【海外出張おみやシリーズ(ボストン編)】Blinkit、Boots、Bon Marché、Bottega、そしてBoston。世界の中の日本を見つける、ボストンで買いたい本と紙もの
海外に行くと、その国の“暮らし方”が見える場所がある。
今回は、ハーバード大学やMITのあるボストンです!最近はスタートアップなんかも結構あります。
インドなら、Blinkit。
スパイス、発酵豆、チャワンプラッシュ、イドリメーカー。
そこには、台所と身体を整える知恵があった。
イギリスなら、Boots。
ドライアイの目薬、パラセタモル、Strepsils、胸やけ薬。
そこには、出張者を支えるセルフケア文化があった。
フランスなら、Bon Marché。
マカロン、チョコレート、紅茶、ハーブ、調味料。
そこには、食べる時間そのものを美しくする文化があった。
イタリアなら、Bottega。
ノート、革製品、カード、美しい紙、重たいアートブック。
そこには、考えや記憶を美しく残すための道具があった。
では、最後のBは何か。
私は、Bostonだと思う。

ボストンは、単なるアメリカの古い学術都市ではない。
日本人にとっては、少し不思議な場所でもある。
なぜなら、そこには日本美術があるからだ。
しかも、ただ「日本のものが海外にある」という話ではない。
ボストン美術館には、日本だけでなく、中国、韓国、南アジア、東南アジア、イスラム世界など、アジアの広い美術が収められている。

その中に、日本がある。
つまりボストンでは、
日本だけを見るのではなく、世界の中に置かれた日本を見る
ことになる。
この視点が、たぶんボストン編の一番おもしろいところだと思う。
ボストンは「日本を外から見る」街
日本にいると、日本文化はどうしても日本の内側から見える。
茶の湯。
浮世絵。
仏像。
屏風。
刀装具。
工芸。
庭園。
書。
能。
着物。
それらは、私たちにとって、どこか近すぎる。
もちろん詳しい人にとっては深い世界だけれど、日常の感覚としては「昔からあるもの」「日本らしいもの」として、少し当たり前になってしまうこともある。
でも、ボストンで日本美術を見ると、少し違う。
日本美術は、アメリカの美術館の中で、世界の美術の一部として置かれている。
中国美術やインド美術、イスラム美術、西洋絵画、古代美術、現代美術と同じ空間の中で、比較され、保存され、研究され、展示されている。
そこで見えてくるのは、
「日本はすごい」
という単純な話ではない。
むしろ、
「日本は世界の中で、どう見られてきたのか」
「日本の美は、どのような文脈で保存されてきたのか」
「西洋の人たちは、日本の何に驚き、何を美しいと思ったのか」
という問いである。
ボストンで買いたいものは、だから、単なるお土産ではない。
世界の中の日本を、もう一度考えるための手がかり
なのだと思う。
岡倉天心とボストン美術館
ボストンと日本美術を考えるとき、やはり岡倉天心の存在は外せない。
岡倉天心、あるいは岡倉覚三。
日本美術を西洋に向けて語り、日本美術の価値を守り、伝えようとした人物。
そして、ボストン美術館とも深く関わった人物である。
岡倉天心が英語で書いた『茶の本』は、単なる茶道の本ではない。
お茶を通じて、日本文化の余白、簡素さ、不完全なものへのまなざし、自然との関係、人間の生き方までを語ろうとした本だと思う。
日本文化を、日本語ではなく、英語で、世界に向けて語る。
そのこと自体が、すでにとても象徴的である。
ボストンで『茶の本』を買う、あるいは読み直すというのは、ただの読書ではない。
日本文化が、世界に向けて発せられた声を、もう一度こちら側から受け取り直すことに近い。
ボストンで買うなら、まずはMFAショップ
ボストンでまず行きたいのは、やはりボストン美術館。
ここでは、展示を見るだけでなく、ミュージアムショップもかなり大事に見たい。
買いたいものは、まず本。
日本美術の図録。
浮世絵の本。
北斎や広重の本。
茶の湯や庭園に関する本。
岡倉天心に関する本。
アジア美術全体を扱った本。
ボストン美術館のコレクションに関する書籍。
こういう本は、日本で買う日本美術の本とは少し違う。
日本の中から見る日本美術ではなく、
海外の美術館が、日本美術をどう分類し、どう展示し、どう説明してきたのかが見える。
そこが面白い。
本の次に買いたいのが、カードや紙もの。
北斎のポストカード。
浮世絵のカード。
屏風絵や仏教美術のカード。
展覧会のポスター。
小さなプリント。
ノートやしおり。
こういうものは、軽くて持ち帰りやすい。
しかも、帰国後に使える。
お礼状に使う。
額に入れる。
ノートに挟む。
資料作成のインスピレーションにする。
本棚の前に置く。
小さなカードでも、そこにはかなり大きな文化の回路がある。
Brattle Book Shopで古書を探す
ボストンで古本を探すなら、まず名前が挙がるのが Brattle Book Shop。
アメリカでも古い古書店として知られ、一般古書、稀覯書、地図、プリント、ポストカード、エフェメラまで扱う店である。
ここで探したいのは、日本美術の本だけではない。
もちろん、日本美術、浮世絵、茶道、庭園、建築、ジャポニスム、アジア美術の本に出会えたら嬉しい。
でも、それ以上に面白いのは、世界の本の棚の中に、日本がどう混ざっているかを見ることだ。
西洋美術の本。
古代美術の本。
アメリカ史の本。
建築の本。
宗教の本。
アジア美術の本。
旅行記。
展覧会カタログ。
その中に、日本がある。
日本だけを特別扱いするのではなく、世界の知の棚の中で、日本が一冊の本として並んでいる。
この感じが、ボストンらしい。
もし古い日本美術の図録や、ジャポニスム関連の本、明治期の日本紹介本、古い英文の茶道本などが見つかったら、かなり良い買い物になると思う。
ただし、古書は出会いものだ。
「必ず見つかる」と思って行くより、
「見つかったら、今日のボストンがくれたもの」
くらいの気持ちで行くのがよい。
Commonwealth Booksで、地図とプリントを見る
もうひとつ見たいのが、Commonwealth Books。
ここは古書だけでなく、古いプリントや地図も扱っている店として知られている。
ボストン編で探したいのは、まさにこういう紙ものだ。
古い地図。
古い版画。
アンティークプリント。
展覧会カタログ。
美術書。
建築や宗教や歴史の本。
日本に直接関係するものが見つかるかは、もちろん運である。
でも、ここでも大事なのは、
「日本だけを探す」
のではなく、
「世界の古い紙ものの中で、日本的なもの、日本とつながるものを探す」
という視点だと思う。
たとえば、
東洋趣味のプリント。
アジア美術の古い本。
日本庭園が紹介された古い写真集。
ジャポニスムに関する展覧会カタログ。
あるいは、日本とは直接関係なくても、日本美術と同じ棚で語られてきた中国・インド・イスラム美術の本。
そういうものを見ていると、日本文化が単独で存在していたのではなく、世界の美術史の中で読み替えられてきたことが見えてくる。
本気で日本の本を見るなら、Boston Book Company
ボストンで日本関係の古書を本気で見るなら、Boston Book Companyという選択肢もある。

ここは、気軽なお土産屋さんというより、かなり専門的な古書の世界に近い。
日本の絵本、版本、挿絵本、近現代の日本のアートブック、アヴァンギャルド系の本などに強い専門店として知られている。
つまり、ここは「ちょっとかわいい日本風グッズを探す場所」ではない。
むしろ、
日本の本そのものが、美術品であり、資料であり、コレクションである
という世界である。
出張の合間にふらっと買うには、少し本気度が高いかもしれない。
でも、もし日本の紙文化、挿絵本、近代デザイン、絵本、版画、出版文化に関心があるなら、ボストンにこういう店があること自体がかなり面白い。
日本の本が、ボストンで専門的に扱われている。
これもまた、世界の中の日本である。
SoWa Vintage Marketは、宝探し枠
ボストンには、ヴィンテージマーケットもある。
たとえば、SoWa Vintage Market。
毎週日曜に開かれるヴィンテージマーケットで、ファッション、ジュエリー、アート、家具、オブジェなど、さまざまなものが並ぶ。
ここで日本に関係するものが必ず見つかるかというと、それはかなり運だと思う。
でも、だからこそ面白い。
探すなら、本格的な骨董品というより、紙ものや小さなものが現実的だ。
古いポストカード。
アートプリント。
古い写真。
小さな額絵。
古い美術展のチラシ。
アジア趣味の小物。
日本風の柄のテキスタイル。
昔の旅行パンフレット。
古いカタログ。
こういうものは、軽くて持ち帰りやすい。
そして、たとえ日本のものが見つからなくても、マーケット全体を見ることで、アメリカの暮らしの中に、ヨーロッパやアジアや世界のモチーフがどう混ざっているのかが見えてくる。
日本を探しに行ったつもりが、世界の断片に出会う。
それも、ボストンらしい買いものだと思う。
Cambridge Antique Marketも、偶然の棚を見る場所
もうひとつ、現実的に見られる場所として Cambridge Antique Marketがある。

こちらは複数フロアに多数のディーラーが入るアンティークマーケットで、家具、アート、銀器、ガラス、陶磁器、本、ヴィンテージ衣料、コレクティブルなど、かなり幅広いものが並ぶ。
ここも、日本に関係するものを狙い撃ちできる場所というより、偶然の棚を見る場所だと思う。
でも、その偶然が面白い。
アメリカのアンティークの中に、ヨーロッパの食器がある。
中国風の小物がある。
日本風の絵柄がある。
古い本がある。
版画がある。
ポストカードがある。
世界中のものが、アメリカのマーケットの棚の中で再配置されている。
そこに、日本があるかもしれない。
ないかもしれない。
でも、その「あるかもしれない」という感覚こそが、ボストンの宝探しなのだと思う。
日本関係のアンティークは、慎重に
ボストンで「日本に関係するアンティーク」を探すことはできる。
でも、ここは少し慎重でいたい。
本格的な骨董品、たとえば陶磁器、漆器、根付、仏教美術、古い工芸品などは、素材や由来がわからないものもある。
象牙、鼈甲、珊瑚、希少素材、文化財的価値のあるものなどは、国際取引や持ち込みのルールに関わる場合もある。
だから、出張者のお土産としては、まず紙ものがよいと思う。
古書。
図録。
ポストカード。
プリント。
地図。
展覧会カタログ。
ノート。
しおり。
ポスター。
これなら持ち帰りやすく、文化的にも楽しみやすい。
ボストンで買うべきものは、必ずしも「日本の本物の骨董」ではない。
むしろ、
日本が世界の中でどう見られ、どう保存され、どう語られてきたかの痕跡
なのだと思う。
私ならBostonでこう買う
出張者目線で、持ち帰りやすさも考えるなら、私ならこう買う。
まず、ボストン美術館の日本美術・アジア美術関連の本や図録。
展示を見たあとに買うと、記憶が定着する。
次に、『茶の本』。
できれば英語版で買いたい。岡倉天心が西洋に向けて語った言葉を、ボストンで持ち帰るのがいい。
そして、北斎や浮世絵のポストカード、カードブック、プリント。
軽くて美しく、帰国後も使える。
さらに、Brattle Book ShopやCommonwealth Booksで見つける古い美術書や図録。
日本美術に限らず、アジア美術、ジャポニスム、庭園、建築、宗教、美術史の本も見たい。
本気度が高いなら、Boston Book Company。
日本の絵本、版本、挿絵本、アートブックの世界をのぞく場所として、とても興味深い。
時間が合えば、SoWa Vintage MarketやCambridge Antique Market。
ただし、日本関係のものが必ずあるわけではない。
ここは、見つかったら嬉しい宝探し枠。
本格的なアンティークは、素材と由来がはっきりしているものだけ。
迷ったら買わない。
そのくらいがちょうどいい。

Bostonは、世界の中の日本を見つけ直す街
ボストンで買いたいものは、単なるアメリカ土産ではない。
ボストンで買いたいのは、
日本文化が世界を旅した痕跡だ。
日本美術の本。
岡倉天心の『茶の本』。
浮世絵のカード。
古い展覧会カタログ。
ジャポニスムの本。
アメリカに渡った日本趣味の紙もの。
でも、それだけではない。
ボストンでは、日本だけではなく、中国、韓国、インド、東南アジア、イスラム世界、西洋美術、古代美術、現代美術も同じ視野に入ってくる。
その中で日本を見る。
すると、日本文化は、内側から見るよりも少し輪郭がはっきりする。
何が日本的なのか。
何が世界とつながっているのか。
何が誤解され、何が愛され、何が保存されてきたのか。
そして、日本の美意識は、世界の美術史の中でどんな役割を持ってきたのか。
そういうことを考えるための街が、ボストンなのだと思う。
インドのBlinkitには、暮らしを整える知恵があった。
イギリスのBootsには、体調を守るセルフケアがあった。
フランスのBon Marchéには、日常を美しくする味と香りがあった。
イタリアのBottegaには、考えや記憶を美しく残す道具があった。
そしてBostonには、世界の中の日本を見つけ直すための鏡がある。
海外出張が多い人にとって、その国で何を買うかは、単なるお土産選びではない。
その国の生活文化を、少しだけ自分の生活に持ち帰ること。
そしてときには、自分の国の文化を、外からもう一度見つけ直すこと。
ボストンに行ったら、私はたぶんボストン美術館に行く。
日本美術を見る。
アジア美術を見る。
西洋美術の中で、日本がどう見えるかを考える。
岡倉天心のことを思う。
ミュージアムショップで本とカードを買う。
古書店で古い図録を探す。
マーケットで、世界のどこかから流れてきた紙ものを探す。
そして、スーツケースの中に、少しだけ日本と世界のあいだを旅した記憶を入れて帰ってくる。
Bostonは、最後のBにふさわしい街だと思う。
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【国内・海外出張おみやシリーズ:MAGAZINE】
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Knowledge Architect フランソワ🐾
未来を描く事業開発のプロフェッショナル。
新規事業・AI戦略・未来構想の伴走支援を行っています。
「正しい戦略より、美しい構想を。」
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