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国境を超えるビーツのレシピ

先日、ロシア料理の『シー』について記事を書いた。


記事をアップして、記事の下に出てくるおすすめの記事を見た。
いつもは、おすすめの記事まで見ないのだが、この時は、なぜか見た。

そして、おすすめの記事の最初にあったのが、次の記事だった。

『ビーツの「桜ごはん」』という言葉が飛び込んできた。

ロシアでは、ゴロゴロと安く売られているビーツ。
ボルシチやヴィネグレットサラダなどに使われるビーツ。

そのビーツをご飯と一緒に食べる?

どういうこと?

気になったので、記事を見に行った。

ビーツのお寿司だった。

記事を読んだら、作ってみたくなった。ビーツとお寿司なんて考えたことがなかったけれども、日ロ友好のメニューになりそうだと思った。

夫に、ビーツのお寿司の話をしたが、夫は、食べたくないらしい。これは、想定の範囲内。

ビーツとご飯を一緒に食べるというのがイメージできないのと、夫は酢が苦手だからだ。

平日のお昼に作って、一人で食べることにしよう。

すぐに、コメントを書いたら、レシピについて、記事にしてくださることになった。

他の記事も気になりいくつか読んだ。

赤毛のアンのカナダのプリンス・エドワード島の近くにお住いのようで、私は英語が嫌いだから、英語圏の国はあまり行きたくないのだが、カナダのプリンス・エドワード島には、行ってみたいと昔から思っている。

カナダもロシアと同じように北国だから、ハマナスとかクランベリーなど似たような植物があると思った。

レシピが公開されたときもすぐにお知らせしてくださったので、すぐに見に行った。

レシピを読むと、お米とビーツと合わせ酢だけで他には、使わないらしい。トッピングとかは別だが、寿司ご飯だけなら、ビーツを買ってくれば、すぐにできると思った。

それにしても、記事に載っている写真がきれいなこと。

写真部だったそうだ。写真の取り方も勉強になる記事だ。

また、盛り付けも美しい。

物相型?という名前を初めて知り、モスクワに持ってきていないから、盛り付けは放棄した。

どんな味か分かればいいかと思い、グーンとハードルを下げた。
もちろん、和食器も我が家にはない。
ソビエト時代の食器に盛り付けよう!と思った。

『ТВЕР. Г』とある。
О.ではなくГ.。なんのこっちゃ?と分からない人がほとんどだと思うので、少し解説する。
О.は、областьの略で、 Г. は、губернияの略。意味は、州とか県。
О.になったのは、1929年から。
ピョートル大帝時代からのロシア帝国時代とソビエトになってすぐの頃までは、Г.だった。
このお皿には、ソビエトの鎌とハンマーも描いてあるから、ソビエト時代になってからの1917年から1929年の間に作られたお皿と分かる。
ざっと100年くらい前のお皿だ。我が家では、毎日のようにこのお皿を使っている。

ラディッシュの浅漬けは、ラディッシュは量り売りになっていないため、たくさん買っても義母は食べないし、あとが困るから、浅漬けは省略。

カナダに住んでいるNaomiさんは、大和撫子だが、私は、見た目は、国籍不明で、「日本人だ。」と言っても、「噓でしょ。インドネシア人でしょ。」と信じてもらえなかったこともある。
タイ人かベトナム人に思われることもよくある。
最近は、ロシア国内のカルムィク人やブリヤート人、ヤクート人に間違われるようになった。考え方や行動はロシア人だ。
しかも、最近、マトリョーシカ体型にもなってきた。

そんな私が作るビーツのお寿司。いろいろ不安だが、いざ、スーパーへ出陣!

まず、ビーツを見る。
午前中にスーパーへ行ったから、まだ品出しをしていなかったようで、ぷっかんぷっかんの柔らかいビーツばかり。
義母がいつも買ってくるビーツは硬いから、傷んでいるのかな?と思いつつ、3個だけある硬いビーツのうちの1つを選んで、はかりに乗せた。
ロシアのスーパーは量り売りだから、必要な分だけ買えるのは嬉しい。
レシピを見ると130gのビーツとあったが、私が選んだのは142gだった。他のビーツはもっと誤差が大きくなりそうだから、142gのビーツを買うことにした。
はかりに乗せると、値段が分かるのだが、11.36ルーブルだった。約22円。

モスクワの場合、ビーツのお寿司は、お財布にも優しい。

それから、店内をウロウロ。
物相型というものが我が家にないため、紙コップを使おうと思い、値段調べ。
6個入りの子供向けの絵柄がついた紙コップは、60ルーブル。約115円。
無地の30個入りの紙コップは、200ルーブルで、約381円。
絵柄がついている必要はないが、30個もいらないと思い、絵柄の紙コップを買うことにした。

家に帰ってきて、すぐに、ビーツを茹でることにした。皮がついたまま丸ごと茹でるから柔らかくなるまで、1時間くらいかかる。
沸騰する前に蓋をあけたら、お湯がピンク色になっていた。

お米を研ぎ、吸水。

ビーツがゆであがるまで、もう一度レシピを確認しようとnoteを開いた。
改めてレシピの部分を読んでいたら、昨日、私が見た時よりも写真が増えた気がした。

しかも、ビーツは、4分の1を使うという言葉がつけ足された気がした。それとも、私が読んでいなかっただけか?
とにかく、もう一度、レシピを見てよかった。

4分の1しか使わないのなら、もっと小さいビーツを買ってきてもよかったと思った。そうすれば、もう少し安いし、柔らかくなるのも早かった。

4分の3残ることが分かった。

残してもあれだから、残りで、ビーツのサラダを作ることにした。

ビーツがゆであがり、さます。

ビーツを茹でた鍋を洗って、今度は、その鍋でご飯を炊く。
ご飯を炊いている間に、ビーツをさまし、手で皮をむき、小さく切った。

合わせ酢も作った。といっても、我が家には大さじも小さじもないから、家にある大きいスプーンを大さじ、ティースプーンを小さじに見立てて、計量。

そこへビーツを入れた。

これを見た時に、あれ?スヴェコーリニク(冷たいボルシチ)を作る時のマリネに似ていると思った。

ということは、ビーツの残りの4分の3をビーツのサラダにするのではなく、4分の1を使ってスヴェコーリニクを作り、4分の2、つまり2分の1で、ビーツのサラダにしようと思った。

今日のお昼はビーツづくし。

ご飯が炊けた。

ご飯を炊くときは、いつもこのお鍋で炊く。炊飯器という文明の利器は、我が家にはない。

ボールに移して、

ビーツの合わせ酢を入れる。

ご飯がピンク色になった。お赤飯みたいな色だ。お祝い事の時は、お赤飯代わりにビーツのお寿司にしてもいいかもと思った。

さて、紙コップによる物相型代用をする勇気が出ない。

そのため、酢飯は少し放置。

その間に、スヴェコーリニクを作ることにした。
スヴェコーリニクは、リトアニアやポーランドの料理。それが、ロシアに伝わって、夏にはカフェや食堂のメニューにもある。

スヴェコーリニクはロシア語だが、リトアニアやポーランドでは名前が違う。
そのため、冷たいボルシチという場合もある。

今回、急遽作ることになったから、きゅうりもないし、ゆで卵もない。
サワークリームもない。
いろいろすっ飛ばして、ビーツとケフィールで作ろうと思った。かなり適当だ。
荻野恭子さんのレシピを段ボールから引っ張り出すのはめんどくさい。
ビーツのお寿司の合わせ酢の比を使って、もう少し少量の合わせ酢を適当に作った。
その場の思い付きで、砂糖ティースプーン1、塩ティースプーン2分の1、酢ティースプーン2。
合わせ酢を作り、そこへ、細かく切ったビーツを入れる。ケフィールを100㏄入れて、混ぜる。1人分ならこんなもんだろう。本当に適当だ。
そして、冷蔵庫で冷やした。

そして、2分の1の残りのビーツをおろし金でおろし、塩を少々とマヨネーズを適当に入れ、混ぜて、ビーツのサラダの出来上がり。少し、冷蔵庫で寝かせることにした。

さあ、いよいよ紙コップによる物相型の代用開始。
ロシアにいると、物がない場合は、他の物で代用できないかな?とよく考える。

そして、紙コップを使って、ハート形に抜いてみた。

紙コップの底の部分を使って、丸形にも抜いてみた。

できあがったのは、日ロ友好飯。いや、リトアニア、ポーランドも。

林家ペーさんと林家パー子さんが喜びそうなピンク。
もし、この記事を読んでいる人の中に、お二人と知り合いの方がいらっしゃったら、ぜひ、お伝えください。

日本のお寿司と、ロシアでよく食べるビーツの組み合わせ。まさに、これは、日ロ友好だ。ソビエト時代のお皿に盛った。

いつもは食べられればいいやと見た目なんかは気にしないのだが、カナダ在住のNaomiさんのおかげで、今回、少し盛り付けにこだわってみた。

盛り付けによって、印象が違う。

証拠隠滅で、ビーツのお寿司を義母が帰ってくるまでに食べきろうと思ったが、お腹がいっぱいで全部を食べきれなかった。

そのため、残りは冷蔵庫に入れて冷やしておいた。

義母は、興味を示さず、チェブラーシカが恐ろしいものを作ったと思ったかは知らないが、何も訊かれなかったので、あえて、説明をしなかった。

夫には、メッセージで食べるかどうかを訊いた。
返事は、「さあ」だった。
それなら、食べないかと思い、「全部食べていい?」と訊いたところ、返信なし。
「食べていい。」という返事がこないので、一応残すことにした。
仕事から帰ってきた夫に、冷やしたビーツのお寿司を出してみた。
一口食べて無理なら、私が食べることを伝えて、毒味。
ビーツのお寿司を食べる前に、「魚は入っていないの?」と夫が訊いてきた。
お寿司と言えば、魚が入っている。しかも、生の魚が入っているという風に夫は思っていたようだ。生物は、絶対に食べたくない夫。ましてや、海のものが苦手で、生の魚なんてもってのほかと思っている夫。

魚が入っていないと分かり、食べ始めた。
最近の義母の料理が恐ろしくまずかったのもあり、嫌いな酢飯も食べられたようだ。
完食してくれたが、「おいしくない。」とも、「おいしい。」とも言わなかった。
酢飯を初めて食べた夫。
不思議な味に頭が混乱していたようだ。

やはり、酢飯はロシア人の舌には、あいにくいようだ。夫は、酢は体に悪い物という認識だから、尚更。
私は、気に入ったので、これからも、時々一人昼ご飯に作る予定。

そして、次の一時帰国時には、物相型を買って、モスクワに運ぼうと思っている。
または、万が一モスクワへいらっしゃる方がいたら、運んできてくださると嬉しい。なにしろ、日本郵便は3年半もの間、ロシアへ配達をしていないので。

Naomiさん、素敵なレシピの紹介をありがとうございました。

カナダから、ロシアへ届いたビーツのお寿司のレシピ。

今度は、イギリスのらんみかさんに送ります。

たしか、イギリスにもビーツがたくさんあるとらんみかさんは、話していたし、酢は体にいいから、ヴィネグレットサラダを作ってみようとも話していたから、ビーツのお寿司も作る気がする。

また、スリランカにもビーツがあり、ビーツのカレーがあることを聞いたことがある。

ビーツを使ったいろんなレシピが世界中でつながったら楽しいと思う。


【7月21日の過去記事】


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