【創作大賞2025】リリがくれた魔法のカツラ 第6話 #オールカテゴリ部門
【前回の話はこちら】
▶︎ 第5話を読む https://note.com/hana_fantasy/n/nc1bc83146147
#創作大賞2025 #オールカテゴリ部門
📚 本文はこの下からどうぞ!
この作品は児童文学の為、子供が読みやすい漢字やひらがなを使っています。
第6章 どんなママでもだいすき!
アルは、最後の髪の毛をそっと整えると、やさしくリリの前にカツラを差し出しました。
「さあ、できたよ!」
リリは目をまるくして、思わず声をあげます。
「すごい・・・!これ、ぜったいママにぴったり!やわらかくて、つややかで、なんてきれいなの・・・!前髪のかたちも、ほっぺにかかる髪のながれも・・・。ぜーんぶママそのものだよ!アルさん、ありがとう!ほんとうにありがとう!」
リリは、アルにぎゅっとだきつきました。
アルは、リリの頭をそっとなでて言います。
「リリ、これをつくったのは僕じゃない。君のママへの思いだよ」
リリは目になみだをうかべて、おおきくうなずきました。
リリができあがったカツラを宝物のように胸にかかえて、おうちへ帰ろうとびよういんを出ると、森の木々がリリのためのそっと道をひらきます。
空はもうすっかり、オレンジ色の夕日。
リリはアルに向かっておじきを一回。
「アルさん、本当にありがとう!」
「リリ、またいつかここにおいで」
アルはやさしい笑顔でリリを送り出します。
リリは森の出口へとゆっくり歩いていきます。
途中ふりかえると、アル・ミンゴ・そしてポッチまでが、やさしく手をふりながらリリを見ています。
リリは大きな声でさけびます。
「みんなーありがとう!」
そして、家の前までたどり着きドアをあけるとーーー
ふわっと、スープのいいにおい。
ママが、キッチンに立っています。
頭には、深くかぶった帽子ーーー
「ママ!」
リリが呼ぶと、ママがふりかえりました。
「あら、おかえり、リリちゃん。どこに行ってたの?」
リリは、小さな箱をとりだして、ママに渡します。
「はい、ママにプレゼント!ママのためにつくったの!」
「えっ?プレゼント!?」
ママがおどろきながら箱をうけとりあけると――
「あっ・・・」
ママの目に、涙がいっぱいたまっていきました。
「リリちゃん・・・これ・・・」
ママは、そっとカツラを手にとります。
「ママ、これかぶってみて!」
リリがそういうと、ママがはおそるおそるカツラを頭にのせました。
するとやさしい風がさらっとふき、魔法のようにカツラがママのあたまにぴたりとなじみました。
カツラのサイズも形もぴったり。
カツラをかぶったママは、髪の毛をきる前のママそのものでした。
「リリちゃん・・・すごい・・・これどうしたの?」
ママは声をふるわせて、リリをみつめます。
「ママのためにつくったんだよ!リリはいまのママもかわいいと思うけど、これあげたらママがよろこぶかなと思って!」
ママは、涙をポロポロながしながら、リリをぎゅっーとだきしめました。
「リリちゃん、ママうれしい・・・ほんとうにありがとう・・・なんてすてきな髪の毛なの・・・」
リリはママをまっすぐ見つめて、にっこりわらいながら言います。
「これはリリの“だいすき”が、ぎゅーってつまったカツラなんだよ!いつもがんばってるママへのプレゼント!ママ、早くげんきになってね!」
ママはまた、ぽろぽろと涙をこぼしました。
でも、今度はとびっきりうれしそうな顔でいいます。
「ママ、ぜったいげんきになるからね!」
「うん!リリ、ママのこと、いーっぱい応援する!ママ、だーいすき!」
END
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▶︎ 第1話はこちら https://note.com/hana_fantasy/n/n50f6434e3352
▶︎ 第2話はこちら https://note.com/hana_fantasy/n/n000acd7fdfb7
▶︎ 第3話はこちら https://note.com/hana_fantasy/n/n451191b6c37c
▶︎ 第4話はこちら https://note.com/hana_fantasy/n/nb5c2acd83e2a
▶︎ 第5話はこちら https://note.com/hana_fantasy/n/nc1bc83146147
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【作者のプロフィール】
出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、これまでに世界中の絵本を年間120冊以上、トータルで700冊ほど、娘と一緒に読み重ねてきました。
絵本の読み聞かせを通して「娘にどんな物語を(本)語ってあげたいか」、また「どんな言葉を残したいか」を考えるうちに、絵本に関係なく、「私が娘に伝えたい事は?」という気持ちが大きくなり、自ら児童文学を書き始めるようになりました。
私自身はこれまで、国際線CAや通訳、企業コンサル、飲食のブランディングなど、さまざまな仕事や起業を経験してきました。
その中で常に大切にしてきたのは、「異なる文化や人を理解し、自分や他者を受け入れること」でした。
そしてハーフである娘の成長を見つめながら、これからぶつかるであろう困難に立ち向かう為に、母親ができる事を模索しています。
これからは、子供達が成長の過程で苦しんだり悩んだりしなくていい様に、自分の周りの人との“違い”を肯定し、“他人と比べずに自分を愛する”事の大切さを語る様な、そんな児童文学を子どもたちに届けていきたいと思っています。
読んでくださった方に、優しい気持ちが届けば幸いです。
#創作大賞2025 #オールカテゴリ部門 #児童文学 #ファンタジー
#友情 #絵本 #心温まる話 #note創作大賞2025 #絵本好きな人と繋がりたい #ファンタジー好きと繋がりたい
#心あたたまる話 #子どもに届けたい物語 #優しい物語 #子育て中に読みたい #絵本風マンガ #夢と希望 #病気と向き合う子どもたちへ
