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日本工業規格

JIS

Z 3043-1990

ステンレスクラッド鋼溶接施工方法の

確認試験方法

Method of Welding Procedure Qualification Test

for Stainless−Clad Steel

1. 適用範囲 この規格は,JIS G 3601(ステンレスクラッド鋼)に規定するステンレスクラッド鋼(肉

盛クラッド鋼を除く。以下,クラッド鋼という。)の突合せ溶接を行う場合,あらかじめ,その溶接施工方

法の適否を確認するための試験方法について規定する。

備考 この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであっ

て,参考として併記したものである。

なお,この規格の中の従来単位及び数値と,その横に { } を付けてSIによる単位及びそれ

に基づく数値が示してある部分は,平成3年1月1日以降 { } を付けて示してある単位及び

数値又は附属書に規定する単位及び数値に切り替える。

引用規格:17, 18ペ−ジに示す。

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 3001(溶接用語)及びJIS G 0601(クラッ

ド鋼の試験方法)による。

3. 溶接施工方法の確認事項

3.1

クラッド鋼の種別による確認事項の対象

3.1.1

クラッド鋼1種 溶接施工方法の確認事項の対象は,母材と合せ材の組合せとする。

3.1.2

クラッド鋼2種 溶接施工方法の確認事項の対象は,次の(1)又は(2)のいずれかとする。

(1) 母材と合せ材の組合せを対象とする。

(2) 母材だけを対象とする。ただし,合せ材側の溶接施工方法の確認試験方法については当事者間の協定

による。

3.2

確認事項の区分 溶接施工方法の確認事項は,3.3〜3.14までの各事項について,それぞれの規定す

る事項の区分の組合せが異なるごとに確認試験を行う。

3.3

溶接方法の区分 溶接方法の区分は,表1に示すとおりとする。母材と合せ材の溶接方法で,二つ

以上の溶接方法を併用する場合は,その組合せを1区分とする。

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2

Z 3043-1990

表1 溶接方法の区分

溶接方法の区分

3.4

種類

備考

被覆アーク溶接

サブマージアーク溶接

ティグ溶接

ミグ溶接

マグ溶接(炭酸ガスアーク溶接を含む。)

手動

帯状電極溶接,セルフシールド

アーク溶接,ガス溶接,エレク

それぞれ1種類ごとの

その他

トロスラグ溶接,エレクトロガ

の溶接

区分とする。

スアーク溶接,プラズマアーク

溶接,電子ビ−ム溶接など

手動

手動,半自動,自動

半自動,自動

半自動,自動

母材及び合せ材の区分 母材及び合せ材の区分は,表2のP番号によるものとし,表2以外のもの

については,母材及び合せ材の種類及び成分の組合せとする。

また,母材及び合せ材の各区分を組み合わせて,その組合せを1区分とする。

3.5

3.5.1

溶接材料の区分

被覆アーク溶接棒の区分 被覆アーク溶接棒の区分は,表3によるものとし,それ以外のものにつ

いては,溶接棒の種類及び成分の組合せとする。

また,母材及び合せ材を溶接する溶接棒の組合せを1区分とする。

3.5.2

溶接ワイヤ及び溶接棒の区分 ガスシールドアーク溶接ワイヤ及び溶接棒の区分は,表4によるも

のとし,サブマージアーク溶接ワイヤの区分は,表5によるものとする。表4及び表5以外のものについ

ては,溶接ワイヤ及び溶接棒の種類及び成分の組合せによる。

また,母材及び合せ材を溶接する溶接ワイヤ及び溶接棒の組合せを1区分とする。

3.5.3

帯状電極溶接材料の区分 帯状電極溶接材料の区分は,表6による。表6以外のものについては,

帯状電極材料の種類及び成分の組合せによる。

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Z 3043-1990

表2 母材及び合せ材の区分(平成2年12月31日まで適用)

母材の区分

P番号

Gr番号

材料記号(例)

種類

炭素鋼のうち日本工業

規格で規定する最小引

張強さが49kgf/mm2

{480N/mm2} 未満のも

の。

種類の記号

C系

C-Si系

C-Mn-Si系

(Ni) 系

C-Si系

C-Mn-Si系

炭素鋼のうち日本工業

規格で規定する最小引

張強さが49kgf/mm2

以 上

{550N/mm2}未満のも

の。

C-Mn-Si系

(Ni) 系

C-Si系

炭素鋼のうち日本工業

規格で規定する最小引

張強さが56kgf/mm2

{550N/mm2} 以上のも

の。

耐熱低合金鋼

耐熱低合金鋼のうち日

本工業規格で規定する

最小引張強さが

以 上

/mm2} 未満のもの。

日本工業規

格の番号

合金成分

C-Mn-Si系

C-Mn-Si系

形状

鋼板

鍛鋼

鋼板

鍛鋼

鋼板

C-1/2Mo系

1/2Cr-1/2Mo系

C-1/2Mo系

Mn-1/2Mo系

Mn-Si-Cu-Mo系

1/2Cr-1/2Mo系

C-1/2Mo系

3/4Cr-1/2Mo系

鋼板

鋼板

鍛鋼

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Z 3043-1990

母材の区分

P番号

Gr番号

材料記号(例)

種類

耐熱低合金鋼のうち日

本工業規格で規定する

最小引張強さが

{550N/mm2} 以上のも

の。

耐熱低合金鋼

耐熱低合金鋼

耐熱低合金鋼

合金成分

Mn-1/2Mo系

Ni系

Ni系

種類の記号

日本工業規

格の番号

Mn-Si-Cu-Mo系 SEV 35

-V系

-V系

3/4Cr-1/2Mo系

1Cr-1/2Mo系

1・1/4Cr-1/2Mo系 SCMV 3 1〜2

1Cr-1/2Mo系

1・1/4Cr-1/2Mo系 SFVA F 11 A, SFVA F 11 B

2・1/4Cr-1Mo系 SCMV 4 1〜2

3Cr-1Mo系

2・1/4Cr-1Mo系 SFVA F 22 A, SFVA F 22 B

3Cr-1Mo系

5Cr-1Mo系

5Cr-1Mo系

9Cr-1Mo系

フェライト系ステンレ

ス鋼

オーステナイト系ステ

ンレス鋼

オーステナイト・フェ

ライト系ステンレス鋼 SUS 329 J2L

形状

鋼板

鍛鋼

鋼板

鍛鋼

鋼板

鍛鋼

鋼板

鍛鋼

鋼板

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Z 3043-1990

表3 被覆アーク溶接棒の区分(平成2年12月31日まで適用)

被覆アーク溶接

棒の区分

種類

溶接材料記号(例)

種類の記号

日本工業規格の番号

軟鋼及び50kgf/mm2 {490N/mm2} 級鋼

に用いられる被覆アーク溶接棒で低水

素系以外のもの。

軟鋼及び50kgf/mm2 {490N/mm2} 級鋼

に用いられる被覆アーク溶接棒で低水

素系のもの。

低温用鋼に用いられる被覆アーク溶接

棒で溶着金属のニッケル量の2%未満 DL5016-6XY, DL5016-10XY,

のもの。

60kgf/mm2 {590N/mm2} 級鋼に用いら

れる被覆アーク溶接棒で低水素系のも

の。

主としてP-3材に用いられる被覆アー DT 1216

ク溶接棒で,溶着金属の基本合金成分

がP-3材と同程度のもの。

主としてP-4材に用いられる被覆アー DT 2313, DT 2315, DT 2316, DT 2318

ク溶接棒で,溶着金属の基本合金成分

がP-4材と同程度のもの。

主としてP-5材に用いられる被覆アー DT 2413, DT 2415, DT 2416, DT 2418,

ク溶接棒で,溶着金属の基本合金成分

がP-5材と同程度のもの。

ステンレス鋼に用いられる被覆アーク

溶接棒で,マルテンサイト系の溶着金

属が得られるもの。

ステンレス鋼に用いられる被覆アーク

溶接棒で,フェライト系の溶着金属が

得られるもの。

ステンレス鋼に用いられる被覆アーク

溶接棒で,オーステナイト系の溶着金

属が得られるもの。

ステンレス鋼に用いられる被覆アーク

溶接棒で,オーステナイト・フェライ

ト系の溶着金属が得られるもの。

備考 溶接材料記号中の“XY”は,JIS Z 3241で定められており,Xは溶接後熱処理の有無(A, P又はAP)を,Y

は溶着金属の化学成分 (0, 1, 2, 3, 4) を表す。

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Z 3043-1990

表4 ガスシールドアーク溶接ワイヤ及び溶接棒の区分(平成2年12月31日まで適用)

溶接ワイヤ及び

溶接棒の区分

種類

溶接材料記号(例)

種類の記号

日本工業規格の番号

軟鋼及び50kgf/mm2 {490N/mm2} 級鋼

に用いられる溶接ワイヤ及び溶接棒。 YFW 2 X, YFW 3 X

低温用鋼に用いられる溶接ワイヤで,

溶着金属のニッケル量の2%未満のも

の。

60kgf/mm2 {590N/mm2} 級鋼に用いら

れる溶接ワイヤ及び溶接棒。

主としてP-3材に用いられる溶接ワイ YGTM, YGTML

ヤ及び溶接棒で.溶着金属の基本合金

成分がP-3材に相当するもの。

主としてP-4材に用いられる溶接ワイ YGT 1 CM, YGT 1 CML

ヤ及び溶接棒で,溶着金属の基本合金

成分がP-4材に相当するもの。

主としてP-5材に用いられる溶接ワイ YGT 2 CM, YGT 2 CML, YGT 3 CM,

ヤ及び溶接棒で,溶着金属の基本合金

成分がP-5材に相当するもの。

ステンレス鋼に用いられる溶接ワイヤ

及び溶接棒で,マルテンサイト系の溶

着金属が得られるもの。

ステンレス鋼に用いられる溶接ワイヤ

及び溶接棒で,フェライト系の溶着金

属が得られるもの。

ステンレス鋼に用いられる溶接ワイヤ

及び溶接棒で,オーステナイト系の溶

着金属が得られるもの。

備考 溶接材料記号中の“X”の記号は,日本工業規格でそれぞれの数値 (1, 2, 3…) 又は記号 (C, A, G) が定められ

ており,そのいずれかに該当することを示す。

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Z 3043-1990

表5 サブマージアーク溶接ワイヤの区分(平成2年12月31日まで適用)

溶接ワイヤの区分

種類

溶接材料記号(例)

種類の記号

日本工業規格の番号

軟鋼及び50kgf/mm2 {490N/mm2} 級鋼

に用いられる溶接ワイヤ。

低温用鋼に用いられる溶接ワイヤで,

溶着金属のニッケル量の2%未満のも

の。

60kgf/mm2 {590N/mm2} 級鋼に用いら

れる溶接ワイヤ。

主としてP-3材に用いられる溶接ワイ YS-M 3, YS-M 4, YS-M 5, YS-CMX

ヤで,溶着金属の基本合金成分がP-3

材に相当するもの。

主としてP-4材に用いられる溶接ワイ YS-1 CMX

ヤで,溶着金属の基本合金成分がP-4

材に相当するもの。

主としてP-5材に用いられる溶接ワイ YS-2 CMX, YS-3 CMX, YS-5 CMX

ヤで,溶着金属の基本合金成分がP-5

材に相当するもの。

ステンレス鋼に用いられる溶接ワイヤ

で,マルテンサイト系の溶着金属が得

られるもの。

ステンレス鋼に用いられる溶接ワイヤ

で,フェライト系の溶着金属が得られ

るもの。

ステンレス鋼に用いられる溶接ワイヤ

で,オーステナイト系の溶着金属が得

られるもの。

備考 溶接材料記号中の“X”の記号は,規格でそれぞれの数値 (1, 2, .3…) 又は記号 (C, A, G) が定められており,

そのいずれかに該当することを示す。

表6 帯状電極溶接材料の区分

帯状電極溶接材

料の区分

種類

溶接材料記号(例)

種類の記号

日本工業規格の番号

ステンレス鋼溶接金属が得られる帯状

電極肉盛溶接材料で,オーステナイト

系の溶接金属が得られるもの。

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Z 3043-1990

表7 サブマージアーク溶接用フラックスの区分

フラックスの区分 種類(日本工業規格の番号)

フラックスのタイプ

適用できる母材及び合せ材

溶融フラックス

溶融フラックス(軽石状)

炭素鋼又は耐熱低合金鋼

ボンドフラックス

ボンドフラックス(鉄粉系)

溶融フラックス

ボンドフラックス

オーステナイト系

ステンレス鋼

備考 種類の記号の付け方は,次の例による。

例:

3.5.4

フラックスの区分 フラックスの区分は,表7によるものとし,表7以外のものについてはその種

類及び成分の組合せとする。

3.5.5

シールドガスの区分 シールドガスの区分は,その種類ごととする。

なお,2種類以上のガスを混合する場合は,その組合せ及びガス組成をそれぞれ1区分とする。

3.6

溶接棒の使用の区分 ティグ溶接及びプラズマアーク溶接における溶接棒の使用区分は,その使用

の有無による。

3.7

予熱の区分 予熱の区分は,その使用の有無による。ただし,予熱温度が以前に確認した最低温度

より50℃以上低い場合は新たな区分とする。

3.8

溶接後熱処理の区分 溶接後熱処理の区分は,その有無による。溶接後熱処理を行う場合の区分は,

温度の下限及び最低保持時間の組合せとする。

3.9

電極の区分 電極の区分は,単極又は多極とする。

3.10 衝撃試験の区分 衝撃試験の区分は,その有無による。衝撃試験を必要とする場合の区分は衝撃温

度の下限を区分とする。

3.11 合せ材の溶接の区分 合せ材の溶接の区分は,次の事項とする。

(1) 合せ材の溶接の層盛りの区分は,溶接層数とする。ただし,多層盛りについては以前確認した層数よ

り多層で溶接する場合は,新たな確認試験を省略することができる。

(2) 合せ材の溶接電流の区分は,交流又は直流とする。直流を用いる場合の極性の区分は棒マイナス (SP) ,

棒プラス (RP) とする。

(3) パス間温度の区分は,その温度の最高値とする。

3.12 合せ材の溶接における被覆アーク溶接の区分 合せ材の被覆アーク溶接の区分は,以前に確認した

初層溶接の溶接電流値より10%以上増加する場合は,新たな区分とする。

3.13 合せ材の溶接におけるサブマージアーク溶接,ティグ溶接,ミグ溶接,マグ溶接及びその他の溶接

の区分 合せ材の溶接におけるサブマージアーク溶接,ティグ溶接,ミグ溶接,マグ溶接及びその他の溶

接の区分は,次の事項とする。

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Z 3043-1990

(1) 溶接のウィ−ビングの区分は,その有無による。

(2) サブマージアーク溶接,ミグ溶接,マグ溶接及びその他の溶接の電極の直径を区分とする。

また,ティグ溶接の溶接棒の直径が20%以上変わる場合は,新たな区分とする。

(3) 以前に確認した初層溶接の入熱量の範囲より10%以上増加した場合は,新たな区分とする。

(4) 以前に確認した2層目以降の溶接の入熱量の範囲より20%以上増加した場合は,新たな区分とする。

(5) 電源の種類の区分は,パルスの有無による。

3.14 クラッド鋼の厚さの区分 クラッド鋼の厚さの区分は,表8による母材と合せ材の厚さの組合せと

する。

表8 確認される母材及び合せ材並びに試験材の母材及び合せ材の厚さの区分

(1) 母材

単位mm

試験材の母材の厚さ (t)

10未満

19未満

10以上

19以上

確認される母材の厚さ (T)

2t以下

5以上

2t以下

5以上2t以下 ただし最大200

(2) 合せ材

単位mm

試験材の合せ材の厚さ (t)

確認される合せ材の厚さ (T)

1.5未満

t以上

2t以下

1.5以上

10未満

10以上

1.5以上

5以上

2t以下

2t以下

備考1. 次による場合の母材及び合せ材の厚さの上限は,1.1tとする。

(a) ガス溶接の場合。

(b) 各パスの溶接厚さが13mmを超えるとき。

2. 母材の厚さ (T) が200mmを超えるときの試験材の母材の厚さtは1.1T以

上 (mm) とし,それによって確認される厚さは2t〜1.1tまでとする。

4. 確認試験

4.1

試験材の種類 クラッド鋼の1種及び2種における溶接試験材の種類は,クラッド鋼の突合せ溶接

とする。ただし,当事者間の協議によって決定する場合はこの限りではない。

4.2

試験材の厚さ 確認を行う母材及び合せ材の厚さに対応する試験材の母材及び合せ材の厚さは,表8

のとおりとする。

4.3

溶接姿勢 試験材の溶接姿勢は,下向とする。ただし,これによって行うことが適当でないと認め

られるものは実作業の姿勢とする。

4.4

試験片及び試験方法

4.4.1

する。

試験の種類 試験片の採取は,図1のとおりとし,試験の種類及び試験片の数は,表9のとおりと

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10

Z 3043-1990

図1 試験材と試験片採取要領

備考 フェライト量試験は,任意の位置で行う。

表9 試験の種類及び試験片の数

単位個

試験材

の厚さ

19未満

19以上

クラッド

鋼の種類

試験項目

継手引張試験

参考試験項目

表曲げ 裏曲げ 側曲げ 母材側の

衝撃試験 成分分析 フェライト量試験

試験

試験

試験

クラッド鋼

母材

1種

溶接金属

2種

1種

2種

熱影響部

合せ材側 オーステナイト系

の溶接金 ステンレス鋼溶接

属 1

金属 1

備考1. 合せ材の溶接金属の成分分析及びオーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属のフェライ

ト量試験は,必要とする場合に限り行う。

2. 表曲げ試験は合せ材を外側にして曲げ,裏曲げ試験は母材側を外側にして曲げる。

3. 衝撃試験は,母材に要求がある場合に行う。

4.4.2

突合せ溶接の試験片の形状,寸法及び試験方法 突合せ溶接の試験片の形状,寸法及び試験方法は,

次による。

(1) 継手引張試験は,JIS Z 3121(突合せ溶接継手の引張試験方法)による。

なお,クラッド鋼の2種における継手引張試験は,合せ材を取り除いて行う。

(2) 曲げ試験は,JIS Z 3122(突合せ溶接継手の曲げ試験方法)による。

(3) 衝撃試験は,JIS Z 2202(金属材料衝撃試験片)の4号試験片(切欠きは板厚方向に設ける。)で行う

ものとし,試験方法は,JIS Z 2242(金属材料衝撃試験方法)による。母材の厚さが10mm未満の場

合には7.5mm,5mm又は2.5mm幅とする試験片を用いることができる。

なお,試験片の採取位置は,JIS Z 3040(溶接施工方法の確認試験方法)による。

(4) 成分分析は,図2に示す合せ材の溶接金属によって分析試料を採取して,JIS Z 3221(ステンレス鋼

被覆アーク溶接棒)及びJIS Z 3321(溶接用ステンレス鋼棒及びワイヤ)に規定する分析試験方法に

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11

Z 3043-1990

よって行う。ただし,分析試料の採取位置及び分析成分については,当事者間の協議によって決定す

る場合はこの限りではない。

(5) フェライト量試験は,合せ材のオーステナイト系ステンレス鋼溶接金属について行う。試験方法は,

JIS G 0601に規定される方法による。ただし,試験位置については当事者間の協議によって決定する。

図2 溶接金属の分析試料採取位置

4.5

試験結果の判定 試験結果の判定は次による。

(1) 継手引張試験については,次による。

(a) クラッド鋼1種については,試験片の引張強さがJIS G 3601による引張強さの最小値以上である場

合を合格とする。日本工業規格に規定する最小引張強さが異なるクラッド鋼の溶接継手については,

二つのうちいずれか低い方の最小引張強さ以上とする。

(b) クラッド鋼2種については,試験片の引張強さが,母材の日本工業規格に規定する引張強さの最小

値以上である場合を合格とする。日本工業規格に規定する最小引張強さが異なる母材を用いるとき

には,二つのうちいずれか低い方の最小引張強さ以上とする。

(2) 曲げ試験については,試験片の曲げ表面に,長さ3.0mm以上の割れ(縁角に生ずる小さな割れを除く。)

が生じない場合は合格とする。

(3) 衝撃試験については,すべての試験結果のシャルピ−吸収エネルギ−の値が母材の規格値以上でなけ

ればならない。

(4) 化学成分については,JIS Z 3221及びJIS Z 3321に規定される成分値の範囲内の場合は合格とする。

ただし,当事者間の協議によって合否を決定する場合はこの限りではない。

(5) フェライト量試験結果の判定については,当事者間の協定による。

4.6

確認試験の省略 一つ以上の溶接方法について以前確認を行った場合であって,それらの溶接方法

の組合せを併用する場合には,確認試験を省略することができる。ただし,溶接方法以外の確認事項はす

べて満足しなければならない。

5. 記録 溶接施工方法の確認試験結果報告として,クラッド鋼の試験成績書の写し,溶接記録(溶接装

置,溶接材料,溶接条件),熱処理記録,確認試験成績書を作成する。

また,必要に応じて次のものを含める。

(1) 非破壊試験(液体浸透探傷試験,放射線透過試験など)の成績書

(2) 溶接部の硬さ分布を示す記録

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12

Z 3043-1990

6. 再試験 溶接施工方法の確認試験を行い,その結果不合格となった場合は,溶接施工方法において不

合格となった原因の検討を行い,必要に応じて修正の上再試験を行うことができる。

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13

Z 3043-1990

附属書

附属書表1 母材及び合せ材の区分

(平成3年1月1日から適用)

母材の区分

P番号

Gr番号

材料記号(例)

種類

炭素鋼のうち日本工

業規格で規定する最

小引張強さが

480N/mm2未満のも

の。

合金成分

C系

C-Si系

C-Mn-Si系

(Ni) 系

C-Si系

炭素鋼のうち日本工

業規格で規定する最

小引張強さが

以 上

550N/mm2未満のも

の。

C-Mn-Si系

C-Mn-Si系

(Ni) 系

C-Si系

C-Mn-Si系

炭素鋼のうち日本工

業規格で規定する最

小引張強さ550N/mm2

以上のもの。

耐熱低合金鋼

耐熱低合金鋼のうち

日本工業規格で規定

する最小引張強さが

以 上

550N/mm2未満のも

の。

C-Mn-Si系

C-1/2Mo系

種類の記号

日本工業規

格の番号

1/2Cr-1/2Mo系

C-1/2Mo系

Mn-1/2Mo系

Mn-Si-Cu-Mo系

1/2Cr-1/2Mo系

C-1/2Mo系

3/4Cr-1/2Mo系

形状

鋼板

鍛鋼

鋼板

鍛鋼

鋼板

鋼板

鋼板

鍛鋼

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14

Z 3043-1990

母材の区分

P番号

Gr番号

材料記号(例)

種類

耐熱低合金鋼のうち

日本工業規格で規定

する最小強さが

550N/mm2以上のも

の。

耐熱低合金鋼

耐熱低合金鋼

耐熱低合金鋼

合金成分

Mn-1/2Mo系

種類の記号

Mn-Si-Cu-Mo系

-1/4Cr-V系

-1/3Cr-V系

-0.6Mo系

3/4Cr-1/2Mo系

1Cr-1/2Mo系

1・1/4Cr-1/2Mo系 SCMV 3 1〜2

1Cr-1/2Mo系

1・1/4Cr-1/2Mo系 SFVAF 11 A, SFVA F 11 B

Ni系

Ni系

Mo系

3Cr-1Mo系

Mo系

3Cr-1Mo系

5Cr-1Mo系

5Cr-1Mo系

9Cr-1Mo系

鋼板

鍛鋼

鋼板

鍛鋼

鍛鋼

フェライト系ステン

レス鋼

オーステナイト系ス

テンレス鋼

オーステナイト・フェラ

イト系ステンレス鋼

形状

鋼板

日本工業規

格の番号

鋼板

鍛鋼

鋼板

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

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Z 3043-1990

附属書表2 被覆アーク溶接棒の区分

(平成3年1月1日から適用)

被覆アーク溶接

棒の区分

溶接材料記号(例)

種類

種類の記号

軟鋼及び490N/mm2級鋼に用

いられる被覆アーク溶接棒で

低水素系以外のもの。

軟鋼及び490N/mm2級鋼に用

いられる被覆アーク溶接棒で

低水素系のもの。

低温用鋼に用いられる被覆ア

ーク溶接棒で溶着金属のニッ

ケル量の2%未満のもの。

590N/mm2級鋼に用いられる

被覆アーク溶接棒で低水素系

のもの。

主としてP-3材に用いられる DT 1216

被覆アーク溶接棒で,溶着金

属の基本合金成分がP-3材と

同程度のもの。

主としてP-4材に用いられる DT 2313, DT 2315, DT 2316, DT 2318

被覆アーク溶接棒で,溶着金

属の基本合金成分がP-4材と

同程度のもの。

日本工業規

格の番号

主としてP-5材に用いられる DT 2413, DT 2415, DT 2416, DT 2418, DT 2516

被覆アーク溶接棒で,溶着金

属の基本合金成分がP-5材と

同程度のもの。

ステンレス鋼に用いられる被

覆アーク溶接棒で,マルテン

サイト系の溶着金属が得られ

るもの。

ステンレス鋼に用いられる被

覆アーク溶接棒で,フェライ

ト系の溶着金属が得られるも

の。

ステンレス鋼に用いられる被

覆アーク溶接棒で,オーステ

ナイト系の溶着金属が得られ

るもの。

ステンレス鋼に用いられる被

覆アーク溶接棒で,オーステ

ナイト・フェライト系の溶着

金属が得られるもの。

備考 溶接材料記号中の“XY”は,JIS Z 3241で定められており,Xは溶接後熱処理の有無(A, P又はAP)を,

Yは溶着金属の化学成分 (0, 1, 2, 3, 4) を表す。

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Z 3043-1990

附属書表3 ガスシールドアーク溶接ワイヤ及び溶接棒の区分

(平成3年1月1日から適用)

溶接ワイヤ及び

溶接棒の区分

溶接材料記号(例)

種類

種類の記号

日本工業規

格の番号

軟鋼及び490N/mm2級鋼に用

いられる溶接ワイヤ及び溶接

棒。

低温用鋼に用いられる溶接ワ

イヤで,溶着金属のニッケル

量の2%未満のもの。

590N/mm2級鋼に用いられる

溶接ワイヤ及び溶接棒。

主としてP-3材に用いられる YGTM, YGTML

溶接ワイヤ及び溶接棒で,溶

着金属の基本合金成分がP-3 YFM-X, YFCM-X

材に相当するもの。

主としてP-4材に用いられる YGT 1 CM, YGT 1 CML

溶接ワイヤ及び溶接棒で,溶

着金属の基本合金成分がP-4 YF 1 CM-X

材に相当するもの。

主としてP-5材に用いられる YGT 2 CM, YGT 2 CML, YGT 3 CM,

溶接ワイヤ及び溶接棒で,溶

着金属の基本合金成分がP-5 YG 2 CM-X, YG 3 CM-X, YG 5 CM-X

材に相当するもの。

ステンレス鋼に用いられる溶

接ワイヤ及び溶接棒で,マル

テンサイト系の溶着金属が得

られるもの。

ステンレス鋼に用いられる溶

接ワイヤ及び溶接棒で,フェ

ライト系の溶着金属が得られ

るもの。

ステンレス鋼に用いられる溶

接ワイヤ及び溶接棒で,オー

ステナイト系の溶着金属が得

られるもの。

備考 溶接材料記号中の“X”の記号は,日本工業規格でそれぞれの数値 (1, 2, 3…) 又は記号 (C, A, G) が定めら

れており,そのいずれかに該当することを示す。

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Z 3043-1990

附属書表4 サブマージアーク溶接ワイヤの区分

(平成3年1月1日から適用)

溶接材料記号(例)

溶接ワイヤの区分

種類

種類の記号

日本工業規

格の番号

軟鋼及び490N/mm2級鋼に用

いられる溶接ワイヤ。

低温用鋼に用いられる溶接ワ

イヤで,溶着金属のニッケル

量の2%未満のもの。

590N/mm2級鋼に用いられる

溶接ワイヤ。

主としてP-3材に用いられる YS-M 3, YS-M 4, YS-M 5, YS-CMX

溶接ワイヤで,溶着金属の基

本合金成分がP-3材に相当す

るもの。

主としてP-4材に用いられる YS-1CMX

溶接ワイヤで,溶着金属の基

本合金成分がP-4材に相当す

るもの。

主としてP-5材に用いられる YS-2 CMX, YS-3 CMX, YS-5 CMX

溶接ワイヤで,溶着金属の基

本合金成分がP-5材に相当す

るもの。

ステンレス鋼に用いられる溶

接ワイヤで,マルテンサイト

系の溶着金属が得られるも

の。

ステンレス鋼に用いられる溶

接ワイヤで,フェライト系の

溶着金属が得られるもの。

ステンレス鋼に用いられる溶

接ワイヤで,オーステナイト

系の溶着金属が得られるも

の。

備考 溶接材料記号中の“X”の記号は,規格でそれぞれの数値 (1, 2, 3…) 又は記号 (C, A, G) が定められており,

そのいずれかに該当することを示す。

引用規格:

JIS G 0601 クラッド鋼の試験方法

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材

JIS G 3103 ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板

JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材

JIS G 3114 溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材

JIS G 3115 圧力容器用鋼板

JIS G 3118 中・常温圧力容器用炭素鋼鋼板

JIS G 3119 ボイラ及び圧力容器用マンガンモリブデン鋼及びマンガンモリブデンニッケル鋼鋼板

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Z 3043-1990

JIS G 3120 圧力容器用調質型マンガンモリブデン鋼及びマンガンモリブデンニッケル鋼鋼板

JIS G 3124 中・常温圧力容器用高強度鋼鋼板

JIS G 3126 低温圧力容器用炭素鋼鋼板

JIS G 3201 炭素鋼鍛鋼品

JIS G 3202 圧力容器用炭素鋼鍛鋼品

JIS G 3203 高温圧力容器用合金鋼鍛鋼品

JIS G 3204 圧力容器用調質型合金鋼鍛鋼品

JIS G 3205 低温圧力容器用鍛鋼品

JIS G 3601 ステンレスクラッド鋼

JIS G 4109 ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板

JIS Z 2202 金属材料衝撃試験片

JIS Z 2242 金属材料衝撃試験方法

JIS Z 3001 溶接用語

JIS Z 3040 溶接施工方法の確認試験方法

JIS Z 3121 突合せ溶接継手の引張試験方法

JIS Z 3122 突合せ溶接継手の曲げ試験方法

JIS Z 3211 軟鋼用被覆アーク溶接棒

JIS Z 3212 高張力鋼用被覆アーク溶接棒

JIS Z 3221 ステンレス鋼被覆アーク溶接棒

JIS Z 3223 モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼被覆アーク溶接棒

JIS Z 3241 低温用鋼用被覆アーク溶接棒

JIS Z 3312 軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ

JIS Z 3313 軟鋼及び高張力鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤ

JIS Z 3316 軟鋼及び低合金鋼用ティグ溶接棒及びワイヤ

JIS Z 3317 モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ

JIS Z 3318 モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用マグ溶接フラックス入りワイヤ

JIS Z 3321 溶接用ステンレス鋼棒及びワイヤ

JIS Z 3322 ステンレス鋼帯状電極肉盛溶接材料

JIS Z 3323 ステンレス鋼アーク溶接フラックス入りワイヤ

JIS Z 3324 ステンレス鋼サブマージアーク溶接ソリッドワイヤ及びフラックス

JIS Z 3325 低温用鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ

JIS Z 3351 炭素鋼及び低合金鋼用サブマージアーク溶接ワイヤ

JIS Z 3352 炭素鋼及び低合金鋼用サブマージアーク溶接フラックス

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

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Z 3043-1990

ステンレスクラッド鋼溶接施行方法の確認試験方法 工業標準原案作成委員会 構成表

(委員長)

氏名

所属

稲 垣 道 夫

恩 沢 忠 男

池 田 要

久保田 彰

夏 目 松 吾

原 修 一

大 尾 和 彦

関 村 和 義

高 橋 研 二

近 藤 正 義

浅 見 正 則

大 浦 基 宏

濱 田 晋 作

福 井 一 郎

財団法人日本溶接技術センタ−

東京工業大学工学部生産機械工学科

工業技術院標準部材料規格課

旭化成工業株式会社化薬事業部

株式会社神戸製鋼所溶接棒事業部技術部

住友金属工業株式会社鋼板技術部

NKK商品技術センタ−鋼材技術部

株式会社日本製鋼所室蘭製作所鋼材部

株式会社日立製作所笠戸工場製造部

新日本製鐵株式会社チタン部

三菱金属株式会社桶川第1製作所

川崎製鉄株式会社技術本部鋼材技術部

株式会社北海鐵工所

株式会社新潟鐵工所エンジニアリング事

業部

ステンレス協会

日石エンジニアリング株式会社技術本部

日立造船株式会社陸機設計所プラント事

業本部

三菱重工業株式会社広島研究所

三井造船株式会社化学機械事業室設計部

社団法人日本高圧力技術協会

大 屋 武 夫

石 井 正 義

近 藤 康 章

(事務局)

吉 田 康 之

片 岡 浩 三

高 野 兼 清