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【英国文豪、令和を歩く】第11回:At the University of Oxford, wisdom quietly offered.

古びた琥珀色の照明が灯る、京都の片隅の喫茶店。重厚な木製のテーブルの上には、使い込まれたティーカップが二つ。窓の外には高瀬川のせせらぎが見える

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

ねえドイル、この街のしっとりとした空気、悪くないわね。でも、ふとした瞬間にあの大河のような霧に包まれたオックスフォードの街並みが恋しくなるわ。あそこの『夢見る尖塔の群れ』……あれこそ、まさに舞台装置として完璧だもの
(ウィルは細い指でカップの縁をなぞりながら、楽しげに目を細めた。)

                                                                                                                       コナンドイル

ああ、ウィル。君がそう言うのも分かるよ。あそこは単なる学び舎の集まりじゃない、英国の知性と歴史が凝縮された巨大な迷宮のようなものだからね。僕の友人のホームズ君なら、あの入り組んだカレッジの路地裏を指して『ここには千の事件が眠っている』なんて言い出しそうだ
(ドイルは短く刈り込んだ髭をさすりながら、懐かしそうに応じた。)

ふふ、あなたの探偵さんなら、クライスト・チャーチの食堂で晩餐を摂りながら、隣の席の学生の靴の汚れだけで、彼がどの湿地でボートを漕いできたか言い当ててしまいそうね。でもドイル、あそこの魅力はあの閉鎖的なまでの『伝統』にあると思わない? 現代のこの京都の大学も面白いけれど、オックスフォードの、あの何百年も時間が止まったような石造りの回廊……あそこで囁かれる言葉は、すべてが詩か、あるいは密やかな企みのように聞こえるわ

全くだ。僕の知っている若者も、あそこのブルテリアに足を噛まれたことがきっかけで、一生の友人を得たなんて言っていたよ。あそこでは、そんな些細な、あるいは荒っぽい出来事さえも、何だか特別な運命の序曲のように感じられてしまう。スポーツに興じる若者たちの熱気と、図書館の奥底に積もった数世紀分の埃……その対比がたまらなく英国的だ

そうね。知性と野蛮、情熱と冷静……。私が喜劇や悲劇を書くなら、舞台はロンドンもいいけれど、若き魂がぶつかり合うオックスフォードも捨てがたいわ。ドイル、今度二人で、あそこのボドリアン図書館の真似事でもしに行かない? この京都の古本屋を巡って、掘り出し物の古文書でも探しましょうよ

ははは、それはいい! ウィル、君が古書店の棚の陰から劇的な台詞を吐き出さないか、それだけが心配だよ。さあ、冷めないうちにそのお茶を飲み干してしまおう。次はどの『カレッジ』……いや、どの寺院を散策するか決めようじゃないか

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