「エレナ婦人の教え」創作過程#4 Making Of Mrs. Elena's Lesson.
~はじめに「エレナ婦人の教え」創作過程#1
・創作過程#2
・創作過程#3
~あとがき~
いかがでしたか。この作品を書いていた当時の私は、先の観えない真っ暗闇の状況でした。一日一日を生きるのに精一杯だったのです。
「いまの苦しい状況から抜け出すにはどうしたらいいだろう……」
毎日そればかり考えていました。
『強制収容所』~奴隷のような毎日から脱け出したきっかけ
ちょうどエレナ婦人のモデルとなった貴婦人のおばあさんと出逢ってからのことです。私は起きたできごとや記憶をたどりながら想像力を働かせて物語を紡いでいきました。
毎日毎日妻と別れる場所で、車の中でじっとしながらあの職場にきょうも行くのかと思うと、苦痛で嫌だ嫌だとつぶやいていました。
忘れられない妻のひと言
土日の休みに会社のことが頭から一時的に離れても、月曜が近づいてくると思い出す。そんなある日曜日のことです。
妻がボソっと私に言いました。
「ねぇ、車で郊外にでも出かけてみようよ」
そのころ、傷んだからだを癒すため温泉に出かけていました。その日はふと、山のほうへ出かけてみようかとなったのです。しかし走っているうちに気づきました。前の車のナンバープレートばかり観ていたのです。初春のすがすがしい山々の木々を眺めることなく、前の車とアスファルトを眺めていました。
これじゃいけない。なにか違うところに行かなければ……、そう思ってハンドルをいつもとは違う細道の裏ルートに切ってみたところ、いままで観たこともなかった古民家がこつ然と現れました。

なんだろうこれは……。まるで江戸時代の宿泊所や食堂処を思わせる造りに私は吸い込まれるように入って行きました。
中へ入ると気さくな女中さんがいます。「少しだけ自分の実情を話すと……」「いろいろありますからねっ。わたしもありますよ~」と言うではありませんか。彼女のことばを聴いたとき私は、わかってくれる人はいるんだと深く感銘を受けました。

1本1本太い串に刺した田楽。パチパチと炭が音を立てながら若アユが焼かれていく。ゆらゆらと揺れる炎を眺めながら、第二話のストーリーが同時に焼き上がって行きました。リアルとフィクションが同時シンクロで動いていったのです。
あれから時は過ぎ――
あれからずいぶんと時が過ぎました。途中本作品を世に出そうと思いつつ出せずにいました。いまひとつ自信がなかったのです。けれども今回「創作大賞」という日の目を浴びる場に出してあげよう。それが当時の主人公である私自身への報いだと思います。
いまの私は当時からは想像も付かないところに来ました。少しずつ少しずつ夢を思い描いて道を切り開いてきました。
私は、妻のマダムれいこと「誰にでも可能性はあり、愛される資格がある」――をテーマに「幸せの道しるべ」を人に教えています。いまでは全国から私たちの元へ、多くの方々が相談にこられるようになりました。夢が現実となったのです。
苦しいながらも踏みとどまり、そこから脱け出す道を探った――そのときの経験がいま生きているのです。
人生最大のピンチを脱け出せた理由
当時、人生最大のピンチを脱け出せた理由は、大きくわけて2つあります。
それは、
1 環境を変えたこと
2 感じ方が変わったこと
の2つです。
現実を変えるには、日常を離れ環境を変えてみること。目の前の景色が変わると、感じ方も変わるからです。
感じ方が変わると、嫌な状況も違って観えるようになります。この2つのポイントが嫌な現実を脱け出す原動力となったのです。
さて、この物語を書いたときのことをもう少しお話しましょう。
当時の私は、毎日のように上司に罵倒されていました。つぶれる寸前でした。
体のあちこちが痛み、心身共にボロボロの状態。それでも乗り越えられたのは、エレナ婦人のモデルとなった、ある貴婦人のおばあさんとの出逢いがあったからです。
そのおばあさん、ほかの人と言うことが違っていました。少し話すだけで響くのです。聴けば、和裁の先生で、多くの生徒さんを指導していたといいます。
遊び好きだった旦那さんに苦労させられ、姑にも毎日厳しく言われていました。そうやって苦労を乗り越えてきた。状況は違うものの私と似た経験をしていた。どおりで一言ひと言が胸に響くのですね。
自分を鍛え、人生を変える、いいきっかけとなった――その意味では、大変な状況に身を置き続けて良かったと思います。
エレナさんのような人は、ふだん逢うことはありません。でも意外と身近なところにいます。ほんとうに困ったときにその存在に気づくのです。ふと、自分を見つめ直したときに現れるのです。
苦しいときはたしかにつらいです。ですがそういうときこそ学びはあるし強くなれる気がします。私もこのときの体験があるから、物語も書けたし人生が変わるきっかけとなりました。
さて、続く第三話の舞台は屋久島―漁師、源三が登場します。
この源三は、男臭く無器用で口ベタ。けれど情には人一倍熱い。そんな源三の物語をお楽しみください。
ひろ健作
※第三話『源三、語らない姿』はこちら
※創作過程#5はこちら
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◇ 「エレナ婦人の教え」
罵倒する上司、苦手な仕事、重たい職場から、あるおばあさんの出逢いをきっかけとして脱け出して行った物語。職場、人間関係の強烈なストレスからいかに抜け出し、自分らしさを見つけて行けばいいのか、ひろ健作の実小説((実話小説)三部作
★「自分を取り戻し、夢を叶えていく道しるべ」(ご自由にご紹介ください。)~「エレナ婦人の教え」小冊子の形で読みたい方はこちら
▼エレナ婦人の教え第一話 不思議な出逢いhttps://granstage.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/04/erena17.pdf
▼エレナ婦人の教え 第二話 見えてきた日常
https://granstage.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/04/erena28.pdf
▼エレナ婦人の教え 源三 語らない姿
https://granstage.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/04/erena39.pdf
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#創作大賞2024
