するとちょっと面白い。
まぁ、その大変さを避けるために「受注生産で年に一度だけ出す」くらいのスモールスタートを目指してるんだけど。
とりあえず来年は軽く情報収集して、どんな生地がいいかとか、ロゴをどう作るかとか、外注先をどこにするかを調べてみようかな。僕は尋常じゃないくらい怠惰なのでAIが革命的な進化でも遂げない限り、やらないかもしれない。
面倒だからこそ長期スパンでコツコツ仕込みつつ、いまの“働かずにそこそこ稼ぐ”暮らしを崩さないように気をつけながら。
何も進まなくても困るわけじゃないし、進めば進んだで面白い。
そんな曖昧なスタンスこそ、僕らしい気もする。
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