K-POP第3世代とは?“グローバルファンダム”を生んだSNSとサバ番ブームの始まり
EXOの『Growl』がヒットしたことをきっかけに、K-POP第3世代が始まりました。
BTSやBLACKPINKが世界的な人気を獲得し、K-POPがより広く認知されるように。
SEVENTEENやTWICEなど、アジア圏を中心に支持を集めるグループも続々と登場し、韓国国内だけでなく、“世界市場”を意識した展開が本格化していきます。
この世代からは、グループごとの「世界観」や「ストーリー性」が重視されるようになり、SNS時代とともにファンダムの形も大きく変化していきました。
本記事では、そんな第3世代の特徴を整理していきます。
記事の後半では、当時の映像を改めて見て感じたことや今のアイドルと重ねて思うことなど……
個人的な視点での感想もまとめているので、興味がある方は続きをのぞいてみてくださいね。
私は、今のアイドルをもっと深く理解するためにも、K-POPの歴史を学ぶことは重要だと考えています。
「確かに!」と思う人もそうじゃない人も、ぜひ私が今まとめている『K-POPアイドル史』をぜひ読んでいってくださると嬉しいです。
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K-POP第3世代の活動時期と背景と日本活動
K-POP第3世代は、EXOの『Growl』が大ヒットした2013年ごろから本格的に始まったとされる世代です。
そのため、2013年〜2019年ごろを中心に活動したグループが「K-POP第3世代」と呼ばれることが多く、デビュー時期としては2012年〜2017年ごろが基準となっています。
この第3世代は、第2世代が築いた国内外での人気を背景に、グループ数が一気に増加し、競争の激化とともにK-POPのマーケティングやファン文化も大きく変化していきました。
そして、K-POPが本格的に海外進出を見据えはじめた時期でもあります。
また、2016年には中国で限韓令が発令され、主要市場のひとつだった中国との関係が冷え込むなか、各事務所は東南アジアや欧米への展開をさらに強めていきます。
その流れの中で、多国籍グループの増加やグローバル展開を前提とした戦略が加速し、K-POPは「韓国発のコンテンツ」から「世界基準の音楽ジャンル」としての立場を確立しはじめました。
ここでは、そうした第3世代の特徴と、K-POP全体にもたらした変化を整理していきます。
K-POP第3世代の韓国と日本の市場への影響
K-POP第3世代の後半ごろから、日本では「第3次韓流ブーム」と呼ばれる現象が起こりました。
2017年にはTWICEが『第68回NHK紅白歌合戦』に出演し、小学生から大人まで、幅広い年代の人々がTWICEに夢中に。
なかでも「TTポーズ」はSNSを中心に話題となり、世代を問わず浸透していきます。
さらに、K-POPだけでなく、韓国発のファッションやコスメなどの商品も一般層にまで広く知られるようになりました。
このころ、BTSやTWICE、BLACKPINKといった第3世代の楽曲が街中でも流れるようになり、K-POPはより多くの日本人にとって“身近な音楽”として定着していきます。
K-POP第3世代を代表するK-POPアイドル
それでは、K-POP第3世代に活躍したK-POPアイドルグループをご紹介します。
SMエンターテインメント
EXO(2012年デビュー)
Red Velvet(2014年デビュー)
NCT(2016年デビュー)
YGエンターテインメント
WINNER(2014年デビュー)
iKON(2015年デビュー)
BLACKPINK(2016年デビュー)
JYPエンターテインメント
GOT7(2014年デビュー)
TWICE(2015年デビュー)
DAY6(2015年デビュー)
BIGHIT MUSIC(当時はBigHit Entertainment)
BTS(2013年デビュー)
PLEDISエンターテインメント(現在はHYBE傘下)
SEVENTEEN(2015年デビュー)
PRISTIN(2017年デビュー)
CUBEエンターテインメント
BTOB(2012年デビュー)
CLC(2015年デビュー)
PENTAGON(2016年デビュー)
STARSHIPエンターテインメント
MONSTA X(2015年デビュー)
宇宙少女(WJSN)(2016年デビュー)
Woollimエンターテインメント
Lovelyz(2014年デビュー)
Golden Child(2017年デビュー)
FNCエンターテインメント
AOA(2012年デビュー)
SF9(2016年デビュー)
DSPメディア
April(2015年デビュー)
KARD(2016年デビュー)
Fantagio
Hello Venus(2012年デビュー)
ASTRO(2016年デビュー)
TOP MEDIA
UP10TION(2015年デビュー)
WMエンターテインメント
OH MY GIRL(2015年デビュー)
Jellyfishエンターテインメント
VIXX(2012年デビュー)
Banana Culture
EXID(2012年デビュー)※第2世代後期から第3世代初期とされることも
MBK(旧Core Contents Media)
DIA(2015年デビュー)
RBWエンターテインメント
MAMAMOO(2014年デビュー)
VROMANCE(2016年デビュー)
SOURCE MUSIC(現在はHYBE傘下)
GFRIEND(2015年デビュー)
K-POP第3世代の特徴とK-POPにもたらした変化

第3世代は、グループの構成や音楽性、メディア戦略、ファンとの関係性において、それまでの世代とは異なる新たなスタイルを築いていきました。
海外での活動が本格化し、SNSでの発信が日常となる中で、アイドルの在り方が大きく変化していきます。
ここでは、第3世代を象徴する特徴と、K-POP全体にもたらした変化を整理していきます。
オーディション番組と“デビュー前ファン”の登場
サバイバルオーディション番組は第2世代の頃から存在していましたが、I.O.Iがデビューした Mnet『PRODUCE101』は、その後のK-POP業界に新たなスタンダードをつくりました。
複数の芸能事務所に所属する練習生を100人規模で集め、期間限定の大型グループをデビューさせるという番組の仕組みは革新的で、I.O.Iの爆発的人気をきっかけに、毎年複数のサバイバルオーディション番組が放送されるまでに発展していきます。
こうして「サバイバルオーディションブーム」が広がる中で、アイドルのデビュー過程が一般にも公開され、視聴者投票によってメンバーが決定されるスタイルが浸透していきました。
デビュー前からファンがつき、成長過程を見守りながら応援するという、新しい応援文化がこの時期に定着していきます。
世界市場を見据えた過渡期としての第3世代
第3世代は、第2世代が築いた人気を受けて、より戦略的に海外へと踏み出した過渡期の世代です。
グループの構成、音楽性、ファンとの関わり方など、あらゆる面で試行錯誤が繰り返された時代でした。
多国籍・大人数グループの台頭
第2世代の成功を受け、アイドルグループの数が一気に増加します。
大手事務所だけでなく、小規模な事務所からも続々とグループがデビューしました。
そうしたなかで、他グループとの差別化やグローバル展開を意識して、EXOやSEVENTEENのような大人数グループが目立つようになります。
また、SUPER JUNIORから始まったとされるユニット活動も、この時期にさらに活発化していきました。
さらに、日本・中国・アメリカ・タイなど、アジア圏を中心にさまざまな国籍のメンバーを加える多国籍グループも当たり前になっていきます。
こうして、デビュー当初から海外展開を前提にした戦略が、業界全体に定着していきました。
ヒップホップとの距離感とジャンルの壁
2012年にスタートしたMnetのヒップホップ系サバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』シリーズの影響により、アイドルラッパーと本格派ラッパーの間にある線引きも表面化していきました。
K-POPアイドルグループにおいてラップ担当がいることは今では当たり前ですが、当時は「アイドルがラップをすること」に否定的な意見も根強くありました。
韓国を問わず、ヒップホップを生業としている人たちからすると、アイドルがするラップは「真のヒップホップ」ではない、という考えが根強くあるのが現状です。
その中で、「アイドルラッパー」という言葉が揶揄的に使われる場面も見られましたが、アイドルたちは音楽性や表現力を高めることで、アーティストとしての立場を確立しようと努力していきます。
Mnet『SHOW ME THE MONEY 3』では、iKONのBOBBYが優勝を果たすなど、K-POPアイドルのラッパーが実力を示す場面も増えていきました。
また、2017年から放送された兄弟番組 Mnet『高等ラッパー』シリーズでは、10代の若者によるラップバトルが注目を集めました。
ここでは、Mnet『高等ラッパー』ではNCTのマークが、Mnet『高等ラッパー2』ではSF9のフィヨンが話題に。
この番組を通じて、ヒップホップという文化が若年層にとってより身近なものとなったのはもちろん、アイドルにとってもラップを自己表現の一つとして捉える土壌が少しずつ育っていきました。
▼YOSHIさんの記事がとてもわかりやすいので、ご紹介します。
ワールドツアーとチャートインが当たり前に
第3世代では、海外ツアーやチャートインが一部のトップグループだけのものではなくなっていきます。
アジアや北米、ヨーロッパなどをめぐるワールドツアーを開催し、各地にファンベースを築くグループが増加。
とくに、BTSやBLACKPINKのグローバルな活躍は、K-POPの国際的な存在感を大きく押し上げる要因となりました。
Billboardチャートでのランクインや、アメリカの音楽番組・授賞式への出演など、これまで夢物語だった光景が現実のものになっていきます。
K-POPは“海外進出”という目標を越え、世界の音楽市場で確かな地位を築きはじめました。
SNS発信の強化と各メディアの活用、マーケティング戦略
この時期、YouTubeやX(旧Twitter)、InstagramといったSNSでの発信が活発化し、グループやメンバー個人の魅力がより身近に感じられるようになります。
さらに『Run BTS!』のような事務所発信のコンテンツが台頭し、ファンがグループをより深く知るきっかけとなります。
こうした動画コンテンツの充実によって、K-POPという文化そのものを楽しめる場が広がり、世界中にファン層が拡大していきました。
セルフプロデュース型アイドルの登場
この世代からは、メンバー自身が楽曲制作や振付に関わるセルフプロデュース型のグループも増えていきます。
WINNERやiKON、BTS、SEVENTEENなど、メンバーの中に作詞・作曲・振付を手がける人材を抱えるグループが続々と登場(第2世代にもいましたが、さらに増加したのが第3世代からです)。
◼︎第3世代を代表する自主制作ドル
BTS:RM / SUGA / J-HOPE
WINNER:カン・スンユン / ソン・ミノ
iKON:B.I(※グループ脱退) / BOBBY
BTOB:イム・ヒョンシク / イ・ミニョク / イ・チャンソプ
GOT7:
PENTAGON:フイ / ジノ / キノ / イドン(※グループ脱退)
SEVENTEEN:ウジ
与えられたものをパフォーマンスするだけでなく、自ら作品を生み出すことがアイドルの重要な価値として認識されるようになりました。
“見せる”から“つくる”へという価値観の変化が、この時期のK-POPに新たな可能性をもたらしました。
K-POP第3世代のころのファンダムの形の進化

第3世代では、サイン会やさまざまなコンテンツを通じて、ファンとの距離がぐっと近づいていきました。
対面でのサイン会はもちろん、VLIVEをはじめとした生配信(現在のWeverse LIVEにつながる文化)によって、リアルタイムでの交流が可能に。
アイドルが生配信を行い、ファンのコメントを拾いながら会話をする──そんな双方向のコミュニケーションが日常的になります。
これによって“熱量の高いファン”が生まれやすくなり、ファンダムのあり方も大きく変化していきました。
こうしたファンとの関わり方は、第4世代・第5世代へと引き継がれ、進化を続けています。
グローバルファンの拡大

SNSやYouTubeなどのプラットフォームを通じて、海外ファンのアクセスも一気に加速。
字幕付きコンテンツや多言語対応も当たり前になり、韓国語が分からなくてもコンテンツを楽しめる環境が整い始めました。
これにより、K-POPはアジア圏を越えて欧米・南米など世界中に広がり、多国籍なファンダムが形成されていきます。
推し活の多様化

K-POP第3世代は、単なる“音楽の消費者”としてではなく、ファンが能動的に“参加する”スタイルの推し活が根づき始めた時期です。
グッズ収集やSNSでの応援活動、動画リアクションやファンアートの投稿など、楽しみ方は多様化。
また、第2世代に憧れて育った若者たちが、実際にアイドルを目指す流れも生まれ、第3世代の影響力の大きさを物語っています。
ファッション・メイクなどのビジュアル面にとどまらず、ライフスタイルや価値観にも影響を与えるようになったのが、この時代の特徴といえるでしょう。
K-POP第3世代の音楽・パフォーマンスの特徴
K-POP第3世代では、音楽性・パフォーマンスともにさらなる多様化と高度化が進みました。
どのような音楽やパフォーマンスの進化が、第3世代の“圧倒的完成度”を支えていたのかをこのパートで見ていきましょう。
グローバル展開を前提とした音楽制作
第3世代では、世界市場を意識した楽曲制作が本格化しました。
英語詞を多く取り入れたタイトル曲や、グローバルな音楽トレンドを取り入れたサウンド構成が特徴です。
BTSが海外プロデューサーと制作した『DNA』や『MIC Drop』のように、欧米市場をターゲットにした作品が増加。
K-POPという枠にとどまらず、ヒップホップやEDM、トラップ、R&Bなど、さまざまなジャンルを融合させた実験的な試みも広がっていきました。
また、SMエンターテインメントをはじめとする大手事務所が導入した「ソングキャンプ形式(複数の海外作曲家・プロデューサーが合宿形式で楽曲制作を行う方式)」により、音楽性はより多様かつ国際的なものに。
1990年代後半北欧地域音楽界を中心に生まれたソングキャンプは、2000年代後半からSMが国内企業の中には積極的に活用したため、今は一般音楽ファンにも結構なじみのある単語となった。
この時代から、“世界で通用するK-POP”を目指した本格的な基盤が築かれていきます。
ソングキャンプ形式の導入と進化
第3世代では、ソングキャンプ形式の導入が音楽制作に大きな変化をもたらしました。
この形式によって、グローバルな視点を持つプロデューサーとの協業が可能となり、英語詞の増加や洋楽トレンドを取り入れたサウンドの構築が加速。
第3世代のアイドルたちは、K-POPという枠を超えた国際的な音楽性を身につけ、より幅広いリスナー層にリーチできるようになっていきました。
高度なパフォーマンスと“見せ方”の進化
第3世代からは、カメラを意識したパフォーマンスや構成の工夫が見られるようになりました。
1曲の中でフォーメーションをめまぐるしく変えるなど、「ステージでどう魅せるか」に重点が置かれるようになりました。
さらに、現在のK-POPでは当たり前になったチッケム(個人フォーカス映像)の文化もこの時期に登場。
これにより、1人ひとりのメンバーの魅力がより可視化され、ファン層の広がりにもつながっています。
こうした視覚的な完成度の高さや、誰が見ても伝わる“映える構成”を武器にした楽曲・パフォーマンスが多かったからこそ、第3世代の楽曲はその後のサバイバルオーディション番組で課題曲として多く採用されるようになったと言えます。
今でもカバーされる機会が非常に多い世代で、後続世代にも大きな影響を与え続けています。
ストーリー性と世界観の構築
BTS『花様年華』シリーズのように、一連のアルバムやMVでストーリーを展開するスタイルが増えたのもこの時期からです。
単なる1曲・1MVではなく、連作として世界観を描き続ける手法がファンの考察を呼び、熱狂的な支持を集めました。
また、K-POP第2世代末期〜第3世代初期のアイドルグループ VIXXは、「コンセプトドル(コンセプトアイドル)」の先駆け的存在。
第3世代における“世界観の一貫性”重視の潮流に先んじていたと言えます。
こうした“コンセプト完遂型”のアプローチが注目されて、後続世代(特に第3世代以降)の「ストーリー性を重視したグループ」にも影響を与えたと考えられます。
💭 ここからは…

ここまでは、K-POP第3世代の特徴について、客観的に整理してきました。
私は1994年生まれで、EXOやBTS、TWICE、BLACKPINKといったグループが人気を拡大していったころは、ちょうど大学生〜社会人になり始めた時期でした。
リアルタイムで見ていたはずのK-POP第3世代の動きも、今あらためて見返すと、当時は気づけなかった変化や意味が見えてきます。
第3世代ならではの音楽やパフォーマンス、ストーリー性のあるMV、SNSを活用したファンとのコミュニケーションなど……
どれも当時とは違う視点で見るからこそ、改めて発見できるものがあると感じています。
そして私は今、K-POP第1世代〜第5世代までの流れを整理している最中にあります。
今回、こうして第3世代を振り返ってみて感じたのは、今のK-POPを理解するためにはやはり、時代の変化を知っておくことが欠かせないということです。
この先は、今のK-POP界を深く知るためにも、自分自身の感覚と言葉でK-POP第3世代について振り返っていきます。
他世代と比べたからこそ気づいた第3世代の特異性
第4〜第5世代から見えてくる、“ロールモデル化”した第3世代
サバイバル番組に狂っていたあの頃、私が沼った“構造的理由”
“推しを選びやすい時代”を形成した第3世代の構造
この4ポイントで語っていきます。
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