「他人受入率(FAR)」と「本人拒否率(FRR)」の違い
予備知識
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 認証 | 「おまえ誰?OKなやつ?」を確認する作業 |
| 生体認証 | 指紋や声紋、眼の虹彩や静脈パターンなど、人によって違う身体的な特徴を利用した認証のやり方 |
生体認証は人間様の身体的な特徴を利用した認証です。
身体的な特徴というのは微妙に変化します。
そのため、パスワードなどを使った認証と違って「登録されている情報と完全に一致するか?」でOKかNGかを判断できません。
「完全に一致するか?」で判断すると、髪を切ったり、お肌が荒れたり、寝不足で目が充血したりといった、ちょっとした違いで一致しない扱いになってしまうからです。

そこで、コンピュータさんは「大体、合ってるな。多分、本人だろう」とアバウトに判断します。
そうです。
生体認証は「多分、合ってる」で認証するのです。
そのため、正確無比が売りのコンピュータさんでも、たま~~~~~~~~に間違えます。

さて、認証におけるOKかNGかを判断するときの間違いは2種類に分類できます。
それは
1.OKな人なのにNGと判断する
2.NGな人なのにOKと判断する
の2つです。

それを踏まえて、読み進めてください。
それぞれの用語の意味
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 他人受入率(FAR) | 本当は認証NGなはずの人(他人)なのに、コンピュータさんが勘違いして「おまえはOKなやつだな!通れ!」と判断してしまう確率 |
| 本人拒否率(FRR) | 本当は認証OKなはずの人(本人)なのに、コンピュータさんが勘違いして「おまえはOKなやつじゃないな!帰れ!」と判断してしまう確率 |
似ているところ
どちらも生体認証の話で出てくる「あっ、間違っちゃった。ゴメンね」が発生する確率です。
違うところ
間違い方が違います。
他人受入率は「NGな人なのにOKと判断する」確率です。
他人(NGな人)を受け入れてしまう確率です。

本人拒否率は「OKな人なのにNGと判断する」確率です。
本人(OKな人)を拒否してしまう確率です。

備考
他人受入率は「False Acceptance Rate(フォルス・アクセプタンス・レート)」の頭文字を取って「FAR」と表現されることも あります。
「False Acceptance Rate」を何となく日本語にすると「誤って受け入れる率」となります。[詳細]
本人拒否率は「False Rejection Rate(フォルス・リジェクション・レート)」の頭文字を取って「FRR」と表現されることも あります。
「False Rejection Rate」を何となく日本語にすると「誤って拒絶する率」となります。[詳細]
他人受入率と本人拒否率は相関関係にあります。
例えば「登録されている情報と一致する?」のチェックを緩くしたとしましょう。

そうすると、本人拒否率は低くなります。
チェックを緩くするほど、髪を切ったり、お肌が荒れたり、寝不足で目が充血したりといった、ちょっとした違いを無視してくれるからです。
本人なのに「おまえは本人じゃないな!」と判断される確率が低くなります。

その代わり、他人受入率は高くなります。
多少の違いがあっても「あっ!なんか違う気もするけど、多分、本人でしょ!」と判断されるからです。
他人なのに「あなたは本人ですね!」と判断される確率は高くなります。

逆もしかり、です。
「登録されている情報と一致する?」のチェックを厳しくしたとしましょう。

そうすると、本人拒否率は高くなります。
チェックを厳しくするほど、髪を切ったり、お肌が荒れたり、寝不足で目が充血したりといった、ちょっとした違いで一致しない扱いになってしまうからです。
本人なのに「おまえは本人じゃないな!」と判断される確率が高くなります。

その代わり、他人受入率は低くなります。
ちょっとした違いでも「あっ!ここが本人と違うな!きっと、これは本人じゃないな!」と判断されるからです。
他人なのに「あなたは本人ですね!」と判断される確率は低くなります。

本人拒否率を低くしようとすると、他人受入率が高くなります。
他人受入率を低くしようとすると、本人拒否率が高くなります。






