ちゃんこ鍋食べながら英語で相撲!? 日本文化を“外国人視点”で味わってみた
こんにちは。エバンス愛です。アメリカ人の夫と社会人向けの英語コミュニティ運営、通訳翻訳、英語コンサルティングなどをしています。
今回は、浅草で体験した相撲イベントを通して感じた、日本文化の新しい見え方や、それを英語で学び直すことの面白さについてお話しします。
浅草相撲部屋
おととい、私たちのコミュニティAmbassador Language Program (ALP)のVIPメンバーさんと、浅草で相撲部屋を見に行ってきました。これが、めちゃめちゃ面白かったんです。
向かったのは、浅草相撲部屋。

ここは、主に外国人のお客さん向けに、相撲のショーが英語で見られる施設です。私たちは実は一度も相撲を見に行ったことがないのですが、最近英雑誌The Economistで相撲に関する記事が立て続けに取り上げられているのを見て、ぜひ相撲も体験しておきたいと思っていました。
会場には30人程度のお客さんがいたと思いますが、私たち以外、全員が外国人観光客でした。スタッフさんや司会の方はほとんど日本人ですが、案内も司会も全部英語です。
会場はそんなに広くなく、土俵のすぐ横に観覧席があり、力士たちを間近で見られます。

司会の方(日本人男性)が、相撲の歴史や神道との関係を、かなり丁寧に分かりやすく説明してくれました。そのあと、実際に力士の方たちが出てきて、相撲の決まり手や、反則技などをデモンストレーション付きで教えてくれました。
相撲をまったく知らない外国人向けの解説ですが、正直、私も「へえ、そういう意味だったんだ!」という発見がたくさんありました。

たとえば、取組前に力士が手のひらを見せて横に広げる仕草は、武器を持っていないことを示しているそうです。手をパンと叩くのは、神様を呼ぶため。四股を踏むのは、邪気を払うため。
相撲って、スポーツというより御神事なんですよね。でも、私を含めて、日本人でもそこまで意識したことがある人は、実はそんなに多くないんじゃないかなと思いました。
そして、何より印象に残ったのが、会場のノリ。
司会の方は英語が堪能な上にとにかく盛り上げ上手で、「力士が四股を踏むときは、それに合わせて“よいしょ!”って言ってください」「机をバンバン叩いていいですよ!」と、どんどん煽ります。

この会場ではちゃんこ鍋が食べ放題なんですが、食事を終えたら、やたらさっさとスタッフさんが片付けるなぁと思ってたら、机をバンバン叩くためだったんですよね(笑)

観客は外国人ばかりなので、遠慮がありません。みんなめちゃくちゃノリが良く、大声で叫び、机をバンバン叩きまくり、会場は大盛り上がり。「ここ、本当に日本かな?」という雰囲気でした。

力士の方たちのデモンストレーションも最高でした。ここにいる力士の方たちは引退した力士さんだそうで、英語はほとんど話せませんが、ちゃんと“笑い”を分かっているんですよね。仕草だけで、お客さんからしっかり笑いを取っていました。
相撲で負けになる条件として、土俵の外に出たら負け、手や膝が土俵についたら負け、キックやパンチは反則、という説明のあとで、
「まわしが外れて、力士のプライベートな部分が露わになった場合も反則負けです」
という説明が入り、その直後の実演が、この日いちばんの盛り上がりを見せました(笑)

私たちも最初から最後まで本当に楽しみ、私は、涙が出るほど笑いました。マイクも、めちゃめちゃ楽しかった!と大喜びでした。
こんな楽しいショーが外国人専用なんて
だからこそ思ったのですが、これが外国人観光客専用なのは、本当にもったいない。
なので、日本人にもぜひ行ってみてほしいなと思いました。相撲って、「なんとなく古臭い」みたいなイメージを持っている人も多いと思うのですが、エンタメとしてめちゃくちゃ楽しかったです。
日本文化を学べますし、外国人がこんなに相撲に興味を持ってくれているということを間近で見られるのは、とても新鮮です。

外国人向けのショーではありますが、日本人でも普通に参加できますし、スタッフはほとんど日本人なので日本語も通じます。司会の方の英語が少々わからなくても、雰囲気でだいたいわかりますし(日本のことですからね)、十分楽しめると思います。
ただし、インバウンド価格なので、ちゃんこ鍋食べ放題込みの2時間のショーで16,000円もするのが痛いんですけどね(涙)
英雑誌Economistでもたびたび記事になる相撲
ここ最近、マイクと私が毎週読んで私たちの英語教材SPEEDIER READINGでも取り上げているThe Economistで、相撲の記事が立て続けに出ていました。
一つは、海外には根強い相撲ファンがおり、今年開催された大相撲ロンドン公演もチケットが即完売で大成功だったという話。今年の10月に記事が出ました。
How sumo wrestling became a hit in Britain(イギリスで相撲が人気になった理由)
https://www.economist.com/britain/2025/10/21/how-sumo-wrestling-became-a-hit-in-britain?utm_campaign=shared_article
もう一つは、相撲の土俵の「女人禁制」をめぐる記事で、新しく首相になった高市早苗氏が、内閣総理大臣杯の授与で土俵に上がるべきかどうかという記事でした。今年の11月に掲載。
Japanese women are wrestling with sumo’s boundaries(日本の女性たちは相撲の境界線と格闘している)
https://www.economist.com/asia/2025/11/13/japanese-women-are-wrestling-with-sumos-boundaries?utm_campaign=shared_article
The Economistは、世界のあらゆる国のあらゆる事象(政治、経済、戦争、教育、医療、文化、エンタメ・・・)に関する記事を幅広く取り上げる英字新聞です。なのに、日本の「相撲」という一つの文化に関する記事が立て続けにEconomistに載るというのは、ほんとに珍しいことなんです。
相撲が外国人に魅力的に映る理由
でも、今回の相撲体験を通じて、外国人が相撲を魅力的に感じる理由が理解できたような気がしました。
それは、やはり日本文化のミステリアスさだと思います。相撲の所作一つ一つに込められた神道的な意味を、英語で丁寧に説明されることで、日本文化そのものへの理解や敬意が、確実に深まっているのを感じました。
また、力士は勝ってもガッツポーズなどは決してせず、常に相手をリスペクトする姿勢があります。日本人のそういう姿勢を、多くの外国人は素晴らしいと思ってくれていると思います。
それに加え、何より相撲はルールがシンプルで分かりやすいのも、外国人に人気な理由ではないかと思います。たとえば、アメフトが日本で人気にならない理由の一つは、ルールが複雑だからじゃないかと私は思う。(笑)
日本人が相撲を知るべき理由
外国人に相撲を知ってもらうだけじゃなく、同時に、私たち日本人もこういった日本文化を知ることが大事だと思います。「相撲を見に行ったことがない」という日本人は、多数派なのではないでしょうか?
でも、私たちが相撲を体験することで、外国人から見た日本文化の魅力を感じられ、当たり前すぎて考えたこともなかったことに気づいたり、「え、そうだったの?」という新しい学びもあります。
もしも、今後あなたが知り合いになった外国人が、「相撲に興味があるんだよね」と言ってくれたとして、あなたが「昔テレビでちょっとは見たことある程度で、ほとんど知らないし興味もない」って答えるのは、残念ですよね。
以前、アニメについても「私たち日本人は、海外に人気の日本のコンテンツをもっと知ろう」と書きましたが、相撲にも全く同じことが言えます。
【まとめ】
英語で解説される相撲体験は、外国人向けでありながら、日本人にとっても多くの気づきと学びを与えてくれます。
知っているつもりの日本文化を別の言語で学び直すことで、その価値や面白さがより鮮明に見えてきます。相撲にちょっと距離を感じている日本人の方にこそ、一度、この相撲体験をおすすめしたいです。めちゃくちゃ面白いし、外国人のお客さんが喜んでいる姿を見て、「日本の相撲がこんなに受けるんだ」と実感できると思います。
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