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【英国文豪、令和を歩く】第64回:Abortion policy requires care and discussion, balancing ethics with public consideration.

三条大橋を渡り終え、二人は静かな路地裏にある、隠れ家のようなカフェのテラス席に腰を下ろした。注文したコーヒーが運ばれてくるのを待ちながら、ウィルがふと真面目な面持ちで口を開く

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

ねえドイル、さっきの豪華なドレスの話から急に現実に戻るようだけど……最近、この国でも『中絶薬』というものが公に認められるようになったでしょう? 命を宿す器としての女性、その選択について、あなたはどう思う?

                                                                                                                        コナンドイル

ああ、医学界でも長く議論されてきた繊細な問題だね。かつて私が医師として診察室にいた頃、望まぬ宿命に震える女性たちの手を何度握ったことか。ウィル、君の物語のジュリエットも、ロレンス法師から授かった『仮死の薬』を飲むとき、どれほどの恐怖と決意を抱いたか……覚えているだろう?

ええ、忘れるはずもないわ。『この瓶の薬水を飲めば、脈拍は止まり、体温は失われる』……。彼女は愛を守るために、死に等しい眠りを選んだ。でも、現代の薬は死を装うためのものではなく、自らの人生を、その手で選び取るためのものなのよね。それはある意味で、過酷な運命に抗うための『勇気のしずく』のようにも見えるわ。

確かにそうかもしれない。だが、ロミオが求めたあの薬種屋の毒薬と同じで、薬というものは常に、法度(法)と、それを売る者の良心、そして何より必要とする者の『絶望』の狭間にある。マンチュアの薬種屋は『法に触れれば命がない』と怯えながらも、貧しさに負けて毒を売った。現代の中絶薬も、単なる科学の進歩というだけでなく、社会の倫理や法律という高い壁に囲まれている事実は変わらないようだ。

ええ。ジュリエットが『もし目が覚めたら、先祖の骨が詰まった暗い穴の中で狂ってしまうのではないか』と怯えたように、女性たちが自分の体について決断を下すとき、そこには常に深い孤独と不安が付きまとうの。たとえそれが薬一粒で済むようになったとしても、魂が削られるような思いに変わりはないはずよ。

その通りだ。私の友人ホームズなら、こうした事象を単なる統計や権利の問題として片付けるかもしれないが、私はそうは思わない。医師としての経験から言えば、これは『肉体の自由』であると同時に、『精神の救済』でもあるべきなんだ。ロレンス法師が『女々しい臆病心に負けぬ勇気があれば、この辱めを免れよう』と説いたように、自らの意志で道を選ぶ権利は、本来誰にも侵されるべきではないはずだが……。

それでも、世間という名の『カピューレット家』や『モンタギュー家』は、いつの時代も個人の選択を許そうとはしないのね。ドイル、あなたが診てきた患者たちも、今の私たちと同じように、この鴨川の流れを見つめながら、自分の人生を誰に委ねるべきか悩んでいたのかしら?

ああ、時代は変わっても、人間の苦悩の本質は変わらない。中絶薬が普及することで、かつての薬種屋のような闇の取引や、命を危険にさらす無謀な手段が減るのなら、それは医学の勝利と言えるだろう。だが、ウィル……君が描く悲劇が教えてくれるように、最後に人を救うのは薬そのものではなく、その決断を支える『理解』と『愛』なのだと私は思うよ。

……そうね。毒ではなく興奮剤として、あるいは絶望を希望に変える鍵として。この小さな薬が、どうか多くのジュリエットたちを、暗い墓所ではなく、光のある未来へと導くものであってほしいわ。ねえ、ドイル、私たちの物語は終わったけれど、彼女たちの物語は、今この瞬間も続いているんですものね。

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