【創作大賞2025】リリがくれた魔法のかつら 第2章 #オールカテゴリ部門
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#創作大賞2025 #オールカテゴリ部門
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この作品は児童文学の為、子供が読みやすい漢字やひらがなを使っています。
第2章 トンボ森にいきたい!
つぎのひ、リリはおばあちゃんの家へ、急いでいきました。
「おばあちゃん!リリ、トンボ森にある、ふしぎなびよういんにいきたい!」おばあちゃんは、びっくりした顔でリリを見ます。
「おやおや、昔はなした、リスのびよういんのことかい?」
「そう、どんなおねがいも叶えてくれる、あのびよういん!」
「そうかい、そうかい・・・あのはなし、覚えていたんだね。でもどうしていきたいの?」
リリは力強い声でおばあちゃんにいいます。
「ママにカツラをつくってあげたいの!」
おばあちゃんは、やさしくリリをみつめてーー
「・・・ママ、かみの毛、きってしまったんだね?」
リリはうなずきます。
「ママはだいじょうぶっていってたけど、きのうの夜、一人でないてた・・・」
リリの目がうるんでいきます。
「そうかい、そうかい・・・。でもトンボ森に、人間は入ったらいけないの、知ってるね?みつかったら大変なことになる」
「うん・・・。でもどうしてもママにカツラをつくってあげたいの!」
おばあちゃんはリリを少し見つめた後、よっこらしょっと立ちあがると、隣の部屋からふるい、白い紙をもってきて、リリに渡します。
「この紙を、トンボ森のいりぐちで、たいようにかざすんだよ。そうすれば、びよういんまでの地図があらわれるよ」
おばあちゃんは、なつかしそうにはなしをつづけます。
「そしてこうとなえるんだよ。”びようしアルさんにあわせてください”ってね」
リリは聞きのがさないように、おばあちゃんをみつめます。
「びようしアルさん・・・?」
「そう、リスのびようしアルさん。きっとリリを助けてくれるよ」
おばあちゃんは笑顔で、リリの肩をポンとたたきます。
「おばあちゃん、この紙、どこでーーー」
リリが不思議そうにおばあちゃんをみると、おばあちゃんはウィンクをしてリリを送り出します。
「さぁ、いっておいで!」
リリはその紙をぎゅっとにぎって、おばあちゃんの家をとびだしました。
「おばあちゃん、ありがとう!」
リリはトンボの森のいりぐちまでやってきました。
おばあちゃんからもらった白い紙を太陽にかざすとーーー
あら、ふしぎ!
光がすっと走って、紙に地図がうかびあがりました。
リリはおどろいで声をあげます。
「わ!すごい!!おばあちゃんのいったとおりだ!」
そして目をつぶりとなえました。
「びようしアルさんにあわせてください!」
リリがおそるおそる目をあけると、目の前にもぐらのミンゴと木の妖精ポッチが立っていました。
「おいっ!ここは人間おことわりの森だぞ!」
ミンゴとポッチが道をふさいで、とおしてくれません。
ミンゴは怒った顔で、リリを見つめます。
リリはおどろいて、足がガクガクーー
でも勇気をふりしぼり、胸をはって大きな声でいいました。
「勝手に入ってごめんなさい!私、リリ!アルのびよういんに行きたいの!」
それを聞いたミンゴはそっぽを向いて、冷たくいいました。
「アルのびよういん?ダメダメ!お前はトンボ森には入れない!どうやってここまできたんだか、まったく。急に呼び出されていい迷惑だ!」
二人のやりとりを見ていたポッチが、リリにやさしく話しかけます。
「君はどうやってここまできたの?」
「これ・・・」
リリが白い紙をさしだすと、ミンゴはびっくりして目をまるくしました。
「こ、これは・・・!むかしここにきた、あの子にあげたまほうの紙じゃないか・・・!」
ポッチも、目をまんまるにしていいます。
「もってる子が、またあらわれるなんて・・・!」
ミンゴは咳ばらいを一回してーーー
「ゴホン、お前はどうしてこの紙をもっているんだ?」
「おばあちゃんからもらったの!」
リリは白い紙をぎゅっとにぎりながらこたえます。
ミンゴはリリを見ながら、横に立っているポッチにヒソヒソ話しかけます。
「おばあちゃんって・・・こいつ、あの子の孫ってことか??」
「たぶん、そうじゃないかな・・・??」
ミンゴは、リリの顔をじっと見つめました。
「お前、こわくないのか?森の中には、猛獣がた〜くさんいるんだぞ!お前なんか、一口でぺろりさ!」
リリはこくんとうなずきました。
「食べられちゃうんだぞ??」
リリはまたこくんとうなずきました。
ミンゴは面倒くさそうにリリを見ます。
「チッ、あきらめないか・・・。でもよ、お前なんでアルのところにいきたいんだよ?」
リリは、大きな声でこたえます。
「ママにカツラをつくってあげたいの!ママがびょうきで髪の毛がなくなっちゃって・・・リリ、ママのためなら、どこへでも行くよ!ママがだいすきだもん!」
リリのことばを聞いたミンゴは、リリの瞳をじっと見つめました。
リリの瞳は小さくゆらゆら揺れながら、力強くミンゴを見ています。
「カツラか・・・」
ミンゴは観念したように、にこっとわらって道をあけました。
「よしっ!そこまで言うなら、とくべつにとおしてやる!」
ポッチも、木の枝をどかしていいました。
「ふふふ。ミンゴに気に入られたね。気をつけていってらっしゃい」
リリはパッと顔を明るくして、ぺこりとおじぎをしました。
「とおしてくれてありがとう!」
そういって、リリは森の中へすすんでいきました。
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【作者のプロフィール】
出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、これまでに世界中の絵本を年間120冊以上、トータルで700冊ほど、娘と一緒に読み重ねてきました。
絵本の読み聞かせを通して「娘にどんな物語を(本)語ってあげたいか」、また「どんな言葉を残したいか」を考えるうちに、絵本に関係なく、「私が娘に伝えたい事は?」という気持ちが大きくなり、自ら児童文学を書き始めるようになりました。
私自身はこれまで、国際線CAや通訳、企業コンサル、飲食のブランディングなど、さまざまな仕事や起業を経験してきました。
その中で常に大切にしてきたのは、「異なる文化や人を理解し、自分や他者を受け入れること」でした。
そしてハーフである娘の成長を見つめながら、これからぶつかるであろう困難に立ち向かう為に、母親ができる事を模索しています。
これからは、子供達が成長の過程で苦しんだり悩んだりしなくていい様に、自分の周りの人との“違い”を肯定し、“他人と比べずに自分を愛する”事の大切さを語る様な、そんな児童文学を子どもたちに届けていきたいと思っています。
読んでくださった方に、優しい気持ちが届けば幸いです。
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