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K 2536-4:2011

ページ

序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲························································································································· 1

2 引用規格························································································································· 2

3 用語及び定義 ··················································································································· 2

4 2槽形ガスクロマトグラフによる成分の求め方 ······································································· 3

4.1 試験の原理 ··················································································································· 3

4.2 試薬 ···························································································································· 3

4.3 試験器 ························································································································· 3

4.4 試験の準備 ··················································································································· 5

4.5 試験器の検証 ················································································································ 8

4.6 試料の採取方法及び調製方法 ··························································································· 8

4.7 試験の手順 ··················································································································· 8

4.8 計算及び結果の表し方 ···································································································· 9

4.9 精度 ··························································································································· 10

4.10 結果の報告 ················································································································· 10

5 1槽形ガスクロマトグラフによる成分の求め方 ······································································ 10

5.1 試験の原理 ·················································································································· 10

5.2 試薬 ··························································································································· 11

5.3 試験器 ························································································································ 11

5.4 試験の準備 ·················································································································· 13

5.5 試験器の検証 ··············································································································· 16

5.6 試料の採取方法及び調製方法 ·························································································· 16

5.7 試験の手順 ·················································································································· 16

5.8 計算及び結果の表し方 ··································································································· 18

5.9 精度 ··························································································································· 19

5.10 結果の報告 ················································································································· 20

附属書A(参考)試験方法の種類 ··························································································· 21

(1)

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K 2536-4:2011

まえがき

この規格は,工業標準化法第14条で準用する第12条第1項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経

済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS K 2536-4:2003は改正され,この規格に置

き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS K 2536の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS K 2536-1 第1部:蛍光指示薬吸着法

JIS K 2536-2 第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方

JIS K 2536-3 第3部:ガスクロマトグラフによる芳香族の求め方

JIS K 2536-4 第4部:タンデム式ガスクロマトグラフによる成分の求め方

JIS K 2536-5 第5部:ガスクロマトグラフによる酸素化合物の求め方

JIS K 2536-6 第6部:酸素検出式ガスクロマトグラフによる酸素分・酸素化合物の求め方

(2)

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日本工業規格

JIS

K 2536-4:2011

石油製品−成分試験方法−第4部:タンデム式

ガスクロマトグラフによる成分の求め方

Liquid petroleum products-Testing method of components-

Part 4: Determination of components by tandem type gas chromatography

序文

この規格の基となるJIS K 2536は,1960年に制定され,その後7回の改正がされ,2003年に行われた

部編成によってJIS K 2536-4として分割制定された。今回は,その後の石油製品の成分の変化に対応する

ために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,JIS K 2254に規定する常圧法蒸留試験方法による終点が250 ℃以下の石油製品中の成分[ベ

ンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,メチルターシャリーブチルエーテル(以下,MTBE

という。),エチルターシャリーブチルエーテル(以下,ETBEという。)及び灯油分]をタンデム式ガスク

ロマトグラフによって求める方法について規定する。

タンデム式ガスクロマトグラフには,2槽形及び1槽形の二つの形式がある。形式別における目的成分

別の適用範囲は,表1による。表1に示すアルコール類及びエーテル類以外の酸素化合物の定量に用いて

もよいが,その成分の分離確認及び同定をしてから求める。

なお,この規格によって得られた成分の試験結果に疑義が生じた場合は,JIS K 2536-2によって試験し

なければならない。

注記 JIS K 2536の規格群には,附属書Aに示す試験方法がある。

警告 この規格では,危険な試薬,操作及び試験器を用いるが,安全な使用法を全てに規定している

わけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全上及び健康上の禁

止事項を決めておかなければならない。

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K 2536-4:2011

表1−成分別の適用範囲

2槽形ガスクロマトグラフ

単位 体積分率(%)

1槽形ガスクロマトグラフa)

ベンゼン

トルエン

キシレン

メタノール

成分

エタノール

灯油分

注a) 1槽形は,デュアル式ガスクロマトグラフと呼称する場合がある。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0512 水素

JIS K 2249 原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法

JIS K 2254 石油製品−蒸留試験方法

JIS K 2536-2 石油製品−成分試験方法 第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)

JIS K 8680 トルエン(試薬)

JIS K 8839 2-プロパノール(試薬)

JIS K 8858 ベンゼン(試薬)

JIS K 8891 メタノール(試薬)

JIS K 9701 ヘプタン(試薬)

JIS Q 0034 標準物質生産者の能力に関する一般要求事項

JIS Q 0035 標準物質−認証のための一般的及び統計的な原則

JIS Z 8401 数値の丸め方

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

灯油分

n-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量[体積分率(%)]に係数14を乗じて算出したもの。

3.2

キシレン

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3

K 2536-4:2011

エチルベンゼン,o-キシレン,m-キシレン及びp-キシレンの成分の総称。濃度の場合は,各成分の合計

量をいう。

4

2槽形ガスクロマトグラフによる成分の求め方

4.1

試験の原理

ガスクロマトグラフに導入した試料を極性の異なる2本のカラムに分岐させ,1回の試料導入によって

試料中のベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,MTBE並びに灯油分の指標であるn-トリデカン及

びn-テトラデカンを分離溶出させ,同定する。各成分は,両方のカラムで溶出し,成分ごとの極性の違い

によって,異なるガスクロマトグラムが得られる。各成分の含有量は,ガソリン基材と目的成分とが重複

しないガスクロマトグラムを選択し,あらかじめ作成した検量線を用いて求める。

4.2

試薬

試薬は,次による。

a) ベンゼン JIS K 8858に規定するもの。

b) トルエン JIS K 8680に規定するもの。

c) キシレン o-キシレン,m-キシレン,p-キシレン及びエチルベンゼンの合計量が99 %以上のもの。

d) メタノール JIS K 8891に規定するもの。

e) MTBE 純度99 %以上のもの。

f) n-トリデカン 純度99 %以上のもの。

g) n-テトラデカン 純度99 %以上のもの。

h) n-ヘプタン JIS K 9701に規定するもの。

i)

ヘリウム 純度が,体積分率99.995 %以上のもの。

4.3

試験器

試験器は,次のものを用いる。

4.3.1

ガスクロマトグラフ ガスクロマトグラフは,試料がカラムに入る流路が,温度制御が可能な連結

部を通して接続され,プログラムに従って独立に昇温可能な二つのカラム槽を備え,充塡カラムとキャピ

ラリカラムとを別々に装着できる構造のもの。また,試料導入部に連結した分岐機構があり,各々のカラ

ムに対応した付加ガス機構及び検出器があるものを用いる。2槽形ガスクロマトグラフの構成の例を図1

に示す。

なお,ガスクロマトグラフに共通する一般事項は,JIS K 0114による。

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4

K 2536-4:2011

1

2

3

4

5

6

試料導入部

充塡カラム

充塡カラム槽

充塡カラムのリファレンスカラム

充塡カラム用検出器

連結部

7 キャピラリカラム

8 キャピラリカラム槽

9 抵抗管

10 抵抗管

11 キャピラリカラム用検出器

12 データ処理装置(2チャネル同時処理)

図1−2槽形ガスクロマトグラフの構成の例

a) 試料導入部 試料導入部は,注入口及びスプリットベントからなり,導入した試料を分岐できる機能

をもつもので,試験温度が200〜250 ℃で保つことができるもの。

b) カラム槽 カラム槽は,40〜250 ℃の範囲を多段プログラム昇温制御ができる構造のもの。

c) カラム カラムは,次に示す充塡カラム及びキャピラリカラムの組合せとする。カラムの例を表2に

示す。

1) 充塡カラム ステンレス鋼管に粒径180〜250 μm又は150〜180 μmのけい藻土を主成分とする担体

に,極性のある固定相液体としてTCEP[1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパン]を主体に,

多価アルコールを添加し,メタノールがベンゼンとトルエンとの間に溶出し,かつ,n-ドデカンと

重ならないように調製したもの。

2) キャピラリカラム 溶融シリカ製で,メチルシリコンをコーティングしたもの。

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5

K 2536-4:2011

表2−2槽形ガスクロマトグラフのカラムの例

項目

固定相液体

充塡カラム

キャピラリカラム

TCEP+多価アルコール

メチルシリコン

固定相液体保持量

多価アルコール %

液相の膜厚

内径

長さ

d) 検出器槽及び検出器 検出器槽及び検出器は,充塡カラム及びキャピラリカラムの各々において独立

したものを用いる。検出器槽は,カラム温度又はそれ以上の温度に保つことができるもの。検出器は,

熱伝導度検出器を用いる。

e) データ処理装置 クロマトグラムを記録するとともに,個々のピークの保持時間及びピーク面積値が

検出器別に記録できる2チャネル同時処理ができるもの。積分感度は,1 μV・sにつき1カウント以上

のもの。重複ピークの分割処理は,接線法又は垂線法によるピーク面積処理機能をもつもの。

4.3.2

自動試料導入装置 2 μLの試料をはかりとることができるマイクロシリンジを用いて,試験に必

要な試料量を採取及び導入できるもの。試料の導入精度は,トルエン体積分率5 %含むn-ヘプタン溶液を,

検量線作成時と同じ条件で5回繰り返して測定したとき,ピーク面積の変動係数が2.5 %以下でなければ

ならない。

4.4

試験の準備

試験の準備は,次による。

4.4.1

ガスクロマトグラフの調整

a) 表3を参考にして試験条件を設定する。自動試料導入装置にマイクロシリンジを取り付け,データ処

理装置も使用可能な状態にする。

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K 2536-4:2011

表3−試験条件の例

項目

キャリヤーガス

種類

流量

充塡カラム

ヘリウム

キャピラリカラム

ヘリウム

付加ガス

種類

流量

カラム槽温度

初期温度

初期温度保持時間

第一段昇温速度

第一段到達温度

第一温度保持時間

第二段昇温速度

第二段到達温度

第二温度保持時間

検出器

種類

ヘリウム

熱伝導度検出器

温度

電流

試料分割割合

試料導入量

試料導入部温度

連結部温度

b) カラム槽の昇温機構及びデータ処理装置を始動させ,空試験での基線が安定していることを確認する。

4.4.2

検量線の作成

a) 検量線作成用試料の調製は,次による。

100 mL全量フラスコに,全量ピペット又はビュレットを用いて,各々の成分の試薬を室温ではかり

とる。はかりとり量は,表1に示す各成分の適用濃度範囲で,適用最高濃度を含む3点以上になるよ

うに,濃度を段階的に変える。次に,試薬が入った100 mL全量フラスコにn-ヘプタンを目盛線まで

加えてかき混ぜる。はかりとる成分は,単独又は複数のいずれでもよい。

なお,メタノールを含む検量線作成用試料の調製は,メタノール単独ではn-ヘプタンと混合せず分

離しやすいため,MTBE,トルエンなどとともに調製する。

b) 検量線作成用試料の規定量を試料導入部に自動試料導入装置で導入する。直ちに,カラム槽の昇温機

構及びデータ処理装置を始動させ,a)で調製した全ての検量線作成用試料のクロマトグラム及びピー

ク面積を記録する。

c) ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,MTBE,n-トリデカン及びn-テトラデカンについて,

検量線作成用試料の濃度と得られたピーク面積とを用いて,検量線を作成する。

なお,検量線は,一連の試験操作前に作成する。また,カラム又はマイクロシリンジを交換したと

きなど,試験条件を変更したときに作成する。

d) c)で作成した検量線が原点を通る直線である場合は,一点検量線法を用いてもよい。この場合の検量

線作成用試料を調製するときの,100 mL全量フラスコへの各成分のはかりとり量の例を表4に示す。

また,クロマトグラムの例を図2に示す。

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K 2536-4:2011

表4−検量線作成用試料の例

単位 mL

純物質名

はかりとり量

ベンゼン

トルエン

キシレン

メタノール

n-トリデカン

n-テトラデカン

n-ヘプタン

希釈剤

図2−2槽形ガスクロマトグラフ検量線作成用試料のクロマトグラムの例

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K 2536-4:2011

4.5

試験器の検証

試験器は,成分認証標準物質又は副標準を用いて定期的に検証する。試験値と標準値との差が表6の室

間再現許容差を超える場合は,検量線又は試験条件を見直す。成分認証標準物質は,JIS Q 0034及びJIS Q

0035に従って認証されたものを用いる。

注記 成分認証標準物質は,社団法人石油学会から供給されている。この成分認証標準物質では,ベ

ンゼン,メタノール,エタノール,MTBE,ETBE及び灯油分のJIS K 2536-2によって求めた

認証値が示されている。

4.6

試料の採取方法及び調製方法

試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に

よって採取及び調製する。

4.7

試験の手順

試験の手順は,次による。

a) 4.4.2 b)と同じ条件で,試料の規定量を試料導入部に自動試料導入装置で導入し,直ちに試験を開始す

る。

b) クロマトグラム及びピーク面積を記録し,ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,MTBE,n-

トリデカン及びn-テトラデカンを同定する。MTBEの面積は,前ピークのテーリングで生じる面積を

接線法によって補正し,算出する。クロマトグラムの例を図3に示す。

なお,ピークの重複については,次に示すような例が考えられる。疑義が生じた場合は,JIS K 2536-2

によって試験しなければならない。

1) メタノールのピークは,C12パラフィンの一部と重なることが確認されている。自動車ガソリンに灯

油が混入している場合など,C12パラフィンがメタノールとして定量されることがある。定量値に疑

義が生じた場合は,試料を水洗処理して測定し,メタノールのピークが消失した場合は,メタノー

ルと判定する。

2) 自動車ガソリンによっては,MTBEピークにC9パラフィン,C8ナフテン,C8オレフィン及びC7シ

クロオレフィンが重なり,これらの成分がMTBEとして定量されることがある。

3) 自動車ガソリンによっては,ベンゼンピークにn-C11パラフィンが重なり,この成分がベンゼンと

して定量されることがある。

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K 2536-4:2011

図3−試料のガスクロマトグラムの例

4.8

計算及び結果の表し方

各成分の含有量[体積分率(%)]は,4.7 b)で求めたピーク面積から,あらかじめ作成した検量線を用

いて求め,JIS Z 8401の規定によって,次に示す丸めの幅に丸める。

a) ベンゼン,メタノール及びMTBEは,丸めの幅0.1に丸める。ただし,体積分率0.5 %未満の場合は,

全て体積分率0.5 %未満とする。

b) トルエン及びキシレンは,丸めの幅0.1に丸める。ただし,体積分率1.0 %未満の場合は,全て体積分

率1.0 %未満とする。

c) 灯油分は,n-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量[体積分率(%)]に係数14を乗じて,丸めの

幅0.1に丸める。ただし,体積分率1.0 %未満の場合は,全て体積分率1.0 %未満とする。

d) この方法によって求めた各酸素化合物の酸素分[質量分率(%)]を求める場合は,次の式によって算

出し,丸めの幅0.1に丸める。酸素化合物の密度及び酸素含有率は,表5による。試料の密度は,JIS

K 2249の規定によって求める。

O

iw

=

O

iv

×

O

id

×

O

x

D

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10

K 2536-4:2011

ここに, Oiw: 酸素化合物iの酸素分[質量分率(%)]

Oiv: 酸素化合物iの含有率[体積分率(%)]

Oid: 酸素化合物iの15 ℃の密度(g/cm3)

Ox: 酸素化合物iの酸素含有率

D: 試料の15 ℃の密度(g/cm3)

表5−酸素化合物の密度及び酸素含有率

密度(15 ℃)g/cm3

酸素含有率

メタノール

酸素化合物名

注記 その他の酸素化合物の密度及び酸素含有率は,表10を参照。

4.9

精度

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ

た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。

4.9.1

室内併行精度

同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果

の差の許容差は,表6による。

4.9.2

室間再現精度

異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験結

果の差の許容差は,表6による。

表6−精度

成分

濃度範囲

単位 体積分率(%)

室内併行許容差a)

室間再現許容差a)

ベンゼン

トルエン

キシレン

メタノール

灯油分

注a) Xは,試験結果の平均値。

4.10 結果の報告

試験結果の報告には,次の事項を記述する。

a) 試料名,採取場所及び採取年月日

b) この規格の番号(JIS K 2536-4)及び箇条番号(箇条4)

c) 4.8によって得られた結果

d) 試験年月日

e) 特記事項

5

1槽形ガスクロマトグラフによる成分の求め方

5.1

試験の原理

ガスクロマトグラフに導入した試料を極性の異なる2本のカラムに分岐させ,1回の試料導入によって

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K 2536-4:2011

試料中のベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,MTBE,ETBE並びに灯油分の指標

であるn-トリデカン及びn-テトラデカンを溶出させ,同定する。各成分は,両方のカラムで溶出し,成分

ごとの極性の違いによって,異なるガスクロマトグラムが得られる。各成分の含有量は,ガソリン基材と

目的成分とが重複しないガスクロマトグラムを選択し,あらかじめ作成した検量線を用いて求める。

5.2

試薬

試薬は,次による。

a) ベンゼン JIS K 8858に規定するもの。

b) トルエン JIS K 8680に規定するもの。

c) エチルベンゼン 純度98 %以上のもの。

d) o-キシレン 純度98 %以上のもの。

e) m-キシレン 純度98 %以上のもの。

f) p-キシレン 純度98 %以上のもの。

g) メタノール JIS K 8891に規定するもの。

h) エタノール JIS K 8101に規定するもの。

i)

MTBE 純度99 %以上のもの。

j)

ETBE 純度97 %以上のもの。

k) n-トリデカン 純度99 %以上のもの。

l)

n-テトラデカン 純度99 %以上のもの。

m) n-ペンタデカン 純度98 %以上のもの。

n) n-ヘプタン JIS K 9701に規定するもの。

o) ヘリウム 純度が体積分率99.995 %以上のもの。

p) 2-プロパノール JIS K 8839に規定するもの。

q) 水素 JIS K 0512に規定するもの。

5.3

試験器

試験器は,次による。

5.3.1 ガスクロマトグラフ カラムは,昇温可能な一つのカラム槽に装着した2本のキャピラリカラムが,

簡単なキャピラリ2方アダプタで連結されているもの。試料は,スプリットを行った後,2本のキャピラ

リに導入される。このとき,両キャピラリカラムの内径及び長さが同一のため,各々のキャピラリカラム

に分岐される試料量は,同等である。また,各々のカラムに対応した水素炎イオン化検出器が付いている。

1槽形ガスクロマトグラフの構成の例を図4に示す。

なお,ガスクロマトグラフに共通する一般事項は,JIS K 0114による。

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12

K 2536-4:2011

1

2

3

4

5

試料導入部

注入口

カラム槽

キャピラリカラム1

キャピラリカラム2

6

7

8

9

検出部

水素炎イオン化検出器1

水素炎イオン化検出器2

データ処理装置

(2チャネル同時処理)

図4−1槽形ガスクロマトグラフの構成の例

a) 試料導入部 試料導入部は,注入口及びスプリットベントからなり,導入した試料を分岐できる機能

をもつもので,240〜280 ℃を保つことができるもの。

b) カラム槽 カラム槽は,35〜260 ℃の範囲を多段プログラム昇温制御ができる構造のもの。

c) カラム カラムは,シアノプロピル基を含むメチルシリコンを化学結合させたキャピラリカラムで,

微極性及び中極性の2本のカラムを用いる。カラムの例を表7に示す。

表7−1槽形ガスクロマトグラフのカラムの例

項目

キャピラリカラム1

(微極性)

固定相液体

メチルポリシロキサン

キャピラリカラム2

(中極性)

シアノプロピルフェニル/

ジメチルポリシロキサン

液相の膜厚

内径

長さ

d) 検出部及び検出器 検出部は,カラム温度又はそれ以上の温度に保つことができるもの。検出器は,

水素炎イオン化検出器を用いる。

e) データ処理装置 クロマトグラムを記録するとともに,個々のピークの保持時間及びピーク面積値が

検出器別に記録できる2チャネル同時処理ができるもの。積分感度は,1 μV・sにつき1カウント以上

のもの。重複ピークの分割処理は,接線法又は垂線法によるピーク面積処理機能をもつもの。

5.3.2

自動試料導入装置 0.5 μLの試料をはかりとることができるマイクロシリンジを用いて,試験に必

要な試料量を採取及び導入できるもの。試料の導入精度は,ベンゼンの体積分率1 %とトルエンの体積分

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率5 %とを含むn-ヘプタン溶液を5回繰り返して測定したとき,ピーク面積の変動係数がいずれも2.5 %

以下でなければならない。

5.4

試験の準備

試験の準備は,次による。

5.4.1

ガスクロマトグラフの調整

a) 表8を参考にして試験条件を設定する。自動試料導入装置にマイクロシリンジを取り付け,データ処

理装置も使用可能な状態にする。

表8−試験条件の例

項目

キャリヤーガス

種類

流量

試験条件

ヘリウム

1.32(カラム1本当たり)

ヘリウム

20(カラム1本当たり)

付加ガス

種類

流量

検出器用燃焼ガス

種類

流量

種類

流量

初期温度

初期温度保持時間

第一段昇温速度

第一段到達温度

保持時間

検出器用助燃ガス

カラム槽温度

空気

第二段昇温速度

第二段到達温度

保持時間

第三段昇温速度

第三段到達温度

保持時間

第四段到達温度

保持時間

第四段昇温速度

検出器

水素

種類

温度

水素炎イオン化検出器

スプリット比

試料分割割合

試料導入量

試料導入部温度

b) カラム槽の昇温機構及びデータ処理装置を始動させ,空試験での基線が安定していることを確認する。

5.4.2

検量線の作成

a) 検量線作成用試料の調製は,次による。

100 mL全量フラスコに,全量ピペット又はビュレットを用いて,各々の成分の試薬を室温ではかり

とる。はかりとり量は,表1に示す各成分の適用濃度範囲で,適用最高濃度を含む3点以上になるよ

うに,濃度を段階的に変える。次に,試薬が入った100 mL全量フラスコに2-プロパノールを相溶剤

として加え,n-ヘプタンを目盛線まで加えてかき混ぜる。はかりとる成分は,単独又は複数のいずれ

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でもよい。

b) 検量線作成用試料の規定量を試料導入部に自動試料導入装置で導入する。直ちに,カラム槽の昇温機

構及びデータ処理装置を始動させ,a)で調製した全ての検量線作成用試料のクロマトグラム及びピー

ク面積を記録する。

c) ベンゼン,トルエン,エチルベンゼン,o-キシレン,m-キシレン,p-キシレン,メタノール,エタノ

ール,MTBE,ETBE,n-トリデカン及びn-テトラデカンについて,検量線作成用試料の濃度と得られ

たピーク面積とを用いて,検量線を作成する。

なお,検量線は,一連の試験操作前に作成する。また,カラム又はマイクロシリンジを交換したと

きなど,試験条件を変更したときに作成する。

d) c)で作成した検量線が原点を通る直線である場合は,一点検量線法を用いてもよい。この場合の検量

線作成用試料を調製するときの,100 mL全量フラスコへの各成分のはかりとり量の例を表9に示す。

また,クロマトグラムの例を図5に示す。

表9−検量線作成用試料の例

単位 mL

純物質名

はかりとり量

ベンゼン

トルエン

エチルベンゼン

o-キシレン

m-キシレン

p-キシレン

メタノール

エタノール

n-トリデカン

n-テトラデカン

n-ペンタデカン

n-プロパノール

2-プロパノール

n-ブタノール

2-メチル-1-プロパノール

t-ブタノール

ジイソプロピルエーテル(DIPE)

アセトン

3-メチルヘキサン

1,2,3-トリメチルベンゼン

n-ヘプタン

希釈剤

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保持時間(min)

キャピラリカラム1(微極性)

保持時間(min)

キャピラリカラム2(中極性)

図5−1槽形ガスクロマトグラフ検量線作成用試料のクロマトグラムの例

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5.5

試験器の検証

試験器は,成分認証標準物質又は副標準を用いて定期的に検証する。試験値と標準値との差が表11の室

間再現許容差を超える場合は,検量線又は試験条件を見直す。成分認証標準物質は,JIS Q 0034及びJIS Q

0035に従って認証されたものを用いる。

注記 成分認証標準物質は,社団法人石油学会から供給されている。この成分認証標準物質では,ベ

ンゼン,メタノール,エタノール,MTBE,ETBE及び灯油分のJIS K 2536-2によって求めた

認証値が示されている。

5.6

試料の採取方法及び調製方法

試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法によるか,又はそれに準じ

た方法によって採取及び調製する。

5.7

試験の手順

試験の手順は,次による。

a) 5.4.2 b)と同じ条件で,試料の規定量を試料導入部に自動試料導入装置で導入し,直ちに試験を開始す

る。

b) クロマトグラム及びピーク面積を記録し,ベンゼン,トルエン,エチルベンゼン,o-キシレン,m-キ

シレン,p-キシレン,メタノール,エタノール,MTBE,ETBE,n-トリデカン及びn-テトラデカンを

同定する。クロマトグラムの例を図6に示す。

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保持時間(min)

保持時間(min)

キャピラリカラム1(微極性)

キャピラリカラム2(中極性)

図6−試料のガスクロマトグラムの例

c) 目的成分が試料の基材成分と一部重複する場合のピーク面積は,接線法又は垂線法を用いて,ピーク

を分割して求める。

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5.8

計算及び結果の表し方

各成分の含有量[体積分率(%)]は,5.7 c)で求めたピーク面積から,あらかじめ作成した検量線を用

いて求め,JIS Z 8401の規定によって,次に示す丸めの幅に丸める。

a) ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,MTBE及びETBEは,丸めの幅0.1に丸

める。

b) 灯油分は,n-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量[体積分率(%)]に係数14を乗じて,丸めの

幅0.1に丸める。ただし,体積分率0.7 %未満の場合は,全て体積分率0.7 %未満とする。

c) この方法によって求めた各酸素化合物の酸素分[質量分率(%)]を求める場合は,次の式によって算

出し,丸めの幅0.1に丸める。酸素化合物の密度及び酸素含有率は,表10による。試料の密度は,JIS

K 2249の規定によって求める。

O

iw

=

O

iv

×

O

id

×

O

x

D

ここに, Oiw: 酸素化合物iの酸素分[質量分率(%)]

Oiv: 酸素化合物iの含有率[体積分率(%)]

Oid: 酸素化合物iの15 ℃の密度(g/cm3)

Ox: 酸素化合物iの酸素含有率

D: 試料の15 ℃の密度(g/cm3)

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表10−酸素化合物の密度及び酸素含有率

密度(15 ℃)g/cm3

酸素含有率a)

メタノール

エタノール

n-プロパノール

酸素化合物名

2-プロパノール

n-ブタノール

2-メチル-1-プロパノール

s-ブタノール

t-ブタノール

2-メチル-1-ブタノール

3-メチル-1-ブタノール

n-ペンタノール

2-ペンタノール

2-ヘキサノール

2-エチル-1-ヘキサノール

シクロペンタノール

ジエチルエーテル

ジイソプロピルエーテル(DIPE)

アセトン

メチルエチルケトン(MEK)

1,2-ジメトキシエタン(DME)

注a) 表にない酸素化合物の酸素含有率は,次の式を用いて求めることができる。

ここに,Ox:酸素含有率

Oa:酸素化合物の酸素量

Ob:酸素化合物の分子量

5.9

精度

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ

た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。

5.9.1

室内併行精度

同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果

の差の許容差は,表11による。

5.9.2

室間再現精度

異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験結

果の差の許容差は,表11による。

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表11−精度

濃度範囲

室内併行許容差a)

単位 体積分率(%)

室間再現許容差a)

ベンゼン

トルエン

キシレン

メタノール

エタノール

成分

灯油分

注a) Xは,試験結果の平均値。

5.10 結果の報告

試験結果の報告には,次の事項を記述する。

a) 試料名,採取場所及び採取年月日

b) この規格の番号(JIS K 2536-4)及び箇条番号(箇条5)

c) 5.8によって得られた結果

d) 試験年月日

e) 特記事項

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附属書A

(参考)

試験方法の種類

A.1 試験方法の種類

JIS K 2536の規格群には,表A.1に示す試験方法がある。

表A.1−試験方法の種類

規格群

試験方法の種類

適用成分

適用区分

終点が315 ℃以下a) の

石油製品に適用する。

蛍光指示薬吸着法

飽和分,オレフィン分及び芳香族分

ガスクロマトグラフによる全成分の

求め方

全成分,ベンゼン,トルエン,キシレン,

終点が250 ℃以下a) の

メタノール,エタノール,MTBE,ETBE 石油製品に適用する。

及び灯油分

附属書(規定) ガスクロマトグラフ

による迅速な全成分の求め方

ガスクロマトグラフによる芳香族の

求め方

芳香族,ベンゼン,トルエン及びキシレ

タンデム式ガスクロマトグラフによ

る成分の求め方(1槽形及び2槽形)

ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノ

ール,エタノール(1槽形),MTBE,ETBE

(1槽形)及び灯油分

ガスクロマトグラフによる酸素化合

物の求め方

メタノール及びMTBE

酸素検出式ガスクロマトグラフによ

酸素分,メタノール,エタノール,MTBE,

る酸素分・酸素化合物の求め方

ETBE及びその他の酸素化合物

注a) 終点は,JIS K 2254に規定する常圧法蒸留試験方法による。

単位

適用油種例

体積分率(%)

自動車ガソリン,航空

ガソリン,航空タービ

ン燃料油及び灯油

質量分率(%)又は

体積分率(%)

自動車ガソリン

終点が220 ℃以下a) の

石油製品に適用する。

終点が250 ℃以下a) の

石油製品に適用する。

自動車ガソリン及び

航空ガソリン

自動車ガソリン

体積分率(%)

質量分率(%)又は

体積分率(%)

自動車ガソリン