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【英国文豪、令和を歩く】第71回:Star Wars shines across the stars, tales of hope and endless wars.

喫茶店の窓の外、夕暮れの京都に街灯が灯り始める。ウィルはタブレット端末で熱心に何かを検索し、ドイルは眼鏡を拭きながらそれを見守っている

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

ねえドイル、この『スター・ウォーズ』という物語……これは驚いたわ。銀河という果てしない大海原を舞台にした、壮大な復讐と救済の叙事詩じゃない。暗黒面に堕ちた父と、その血を引く息子。……ふふ、これこそまさに、私の大好きな『宿命』の香りがするわ

                                                                                                                               コナンドイル

(眼鏡をかけ直し、珈琲を一口啜って)
確かにね、ウィル。これは単なる空想科学の皮を被った、極めて古典的な人間ドラマだ。ライトセーバーという光の剣は、中世の騎士の剣そのものだし、『フォース』という概念は、我々がかつて探求した精神世界や、自然界を貫く論理的なエネルギーにも似ている

『フォース』……万物に宿る力。素敵ね。でも、私が一番惹かれるのは、あの仮面の男、ダース・ベイダーよ。彼は言わば、宇宙を股にかけたマクベス、あるいはリチャード三世。愛を失う恐怖ゆえに、自ら悪徳の深淵へと飛び込んでいった。彼の吐息ひとつに、どれほどの嘆きと絶望が隠されているのかしら。……ああ、彼に独白(モノローグ)を語らせたら、三時間は止まらないわね

彼は実に興味深い被疑者だ。善と悪の境界線上で、常に葛藤している。だがウィル、私が注目したのは、あのヨーダという賢者だよ。彼の語り口は少し倒置法が過ぎるが、その観察眼は鋭い。ホームズなら彼と良い議論ができたはずだ。『不可能を信じるな、まずやってみろ』……これは推理の基本でもあるからね

あら、私はあの生意気なドロイドたちも好きよ。主人のために右往左往する姿は、まるで私の喜劇に出てくる愛すべき道化(ピエロ)たち。彼らが絶望的な戦場を軽妙な口合(くちあ)いで渡り歩くからこそ、悲劇の重みがより際立つのよ

しかし、この物語の核心は『追放』と『帰還』だ。故郷を追われた若きルークが、己の正体を知り、ついには父と対峙する。……ウィル、君の描いたロミオとジュリエットは、家名の呪縛から逃れられずに非業の死を遂げたが、この銀河の物語では、息子が父の罪を購(あがな)うことで、呪われた血筋に終止符を打つ。これは現代の救済なのかもしれない

そうね。名が何だというのか……モンタギューであろうと、スカイウォーカーであろうと、魂の輝きは変わらない。暗闇が深ければ深いほど、一筋の光――希望という名の星は強く輝くものだわ。……ねえドイル、もし私たちがデス・スターに転生していたら、あなたならどうやってあの要塞の弱点を見抜くかしら?

ふむ、排熱口の構造を設計図から論理的に導き出すのは容易だが……。いや、やはり私も、最後は目を閉じて『フォース』を信じることにしよう。この現代の京都で、君とこうして珈琲を飲んでいること自体、奇跡のような確率の産物なのだからね

ふふ、名探偵がフォースに頼るなんて! でも、それが一番の正解かもしれないわ。さあ、夜はこれから。銀河の果ての物語に負けないくらい、今の私たちの物語も、華やかに演じましょう。……マスター、お代わりを。今度はフォースのように、力強いエスプレッソをお願い!

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