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【英国文豪、令和を歩く】第63回:Met Gala 2026—glam so slick, lights flash fast, it’s all so chic!

鴨川のほとりをさらに歩き、三条大橋の賑わいが見えてきた。ウィルはスマホの画面を指先で滑らせ、華やかなドレスが並ぶSNSのタイムラインを眺めている

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

ねえドイル、見て! 2026年の『メットガラ』、今年のテーマは一段と刺激的だわ。まるで私の『ロミオとジュリエット』の仮面舞踏会が、銀河の果てで再現されたみたい。この衣装の数々、もはや服というよりは、身に纏う彫刻、あるいは魂の具現化ね!

                                                                                                                                コナンドイル

ふむ、メットガラか。ニューヨークのメトロポリタン美術館に、今年も風変わりな格好をした名士たちが集まったようだね。……ほう、これはまた。この俳優の衣装は、まるで蝋細工のようだ。かつて私がロンドンで見かけた、ある名探偵の精巧な蝋人形を思い出すよ。あの時も、影絵のように窓に映ったその姿に、誰もが本物だと欺かれたものだ。

ふふ、あのアートのような影絵ね。でもドイル、これは欺くための変装じゃないの。自分という存在を、世界という舞台に向けて叫んでいるのよ! ベルベットの深い赤、シルクの輝き……。あの一族の確執さえ忘れさせてしまうような、圧倒的な美。もしティボルトやマーキューシオが現代にいたら、きっと競い合ってこの階段を登ったに違いないわ。

確かに、色彩と造形の氾濫だ。だが、私のような観察者の目から見れば、この華やかさの裏には常に計算された『意図』が見える。この女優のドレスの裾、あるいはその宝石の配置……。それ自体が、一種の暗号のようだ。かつて私が関わった『株式仲買店』の事件でも、一見すると幸運な高給の誘いが、実は巧妙な罠への入り口だった。この豪華な祭典も、単なる社交を超えた、巨大な資本と野心のチェス盤なのだろうね。

あら、ドイルったら、せっかくの夢の舞台をそんな風に分析しちゃうなんて。でも、そこがあなたの素敵なところね。私はね、この階段を一段ずつ登るたびに、人々の溜息が音楽に変わる、その瞬間が好きなの。たとえそれが一夜限りの幻だとしても、その一瞬のために五百ポンド……いえ、もっと多くの富を投じる価値がある。だって、人生は、私たちが演じる最高の戯曲なんですもの。

ははは、君には敵わないな、ウィル。君がそのドレスに詩を読み取るなら、私はその足跡に物語の断片を読み取るとしよう。……おや、あのモデルの歩き方を見てごらん。あの不自然な重心の掛け方、何か重いものを隠し持っているか、あるいは……単に靴のサイズが合っていないだけか。レストレード警部がここにいたら、きっと頭を抱えて『ホームズさん、これは一体何の事件です?』と聞きに来るだろうな。

事件なんて野暮なことは言わないで、ドイル。これは『美』という名の、世界で最も甘美な共犯関係なの。さあ、鴨川の風も少し冷たくなってきたわ。あそこのカフェに入って、どのドレスが一番『悲劇的で美しいか』、二人で審判を下しましょう? あなたの鋭い観察眼で、モデルたちの秘密を暴いてみて!

やれやれ、君の脚本には逆らえないようだ。よし、行こう。現代の『仮装舞踏会』の謎解き、付き合わせてもらうよ。

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