銀河フェニックス物語 <出会い編> 第四十一話(6) パスワードはお忘れなく
ゲリラは自白剤を使ってレイターから連邦軍のキーパスワードを聞き出そうとした。
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手下たちがレイターの身体を起こして、椅子に座らせた。
「言っただろ、私はロベルトと違って手荒な真似は嫌いなんだ」
リーダーが注射器から液体が出るか確認した。
「はんっ、よく言うぜ、自白剤も条約じゃ禁止されてるだろが」

レイターに言い返すだけの元気があることにほっとした。
「われわれはゲリラだ。条約には調印していない」
「俺がやる」
ロベルトは注射器をリーダーから受け取るとレイターの腕に自白剤を打った。
「連邦軍特命諜報部のキーパスワードを教えろ」
「知らねぇっつったろ」
レイターにそんなことしても無駄なのに。
いくらアーサーさんと義理の兄弟だと言っても、それは筋違いだ。

「君たちは薬物耐性を敷いているんだったな」
リーダーがロベルトにもう一本注射を渡した。ロベルトが再度レイターに自白剤を注射する。
「もう一度聞く。特命諜報部のキーパスワードを言え」
「吐き気がしてきた」
「早く言えば楽になれるぞ」
「知らねえものは言えねぇよ」
レイターの顔色が悪い。気分悪そうにしている。
「少しは効いてきたか。いいことを教えてやろう。お前の前に聞いた諜報部員は、三本目を打ったところで死んだ」

リーダーがロベルトに三本目の注射器を手渡しながら言った。
「この薬は精神を蝕むのだ。素直に話したほうが身のためだぞ。君が死んだら我々は次の標的を探すだけだ」
わたしはいてもたってもいられなくなった。あれは毒なのだ。これ以上打たれたらレイターが死んでしまう。
「止めてください! この人は民間人で連邦軍とは関係ないんだから!」

「関係ないわけないだろう!」
ロベルトが叫んだ。
「俺の父親はこいつに殺されたんだ。俺が仇を打って何が悪い」
そう言いながら三本目の注射をレイターに打った。
「お願い、レイターを殺さないで…」
ロベルトはレイターの襟ぐりをつかんで顔を引っ張りあげる、とレイターの目をにらみ付けて言った。
「十年前、父の最期を覚えているか?」

次の瞬間、レイターの様子がおかしくなった。
「俺は、俺たちは…磁場宙域で、戦闘機の、訓練を、していた」
目の焦点が合っていない。
いつものレイターじゃない。感情も抑揚もない、一語一語が絞り出されるようなしゃべり方。
「コンドル軍団と、接触した。…味方が、ハゲタカ大尉に、次々、撃ち落された」
そこで、レイターが苦しそうに言葉を切った。
黒づくめのリーダーがニヤリと笑いながら近づいた。
「いいぞ、自白剤が効いてきたな。君の名前は?」
「レイター・フェニックス」
操られるようにレイターが答えた。
「君の職業は?」
「銀河一の、操縦士」
「君は、連邦軍特命諜報部のキーパスワードを知っているな?」
「…」
レイターが黙った。
「連邦軍特命諜報部のキーパスワードは?」
「…知らねぇ」
「そんなはずはない。お前は特命諜報部の隠密班に所属している」
「違う」
「嘘つくなっ!」
ロベルトがレイターの頬を殴った。
苦しそうなレイターを見ていられない。
「もうやめて!」
夢中で叫んだ。

「あなたたちが何を勘違いしているのか知らないけれど、この人はわたしのボディーガードよ。昔は連邦軍の艦に乗っていたかもしれないけれど、今は違うのよ。知らなくて当然じゃない」
「言っただろ、俺はこいつを、許すわけにはいかないんだよ」
ロベルトが怖い顔をして、わたしに近づいてきた。
手にナイフを持っていた。 (7)へ続く
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ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」
レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」
ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」
レイター「なんか、すげぇな……」