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【英国文豪、令和を歩く】第20回:Cherry blossoms—watch them bloom, chase the gloom!

京都、三条大橋を臨む鴨川沿いの古びたカッフェー。使い込まれた琥珀色の木製テーブルの上には、深煎りの珈琲と、春の陽光が躍っている。ウィルは華やかなスカーフを巻き、ドイルはツイードのジャケットを羽織っている。

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

見て、ドイル。窓の外の桜。まるで『花のローナ(ヴェローナ)』の舞台に迷い込んだみたい。あんなに淡く、けれど残酷なほど鮮やかに咲き誇って……。まるであの二人の恋の履歴のように、短くも激しい命の煌めきを感じるわ

                                                                                                                             コナンドイル

確かに見事なものだね、ウィル。だが、僕の目にはあの桜の枝ぶりが、まるで事件の謎が複雑に絡み合った迷宮のように見えるよ。四月の春は、本来なら『生々とした黄韻』を楽しむべきものだが、この美しさの裏には常に何かが潜んでいるような気がしてならないんだ

ふふ、あなたは相変わらずね。でも、この桜の木の下で誰かが『血で血を洗う市内闘争』を繰り広げているわけじゃないわ。ただ、風に舞う花びらが、まるで行き場を失った『薄運の二情人』の魂のように見えて、少し胸が締め付けられるけれど

魂、か。僕の友人のホームズなら、あの散りゆく花びらの数から、風向きと犯人の逃走経路を割り出すだろうね。彼はかつて、ベーカー街の窓に『蝋の半身像』を置いて敵の目を欺いたことがある。桜の花もまた、その美しさで我々の目を欺く『影絵』のようなものかもしれない

あら、ロマンチックなことを言うじゃない。でも、あの花びらが地面を白く染める様子は、まるでお芝居の終幕に撒かれる紙吹雪のよう。観客が『御心長く御覧』じてくれる二時間の夢。それが終われば、私たちはまた現実という名の『石炭を担ぐ』ような日常に戻らなきゃいけないのね

日常、か。しかしウィル、日常こそが最も予測不能なドラマに満ちている。例えば、満開のハリエニシダの中を駆ける『空な二輪馬車』が、誘拐の報せを運んできたとしたら?

もう、せっかくのティータイムに物騒な想像はやめて。今はただ、この『花のローナ』ならぬ京都の春に身を任せましょう。ほら、あそこのカップルを見て。あの子たちには、この桜が『死の影の附き纏う』不吉なものには見えていないはずよ。ただ純粋に、今この瞬間を愛し合っているだけ

そうだね。僕も少し考えすぎたようだ。この珈琲の香りと、君との雑談。これこそが、どんな『狡智な犯罪者』も奪うことのできない、最高の安息だよ。ウィル、君の言葉を借りるなら、このひとときを『相励みて償い』、大切に味わうことにしよう

ええ、ドイル。桜が散る前に、もう一杯だけお代わりを頼みましょうか?

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