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食欲と精神医学: 食欲を操る7つの神経心理学的方法を精神科医が紹介!

皆様、こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です。

秋も深まり、少しずつ冬を意識しはじめる今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

秋といえば、「スポーツの秋」「読書の秋」などが定番ですが、やはり「食欲の秋」ですよね(大正義)😋

小生も秋になると、ついつい美味なものを食べ過ぎて、少し美食を控えるべきか毎年のように悩んでおりますがな(←学習能力ゼロ)

それにしても... ...、食欲をコントロールするのって、古今東西大変難しいですよね😭

フランスの諺に「L'appétit vient en mangeant (食べ始めるとますます食欲が湧く)」という言葉がありますが、秋の味覚たちがこの食のフィードフォワードを加速させ、"やめられない止まらない"状態にするのが「食欲の秋」… …という訳なのです(納得)。

「うーむ、このままではいけない😑」

小生の... ...否、世界の"食べ過ぎ"を解決したいと以前から思っておりましたが、今回のnote記事では「食欲を操る7つのコツ」を皆様とシェアしたいと思います!

精神科医歴20数年の小生が、これまでに読んだ医学・心理学の文献から非常に興味深い食欲をコントロールする7つの方法を伝授しますよ!

皆様もポテトチップスの袋はとりあえずしまって、本記事をご高覧くださいな。


【その1: 赤いお皿で食事量を減らそう!】

The color red reduces snack food and soft drink intake. Genschow O et al., Appetite, 2012

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22245725/

<ざっくり解説> 
赤色または青色の皿でポップコーンとチョコチップを被験者に食べさせると、青色のコップ・皿で摂取した量よりも赤色の皿での食事摂取量は有意に低下することが分かったそうです。

これは赤色が「危険・禁止」の信号であるため、赤い皿の食べ物を危険と感じる結果かもしれない… …と考察されております。

↓赤い皿、いかがでしょうか?


【その2: 鏡よ、鏡、鏡さん...】

Mirror, mirror on the wall, who's the thinnest one of all? Effects of self-awareness on consumption of full-fat, reduced-fat, and no-fat products. J Appl Psychol, 1998

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9885199/

<ざっくり解説>
大学生を対象とした研究で、大学生がベーグルに塗った全脂肪、低脂肪、無脂肪のクリームチーズ スプレッドを試食しました。

一部の学生の部屋には大きな鏡があり、残りの学生の部屋には鏡がありませんでした。

鏡を見たグループの被験者は、鏡を見なかったグループよりも全脂肪製品を食べませんでした

自らの姿を鏡で見ると、「太らないように」という心理が働いて、高いカロリーの食べ物を控えるのかもしれないそうです。


↓これをテーブルに置いて食事をとれば痩せるかも?


【その3: ゆっくり食べると満腹感アップ!】

Eating slowly led to decreases in energy intake within meals in healthy women. Andrade AM et al., J Am Diet Assoc, 2008

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18589027/

<ざっくり解説>
ランダム化試験で"早食い"と"遅喰い"の2群にわけ摂取カロリーの違いを比較した研究です。

早食い群では大きなスプーンで休憩を挟まずになるべく早く食べ、遅喰い群では、小さなスプーンで、一口食べるごとにスプーンをテーブルに置き、20-30回噛むように指示されました。

すると早食い群の摂取カロリーは645.7kcal、遅喰い群は579.0kcalという結果になり、これは統計学的に有意な差であったそうです。

「ゆっくり食べる」はダイエットの基本ですが、実験によってこのメソッドが正しいことを証明した論文です。

↓これは流石に小さすぎですよね?


【その4: キンモクセイの香りで食欲を抑えろ!】

Attenuation of Food Intake by Fragrant Odors: Comparison between Osmanthus fragrans and Grapefruit Odors. Yamamoto T et al., Psychology and Pathophysiological Outcomes of Eating, 2017

https://www.researchgate.net/publication/350775356_Attenuation_of_Food_Intake_by_Fragrant_Odors_Comparison_between_Osmanthus_fragrans_and_Grapefruit_Odors

<ざっくり解説>
昼食後にキンモクセイ、ラベンダー、蒸留水(無香)で香り付けされたマスクを休憩を挟んで約2時間半装着してもらい、被験者にクッキーを食べてもらった。

キンモクセイ群、ラベンダー群、蒸留水群の間でクッキーの消費量や空腹感を調べたところ、キンモクセイ群はクッキー消費量も空腹感も他群に比べて減少した。

筆者らはキンモクセイの香りが、食欲に関連する神経ペプチドの発現を抑制するため… …と考察しております。

↓このお香を炊きながら食事をすると、食欲が減るかも?


【その5:小さい皿で食事量を減らせ!】

Plate size and color suggestibility: The Delboeuf Illusion’s bias on serving and eating behavior. Ittersum KV and Wansink B, Journal of Consumer Research.2012

https://academic.oup.com/jcr/article-abstract/39/2/215/1795747?redirectedFrom=fulltext

<ざっくり解説>
参加者47名を対象に、大・中(標準)・小を渡し、それぞれ指定された量のトマトスープをサーブするよう指示されました。

すると小さいボウルには指定量よりも8%少なく、大きいボウルには9-31%多く盛る傾向が示されました。

これもダイエットでは鉄板ですが、皿に盛る量を減らせば摂取量は自ずと減るということを実験によって証明した論文です。

↓素敵な小さいお皿、見つけました!


【その6: 食べすぎの男性はブルーライトの下で食事をしょう】

Blue lighting decreases the amount of food consumed in men, but not in women. Cho S et al., Appetite, 2015

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25447013/

<ざっくり解説>
参加者112名(男性62名、女性50名)に白、黄色、青の三種類のLED照明下で食事(ハムチーズ、オムレツ、パンケーキ)を食べてもらった。

食事の見た目の好感度、食欲、風味、食べた量を3群で比較したところ、青色の照明下において、男性のみ食事量が統計学的に有意に減少した。

"なぜ男性のみが食事量が減少したか?"という点については、「男性は視覚的手がかりに依存する傾向があり、一方女性は視覚だけでなく"匂い・味・触感"など視覚以外の感覚を重視するため」と考察しております。

↓この灯りをつけながら食べてみようかな?


【その7: 小分けにして包装すればチョコレート摂取量が減る】

The unit size effect on chocolate consumption: How to make consumers eat less? (The unit size effect on chocolate consumption). Kontor E et al., Heliyon, 2025

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405844024171708

<ざっくり解説>
チョコレートの大きさと包装の有無が、実際の摂取量や被験者の見積もりに与えるかを検討した論文。

結果、大きいサイズのチョコは小さいサイズのチョコよりも摂取量が増え、包装紙されたチョコの摂取量については「健康志向」を示す参加者において有意に減少したそうです。

これは「5.小さい皿で食事量を減らせ!」と同様、小分けにして一回の食事量を減らすことがダイエットにつながる… …という鉄板ネタを証明した論文です(ただし「健康志向」のある人のみに有効)。

↓小分けのチョコレートといえば、これですね!


【鹿冶の考察】

今回は食欲をコントロールする7つの方法をご紹介しましたが、中には皆様もご存知の有名な方法もありますね。

ただ注意を要するのは今回紹介した研究論文とは逆の結果を示す研究結果ものもあるため、本当にこれらの方法で食欲を減らすことが可能かは実際にやってみないと分からないのです。

特に、【その6】のブルーライト効果は、研究によっては「効果なし」と結論を出している論文もあるんですよね... ...。

またいずれの実験も小規模研究が多く、再現性の面では心もとない気が致します。

ちなみに、上記7つを組み合わせれば更に食事制限効果がアップするかは分かっておりません。

方法によっては互いの効果を打ち消す可能性もあるでしょうね。

例えば【その1】の赤いお皿と【その6】のブルーライトなどはその好例でしょうね。

従って、上記7つ全部を同時に実践したとしても、うまくいかない可能性もあることは念頭に置いておきましょう。


【まとめ】

食欲を制御するための7つの神経心理学的方法をご紹介しました。
・しかし、いずれの実験も小規模研究であることが多く、エビデンスレベルとしては高くはありません。
・効果を期待して上記7つの方法を一緒に試しても、効果は相殺される可能性があるため、ご自身にあった方法を一つずつ確かめるのがよいと感じます。

【参考文献など】

1.The color red reduces snack food and soft drink intake. Genschow O et al., Appetite, 2012

2.Mirror, mirror on the wall, who's the thinnest one of all? Effects of self-awareness on consumption of full-fat, reduced-fat, and no-fat products. J Appl Psychol, 1998

3.Eating slowly led to decreases in energy intake within meals in healthy women. Andrade AM et al., J Am Diet Assoc, 2008

4.Attenuation of Food Intake by Fragrant Odors: Comparison between Osmanthus fragrans and Grapefruit Odors. Yamamoto T et al., Psychology and Pathophysiological Outcomes of Eating, 2017

https://www.researchgate.net/publication/350775356_Attenuation_of_Food_Intake_by_Fragrant_Odors_Comparison_between_Osmanthus_fragrans_and_Grapefruit_Odors

5.Plate size and color suggestibility: The Delboeuf Illusion’s bias on serving and eating behavior. Ittersum KV and Wansink B, Journal of Consumer Research.2012

https://academic.oup.com/jcr/article-abstract/39/2/215/1795747?redirectedFrom=fulltext

6.Blue lighting decreases the amount of food consumed in men, but not in women. Cho S et al., Appetite, 2015

7.The unit size effect on chocolate consumption: How to make consumers eat less? (The unit size effect on chocolate consumption). Kontor E et al., Heliyon, 2025

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405844024171708

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