岡本太郎の絵をめくってバックヤードをのぞいた話[ディープ] - ウォーホルの続き -
数あるnote記事の中から
ご訪問いただきありがとうございます。
また、タイトルが今まで史上
最高に意味不明になってしまっているのに
読みにきてくださったことも
心から感謝申し上げます。
最初にお伝えしておくと
美術館のバックヤードに行った話ではないです。
言葉の通り絵をめくった先の
「絵の中に入った話」です。
内容はかなり
はちゃめちゃなことを書く予定ですが
すべて自分に起こったこと
です。
こんなこともあるんだなと
楽しんでもらえると嬉しいです。
ウォーホルに謝辞!
前回の記事を紹介しないと
なんのこっちゃなのですが
ウォーホルとは
アンディ・ウォーホルです。
前回の記事です。
ウォーホルの展示に行ったレポートから
岡本太郎展に行った時の話をまとめていこう
という目論見がありました。
今回の岡本太郎展のレポートは
どう書いていいか考えあぐねていて
ウォーホルから書いていけば
岡本太郎展で起こったことについても
書けそう感があったのです。
ウォーホルも岡本太郎も弱い人・・・?
前回は
そんな締めで終わりました。
Xの140文字で表現したら
岡本太郎が弱いわけないだろう、どこみてるんだよ、と
すごく叩かれそうですが
noteの住人さんたちは
丁寧に記事をかけば
しっかり読んだうえで
相手の考えや主張も一つ、と受け入れてくださる方が
多いのかなと思い
ちょっと勇気を出して、
書いてみました。
なのでここは一つ
noteの住人さんを信じて
「なぜ岡本太郎は弱い、と思ったのか」を
しっかり書いていかねばと思います。
岡本太郎展
2022年、東京都美術館にて開催された特別展です。
岡本太郎自体、とても好きで
この展覧会の前に
川崎市岡本太郎美術館へも行ったこともありました。
「生きることは遊ぶこと」
「芸術は爆発」
「芸術は呪術」
「孤独を恐れるな」
彼の名言はたくさんありますが
どれも勇気がもらえます。
東京都美術館の岡本太郎展では
初期から晩年までの作品が丁寧にまとめられていて
彼の生き方を辿っていくことができた展示だと思います。
岡本太郎の作品をここまで集めた展覧会も
すごく久しぶりだったのだと思います。
とても人気で、話題になった展覧会だったので
混雑していた印象があります。
この展覧会で
衝撃を受けた作品があります。
初期の作品が展示されているフロアでした。
傷ましき腕
こちらに
作品を紹介しているページがありました。
1936年にパリ時代に描かれたものは
全て焼失していて
1949年に再作成しているそうです。
13年前の絵をもう一度描くパッションってすごいですよね。
しかもこの絵、本当にエネルギッシュなんです。
今でもこの絵が忘れられません。
こんなに痛々しい絵ははじめてだったから。
こちらでも
絵の丁寧な解説が掲載されています。
解説の引用です
『傷ましき腕』は、パリ時代、25歳の時に描かれた岡本太郎の代表作。モデルは「岡本太郎自身」という説が有力です。この作品で、象徴的に描かれる「リボン」は、岡本太郎がパリ時代に繰り返し描いたモチーフ。一体、このリボンは何を表しているのでしょうか。
「リボン」の解釈は諸説ありますが、ここではこの真っ赤なリボンを、颯爽とした生命力、何かに立ち向かう強い意思を象徴するものと解釈しましょう。痛々しく巻きつく黒い紐の痛みに耐える姿は、人間の根源的な孤独や悲しみ、怒り、苦しみを象徴しています。しかし、この痛みから逃げようとはせず、むしろ、この痛みを自らのものとして受け入れようとしています。ここには、「痛み」「苦しみ」「孤独」という自らが抱える「負」の存在を見て見ぬふりするのではなく、それを真正面から見据え、自覚し、受け入れることによってこそ、逆に生まれてくる鮮烈な生命力が満ち溢れています。この勇ましい生命力の象徴となるのが、岡本太郎が若き日に繰り返し描いた真っ赤なリボンなのです。「逃げない、はればれと立ち向かう」という彼のモットーは、この作品に体現されています。
美術館巡りを楽しむ より
解説がとても的確で上手です。
勉強になります。
この絵を見た時から
私にとって、岡本太郎はこの絵そのものです。
がっくりとした、血のように赤いリボン。
これが彼そのもののイメージになっています。
そうなってしまいました。
本当に強烈だったのです。
パリの苦しい時代、挫折、痛み。
それでも負けないという心。
その心も立ち上がるたびに
ずたずたに傷つけられて。
それと同時に、
絵から生々しい血が垂れてきそうなくらいの、
どくどくとした生命力。
絵からそのまま、純度100%で伝わってくるのです。
異変のきっかけは赤いリボン
一番最後の広いフロアは、
いわゆる岡本太郎の後期の作品が多く展示されていました。
(彫刻もこのフロアでした。
余談ですが、彫刻はすごい可愛かった!)
後期の作品は、みなさんのイメージにある
いわゆる岡本太郎の作品、というと
わかりやすいかもしれません。
よければ岡本太郎展のパンフレットのリンクがありましたので
ご覧ください(公式)
https://www.tobikan.jp/media/pdf/2022/tarookamoto_flier_1.pdf
渋谷駅にある「明日への神話」の
下書き(縮小版)なども展示されていました。
(下絵でも11メートル!)
強い黒のふちどり
赤い炎のような、リボンのような表現や
まるい白目のなかに、ぎろりと睨むような黒目
以前は、
どの絵も「強い」絵に感じられたのですが
すでにあのリボンの絵を鑑賞していたので
絵の中に同時に
がっくりとした赤いリボン
が感じ取れました。
力強いというよりも
しょぼーんと、
弱々しくも感じられるのです。
彼の本当の姿は
あのリボンのようにうなだれているの?
しょぼんとしているの?
本当は、臆病で弱かったの?
絵に問いかけてみると
絵に異変が起こっていました。
異変
岡本太郎の後期の作品。
いわゆるみなさんの知る
岡本太郎らしい作品とも言えるのかもしれませんが
この絵の右上に異変がありました。
めくり
がついていたのです。
クイズ番組などで使う「フリップ」で
正解を隠しておいて
回答のときにめくる、あれです。
右上がぺろっとめくれているんです。
正直「何これ笑」です。
つまり
「めくって正解を見ろ」ということ・・・
なのでしょうか。
お言葉に甘えてめくってみました。
もちろん絵を直接触って、ということではなく
うまく説明できませんが。
あくまでイメージの中で、なのです。
めくったところで
岡本太郎の絵はいうのです
めくった先に、つまり奥に、
手をいれてまさぐれ、と。
えぇぇ・・・(嫌)です。
やったこともないし、
その先もよく見えなくて怖い。
でも、岡本太郎には、
引き入れてしまうパワーがあります。
怖いなあと思いつつも
言われるがまま。
手をグイグイいれて
まさぐって、
絵の裏側、というものを
初めて見せてもらいました。
絵の中にはいって
絵の裏?絵の中?
そこは
真っっっっっ暗でした。
怖い、といえば怖いですが
そこまで怖いという感じでもなかったです。
そして、その空間の真ん中に
私は真っ赤なリボンを見つけました。
あの、うなだれたリボンです。
岡本太郎は見せてくれました。
自分の絵の源。
エネルギーの源を。
岡本太郎のすごさ
岡本太郎はすごい人です。
絵の全てをみせることにためらいがない。
隠すことは何もないんです。
自分の強さも、弱さも
挫折も、傷ついた記憶も、
優しさも、悲しさも、寂しさも。
何もかも。
全部見せるから、入ってこい。
逃げるな、いいから、入ってこい。
おまえは、全部見るんだ。
そういう誘い方でした。
私は、絵に、自分の全てを
塗り込める人がいるなんて知らなかった。
現代美術ってここまでやるんだ。
天才って、ここまでできるんだ。
初めての経験に本当に驚いたのです。
今考えると
絵の裏側を見せてくれたのは
この岡本太郎展が最初で最後で。
その後
現代美術だからということで、
他の現代美術のアーティストの作品で
こういったことはありません。
天才だから、ということで
同じ経験をさせてくれた人はいませんでした。
やはり、岡本太郎は唯一無二なのです。
そして、弱さを隠さないから
誰よりも弱く見える。
弱いから、立ち上がった。
傷だらけになっても、
一人の時も
何度も何度も。
彼の言葉。
生きることは遊ぶこと、
孤独を恐れるな、
です。
何も隠さない
自分の全部を見せることができる
真に強い人だと思います。
次にめくった先にあるもの
ちなみに、「めくり」は
後期の絵のほとんどについていました。
どの絵にもめくりがあるとか
かなり滑稽な光景なのですが
本当に、ついていたのです・・・
ちなみに、
どの絵も、中は真っ暗で。
私は、どの絵の中にも
赤いリボンしかみつけられなかったんです。
ああ、私にもっと能力があれば
これ以外の何かも
持ち帰ることができたのかもしれない。
ときどき、そう思うことがあります。
今彼の絵にあったら
めくりはあるのでしょうか。
中には入れるのでしょうか
何か、他の新しい発見を持ち帰れるのでしょうか。
前にゴッホ展の記事で少し書きましたが
私は「潜水型」の鑑賞タイプなので
岡本太郎展のような「回顧展」タイプとは相性が良いです。
初期から後期にむかって丁寧に展示されている場合
そのアーティストにより深く入り込むことができて
その画家の最終形態(後期の作品に多い)で
シンクロするというのか、マッチするというのか、
ぐっと、掴み取ることができるのです。
だから、今、
岡本太郎の作品に1枚出会っても
その深さまで潜るのは
とても難しいのです。
渋谷駅の「明日への神話」は大好きなのですが
大きすぎるためか
ノイズ(行き交う人)が多すぎるためなのか
うまくいきません。
岡本太郎美術館にいけば、
あるいは。
とも思います。
近いうちに、試せると良いですね。
一応お伝えしておきますが
ときどき書く
ディープな記事で報告させていただいております通り
私は薬の類はやっていません。
お酒も飲みません。
あったことをありのまま。
です。
ただ、
この記事を書くためにはじめたnoteでしたが
(若冲の話と、岡本太郎の話が
一番書くのに迷った異変エピソードです)
この記事を書くために
本当にたくさん悩んだし
公開していいのかも悩んだし
どう書いていいかも悩んだし。
他の軽めな記事から
なんとか言葉に紡いで公開をはじめ
いろんな方に見ていただいたことを経て
この記事の公開にたどり着けました。
ウォーホルさんの力まで借りて。
謝辞は前述しましたが。
一番感謝したいのは
私のnoteに訪れて読んでくださった皆様
「好き」をくださった皆様です。
書く勇気をいただきました。
本当にありがとうございます。
他の画家さんの絵で起こった異変も
あと少し、あるのですが
それはまた近いうちに
また勇気を出して
かけたらいいなと思っています。
みなさんが美術館にあしをはこぶ
好奇心の手助けになることを祈って。
質問、聞きたいこと、ご感想等、
お気軽にコメントを書いていただけるとうれしいです。
記事をまとめてみました。
ご興味のある記事がありましたらぜひお読みください!
はじめに01 -絵の声を聴く、アート鑑賞について- 好きな画家さん一覧
https://note.com/killamaru/n/n0cb504116a87
書き始めた経緯やこのNoteの説明など
はじめに02 -アートの声を聴く鑑賞について-
https://note.com/killamaru/n/n3b42879699f8
「はじめに」の続きですが、私のNoteの中では、♡率が高くて、ありがたいです。
はじめに03 -審美眼は何年で身につくもの?
https://note.com/killamaru/n/ne9792bc439fe
<ドイツ旅2026>
ドイツから戻ってきました -2026.01.13 近況報告-
https://note.com/killamaru/n/nce677f79afbc
デューラーと話したくて家に2回おしかけた話 - デューラーズハウス -
https://note.com/killamaru/n/n681100d72660
フェルメール報告会 - ドイツ旅で鑑賞した絵のレポート -
https://note.com/killamaru/n/n9509726b7b11
フェルメールに隠された法則 - 嫌いだったフェルメールが好きになれた秘密 - [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/nab3fbbd02386
<若冲>
若冲からはじめて呼ばれた話 -泉屋博古館東京-
https://note.com/killamaru/n/n79a61287feed
若冲は、今日も私を呼ぶかしら - 三井記念美術館「円山応挙」展 -
https://note.com/killamaru/n/na07051e46676
若冲は、もう1人の天才にためらう、の話 - 東京藝大美術館 -相国寺展
https://note.com/killamaru/n/n85b940e93ef9
<ゴッホ>
[ディープ]ゴッホのひまわりって、おいしいの? - 西洋美術館 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
https://note.com/killamaru/n/n69330619f156
「あなたはどんな鑑賞タイプ?」と「ゴッホの死相」について ゴッホ展 -東京都美術館-
https://note.com/killamaru/n/na3e315c32ca0
ゴッホ美術館(アムステルダム)に行ってきた -美術館レビュー(絵多め)-
https://note.com/killamaru/n/n4e65dea66a63
おいしそうな絵はここにも(ピエール・ボナール) -「ひまわり」異変の後日談-
https://note.com/killamaru/n/n32920ae6c2de
<美術展>
ブラックホールを作りだせる画家 -仙厓展@出光美術館- [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/n576fe4a903b7
絵から音がしない理由 -ユトリロ展(SOMPO美術館)-
https://note.com/killamaru/n/nd086f4b57077
定家にきゅんきゅん -国宝熊野御幸記と藤原定家展レポート(三井記念美術館)-
https://note.com/killamaru/n/ne15a8591b9e4
伊勢物語展 -根津美術館- 岩佐又兵衛に感じるもの
https://note.com/killamaru/n/n522358cdf891
僧侶の背中には、実は何があったのか -特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」-
https://note.com/killamaru/n/nb87fb034c08e
<岡本太郎とウォーホル>
岡本太郎の絵をめくってバックヤードをのぞいた話[ディープ] - ウォーホルの続き -
https://note.com/killamaru/n/ndd21dc5e0255
アンディ・ウォーホル「SERIAL PORTRAITS」展(ルイヴィトン) - 岡本太郎のために力をお借りします -
https://note.com/killamaru/n/ndd1a969b04ba
<ランキング>
[異変の起こった美術展ランキング]2025年行った美術展の中から)
https://note.com/killamaru/n/n853c88ce272c
いいなと思ったら応援しよう!
応援お願いいたします!