名も知らぬ絵がおもしろい展覧会 -オルセー美術館所蔵展(西洋美術館)-
数あるnoteの中からご訪問いただきありがとうございます。
今回は
東京都西洋美術館で開催された
オルセー美術館所蔵展〜印象派 室内をめぐる物語〜
のレポートを書きたいと思います。
後ほど時間をとってしっかり書く予定ですが
鉄は熱いうちに打てということで
展覧会に行ったばかりのうちに
まずはフレッシュな感想をお伝えしたいなと思っています。
行きたい方、検討中の方
行った方のおさらいなど
ご参考いただけましたらさいわいです。
すごい絵をみつけた、を報告
エドゥアール・イポリット・マルゴテ 「バラ色のドレス」
今回はこの1枚の紹介にとどめたいと思います。
そのくらい、けっこう衝撃が大きかったのです。
エドゥアール・イポリット・マルゴテさんの絵です。
このかた、ご存知ですか?
私は、存じ上げませんでした。
もしかしたら相当、
マニアックな方、かもしれません。
なんて失礼なこと言ってしまったのですが
フランス語ではWikipediaのページがありました。
でも10行ほどの説明で、
本当に「知る人ぞ知る」の画家さんかもしれません。
39歳で亡くなった夭逝の画家さんです。
私が今回の展示で注目したのは
マルゴテさんの「バラ色のドレス」(1880-1881)です。
原画はオルセーの公式サイトにありましたので
ぜひご覧ください。
もちろん展示してありました。
Webサイトの絵は暗めで、実際にみたときの印象と違うので
少し明るくしてみました。
(筆致などが飛んでしまわないよう、
ぎりぎりの明るさで調節しています。)

マルゴテのすごさ①筆致
1880年というと、
モネが「印象・日の出」を書いたのが1872年ですので
いわゆる印象派的な筆致はすでにあったと言えます。
マルゴテも例に漏れず
早い筆致で女性のドレスを描いているようです。
この筆致の速さと正確さはマネ先生を彷彿とさせます。
1880年代、すでにマネ先生は超有名人だったので
(勝手に、印象派を引っ張るリーダー扱いされていました)
マネ先生の作風は知っていたのだと思われますが
大胆で素早い筆致で人物をまとめていく書き味は
真似しようとおもって簡単にできる技ではありません。
あれは、マネ先生が天才だからこそできる芸当だなあと
毎回、マネ先生の絵を見て
しみじみと感じています。
今回はオルセーからたくさんの絵がきておりました。
名だたる画家さんの絵がたくさん。
マネ・モネ・ルノワール・ドガ・・・。
今回も例に漏れず、すごくすごく混んでいたので
全部見ることは諦めて
好きな画家の絵だけ拝見していたのですが
この絵だけは
名前を見ずに、足が止まりました。
まさに
「呼ばれた」のです。
マルゴテのすごさ②背景
ドレスの筆致に目を奪われていたのですが
よくよく見ると、背景もすごいと気づきました。
黒い背景。
でも黒さもまばらで、
手前と奥で濃さが調整され、計算されています。
また、赤色の入れ方も独特。
今回は「室内画」がテーマです。
ドレスを着た女性と赤ちゃんが
こんな真っ黒な室内で生活しますか・・?
椅子以外が見えてこないのも不思議です。
つまり、室内画なのに、あるものが
描かれていないことになります。
風景を光でとらえ、自由な色で描いた印象派たちも
室内画はさすがにしっかり、
部屋の中を描いています。
外から描いた表現で部屋が暗めに描かれることはあります。
また、肖像画や静物画、裸婦像などでは
背景が黒などで塗りつぶされる作例も多いです。
しかし室内画で、背景が真っ暗、は
1880年では作例がなかなか他には見えてこない気がします。
マルゴテさん、
他の作品を探してみたところ
肖像画などで背景が黒系なので
単に同じようにしました、とか
描いたものが気に入らなかったので
塗りつぶしました、かもしれません。
(それはそれで勇気がいる気もします。)
情報の少ない画家さんなので、
謎は藪の中、ですね。
マルゴテのすごさ?③
展覧会で、この絵がすごいなと思ったのですが
名前をメモしなかったので
(覚えていられると何故か自信満々に思い込んでいたので)
帰ってから思い出せなくて
作品リストを見て、けっこう調べました。
こちらの絵をネットで見つけた時に気づいたんです。
「赤ちゃん、いたっけ?」
展覧会で見た時は、いませんでした。
というか、私には全く、見えなかったんですね。
絵の中心にいた、
主題かもしれない赤ちゃんが
展覧会では、私にはまったく見えていませんでした。
「ピンクのドレスの女性と、黒い背景」
という絵だったんです。
今この文章を読んでいる皆さんは
上にあった、こちらの絵、
赤ちゃんがいたこと気づいてましたか?
では、
あかちゃんの服の色は?覚えていますか・・・?
みなさんはきっと覚えていらっしゃるかと思いますが・・・
「赤ちゃん、全然気づかなかったよ!」
なんて方がいらしたら
面白いですね。
私は、他の絵と比べて、かなり長くこの絵に滞在しました。
この絵の前に立って、
ずっと絵を見ていたんです。
それでも目に入ってこない赤ちゃんって
ちょっと怖いですね。
私がうっかりなだけだと思いますが
鑑賞した絵の中の主題がまるまる落ちていることって
今まで経験がありません。
これも、マルゴテの絵の力でしょうか。
この絵を見つけた人がいた
この絵の名前を忘れて
ネットで探した際にお目にかかったのですが
今回のオルセー展で
この絵が気になった、という方は
けっこういらしたみたいです。
この絵に目をつけていた方が
他にもいらしたのです。
仲間を見つけたみたいで、
嬉しい気分です。
確かにこの絵、
ちょっと異質なのですよね。
オルセー展、まだの方は
行かれた際、ぜひご覧になってください。
23番です。
私の忘備録になりますが
エドゥアール・イポリット・マルゴテ
と思われる絵のリンクを下記に置いておきます。
最後までおよみいただき
ありがとうございました。
(次回はしっかりオルセー展全体の
感想レビューを書きたいと思います)
肖像画
室内画
https://www.reprodart.com/a/margottet-hippolyte/rural-vaccination.html
風景画
静物画
質問、聞きたいこと、ご感想等、
お気軽にコメントを書いていただけるとうれしいです。
記事をまとめてみました。
ご興味のある記事がありましたらぜひお読みください!
はじめに01 -絵の声を聴く、アート鑑賞について- 好きな画家さん一覧
https://note.com/killamaru/n/n0cb504116a87
書き始めた経緯やこのNoteの説明など
はじめに02 -アートの声を聴く鑑賞について-
https://note.com/killamaru/n/n3b42879699f8
「はじめに」の続きですが、私のNoteの中では、♡率が高くて、ありがたいです。
はじめに03 -審美眼は何年で身につくもの?
https://note.com/killamaru/n/ne9792bc439fe
<ドイツ旅2026>
ドイツから戻ってきました -2026.01.13 近況報告-
https://note.com/killamaru/n/nce677f79afbc
デューラーと話したくて家に2回おしかけた話 - デューラーズハウス -
https://note.com/killamaru/n/n681100d72660
フェルメール報告会 - ドイツ旅で鑑賞した絵のレポート -
https://note.com/killamaru/n/n9509726b7b11
フェルメールに隠された法則 - 嫌いだったフェルメールが好きになれた秘密 - [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/nab3fbbd02386
<若冲>
若冲からはじめて呼ばれた話 -泉屋博古館東京-
https://note.com/killamaru/n/n79a61287feed
若冲は、今日も私を呼ぶかしら - 三井記念美術館「円山応挙」展 -
https://note.com/killamaru/n/na07051e46676
若冲は、もう1人の天才にためらう、の話 - 東京藝大美術館 -相国寺展
https://note.com/killamaru/n/n85b940e93ef9
<ゴッホ>
[ディープ]ゴッホのひまわりって、おいしいの? - 西洋美術館 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
https://note.com/killamaru/n/n69330619f156
「あなたはどんな鑑賞タイプ?」と「ゴッホの死相」について ゴッホ展 -東京都美術館-
https://note.com/killamaru/n/na3e315c32ca0
ゴッホ美術館(アムステルダム)に行ってきた -美術館レビュー(絵多め)-
https://note.com/killamaru/n/n4e65dea66a63
おいしそうな絵はここにも(ピエール・ボナール) -「ひまわり」異変の後日談-
https://note.com/killamaru/n/n32920ae6c2de
<美術展>
ブラックホールを作りだせる画家 -仙厓展@出光美術館- [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/n576fe4a903b7
絵から音がしない理由 -ユトリロ展(SOMPO美術館)-
https://note.com/killamaru/n/nd086f4b57077
定家にきゅんきゅん -国宝熊野御幸記と藤原定家展レポート(三井記念美術館)-
https://note.com/killamaru/n/ne15a8591b9e4
伊勢物語展 -根津美術館- 岩佐又兵衛に感じるもの
https://note.com/killamaru/n/n522358cdf891
僧侶の背中には、実は何があったのか -特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」-
https://note.com/killamaru/n/nb87fb034c08e
マチュピチュの展示じゃない?!けど、興味深い -マチュピチュ展-
https://note.com/killamaru/n/n5dd9d6de4666
<岡本太郎とウォーホル>
岡本太郎の絵をめくってバックヤードをのぞいた話[ディープ] - ウォーホルの続き -
https://note.com/killamaru/n/ndd21dc5e0255
アンディ・ウォーホル「SERIAL PORTRAITS」展(ルイヴィトン) - 岡本太郎のために力をお借りします -
https://note.com/killamaru/n/ndd1a969b04ba
<ランキング>
[異変の起こった美術展ランキング]2025年行った美術展の中から)
https://note.com/killamaru/n/n853c88ce272c
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