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かまどの、アルガルの煙|モンゴルの心象風景は、バスの国民的詩に刻まれていた|「私はモンゴル人」【2026GWモンゴル10日間一人旅】

モンゴルで利用したウランバートル市バス。座席で見つけた詩のような何らかの文言が気になっていた。意味を調べてみたらとてもモンゴル的で素敵だったのでシェアがてらまとめる。

写真はカラコルムで泊まったゲルの暖炉。アルガルと呼ばれる炭のようなものの正体は、このnoteの後半で紹介する。


ウランバートルのバスと座席の詩

バスの座席に貼ってあるのです

全てのバスではなかったけど、いくつかのバスにこの詩が掲載されていた。

▼ウランバートルでのバス利用1人観光▼

座席の後ろ、つまり座席に座ったときに見える位置に貼ってある。旧モンゴル文字、つまりキリル文字ではないので読めないし、見当をつけることもできない。

バス

「わたしはモンゴル人」という詩

モンゴル語は全く読めないので、写真を撮って滞在先のオーナーにこれが何なのか聞いてみた。

話を聞くとこれは詩で「わたしはモンゴル人」というタイトルらしい。モンゴル人はみんな知っているという。

なんと日本で本が買える

調べてみるとなんと日本で本が買える。素敵なものは国境や文化や海を越えて、やってくるものなんだね。

アルガルの煙 アルガルとは

出版されているので内容については触れないが、詩の中で「アルガルの煙」という言葉が出てくる。このアルガルという言葉がとてもモンゴル的なので紹介したい。

ゲルの中心にある暖炉、かまど

ゲルには中心に暖炉(かまど)が据えてあり、料理はもちろん、暖房や発酵などに使われる。下の写真の煙突がゲルとつながっているので、その真下に暖炉がある。

カラコルムでお世話になった遊牧民のお宅のゲル

私が滞在した5月初頭でも、夜の寒さで目が覚めるほど。寒さで目が覚めて暖炉に火をつけると、一気にゲルが暖かくなる。色と形を変え続ける火を眺めながらあたたかさにぼうっとする時間が何より幸せだった。

そしてこの暖炉で火が燃え続ける燃料となるのが先述した「アルガル」。

その正体は、炭ではなく

暖炉の火と、アルガル

この写真で燃えているのがアルガル。実は、牛のフン。

乾燥された牛のフンをアルガルと言い、馬はホモール、羊、ヤギ、ラクダはまとめてホロゴルというらしい。

自分たちの家の動物のアルガル、ホモール、ホロゴルから暖炉の燃料を生み出すなんてとても合理的。

乳を生み出し、たまに荷物を運んでもらい、時として肉になる動物たちは、暖炉の燃料まで生み出してくれるのだ。

そもそもモンゴルの人の一般的な居住エリアで、特にカラコルムで、薪になるような木が手軽に手に入るところなんてそうそう無い。

明け方の空

何かを訴えかけるような明け方の空。めちゃめちゃきれいだったしめちゃめちゃ寒かった。アルガルの暖炉がなければ凍えてしまう。東北出身の私にとってはよくある冬の朝だけど、暖炉、アルガルが暖めてくれることはとても特別な体験だった。

アルガルの煙というモンゴル性、心象風景

「暖炉の煙」でもなく「ゲルから立ち上る白く細い煙」でもなく「アルガルの煙」。アルガルの煙という言葉にモンゴル人は何を思うのだろう。日本生まれ日本育ちの私には分からないけれど、きっと幼い頃の記憶がぶわっとあふれ出すキーワードに違いない。

ウランバートルの市バスの、全く読めない縦書きモンゴル文字の文章。そこにはモンゴルらしさが詰まったシーンが、モンゴルならではの「アルガル」という言葉で表現されていた。

全く想定していなかった、モンゴル旅行中の詩との出会い

モンゴルに旅立つまで、楽しみにしていたことはロシア語ではない形で使われるキリル文字の姿を見ること、そしてそれを使うことや、チベット仏教の文化や砂漠や自然だった。

こんなに素敵で、モンゴルらしいアイデンティティにあふれる国民的な詩に出会えるなんて全く予期していたなかった。しかも出会ったのはバスの中。なんて素敵な思いがけない出会いだろう。

こんな思いがけない出会いがあるからやっぱり旅はやめられないし、思いがけない出会いとの出会いをより美しくするために、しっかり準備してその国や文化を少しでも知ってから行こうと思うのだ。

▼スフバートル広場での思いがけない出会い▼

▼2026年GWモンゴル旅のマガジン▼


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