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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(921)-(925)

皆様、こんにちは。

鹿冶梟介(かやほうすけ)です☺️

最近、Xでこのようなポストをしました。

ポストにも書いたように、厚生労働省の調査によれば、精神障害者保健福祉手帳を所持する方のうち、結婚している人は19〜64歳で17.8%にとどまるとされています。

一方、一般人口では40歳までに6割以上が結婚しているとされており、この事実からも、精神疾患をもつ方の婚姻率は有意に低いことが示唆されます。

■ なぜ結婚が難しくなるのか?

精神障害のある方が「結婚しない/できない」理由はさまざまですが、小生なりに整理すると、主に以下のような要因が考えられます。

1. 精神症状: 多くの精神疾患では「意欲低下」や「無気力」がみられます。そのため、「結婚」に注力するだけの余力(エネルギー)が残っていないことが少なくありません。

2. 自己肯定感の低さ: 「自分なんか…」という思いから、関係を築く前に身を引いてしまうケースもあります。

3. 経済的問題: 就労の不安定さから、結婚に踏み切れないという現実的な問題です。

4. 出会いの機会の少なさ: 外出や社会参加が減ることで、そもそも出会いの母数が少なくなります。

5. 偏見(スティグマ): 家族から結婚を反対されたり、パートナーに病気を打ち明けることへのハードルが高かったりします。

6. 将来への不安: 再発や相手への負担を懸念し、結婚そのものに慎重になる傾向があります。


こうして並べてみると、精神疾患を抱える方にとって、結婚へのハードルは決して低くないことが分かります。

もちろん、結婚がすべてではありません。それでも「結婚したい」と願う患者さんが一定数いるのも、また事実です。

■ 精神疾患を抱える方への婚活の提言

では、どうすれば結婚に近づくことができるのでしょうか。小生なりに、現実的なポイントをいくつか提言してみます。

提言1:まずは症状の安定を

通院や服薬を継続し、症状を安定させることが何よりの土台です。生活リズムを整えることも重要です。

提言2:100点を目指さない

「正社員になってから」「完全に治ってから」といった“満点主義”は、かえって機会を遠ざけます。ある程度生活が回っていれば、それで十分スタートラインです。

提言3:出会いの母数を増やす

出会いは"待つ"ものではなく、"増やす"ものです。

  • 職場

  • デイケア

  • 就労支援

  • 趣味のコミュニティ

  • マッチングアプリ

  • 友人・知人の紹介

複数のルートを持つことが大切です。

提言4:自己開示(カミングアウト)のタイミング

初対面で全てを話す必要はありません。関係が少しできた段階で、自然な形で伝えるのが現実的です。

提言5:経済面は「安定性」を重視

高収入である必要はありません。継続的に生活が回ることが重要です。

障害年金や障害者雇用など、公的制度の活用も選択肢になります。

■ 最後に

ここまで婚活のポイントを挙げてきましたが、「それができないから困っている」という声もあるでしょう。

しかし、提言1〜5をすべて満たす必要はありません。

「これならできるかも」と思えるものを、一つだけでも始めてみてください。

小さな変化でも、それが積み重なれば、人生の流れを変えるきっかけになることがあります。

結婚はゴールではありません。

ですが、「誰かと生きたい」と思う気持ちもまた、自然で尊重されるべきものです。

その思いを、どうか無理に手放さないでください。


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【今日の精神医学豆知識集!(その185)】

921.言語危機 (Sprachkrise)とは、それまで親しんでいた周囲の物事が日常的な意味を剥奪され、主体の言語が崩壊の危機に曝される事態を指すよ。統合失調症における"世界没落体験"などの急性の破局体験を言語学的観点から規定した概念だよ。

2025年12月21日

【メタルのおまけ】
統合失調症の患者さんは症状が進行すると、言語の本来の意味が崩れ始め、健常者とのコミュニケーションにズレが生じるんだ。やがて言語は更に崩壊が進み、支離滅裂な言動へと解体していくんだ。しかし、この言語危機という言葉自体、あまり使用しなくなった気がするね。

↓ちなみに危機言語とは、少数民族が話す言語のなかでも消滅に瀕している言語だそうです。


922.言語新作 (neologism)は別名"造語症"とも呼ばれ、本人だけにしか通用しない言葉を作り出す統合失調症でみられる症状だよ。日本語においては"漢字"も自分で作って、それに独自の意味を持たせることも言語新作に含まれるよ。

2025年12月22日

【メタルのおまけ】
この言語新作は統合失調症によく見られることからドイツ語圏ではSchizophasie(分裂言語症)などとも呼ばれていたよ。これは思考障害によって生じる発話異常のひとつなんだけど、実は日本のヤンキーなんかも、言語新作っぽいよね。「ハクイ」「マッポ」「シャバイ」など、全く意味わからん言葉をしゃべりますよね...。ひょっとすると統合失調症とヤンキーには言語能力に関して類似のメカニズムがあるのかも?

↓ヤンキー用語満載の漫画といえばこれですね!


923.言語性精神運動幻覚 は、自我の統制を逸脱した内言語が患者自身の発語となって現れる運動・被影響性要素の強い仮性幻覚を意味するよ。統合失調症患者さんが、「独語する自分の声が聞こえる」なんて訴える幻覚体験がこれに該当するよ。

2025年12月23日

【メタルのおまけ】
要するに自分が思っていないような事柄が、自分の声として聞こえる幻聴などが言語性精神運動幻覚に該当するね。患者さんは、「これは自分じゃない」という一種の病感があるため、「仮性幻覚(本当のいみでの幻覚ではない幻覚)」になるんだね。意外にこの言語性精神運動幻覚って、多くの患者さんで認められる現象なんだけど、疫学的には不明だよ。

↓「レナードの朝」で有名なオリバーサックスの書籍。


924.言語遅滞は要するに"言葉の遅れ"を意味するよ。健常発達では1歳で初語、2歳で2語文が目安だけど、発達初期においては個人的にばらつきが大きいから言語遅滞と判断するのは難しいね。知的・発達障害だけでなく聴覚障害、口腔機能障害、環境要因などが影響するよ。

2025年12月24日

【メタルのおまけ】
言葉の遅れ(late talker)は、発達障害・知的障害の可能性を示唆する所見なのでご両親が心配するのは無理もないけど、実は"天才(ギフテッド)"である可能性もあるんだよ。その好例はアインシュタインで、彼は5-6歳までほとんど話さなかったそうだよ。鹿冶さんの知人の子供も言葉の遅れがあったけど、小学校に入ってから爆発的な能力を発揮して、関西にある超名門私立N中学にトップクラスの成績で入学してたね。

↓要するにこの中学ですね。


925.言語不当配列とは文を正しく言い回すことができないことだよ。神経心理学では失文法とも呼ばれるよ。患者の話は文法構造が単純化し電文体になりやすいよ。ブローカ失語の患者で生じることが知られているよ。

2025年12月25日

【メタルのおまけ】
言語不当配列、失文法とは具体的に言うと、「が」とか「を」などの助詞の欠落や、短い文章が特徴だよ。例えば、「私がご飯を食べる」というところを、「私、ご飯」という感じになるんだ。ーー、そう言えばSPYxFAMILYのアーニャも何か電文体の言い回しが多いね。アーニャ語などとネットでは言われいるけど、アーニャって脳に欠陥が...?

↓小生のnote「SPYxFAMILYと精神医学」、好評です!


【メタル君の考察】

今回は「言語と精神医学」に関係する精神医学ネタをポストしたよ!

みんなも知っている通り、「言語」は人類に与えられた最強のコミュニケーションツールだよ。

おそらく人類を地球上で最も繁栄させた理由は、言語(と道具の使用)のおかげだよね。

僕は精神科において「言語」は非常に重要... ...というか、唯一無二の診断ツールだと思うね。

その理由は、患者さんの精神状態を評価するためには、「言語」が絶対必要だからね。

患者さんは言葉によって自分の症状・体験を医師に伝え、その医師は言葉から"診立て"をするんだ。

逆に言うと、言語を介さなければ何もわからないのが精神科なんだよ。

だから症状を「言語化」することはとても重要なスキルだから、精神科医をめざすドクターはしっかりとこのスキルを学んで欲しいな。

「言語化」スキルの向上を目指すのであれば、やはり精神病理の知識は身につけておくといいと思うよ。

もう少しで僕のシリーズ、「メタル君の今日の精神医学豆知識!」も終わりそうだけど、

これからもマニアックな精神医学ネタを最後まで力の限り紹介するぞ😆

↓これ、かわいい!


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