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アメリカ建国の父が実践した13の徳目|ベンジャミン・フランクリン自伝レビュー

「人生をやり直せると言われたら、自分の人生をそのままもう一回繰り返したい」。冒頭のこの一文に衝撃を受けました。こんなことを言える人がいるのかと。実際にフランクリンがどんなことを成し遂げたのか読み進めていくと、そこにあったのはめちゃくちゃシンプルな原則でした。節約、誠実、勤勉。それを続けるための習慣化の仕組み。当たり前に聞こえるけれど、やり続けるのが一番難しいし、忍耐が必要なこと。この人が愚直にやり続けたということが、この本の一番すごいところです。

正直なところ、フランクリンという人物について「電気の人」「100ドル札の人」ぐらいしか知らなかったメンバーが多く、こんなにちゃんと事業をやっていたんだという驚きから始まった輪読会でした。

📖 この本を読むべき人

  • 習慣化の具体的な仕組みを知りたい人

  • 偉人の人間味に触れたい人

  • アメリカ建国時代の空気を感じたい人

著者プロフィール: ベンジャミン・フランクリン
アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者。印刷業で成功を収めた後、政界に進出しアメリカ独立に多大な貢献をした。また、凧を用いた実験で、雷が電気であることを明らかにしたことでも知られている。現行の米100ドル紙幣に肖像が描かれている他、1963年まで米50セント硬貨にも肖像が用いられた。
勤勉性、探究心の強さ、合理主義、社会活動への参加という18世紀における近代的人間像を象徴する人物。己を含めて権力の集中を嫌った人間性は、個人崇拝を敬遠するアメリカの国民性を超え、アメリカ合衆国建国の父の一人として讃えられる。『フランクリン自伝』はアメリカのロング・ベストセラーの一つである。

ベンジャミン・フランクリン - Wikipedia

感想

  • 独立宣言前のアメリカの歴史背景を読むのは意外と初めてかも?

    • スペインドル、フランス金貨、イギリスポンドなど、いろんな通過が混じっているところが面白いなと。

    • 印刷業以外にどんなものが勃興している時代だったのか?

    • 土地を選ぶのも良い。13州の最初の州、独立宣言が書かれた場所で。

  • いろんな偉人が書いている人生の原則みたいなものは、やはり共通するものが多い。

  • すごい業績の方だが、やっていることはとてもシンプル。

  • 十三の徳。

    • とてもシンプル。

    • 守れなくて自分が嫌になって途中やめていた期間があるなど、人間味を感じる。

    • 1週間ごとに集中している。

  • 正直・誠実できちんと仕事をすることが、自分の推薦状になる。

  • 聖書の引用が多いというのもそうだが、ソロモンの引用が多い

    • これは興味を持った、読んでみたい

  • 交渉術、社交術が高い

    • 敵と思しき人から本を借りて、めっちゃ丁寧に御礼し、仲良くする

    • 嫌がらせを受けても、それに攻撃的な対応はしていない。印刷・配達の話など。

    • 「〜と思われる」という、確かであることも確信なさげに話す

      • 相手に考えさせるというステップを踏ませているので、その人の納得感も高い?

      • もしそれが本当にその人にフィットするアイデアだったりすると、その人が自分の代わりに動いてくれる?


輪読会で議論したこと

13の徳目は真似できるのか

13の徳目を真似したいと思ったメンバーは多かったですが、いきなり全部始めると「俺何を目指してるんだ」となりそうだという正直な声もありました。13個は多すぎる、3個ぐらいからならやれるかもしれない。いろんな本を読んで「いい感じの人間になろう」という意識にはなったけれど、具体的にこうやって手順を踏んでしっかり達成していくやり方を見たのは初めてで、「こうやってやるんだ」と思ったという感想でした。

フランクリン自身も守れなくて辞めていた時期がある。最初は熱狂で始まるけど、それをどうやって習慣化していくかが大事です。自分の中にとっかかりがあって「こうしていきたい」が決まっているから続けられた。最初の熱量がなくなった後も引っかかるものが残っていたから、結果として続けていったのだと思います。

「確かなことでも確信なさげに話す」は正しいか

フランクリンの「確かなことでも確信なさげに話す」「断定的な言葉を使わない」という姿勢について、議論が盛り上がりました。ビジネスの世界では逆に「確かじゃないことも確信を持って話せ」という場面がある。どちらが正しいのか。

一つの見方は、そもそも絶対的に確かなことなど存在しないという立場です。サピエンス全史にも書かれていたように、人類が生き延びてきたのは神の存在のような「確かじゃないこと」を信じ込む力があったからです。5分前世界誕生説すら論理的に否定できない。だから確かなことでも確かじゃないように話すというのは、理として成り立ちます。

もう一つの見方は、コミュニケーションの観点です。「何々と思うんだよね」という言い方は、相手に考えるステップを置いている。自分のフォロワーになってくれるだけでなく、そのアイデア自体がいいなら相手が代わりにやってくれてもいい。フランクリンは自分がアイデアを実現させたいというよりも、もっと大きなものの一部として働きたいという感覚があったのではないか。だとしたら、同じ考え方の人をたくさん集めてやってもらう方がいい。「何々と思われる」という言い方はすごくいいのではないかという意見でした。

もう一つの角度として、フランクリンのこの原則はソクラテス式の議論で勝つことを重視しすぎて人間関係で負けるという原体験から来ているのではないかという読みもありました。一時的な勝ち負けを大切にするのか、長期的な人間関係と結果を大事にするのか。相手が考える余白を与えてあげるということにはすごく価値がある。そういう人と付き合いたいなと純粋に思いました。

若い時代に性格が決定されるという話

習慣や偏見を身につけるのは若い時代で、職業や結婚の選択を行うのも若い時代。成熟した大人になってから身につけるものは人生にそこまで大きな影響を与えない。若い時代にその人の性格が決定されてしまうという部分に、23歳のメンバーが「30歳までの7年間でどういう人物になりたいかをもっと深めたい」と感じていました。

一方で28歳のメンバーは「あと1年でディスアドバンテージだ」と言いつつも、修身教授録にあった「人生でたくさん本を読まなきゃいけない時期は2回ある。1つ目は青春時代、2つ目は35歳ぐらいから偉人の伝記を読んで人生の着地点を決めるために読む時期」という言葉を引用していました。

昔の偉人はなぜあれほど本を読んだのか

フランクリンもそうですが、渋沢栄一も二宮尊徳も、昔の偉人は相当な量の本を読んでいます。なぜだろうかと考えてみると、当時はSNSもNetflixもYouTubeもない。本を読むことが今の時代よりも身近な習慣であり趣味だった。現代ではソーシャルメディアに時間を取られて読書の存在が薄くなっている。歴史に学ぶことは大事だと思うから、言われてやるのではなく、本の虫のような状態が大事なのかもしれません。

アメリカ建国時代の面白さ

この時代の歴史背景に興味を持ったメンバーもいました。印刷業以外にどんな産業が流行っていた時代なのか。いろんな通貨が同時に存在していた経済。フランクリンぐらいの時代感の偉人伝を読むのは初めてだったので、新鮮な発見がたくさんありました。

次にソクラテスの弁明(プラトン著)を読むことが決まったのも、フランクリンの本にソクラテス式の議論術が出てきたことがきっかけの一つです。


引用

人にものを教えるには、教えているような風をしてはならない、その人の知らぬことでも、忘れたことのように言い出さねばならない。さらにまた、 確かなことでも確信なげに話せ、とも勧めている。

第一 節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
第二 沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。 駄弁を弄するなかれ。
第三 規律 物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。
第四 決断 なすべきことをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
第五 節約 自他に益なきことに金銭を費すなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
第六 勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。
第七 誠実  詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出だすこともまた然るべし。
第八 正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
第九 中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎しむべし。
第十 清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
第十一 平静 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
第十二 純潔 性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これに耽りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
第十三 謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし。

相当の才能のある人物ならば、最初によい計画を立てて、自分の注意を脇にそらすような娯楽や他の事業などには一切眼もくれず、その計画の遂行を唯一の研究とも仕事ともするかぎり、かならずや人類に偉大な変化を与え、大事業を成就することができると私はつねづね考えているのだ。

「美食家の末は乞食」 さらに、「うまい物、作る 阿呆 に食べる利口者」とも申しております。


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