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第6章 “また会おうね”がくれた光

はじめに

この連載「過敏性腸症候群・自律神経失調症・うつ病と生きる学生生活」では、
僕が学生時代に経験した心と体の不調、そして休学に至るまでの出来事を、
実体験をもとに綴っています。
今回の第6章では、そのなかで出会った“推し”という存在が、
僕にとってどれほど大きな救いになったのかを振り返ります。


(推しに救われた話)

退院してからの毎日は、どこか現実味がありませんでした。
ようやく外に出られるようになっても、心はまだ病院の白い壁の中に残っているような気がしていました。
休学という選択に少し安心した反面、「本当にこれでよかったのかな」と自問する日々が続いてたのです。

そんなある日、ふとスマートフォンを開いたときに、見覚えのあるメールの通知が目に入りました。
なにわ男子のLIVEの当選メール――。
入院する前に届いていたもので、あの頃はあんなに喜んでいたのに、気づけばその存在すら忘れていました。
日付を見てハッとしました。もうすぐ、その日がやってくる。

でも、その頃の僕には、ライブに行く自信なんてまったくありませんでした。
体力も心もまだ万全じゃなく、人混みに行くのが怖かったです。
それでも、先生が「元気をもらえると思うよ」と言ってくれて、友達も「一緒に行こう」と声をかけてくれました。
その優しさに背中を押されて、少しずつ「行ってみようかな」という気持ちが戻ってきました。

スマホの画面に映る当選メールを見つめながら、心の奥で思いました。
――この日が来るのは、きっと意味がある。
その小さな確信を胸に、僕は久しぶりに外の光の中へと足を踏み出しました。

会場に着いたとき、胸の奥がざわざわしていました。
嬉しいような、怖いような、不思議な気持ち。
それでも会場に流れる音楽やファンの笑顔を見ているうちに、少しずつ心がほぐれていきました。

本編の最後、アンコール前に流れた曲は「Alpha」。
歌い出しの「好きだよ、いつだって。特別で大切だから。思い届け、恋してる君へ。」
その一言一言が、まっすぐに心の奥へ届いてきました。

なぜか分からないけれど、涙が出そうになりました。
入院するまでの自分、苦しさや不安で押し潰されそうだった日々――
その全部がこの曲の中で少しずつ溶けていくような気がしたのです。
なにわ男子の“真っ直ぐに伝える愛”に、もう一度心を奪われました。

そしてライブの終わり、長尾謙杜くんが笑顔で言いました。
「また会おうね!」
きっと彼にとっては何気ない一言だったと思います。
でも僕にとっては、その言葉がまるで命綱のように響きました。

――また会いたい。
心の底からそう思いました。
もしあの時、死んでいたらもう会えなかった。
そう考えたら、不思議と涙が止まりませんでした。
“生きていてよかった”という言葉の意味を、あの瞬間初めて本当の意味で理解した気がしました。

まだ長尾くんの笑顔を見ていたい。
まだ、彼の声を聞いていたい。
その気持ちが、僕の中で確かに「生きる理由」になっていきました。

ライブが終わった後、会場を出たとき、全てが夢のように感じました。
あんなに眩しかったステージの光も、客席の熱気も、時間が経つごとに遠ざかっていく。
儚くて、消えていくような感覚の中で、少しだけ寂しさが残りました。

でも、確かに「Alpha」を聞いた自分がここにいる。
「また会おうね」という言葉に全力で応えると心に決めた自分がいる。
ライブの前とは違う自分が、確かにここにいる。

帰りの電車の窓に映る夜の街並みを眺めながら、少し怖くなりました。
また明日から現実に戻るのかと思うと、不安もありました。
でも、その胸の奥には静かな温もりが残っていました。
――なにわ男子がいる。長尾謙杜くんがいる。
そう思えるだけで、もう少しだけ生きてみようと思えました。

ライブは終わったけれど、あの日を境に僕の中の何かが確かに変わりました。
少しずつ、前を向いて歩いていけるような気がしたのです。

✦ あらすじ

退院し、休学生活を送っていた僕。
そんな中で迎えた、なにわ男子のLIVEの日。
「また会おうね」という一言が、心の奥に静かな光を灯した。

✦ 次回予告

第7章では、ライブを終えたあとに続く静かな日々の中で、
“生きることを続ける”ということについて綴ります。
特別なことはなくても、呼吸をして、今日を生きている――
そんな時間の中で見つけた、小さな希望の話です。


「過敏性腸症候群・自律神経失調症・うつ病と生きる学生生活」|連載まとめ

この連載では、僕が学生時代に経験した心と体の不調、
そして休学に至るまでの出来事を、実体験をもとに綴っています。

過敏性腸症候群、自律神経失調症、うつ病。
それぞれの症状の裏には、環境の変化や人間関係、焦りや孤独がありました。
どれも一言では言い表せない時間でしたが、今ではすべてが「生きてきた証」として心に残っています。

この連載を通して、同じように苦しむ誰かに、
少しでも“ひとりじゃない”と感じてもらえたら嬉しいです。

🕊 これまでの章

次回以降は、休学中に見つけた“静かな日常”や、
“生きることを続ける”という時間について綴っていきます。
派手な出来事はなくても、確かにそこにあった日々を、
少しずつ言葉にしていけたらと思っています。


同じ内容をはてなブログにも掲載しています。検索から来られた方や、まとめ読みしたい方はこちらもどうぞ 👉


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