タグVLAN
VLANのやり方だよ
データに名札を付けて、その名札によって所属するネットワークを判断するよ
簡単に書くよ
タグVLAN(読:タグブイラン 英:tag-based VLAN)とは
元々のネットワークを論理的に区切ったりまとめたりしたネットワーク(VLAN)の作り方のひとつ
であり
所属するネットワークを書いた名札をデータにくっつけて、その名札をもとに制御する やり方
です。
もう少し真面目ぶって書くと
VLANにおける接続方式のひとつ
であり
データに そのデータが所属するネットワークの情報を付与し、制御する側は その情報を見て所属するネットワークを判断する やり方
です。
詳しく書くよ
順番に見ていきましょう。
まずは予備知識として「VLAN(ブイラン)」について説明します。
「そんなの説明されなくても知ってるよ!」な人は適当に読み飛ばしてください。
VLANは「元々のネットワークを論理的に区切ったりまとめたりしたネットワーク」です。
スイッチと呼ばれるネットワーク機器にイタズラすることで、物理的な配線とは違うネットワークを作れます。
例えば、そうですね。
とあるネットワークが あったとしましょう。
このネットワークは、スイッチ経由で5台のコンピュータが つながっています。
スイッチにイタズラをして、コンピュータ1は2としか やり取りできないようにしました。
2も1としか やり取りできません。
同じように、3~5は お互い やり取りできるようにしました。
3と4と5の間では やり取りできますが、1や2とは やり取りできません。
そうすると、物理的には1つのネットワークですが、論理的には2つのネットワークがある状態になります。
この「論理的なネットワーク」がVLANです。
実際につながっている線とは別の、意味上のネットワークですね。
以上を踏まえて
流れるデータに、所属するネットワークを書いた名札をくっつけるVLANのやり方
が「タグVLAN」です。
データに名札を付けて、制御する方は名札を見て「君は、ここを通って良いよ」「あー、おまえは、こっちに行っちゃダメ」などを判断します。
例えば、そうですね。
ここにピヨピヨカンパニーの自社ビル「ピヨピヨカンパニービル」が ありました。
諸般の事情により、ピヨピヨカンパニービルの2階には営業部の部屋と開発部の部屋があります。
3階にも営業部の部屋と開発部の部屋があります。
営業部は営業部の部屋にしか入れないようにしたいです。
同じように、開発部は開発部の部屋にしか入れないようにしたいです。
どうすれば良いでしょうか?
簡単ですね。
営業部の人には営業部の部屋の鍵を渡します。
同じように、開発部の人には開発部の部屋の鍵を渡します。
今回は時代の流れに沿ってカードキーということにしましょうか。
ついでに身分証明書も兼ねていることにしましょう。
これで営業部の人は自分のカードキーを使って営業部の部屋に入れます。
開発部の部屋には入れません。
同じように、開発部の人は開発部の部屋に入れます。
営業部の部屋には入れません。
めでたし、めでたし。
タグVLANは、これと同じです。
身分証明書代わりの名札をデータにくっつけて、その名札で通れるところしか通れないようにするのです。
例えば、そうですね。
物理的な2つのネットワークがスイッチでつながっているとしましょう。
それぞれのネットワークの名前は「ネットワーク赤」「ネットワーク青」ということにします。
ネットワーク赤で使っているスイッチの名前は「スイッチα」ということにします。
ネットワーク青のスイッチは「スイッチβ」です。
ネットワーク赤にはコンピュータAとコンピュータBが所属しています。
ネットワーク青にはコンピュータCとコンピュータDが所属しています。
この物理的なネットワークとは別に論理的なネットワーク(VLAN)が2つあるとします。
こちらは、それぞれ「サッカーネットワーク」と「野球ネットワーク」にしましょうかね。
コンピュータAとコンピュータCはサッカーネットワークに所属するコンピュータです。
コンピュータBとコンピュータDは野球ネットワークに所属するコンピュータです。
ちょっとややこしい構成ですが、ついてこれていますか?
要は、物理的に違うネットワークだけど同じVLANに所属するコンピュータがある状態です。
例えば、本店と支店が別の場所にあるけど、本店・支店で一緒に使える営業部ネットワークと開発部ネットワークを作りたいとかですね。
そのような場合を想定しています。
ここで先程の絵に戻って、スイッチに注目してください。
スイッチとスイッチがつながっていますよね?
この部分で登場するのがタグVLANです。
まずコンピュータAから出たデータはスイッチαに到着します。
スイッチαはコンピュータAがサッカーネットワークに所属するのを知っています。
そこで流れてきたデータにサッカーネットワークの名札をくっつけます。
その後、名札をくっつけたデータをスイッチβに送ってあげます。
スイッチβは名札を見て「あぁ、これはサッカーネットワークのデータか」と判断します。
あと、名札は用済みなので、はがしてあげます。
スイッチβはコンピュータCがサッカーネットワークに所属し、コンピュータDが野球ネットワークに所属するのを知っています。
そこで、データの宛先がコンピュータCであれば中継してあげます。
サッカーネットワークの仲間同士であれば、やり取りさせてあげても問題ないからです。
コンピュータD宛であれば無視します。
ネットワークの種類が違う奴らは敵同士……とも限りませんが、違うネットワーク所属なのにやり取りできるのはおかしいからです。
逆もしかりです。
コンピュータDから出たデータがスイッチβに到着しました。
スイッチβはコンピュータDが野球ネットワークに所属するのを知っています。
そこで流れてきたデータに野球ネットワークの名札をくっつけます。
その後、名札をくっつけたデータをスイッチαに送ってあげます。
スイッチαは名札を見て「あぁ、これは野球ネットワークのデータか」と判断します。
名札は用済みなので、はがしてあげます。
スイッチαはコンピュータAがサッカーネットワークに所属し、コンピュータBが野球ネットワークに所属するのを知っています。
そこで、データの宛先がコンピュータBであれば中継してあげます。
野球ネットワークの仲間同士であれば、やり取りさせてあげても問題ないからです。
コンピュータA宛であれば無視します。
ネットワークの種類が違う奴らは敵同士……とも限りませんが、違うネットワーク所属なのにやり取りできるのはおかしいからです。
この話におけるスイッチとスイッチのやり取り部分がタグVLANです。
データに名札をくっつけてやり取りしていますよね。
せっかくなので、もう少し細かく見てみましょうか。
先程の繰り返しになるところもありますが、復習を兼ねて書いていきます。
まず、スイッチにやってくるデータは普通のやつです。
スイッチはデータに名札をくっつけて目的のスイッチに送ってやります。
名札付きのデータを受け取ったスイッチは名札をはがしてデータの宛先に送ってあげます。
これがタグVLANにおけるデータの流れです。
ここまでは復習です。
このとき、スイッチさん同士をつなげている線を挿してある穴がありますよね。
この穴を「トランクポート」と言います。
トランクポートはサッカーネットワークのデータも野球ネットワークのデータも通ります。
いろいろなネットワークに所属するデータが、この穴を通るのです。
そのためトランクポートは「複数のVLANに所属するうんちゃらかんちゃらなポート」などと説明されていることも多いでしょう。
「複数のVLANに所属する」と聞くと難しく感じるかもしれませんが「複数のネットワークのデータが1つの穴を通るよ」ということです。
よく分からなければ(もちろん例外もありますが)「スイッチと接続するときに使う穴」と思っても かまいません。
ちなみにタグVLANは「トランク接続」や「トランクリンク」とも呼ばれています。
トランクポート同士をつなぐときに使うやり方だからトランク接続(トランクリンク)なのか、トランク接続(トランクリンク)のときに使う穴だからトランクポートなのか、どっちが先かは分かりませんけどね。
余裕があれば「タグVLANはトランク接続やトランクリンクとも呼ばれ、トランクポートを接続するときに使う」というのを覚えてあげてください。
さて、穴の話に戻します。
スイッチさん同士をつなげている線を挿してある穴は「トランクポート」でした。
パソコンさんとつながっている線を挿してある穴は「アクセスポート」と呼びます。
アクセスポートを通るデータは基本的に1つのネットワークのデータだけです。
サッカーネットワークのデータが通る穴は常にサッカーネットワークのデータが通ります。
野球ネットワークのデータが通る穴は野球ネットワークのデータだけが通ります。
そのためアクセスポートは「1つのVLANのみに所属するうんちゃらかんちゃらなポート」などと説明されていることも多いでしょう。
「1つのVLANのみに所属する」と聞くと難しく感じるかもしれませんが「この穴を通るのは1つのネットワークのデータだけだよ」ということです。
よく分からなければ(もちろん例外もありますが)「パソコンと接続するときに使う穴」と思ってもOKです。
あと、ついでなので書いておくと
アクセスポートを使った接続
を「アクセスリンク」と言います。
気が向いたら、セットで覚えてあげてください。
アクセスリンク:アクセスポートを使った接続
トランクリンク:トランクポートを使った接続
です。
ふぃ~、大分長くなりましたね。
読むのも、さぞかし大変だったことでしょう。
お疲れ様でした。
タグVLANの実際の設定については今回は触れません。
専門的に説明しているところで情報を補完してください。
一言でまとめるよ
まぁ「タグVLAN」って単語が出てきたら「データに名札を付けて、その名札によって所属するネットワークを判断するVLAN
(元々のネットワークを論理的に区切ったりまとめたりしたネットワーク)のやり方なんだな~」と お考えください。
おまけ
■訳してみるよ
「tag(タグ)」の意味は「札(フダ)」とか「付箋」とかです。
「VLAN(ブイラン)」は「Virtual Local Area Network(バーチャル・ローカル・エリア・ネットワーク)」の略です。
「virtual(バーチャル)」の意味は「実質上の」とか「事実上の」とか「実際上の」とかです。
ただし、今回は「仮想の」と解釈してください。
「local(ローカル)」の意味は「現地の」とか「地元の」とか「局所的な」とかです。
「area(エリア)」の意味は「範囲」とか「領域」とか「地域」とかです。
「network(ネットワーク)」はカタカナで「ネットワーク」で分かりますかね。
何となく くっつけると
札の仮想の局所的な範囲のネットワーク
となります。
■検索してみる?






