【事例紹介8】なぜ事業は「言語化」した瞬間に前へ進むのか―― 公的支援の現場で改めて感じたこと
神奈川県産業振興センター(KIP)の広報誌に、
事業実現サポーターとして関わった支援事例が掲載されました。
今回掲載された事例は、訪日富裕層向けの新サービスで創業したある経営者の支援プロセスです。
1回目のかながわビジネスオーディションは2次審査で敗退。「アイデアの筋は悪くない」というフィードバックをもとに、2回目に向けて「誰のどんな課題を解決するのか」をとことん言語化しました。
その結果、ファイナリスト選出・受賞へとつながっています。詳しくは掲載記事をご覧ください。
https://www.kipc.or.jp/support-kanagawa/2026/299-202603/
まず最初にお伝えしておきたいのは、
これは単なる「実績報告」ではなく、
経営者自身が思考を深めていった過程の記録だということです。
多くの経営者は「何をやるか」から考えてしまう
新規事業や創業・第二創業の相談では、
最初にこんな話から始まることが少なくありません。
新しいサービスを始めたい
この市場が伸びているらしい
競合がこう動いている
どれも間違いではありません。
ただ、多くの場合、本当に前へ進むきっかけになるのは、
問いの質です。
それは、
「誰の、どんな課題を解決するのか?」
という問いです。
経営が止まるのは、能力不足ではない
経営が止まっているように見えるとき、
実際には「考えていない」のではなく、
考えが散らかっているだけの場合が多い。
情報が増えすぎる
選択肢が広がりすぎる
判断基準が曖昧になる
結果として、思考が混ざり合い、前へ進めなくなる。
そして何より、経営者自身が「どうありたいのか」が曖昧なことも多くあります。
これは能力の問題ではなく、
整理されていない状態なだけです。
壁打ちは、答えを出すためのものではない
支援の現場で私が意識しているのは、
アドバイスをすることではありません。
考えていることをそのまま言葉にしてもらう
前提を一つずつ確認する
論点を分ける
曖昧な言葉を具体化する
できるところは数字で考える
費用対効果をイメージしてみる
こうした対話を重ねていくと、
ある瞬間に、経営者自身の言葉が変わります。
そしてそのとき、
意思決定は外から与えられるのではなく、
内側から自然に生まれてきます。
解像度が上がった瞬間、経営は動き出す
経営は「正解」を見つけたときに進むのではなく、
状況の解像度が上がったときに進みます。
誰に向けた事業なのか
なぜ自分がやるのか
どこまでなら挑戦できるのか
リスクはどれくらいあってどこまでなら許容できるのか
これらが言葉や数字として整理された瞬間、
迷いは完全には消えなくても、
次の一歩は踏み出せるようになります。
支援とは、判断を代わることではない
経営判断の責任は、必ず経営者にあります。
だからこそ支援者ができるのは、
経営者が判断できる状態をつくること
だと思っています。
その上で、その結果に対して一緒に考えて次の行動に繋げていくことも
可能です。
今回の掲載を通じて、
改めてその原点を振り返る機会になりました。
おわりに
挑戦する経営者の思考が、
対話の中で少しずつ形になっていく。
そのプロセスに関われること自体が、
この仕事の一番の価値なのかもしれません。
掲載記事はこちらからご覧いただけます。
https://www.kipc.or.jp/support-kanagawa/2026/299-202603/
これからも、
「答えを出す」のではなく、
経営者が判断できる状態をつくる支援を続けていきます。
📩 判断に迷いがあるときの“簡易チェック”
いま、次のような状態はありませんか?
□ 決めたはずなのに、どこか違和感が残っている
□ 修正したい気持ちはあるが、何が引っかかっているか言葉にできない
□ 周囲には相談できず、一人で考え続けている
□ 「戻るべきか、このまま進むべきか」で思考が止まっている
□ 判断のたびに、同じ迷いが繰り返されている
もし2つ以上当てはまるなら、
それは能力や経験の問題ではなく、
判断の前提が整理されていない状態かもしれません。
私は、
「正解を教える」のではなく、
経営者が自分で判断できる状態をつくる支援をしています。
60分の壁打ちでは、
・いま置いている前提
・本当に残っている選択肢
・見えていないリスク
・現実的に取れる次の一手
を、一緒に言葉にして整理していきます。
決め直すかどうかは、
整理してから考えれば大丈夫です。
まずは、頭の中を一度外に出してみませんか。
👉 お問い合わせはこちら
https://jissenstrategy.com/contact
✉ info@jissenstrategy.com
熊谷 篤(くまがい あつし)
実戦経営アドバイザー/中小企業診断士
年間400件以上の経営相談に対応。
承継後3年以内の承継者・創業者・第二創業の経営者を中心に、
現場で「考え、決め、動ける状態」をつくる伴走支援を行っています。
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