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【英国文豪、令和を歩く】第67回:Kamogawa, cool and slow, sunset vibes begin to glow!

カフェの窓の外、夕日に照らされた鴨川の水面が、細かな金箔を散らしたように輝いている。ドイルは手元のカップを回しながら、その流れをじっと見つめている

                                                                                                                         コナンドイル

こうして改めて眺めてみると、鴨川というのは不思議な川だね、ウィル。ロンドンのテムズ川は、泥に汚れ、街の欲望と産業の煤を飲み込んだ重苦しい流れだが……この川は、まるで鏡のように街の静寂を映し出している。だが、ホームズならこう言うだろう。『ワトソン、最も穏やかな水面こそ、最も深い秘密を隠しているものだ』とな。

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

あら、ドイル。この美しい夕暮れにまで、事件の匂いを感じ取ってしまうの? でも、あなたの言う通りね。この川は千年以上もの間、この都で起きた数々の悲劇を見てきたはず。恋人たちの囁きも、武士たちの刀の響きも、すべてはこのせせらぎの中に溶け込んでいる……。まるで、私の物語のオフィーリアが、花冠を編みながら流されていったあの小川のように、優しく、そして残酷だわ。

確かに。私がかつて扱った『ブルック・ストリートの秘密』の事件でも、一見すれば平穏な入院患者の生活の裏に、十五年前の銀行強盗と密告、そして執念深い復讐劇が隠されていた。この川辺を歩く人々の中にも、誰にも言えない過去や、正体を隠し通そうとする『ブレシントン』のような男が紛れ込んでいないとも限らない。……おや、あそこの等間隔に座るカップルたちを見てごらん。あの整然とした並び方は、まるで何かの儀式、あるいは解かれるのを待っている暗号のようだ。

ふふ、あれは現代の京都の『作法』なのよ、ドイル。密告や復讐の計画を立てているわけじゃないわ。でも、そうね……あの二人の距離、交わされない視線。そこには、言葉にできない微細な感情のドラマがある。私の『ソネット』の一節を借りれば、『愛は移ろいゆく時に屈せぬもの』であってほしいけれど、あの川の流れのように、人の心もまた、一刻として同じ場所には留まれないのかもしれないわ。

流れる水は二度と同じではない、か。私がライヘンバッハの滝で死闘を演じた時、あの轟々と落ちる水は、死の宣告そのものだった。しかし、この鴨川のゆるやかな流れは、むしろ『生存』を肯定しているように感じる。たとえ過去にどれほどの罪や悲劇があろうとも、水はそれを洗い流し、海へと運んでいく。……ウィル、君が言うように、人生が舞台であるなら、この川は最高のリハーサル場だ。昨日までの自分を捨て、新しい役を演じるために、人々はこの岸辺に集まるのかもしれないね。

素敵な解釈ね。ねえ、ドイル。もし私たちが、この川のほとりで新しい物語を書くとしたら、どんな結末にする? 毒薬も短剣も、密告者もいない、ただ穏やかな風だけが吹く物語……。それとも、やはりどこかに『五人目の男』を潜ませるかしら?

ははは! 謎のない物語なんて、ミルクの入っていない紅茶のようなものだよ、ウィル。たとえこの穏やかな鴨川であっても、私はつい、対岸の茂みに不審な影を探してしまう。……おっと、あそこの柳の下にいる男、少し肩をすぼめて歩いているね。あれは重い秘密を抱えているか、あるいは……ただ単に、京都の冬の入り口の寒さに震えているだけか。ワトソン君なら、きっと後者だと笑うだろうがね。

ふふ、やっぱりあなたは名探偵の生みの親ね。さあ、夜の帳が下りる前に、もう一度あの橋のたもとまで歩きましょう。今度は事件の捜査じゃなく、この美しい夕景を、ただの『ウィル』と『ドイル』として楽しむためにね。

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