2035年、NISAはどう変わるのか。 ISAから未来を読む|投資思考譚 #5
投資思考譚#5
※初めて読む方でも大丈夫です!!
前回までの記事はこちら⇩
みなさんこんにちは
建築士の投資思考です。
みなさん新NISAは活用してますか?
これまでの「投資思考譚」では、
個別株を中心に書いてきました。
そのため、「なぜ急にNISAの話?」と
思われた方もいるかもしれません。
でも実は、
私の投資の原点は個別株ではありません。
積立NISAです。
……いや、もっと正確に言うと、
そのモデルとなったイギリスの「ISA」でした。
私は、投資商品を信じて投資を始めたのではなく
制度を信じて投資を始めました。
記事は大きく二部構成です。
① 私が投資を始めた理由
② ISAから考える、2035年のNISA予想
■仕送りはなく、苦学生の当時の私へ
学生時代の私は、
お金にまったく余裕がありませんでした。
建築学科の課題は
「終わらせること」が目的ではありません。
どこまで突き詰められるか。
その勝負です。
提出前は毎回のように徹夜。
徹夜するために、
一度女子生徒は0時頃に家に帰ってシャワーを浴びて2時頃に戻ってきて
そのまま次の一限の授業に出るなど
バイトを増やしたくても、
課題が終わらないのでシフトに入れない。
そもそも雇ってもらえない。。。
私は裕福な家庭ではなく
学生の時に親から仕送りを貰うことは
できず、ガスを止められたこともあり、
当時本当に、、、お金がなかった。
だから
「金融リテラシーがあって投資に興味を持った」
というよりも
「生きるために人一倍お金について考えざるを得なかった」のです。
■読書から得る投資のノウハウ
そんな頃に読んだのが、
『株式投資の未来』でした。
(名著かと思うので既に読んだことある方も多いかと思います。)
当時の私は、
S&P500も知らなければ
投資信託の違いも分からない。
もちろん個別株なんて買ったこともない。
それでも、この本の中で紹介されていた
毎月、一定額を積み立てる。
特別な才能はいらない。
未来を正確に予想する必要もない。
時間を味方につけながら、
少しずつ資産を育てていく。その考え方は
「これなら、自分にもできるかもしれない。」
と思わせてくれました。
■投資は怖くて怖くて始められなかった…
でも、正直まだ怖くて、、、
始めるまでには足踏みしてました。
積立NISA時代だったので
上限は今ほど高くないですが、学生当時の
数万円は今の数万円よりずーっとずーっと重い。
積立投資が良いものだと言われても、
自分のお金を入れる価値があるのか知りたかった。
というよりも得体のしれないものに
お金をいれるのは嫌だったというのが本音でした。
私は昔から、何か新しいことを始めるときは、
まず仕組みを理解したくなります。
「なぜ、そうなっているのか。」
「なぜ、その仕組みで成り立っているのか。」
そこに納得できないと一歩を踏み出せないのです。
■「仕組みから理解したい」という癖
「どの銘柄を買えばいいのか。」
それより先に、
「なぜNISAという制度が作られたのか。」
「なぜ今、日本は投資を推進しているのか。」
その背景を知りたいと思ったのです。
制度について調べていく中で、
ある一文が目に留まりました。
「NISAは、イギリスのISAを基に作られた制度」
ISA??
当時の私には、初めて聞く言葉でした。
調べると、イギリスは日本よりずっと前から
非課税投資制度が整備され、長い時間をかけて改良され続けていることを知りました。
ISAという制度をもとに作られたNISA。
歴史的な背景とモデルケースを読み解いていき
私は投資商品を信じたというよりも。
制度の未来を信じて投資を始めました。
■ISAから考える、NISAの未来
日本のNISAはイギリスのISA(Individual Savings Account)を参考にして作られた制度です。 ※NIPPON版ISA=NISA
つまり、ISAはNISAの「先輩」のような存在です。
そして、ISA約25年程度の長い歴史があります。
※イギリス政府が公開しているISA制度の情報をもとに考察しています。⇩⇩⇩
ISAには例えば、下記のような制度があります。
非課税投資枠は年間2万ポンド
制度は恒久化
住宅取得を支援する仕組み(Lifetime ISAなど)
現金で運用するCash ISA
株式などへ投資するStocks & Shares ISA
など、利用者のライフステージや
社会の変化に合わせて、
制度そのものが時間をかけ「増築」
されてきました。
だから私は、
日本のNISAも今の姿が完成形ではない
と思っています。
ここからは、
ISAの歴史をヒントに2035年のNISAを予想します。
予想① NISAの生涯投資枠は増える
現在の新NISAは、
生涯非課税投資枠が1,800万円と、
非常に充実した制度です。
この背景には、政府が掲げた「資産所得倍増プラン」がありました。
➤「貯蓄から投資へ」
実際、新NISAにより投資を始めた人は
大きく増えました。
しかし、日本の家計金融資産の多くは、
今もなおタンス預金化されており、
政府としては、
これからも投資へ資金を動かしたいはずです。
そしてISAは生涯非課税投資枠が
年間2万ポンドでありその上限年数はありません。
つまりは年間額以内ならどれだけ投資しても非課税ということです!
だから私は、10〜20年という時間軸で見れば、生涯投資枠の拡大は十分あり得ると考えています。
私の予想は、
◉1,800万円 (現在)→ 2,500〜3,000万円への変更
最短5年で枠を使い切る人たちの利用状況や資金の流れを確認したうえ(2028年以降)で、次の改正が行われるのではないでしょうか。
予想②日本株優遇枠の追加
ここは少し大胆な予想です。
10年後に読み返したら外れているかもしれませんが
でも、予想だから許してください。(笑)
私は建築の仕事をしていますが
日本では今大きな設備投資が
次々と動いております。
AIの普及に伴うデータセンター、半導体工場、物流施設、再生可能エネルギー関連施設、そして老朽化したインフラの更新。
当然、それを支えるには
莫大な資金が必要になります。
一方で、現在のNISAでは、
多くの資金が海外株を含むインデックスファンドへ流れています。
世界経済は長期的に成長してきましたし、
その恩恵を受けられる合理的な投資方法だと考えています。
ただ、一つだけ考えてみてほしいことがあります。
➤NISAは、個人のためだけの制度なのでしょうか?
もちろんNISAは、
個人の資産形成を応援する制度です。
しかし見方を変えれば、
企業へ資金を届ける仕組みでもあります。
企業は資金がなければ、
新しい工場も建てられません。
研究開発もできませんし、
新しい技術への挑戦もできません。
もしNISA資金の多くが海外企業へ向かえば、
個人資産は増えるかもしれませんが、
日本国内の設備投資や雇用に直接繋がるとは限りません。
政府から見れば、
「国民が豊かになること」
そして
「日本企業が成長すること」
の両方を実現したいはずです。
だから私は2035年頃には、
日本株を長期保有した人への追加優遇や、
半導体・インフラ・エネルギーなど成長産業へ投資するファンドへの優遇制度が議論されていても、不思議ではないと思っています。
予想③Lifetime NISAの誕生
ISAについて調べる中で、建築士である私が最も興味を持った制度。
それが、Lifetime ISAです。
18〜39歳が口座を開設でき、
50歳まで積み立てが可能。積立額に対して政府が25%を上乗せしてくれる制度で、
主な使い道は
「初めての住宅購入」
または
「60歳以降の老後資金」です。
一言でいえば、
➤「若いうちの資産形成を、国がボーナスを付けて応援する制度」です。

これは興味がある方がいれば次回以降深堀させて頂きます。)
私が面白いと思ったのは、
お金ではなく"入口の設計"でした。
若いうちは、
老後資金にはなかなか興味が持てません。
でも、「いつか家を買いたい。」
そう考える人は日本でも多いですよね。
だからイギリスは、
「老後のために投資しましょう!」
とは言わず、
「家を買うなら今から資産形成を始めませんか?」
という入口を用意したのです。
住宅取得を考える人は同時に教育費や住宅ローン、老後資金など、人生全体のお金について悩んでいる人が多いです。
Lifetime ISAは単なる住宅購入支援制度ではなく、
人生設計そのものを支える制度なのだと感じます。
◆私が個別株を続ける理由
ここまで読んでいただいた方の中には、
今回の記事でインデックス投資をかなり肯定する
私に対して少し
不思議に思った方もいるかもしれません。
私自身、
資産形成だけを考えるなら、
新NISAでインデックスファンドを
積み立て続けるのが
最も合理的だと思っています。
これは投資を始めた学生時代から、
今も変わっていません。
ではなぜ個別株投資・分析を買うのか。
理由は大きく二つです。
①投資の視点を磨き続けたいから
②新技術等はいずれ自分の業務と繋がってくるから
個別株を進める中でプロのトレーダーも言いますが
「10銘柄買って1個だけ当たればいい」というように
見えている未来が必ず当たるわけではありません。
むしろ外れることの方が多いでしょう。
それでも、
産業の変化を追いかけることの先に
自分の仕事への理解は深まります。
決算資料を読み、
企業の戦略を調べ、業界構造を理解する
その過程で得られる知識は、
投資だけでなく、本業にも返ってきます。
私は個別株を、自身の職業を客観的に見る鏡として使っています。
例えば第一譚で書いたペロブスカイト太陽電池は
国の補助金制度とも絡んできていずれは
社会的に普及するでしょう。
しかし、現場に導入するにあたっては
建築士・デザイナーとしての
法規的・技術的リテラシーを当然求められます。
個別株で企業・技術・仕組みを分析することで
実用化のタイミングにおいて
ノータイムで新技術を自分のデザインの
武器として導入したいと思っております。
株式投資をすることは実は自分のデザインへの先行投資というわけですね。
◆おわりに
学生時代の私は、
お金にかなり余裕がありませんでした。
そんな中で、積立NISAに出会い、
ISAに出会いました。
当時は投資信託の違いもわかってませんでしたが
「ISAを知るにつれ、制度自体の必然性や成長性」
に投資をしました。
実際に積立NISAは新NISAへ進化し、
その感覚は少し現実になった気がしています。
派手ではありませんが、
仕組みを読んでから投資を行う。
考えてる過程を踏みながら一歩ずつ進むのが、
私には一番しっくりきます。
あの日、私が積立NISAで飛びついたのはS&P500や
オールカントリーではありませんでした。
制度そのものの仕組み。
ISAから始まった制度の未来でした。
そして、さらなる未来に向けてNISAも
進んでいくはずです。

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