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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(986)-(990)

皆様、こんにちは。

鹿冶梟介(かやほうすけ)です☺️

先週のXで、最も反響のあったポストです(8.9万インプレッション)

小説家であり医師でもある 知念実希人 先生が、デパスに対する警鐘を鳴らしたポストを引用した投稿です。

このランキングは、2025年に 日経メディカル が実施した医師会員向けアンケートの結果だそうです。(「最も処方する睡眠薬は何ですか?」という質問への回答を集計)

アンケートベースの調査ですので、実際の処方数とは多少乖離があるかもしれません。

しかし、日本の医師の「好み」や処方傾向を知る上では興味深いデータといえるでしょう。

デエビゴは2024年に続き、2年連続で人気No.1睡眠薬の座を獲得しました。

しかし2026年は、クービビックやボルズィがさらに存在感を増してくるのではないかと予想しています。

まさにDORA系睡眠薬は戦国時代に突入した、といった様相です。

さて、本題のデパスですが、なんと5位にランクインしていました。

精神科ではデパスを不眠症治療の第一選択薬とすることは現在ではあまりなく、おそらく他科の医師による処方が一定数含まれているのでしょう。

もちろん、デパスも適切に用いれば非常に有効な薬剤です。

しかし一方で、依存や離脱症状のリスクが比較的高いことも知られています。

今回の知念先生のポストは、医師や患者の睡眠薬リテラシー向上につながる良い啓発になったのではないでしょうか。

ちなみに、「どの診療科の医師がデパスを好んで処方しているのか?」という点については、日経メディカルのアンケートからは分かりませんでした。

ただ、小生の経験では、比較的年配の外科系の先生方が処方している印象があります🤔

デパスは不眠症だけでなく、神経症、うつ病、心身症、頸椎症、腰痛症などにも適応があります。

そのため、昔の先生方にとっては「精神・心身両面に効く便利な薬」というイメージがあったのかもしれません。

しかし現在では、その有用性と同時に依存リスクについても広く認識されるようになりました。

「デパス=万能薬」ではなく、「効果とリスクを理解して使う薬」という認識が、精神科以外の診療科にもさらに浸透してほしいと感じています。

メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしておりました(3月いっぱいで終了)。

X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!

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【今日の精神医学豆知識集!(その198)】

986.STAR*D Studyは、初期治療に反応しなかったうつ病に対して、どのような治療選択が有効かを検討した超有名試験だよ。最初患者は抗うつ薬シタロプラムから開始し、無効なら他剤への切り替えや処方の追加を受けたよ。全てのステップを経た時点での寛解率は67%だったそうだよ。

2026年3月11日

【メタルのおまけ】
STAR
*D Studyとは、(Sequenced Treatment Alternatives to Relieve Depression)の略語だよ(長い)。ちなみに最初の段階、すなわちシタロプラム(Lv1)での寛解率は約30%、しかしLv2以降の試験ではLv1ほどの寛解率は得られなくなっていくんだって。ちなみにLv2ではセルトラリン、ブプロピオン、ベンラファキシンなどを使用したけど、薬剤間では大きな差はなかったらしいね。この研究をもとに今の僕たちは治療を行っているんだけど、この研究には批判もあって、例えばプラセボが無い、オープンラベルなどの問題点はあるんだよね。

↓7つ集めると、願いが叶うヤツですね。


987.ENIGMAは世界最大規模の脳画像・遺伝学コンソーシアムで世界中の研究者が同じ解析法を用いて脳画像研究と遺伝情報を大規模に解析する国際共同研究ネットワークだよ。壮大なプロジェクトだけど結局「診断に使える脳画像マーカーは存在しない」ことがわかったよ...。

2026年3月12日

【メタルのおまけ】
ENIGMAは
(Enhancing Neuroimaging Meta-Analysis Consortium)の略語だよ(これも長い)。この研究の発端は、そもそも人の脳を対象とした研究って、1つの研究当たりのサンプル数が少なすぎなんだよね。だから研究結果にバラツキがありすぎて解釈が難しいんだ。そこで、ENIGMAでは、世界中の研究グループが同じ解析手順を行い、その結果を統合するメタ解析によって、数千人から数万人規模の解析にすることで、この「サンプル数少なすぎ問題」と解決しようとしたんだよ。でも、ポストでも言ったように「〇〇が精神疾患のマーカーだ!」と断言できるようなものはいまだ発見されていないんだよね。得られた結果をAIに読み込ませて診断する...という試みが、今後試されるかもしれないね。

↓エニグマと聞くと、アランチューリングを思い浮かべます。


988.VGOAL-J試験とはボルチオキセチン(トリンテリックス®)を用いたうつ病患者の「個別治療ゴール」と「労働生産性」の改善を評価する実臨床前向き研究だよ。VGAOLときくと、Jリーグを思い出すね。プロジェクトリーダーはサッカー好きかもね。

2026年3月13日

【メタルのおまけ】
VGOAL
-J試験は(Vortioxetine Goal Achievement and Work Productivity in Japan)の略だよ(これも長い!)。この研究は対照群のない単群研究(single-arm study)なんだけど、実際の臨床現場で処方された患者さんを対象としたリアルワールドデータなんだよ。単純に「うつ病評価尺度」が改善しただけでなく、WPAI(Work Productivity and Activity Impairment)によって、欠勤、出勤しても十分働けない状態、全体的な生産性を評価することによって、「仕事をする人」向けに評価した貴重な研究なんだよ

↓Vゴールを飲んで、お仕事頑張ろう!


989.MANGA studyはLancetに掲載された抗うつ剤の有効性と認容性を比較する大規模メタ解析研究だよ。12種類の抗うつ剤が調べられたけどミルタザピン、エスシタロプラム、ベンラファキシン、セルトラリンの優位性が分かったよ。ちなみに漫画(MANGA)とは無関係のようだね。

2026年3月14日

【メタルのおまけ】
MANGA
studyは(Meta-Analysis of New Generation Antidepressants study)の略だよ(めちゃくちゃ長い)。日本人が中心となって行われた研究らしいけど、何だか日本の「マンガ」文化を宣伝しているようで、ちょっと面白いよね。ちなみに忍容性(副作用による中止が少ない)については、エスシタロプラム、セルトラリンが良好な結果を示したよ。以前は、「抗うつ薬の効果に差はない」と言われていたけど、この研究から微妙な差が確かに存在することがわかったね。

↓漫画といえば、マンガ道!


990.GUNDAM studyは、日本で実施された大うつ病性障害(MDD)患者を対象とした抗うつ薬の臨床研究だよ。抗うつ剤ミルタザピンとSSRIの効果だけでなく、microRNAなどのバイオマーカーや遺伝子多型も調べたんだよ。チームリーダーは絶対ガンダムファンだと思うね。

2026年3月15日

【メタルのおまけ】
GUNDAM studyは
(Genotype Utility Needed for Depression Antidepressant Medication study)の略だよ(これも長いね)。それにしても、これは絶対「ガンダム」って書きたかったから、つけたプロジェクト名だよね。ところで肝心の結果なんだけど、この研究によるとミルタザピンは他の抗うつ剤よりも早く効果が発現したそうだよ。しかし、研究目的のメインであるバイオマーカーによる薬剤の選択の最適化については、十分解明されていないんだって。もういっそのこと、「ガンダムを観たらうつ病が治るか」という研究に変更して欲しいね。

↓ガンダムのプラモデル、小生も持っていました(こんなに高くなかったですが)。


【メタル君の考察】

今回は「ユニークな名前の精神科研究プロジェクト」に関係する精神医学ネタをポストしたよ!

それにしても何でわざわざ研究プロジェクトに名前をつけると思う?

それは、チームでやる時に一体感を生む...とか、そんなことよりも、キャッチーなプロジェクト名の方が注目を集め、研究費が取りやすいからなんだよ!

これは民間助成だけでなく科研費でも当てはまるけど、面白いプロジェクト名だと審査する先生も申請書を真面目に見てくれる可能性が高まるんだって。

それに名前がユニークだと、論文として引用される可能性も高まるからね(注目されれば当然だね)。

もう少しで僕のシリーズ、「メタル君の今日の精神医学豆知識!」も終わりそうだけど、

これからもマニアックな精神医学ネタを最後まで走り抜けて紹介するぞ😆

↓伝説がはじまる!


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