広告経済の次 #16: 『アテンション・エコノミーのジレンマ』
広告経済の次を描くのにヒントになりそうな本、
今日は『アテンション・エコノミーのジレンマ』(山本 龍彦) という本を紹介します。

この本は、アテンション (=注目・関心) 経済についての
著者と8人の有識者との対談集ですが、
著者による「はじめに」だけでも
ぜひとも皆さんに読んでほしいと思いました!
現代のデジタルプラットフォームに関する主要な問題が、
詳しく、でもギュッとコンパクトに説明されています。
全文引用したいところですが、、、
少しだけ、抜粋します。
・・・
私たちがいまいるアテンション・エコノミーの世界には、明確な「終わり」がない。
実際、TikTokなどのショート系動画やニュース・プラットフォームのタイムラインでは、ずっとコンテンツが流れる――終わらない――UI が採用されている・・・私たちは救急車のサイレンを絶えず浴びているようなものだ・・・
・・・このビジネスモデルの下では、ユーザーのクリック=反射を得られるかどうかが至上命題となるため、内容のクオリティや信頼性はどうでもよくなる。・・・個別の偽情報を叩いても「もぐらたたき」・・・偽情報を本当に減らしたいのならば、モグラが生まれる土壌、アテンション・エコノミーなる "構造" を変えていかなければならないのである。
・・・
誹謗中傷も、アテンション・エコノミーがつくり出している部分がある。憎悪や怒りといった表現が、人間のアテンションを得やすいことはよく知られている・・・
・・・インプレッション稼ぎの過激投稿や誹謗中傷、ゴシップなど、人間の浅ましい姿を四六時中見せられて、人間の精神構造が変化しないわけはないだろう。民主主義の維持には、人間存在そのものへの信頼が必要だが、アテンション・エコノミーの加速化で、人間がどんどん人間を嫌いになっているようにも思われる。
・・・
前にご紹介した、『テクノ封建制』や『監視資本主義』とも
重なる部分が多いです。
比較すると、
『テクノ封建制』は、
今起きていることを資本主義に代わる新しい体制として
捉えることに力点があり、
『監視資本主義』は、
プラットフォーマーが具体的にどこまで、
ユーザの情報を収集して、活用して、制御しているか、を
詳らかにすることに力点がありました。
この『アテンション・エコノミーのジレンマ』は
ユーザのアテンションを奪い合う現在の環境、
そしてその奪い合いをもたらす経済構造が、
個人や社会に及ぼす悪影響について、
様々な領域の有識者と、
より踏み込んだ議論をしていると言えます。
いったん、今日はここまで。
また続きも書こうと思います。
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