Jリーグスタジアム問題、クラブライセンス基準が現状不可能な件とサッカー専用スタジアムを有効活用するには
(2026年1月追記)
今回はサッカーの
「ライセンス基準と専用スタジアムの運用」について語ります。
なぜ専用スタジアムの建設に対し、クラブとJリーグ側が叩かれているかと、改善案を素人ながらも書きます。
長文となりますがお付き合いいただければと思います。
はじめに
先日、J2のブラウブリッツ秋田がJ1ライセンスが交付されない可能性があるというニュースがありました。
ブラウブリッツ秋田は現在J2所属。
勝ちまくってJ2で自動昇格枠の順位に入ったとしてもJ1で使用できるホームスタジアムがないため、昇格できません。
昇格できない⇒モチベーションダウン⇒主力が個人昇格⇒戦力探しのループとなる。
2025年12月時点で秋田県とクラブでの交渉があったが、難航しております。
新しい情報については下記記事にて詳細を書いております。
Jリーグでは、ライセンス制度を設けており、ホームスタジアムが一定の基準に達しているかどうかで発行されます。
J1、J2、J3と各カテゴリーごとに基準が違いますが、もしライセンスが交付されていないと、たとえぶっちぎりでリーグ戦1位だとしても上のカテゴリに上がれないというルールがあります。
ライセンス自体の制度は2013年から発足されましたが、今の日本では条件が厳しいと個人的に思う理由が5つあります。
1.ライセンス発行条件が今の日本にあっていない&特例が甘すぎる
J1ライセンスの基準には5種類の項目があります。
①競技基準
②施設基準
③人事体制・組織運営基準
④法務基準
⑤財務基準
その中でも特に②の施設基準となるスタジアムの基準が厳しい。
J1基準では1万5000人以上、J2では1万人以上入場可能なスタジアムを有しなくてはなりません。
それにプラスで「観客席の3分の1以上が屋根で覆われている必要がある」という基準もあるため、どちらも満たさないとライセンスが発行されません。
もちろん天然芝であることが前提です。
そのため、まず地方によくある陸上競技場をホームスタジアムにするなら、観客席の増設と屋根が必須、トイレも収容人数に対し60%以上の数を用意が必要です。
1から専用スタジアムを作ると莫大なお金がかかる上に、稼働率が悪い。
地方クラブの場合、毎試合1万人を動員することも難しい。
ドイツのライセンス制度を見習って作成されたJクラブライセンスですが、サッカーが日常となっている欧州と同じ基準で設けるのは違うと個人的に思います。
また欧州の1部のクラブにて、元日本代表の乾貴士選手が所属していたスペイン1部のエイバルの平均観客数が動員が5000人くらいです。
サッカーが生活の一部となっている国よりもJリーグの基準が如何に高いかが分かります。
AFCの基準がJリーグを圧迫している
Jリーグの維持をしたいのはわかりますが、運営側(JFA)は今の日本という現状をみていない気がします。
ただそうせざるを得ない理由がありACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場するためのAFC(アジアサッカー連盟)のスタジアム基準をクリアしておく必要もあるからです。
過去に1例として、2022年シーズンに天皇杯を優勝したJ2のヴァンフォーレ甲府がAFCのスタジアム基準を満たしていないため、ホームスタジアムであるJIT リサイクルインク スタジアムが使用できず、ACLのホームゲームを東京都の新国立競技場を利用せざるを得ない状況がありました。
せっかく勝ち取ったACL出場がホームスタジアムで応援できないという事例ができたのもあり、JFAはスタジアム改築などをクラブに求めるのです。
特別許可がOKならばライセンス自体不要ではないか?
ライセンス基準を設ける以上は準ずる必要がある。
ですが、何年何月までに基準を満たすスタジアムを建てるのであれば、昇格はOKという特例措置がでたクラブが複数あります。
特例措置がでたことで、クラブライセンスそのものの意味がないという声もあります。
実際にギラヴァンツ北九州は、2014年にJ2で5位に入った際に、J1ライセンスの基準(スタジアムの収容人数)を満たせず、J1昇格プレーオフへの参加資格が得られなかったという事案が発生しています。
なのに他クラブはOKというならば当然納得ができるはずがありません。
2.同じ地区にクラブ数多すぎ問題
地方創生を目的として様々な地域にクラブが発足されています。
ただ大きな問題が2つ。
1つはJ3含め全部で60チームがあるのに47都道府県全部にないということ。
現在Jクラブがない地域は福井県、和歌山県、三重県、島根県、高知県の6地域。
(追記:2025年度よりJ3に高知ユナイテッドSC、2026年にレイラック滋賀FCが参加)
上記の地域にもJリーグを目指すためのクラブはあるにはあるのですが、様々な理由でライセンスまで届かないのが現状です。
上記6地域は交通等のインフラ整備、観客動員数がライセンス基準まで正直今の段階では見込めません。
単純に人口が少ない為、県がインフラも整える理由がありません。
2つめの問題は同じ県にクラブが複数あること。
人間の性と言いますか、出身地のチームをなるべくは応援したくなるもの。
ですが同じ県に複数あると、地域の郷土愛などもありますけども、せっかくのファンが分散してしまう。
神奈川県に至っては6チームもあり横浜市内で3チームもあります。
横浜市は2024年時点で人口が372万と多い上にインフラ整備はすでに出来上がっているため、地方よりも集客にもってこいの土地です。
経営という視点でマーケティングとしては良い場所だと思いますが、それでも同じ地区にチーム数が多い。
プロチームという以上、興業かつエンタメでもあるので、クラブ運営、選手、スタッフへの給与を稼ぐ為にチケット代による収益は必須。
その為に集客が非常に大事なのに、ファンが分散してしまっては非常にもったいない。
6チームで平均観客動員数5,000人で分け合うより、平均観客動員数15,000人を2チームでの方が収益も良い。
Jリーグ発足時代から2010年位までのクラブ数のほうが、ファンも固定出来てちょうど良かったのではと個人的に思います。
一方、クラブ数が減少するとプロへの間口が狭くなると言う声も挙がってきます。
ですが現状J3クラブで全選手プロ契約しているチームの方が少なく、選手は生活の為アルバイトと掛け持ちの状態です。
それをプロチームだと言えますでしょうか?
数少ないプロサッカー選手を目指して、給与がサラリーマンより低い、やりがい搾取とはこのことです。
プロとなったというキャリアは積めますが、チームの昇格も個人昇格せず引退した場合、セカンドキャリアにほとんど影響がありません。
むしろサッカー以外のことができないと言われる可能性もあります。
まだ社会人リーグのJFLの方が福利厚生もしっかりした上に、給料貰いながらサッカーができる上に、引退しても会社の仕事と保証があるので経営として成り立っています。
3.日本全体の人口が年々減少中
J1ライセンス基準のうち15,000人収容できる箱(スタジアム)かつ屋根付きで作ることが条件ですが、今の日本だと少子高齢化が進み、若い世代が年々減少中で厳しい現状です。
また、観客の平均年齢が40代とJリーグ初期から応援している人ばかりで新規顧客が少ない。
新規顧客獲得が難しい中、15,000人を地方で集めるのは至難です。
ましてや今の時代、サッカー以外のスポーツはたくさんあります。
なおかつスポーツ以外の娯楽が増えた世の中ですので相撲、プロ野球みたいに文化となっていないとなると集客に苦労します。
集客のためにプロモーションとして、タダ券を配るのは収益としてはマイナスとなるのであまりオススメできません。
地域差があるので人口密度を考えると、都市と地方と同じライセンス基準を設けてしまうと益々難しいので、緩和されてほしいところです。
4.サッカー以外で利用出来ないのが1番のネック
別日に湘南ベルマーレの新スタジアム建設構想にて、平塚市長さんが反対の為の会見せざるを得ない状況でしたが、反対理由を聞いて納得です。
(2026年1月追記)
また2025年に現在J3所属のSC相模原も同様の件で相模原市と交渉していた。
結果として相模原市が民間事業者に土地取得を求めるなどの厳しい条件を提示し、複数あった提案が破談となりました。
クラブは2025年7月に相模原市から海老名市への移転を決定しましたが、すでに海老名市からも金は出さないと言われている現状です。
海老名・内野市長、SC相模原スタジアム整備で「市は費用負担しない」https://t.co/BgS1UFgwMs
— gvk_take (@gvk_take) July 27, 2025
(2026年1月追記)
2025年に初のJ1昇格を果たした水戸ホーリーホックも現在進行形でスタジアム問題があります。
ライセンス規定人数15,000人に対して、ホームスタジアムのケーズデンキスタジアム水戸の座席数が3,000席が足りないため、J1昇格にも影響があります。(27年6月までにスタジアム整備計画をJリーグに提出することを条件に暫定的に認められる)
ですが、現在ホームタウンの水戸市と一緒に資金練りに苦労しています。
傍から見たら、なぜ市はお金を出さないのかと思う方もいると思います。
ですが、Jクラブはあくまで公共施設ではなく、一般企業であることを認識すると反対する意味がわかります。
市の税金補填で建ててくれ、ただし天然芝が痛むからサッカー以外で利用しないで欲しいとクラブ側の要望。
住んでいる方々、市の税金で建てるのに一般客が利用できない施設に何の価値があるのか。
需要と供給のバランスが悪く、常に赤字の建物に税金を使うのは一般常識的に考えるとおかしいとわかる。
JリーグだからOKと許されている考えで動いて資金練りをしないクラブの経営方針に問題ありなのです。
区市町村がメリットとなる提案も、集客だけでは稼働日以外での利点がありません。
■専用スタジアム保有クラブ
なお1992年にJリーグ発足よりサッカー専用スタジアムを所有しているクラブはJ1所属クラブにて鹿島アントラーズが初年度より所持をしています。
ほかにも浦和レッズ、名古屋グランパスは2000年代にはすでにサッカー専用スタジアムを利用している。
ここ数年でJ1所属クラブではガンバ大阪、サンフレッチェ広島がサッカー専用スタジアムを建立しています。
ただしクラブが自前でサッカー専用スタジアムを所有しているのは実はJ1所属クラブでは柏レイソルのみで上記のクラブすべてが指定管理者という立場で運営管理のみです。
(なお2025年3月に浦和レッズは埼玉スタジアムの指定管理者を外されています)
5.資金練りが先、順序が逆だから税リーグと揶揄される
(2025年9月追記)
4でも語りましたがクラブはあくまで一般企業と同じで収益を上げる必要があります。
なので本来ならば、一般企業が企業拡大をする時のように資金練り、調達が必要です。
資金調達の為に新スタジアムを建設するにあたり、どれだけ収益を生むかを決算書、事業計画書、資金繰り表などの必要書類を準備・提出して銀行に融資を募る。
またはクラウドファンディング、募金、スポンサー集めなどをする。
先に採算が取れる見込みがあること、建設費および維持費について用意をするのは、どの一般企業も同じです。
なのに理想だけを伝え、収益の幅、回収見込みの計画はなく、自分たちは資金練りをせず、建てるための資金は市からの税金で行ってくれというのは本末転倒であり、そのような態度だから
一部から税リーグと呼ばれるのは仕方がないことだと思います。
実際にJ2所属クラブのV・ファーレン長崎、FC今治が自前でスタジアムを建設したという事例もあります。
オーナーの情熱、スポンサーとの兼ね合い次第では建設できることが証明されております。
事例がある以上、クラブで資金練りができませんは言い訳に過ぎないわけです。
6.改善案として
サッカー専用スタジアムということで、サッカーを観戦するには魅力たっぷりではあるがネックなのが『稼働率』です。
全て天然芝であり芝が傷んでしまう為、基本プロチームしか利用出来ません。
アマチュアが利用できるのは高校選手権など大きな大会のみ。
Jリーグの理念によって人工芝をホームスタジアムで使用することが現状不可能。
世界一のクラブ、レアルマドリードのホームスタジアムのように、芝生を地下に収納できるうえに育てることができる施設があれば別のイベントで利用可能かもしれませんが、今の日本だと資金的に厳しい限り。
また、Jリーグは基本週1、カップ戦含めてもホーム試合は平均月4試合あれば良い方なので、スポンサーとしてもあまりよい広告になりません。
プロ野球くらい稼働すればよいのですが、怪我人が絶えなくなると見たい選手がいなくなり観客が来なくなります。
ではもっと稼働率を上げるために貸出ししやすいようにするだけでも、収益が入るので工夫したらよいと思うところです。
①平日でも一般客が利用できるようにイベントを開催する
野球、バスケなどは一般人でも予約して施設を利用することができます。
サッカーも貸し出せることで収益につながります。
②芝を傷めない養生シートを張り、ライブ、コンサートを開催する。
新国立競技場でアーティストのライブが開催できるのだから、同じように稼働できるはずと思っている。
③スタジアムを人工芝に(特にこれを推したい)
天然芝はとにかく維持費がかかる。
2026年度より秋春制のシーズンになるため、より雪国にあるクラブが大変で、ボランティアで人力で雪かきをしているとなると、除雪機を使用できる人工芝にすることで、ランニングコスト的にも効果てきめんです。
人工芝が痛んでもすぐ交換できるので、ほかのスポーツにも貸し出すことができます。
正直な感想として日本という土地柄で天然芝にこだわる必要はない気がします。
選手からすると人工芝だから怪我したというクレームは言いたくなると思うと難しいが、そもそも怪我に影響はあるが天然芝でも最近の選手は筋肉系の怪我しているのであまり関係ない気がします。
(最近の情報では怪我に関して芝は影響がないことが判明)
特に来年の26年シーズンからJリーグは秋春制に移行するため、冬でも行うことになります。
雪が多い土地にあるクラブの経営を圧迫させないためにも、天然芝にこだわる必要はないのではと思っています。
J2所属のカターレ富山が、今年の冬に雪かきをボランティアを集めて行ったというニュースがありましたが、そもそも無償で仕事をさせること自体が間違っていると個人的に思うところ。
人工芝なら機械で除雪ができるため、コスト的にも非常に良いのです。
海外のクラブでも全部が全部天然芝ではありません。
本田圭佑さんが過去所属していたロシアリーグは極寒の地なのでスタジアムも練習場もほぼ人工芝です。
④スタジアム以外にも寄れる施設が併設であること
ショッピングモール、アウトレット、球技ができる大きな公園など。
実際にJ2のV・ファーレン長崎のスタジアムは併設でショッピングモールがあるので、サッカーがない日でも人が訪れる場所作りが大事です。
またこのご時世スポンサーもスポンサーになることに慎重になっています。
昔はスポンサーになり広告を出せると企業としても箔が付きましたが、今はネットという広告媒体がある以上、余程のメリットがない限りスポンサーになりません。(地上波で放映がないので広告にすらならないため)
スポンサーをしたくなる工夫と熱意をクラブ側が示す必要があります。
さいごに
夢を見させてくれるのがプロスポーツ選手。
選手たちを受け持つのがクラブ。
今の日本代表選手たちを育てた土壌がJリーグであるように子供たちの夢、目標としてクラブ経営も頑張ってほしいです。
98年の横浜フリューゲルス消滅のようなことは絶対に二度と起きてほしくないからこそ国、市町村の税金に頼らずにどのようにしたら売上が立つか戦略を見せてほしいものです。
売上が立つことが分かれば市町村も協力してくれるはずです。
私はこれからもJリーグを応援し続けます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ではまた。
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