『安静時心拍42の裏側』 −49歳から56歳までの人体再設計ログ(n=1研究) Part1−
序章|心拍は、結果だった
2018年11月、49歳の私の安静時心拍は55でした。
これは、2014年から施術を受け始め、2017年から栄養改善に取り組んだ結果、十分良好とされる数字になっていました。
そして、2026年現在、56歳の私は42前後で安定しています。
7年間で−13拍。
一般的に、50代男性の安静時心拍は65〜75拍前後とされています。
持久系トレーニングをしている人でも、50台後半から60台が多いでしょう。
疫学研究では、安静時心拍が60を超えるあたりから、全死亡リスクや心血管イベントのリスクが段階的に上昇するという報告もあります。
もちろん、心拍数だけで健康状態を判断することはできません。
血圧、体脂肪率、血糖、炎症状態、生活習慣など、複数の要素が関わります。
それでも、「42」という数字が一般的な50代の水準から大きく乖離していることは事実です。
今回の記事は、その数字の優劣を語るものではありません。
重要なのは、その数字に至るまでに何が先に変わったのか です。
一般的に、安静時心拍は加齢とともにわずかに上昇する傾向があると言われます。
自律神経機能や血管弾性の変化が背景にあると考えられています。
しかし、私のデータは逆方向に動きました。
私は心拍を下げようとしたことはありません。
年間3,300kmを走った年もあります。
栄養を整え、サプリメントを試し、施術を受け、リアクティベーション®︎に取り組みました。
目的は、
疲労を抜くこと。
足と骨盤を再生すること。
體を静かに整えること。
心拍は、目的ではありませんでした。
結果でした。
今回の記事は、「なぜ心拍が下がったか」を語るものではありません。
この事業を開始した時から毎日記録している3,174日分のログをもとに、“何が先に変わり、その後に何が追随したのか”を読み解く試みです。
本稿は、あくまで私自身の縦断データに基づく n=1の考察 です。
医学的助言を目的としたものではありませんし、特定の方法を推奨するものでもありません。
ただし、時間軸を伴った記録は嘘をつきません。
最大の段差はいつ起きたのか。
揺れはいつ小さくなったのか。
量と質は、どの順番で入れ替わったのか。
これは、49歳から56歳までの私自身の縦断データです。
第1章|心拍を語る前に、心拍を知る
■ 数字は、見ていないと存在しない
安静時心拍は、体感では分かりません。
疲れている感じがしなくても、運動しているつもりでも、数値は平然と70台後半を示すことがあります。
まず必要なのは「評価」です。
Apple Watchでも、Garminでもいいですから、朝起きてすぐ、布団の中で測る。
その数字が、あなたの現在地です。

40〜50 bpm:アスリート水準。高い1回拍出量と強い副交感神経活動。
50〜60 bpm:良好。継続的な有酸素刺激が反映。
60〜70 bpm:平均域。生活習慣の質がそのまま出る。
70〜80 bpm:交感神経優位・慢性緊張の可能性。
80 bpm以上:心血管イベントリスク帯域。
これは優劣ではなく位置確認です。
■ 130万人が示した“傾斜”
2016年、CMAJに掲載された46の前向きコホート(対象124万人)を統合したメタアナリシスが示したのは、安静時心拍と総死亡リスクの明確な相関です。
安静時心拍が10bpm高いごとに、総死亡リスクは約9%上昇。
80bpm以上では、最も低い群と比べて約45%高い。
さらにアジア太平洋地域の12コホート(約11万人)では、65bpmを超えたあたりからリスクが連続的に上昇し始めることが示されています。
つまり閾値というより、緩やかな“傾斜”が存在する。

安静時心拍が高いほど総死亡リスクは段階的に上昇する。
80 bpm以上では60 bpm未満と比較して約45%高いことが、46の前向きコホート(対象124万人)を統合したCMAJ 2016年のメタアナリシスで報告されている。
■ 心肺機能で補正しても残る差
ここで重要なのは、「心拍は単なる体力の代理指標ではない」という点です。
Copenhagen Male Studyでは、体力レベルで補正した後でも、安静時心拍が高い群は総死亡リスクが有意に高いままでした。
つまり、安静時心拍は心肺機能の通知表であると同時に、それ自体がリスク因子の一部でもある。
■ 1日の総心拍数という視点
2025年、JACC: Advances。
エリートサイクリストと非アスリートを24時間モニタリングした研究では、鍛えられた群は1日あたり約1万回以上、心臓が少なく打っていました。
運動中は当然心拍は上がる。
しかし、残りの23時間が圧倒的に低い。
差し引きすると、総心拍数は大きく減る。
心臓は“回数”で仕事をしているという視点は重いのです。
■ 心拍は「結果」である
心拍が低い人は、
1回拍出量が多い
迷走神経の抑制が効く
炎症レベルが低い
血管内皮機能が良好
慢性的な筋緊張が少ない
という状態にあります。
逆にいえば、心拍数は構造・神経・代謝の総和です。
原因ではなく、結果。
■ 42bpmは“特別”なのか
40台は稀です。
しかし重要なのは数字の絶対値ではありません。
どの年に、どの負荷で、どの構造変化と同期して、段差が生じたのか。
本記事の主題はそこにあります。
心拍はゴールではなく、変化の痕跡です。
第2章|最大の段差は、どこで起きたか
■ 2019年に生じた最初の落差
まず確認すべきは、「どの年に最も大きな変化が起きたのか」です。
2018年11月、安静時心拍は55。
2019年、年間約3,300kmを走りました。
この年に、明確な段差が出ます。
心拍は50台前半から、40台後半へ。
最初の構造変化はここで起きています。
量の最大化と、心拍低下は同期していました。

最大の段差は2019年に生じ、その後は低値で安定している。
■ 量の低下と、心拍の維持
しかし重要なのは、その後です。
2020年以降、走行距離は減少。
2023年からはサッカー再開。
ランニングは月100km前後へ。
量は明らかに減っています。
それでも心拍は42前後で安定します。
もし単純な心肺強化だけが理由なら、量の低下とともに心拍は戻るはずです。
しかし戻っていない。
つまり、
最初の段差は「量」で起きた。
だが、維持は「量」では説明できない。
ここに、第二の要因が存在します。
■ 次に見るべきは「揺れ」
平均値は下がりました。
しかし本当に重要なのは、揺れです。
心拍が低いことよりも、安定していること。
第3章|低さよりも、「揺れない」こと
■ 平均では見えないもの
安静時心拍は、2018年の55から、2026年には42前後へと下がりました。
しかし、平均値だけを追っていては本質は見えません。
重要なのは、どれだけ「揺れているか」です。
年別の標準偏差を見ると、明確な違いが出ます。
2019年は、平均は下がり始めているものの、分散は最大でした。
心拍は低くなりつつも、大きく揺れていたのです。
一方、2023年以降はどうか。
平均は41〜42台で推移しながら、標準偏差はおよそ1.7〜2.0。
揺れが小さい。
これは単なる低心拍とは意味が違います。

2019年は揺れが最大、2023年以降は分散が半減し、低値で安定している。
■ 鍛えながら揺れていた時代
2019年は、年間3,300kmを走った年です。
量は最大化されました。
心拍は落ちました。
しかし、同時に揺れていました。
これは「負荷に適応しながらも、神経は忙しい状態」と解釈できます。
下がったが、安定はしていなかった。
量で削るフェーズは、静かな状態ではありません。
■ 揺れが消えた瞬間
最も分散が小さくなったのは、2022年以降です。
この時期、走行距離は増えていません。
むしろ減っています。
それでも、心拍はさらに低くなり、そして揺れなくなりました。
ここで起きているのは、心肺適応では説明できません。
量ではなく、質の変化。
代謝の安定、睡眠の安定、回復の安定。
そして、おそらく構造の再統合。
心拍が低いことよりも、揺れないことのほうが、成熟を示しているのかもしれません。
第4章|何が先に変わったのか
■ 心拍は最後に動いている
この記事の出発点は、「心拍が下がった理由」を探すことではありません。
見るべきは、“何が先に動いたのか”です。
最大の段差が生じた2019年8月27日。
その90日前からのデータを時系列で追うと、順序が見えてきます。
1位 ランニング距離の増加
2位 STEP(歩数)の増加
3位 VO2maxの上昇
4位 体脂肪率の緩徐な低下
心拍は、その後に動いています。
つまり、走ったから心拍が下がったのであって、心拍が下がったから走れたわけではありません。
心拍は、結果でした。

左軸(青)はランニング距離(km)、右軸(赤)は安静時心拍(RHR)を示す。 ランニング量の増加期の後、安静時心拍は段階的に低下し、その後ランニング量が変動しても低値で推移していることが観察される。 この挙動は、単純な運動量の増減だけでは説明しきれない持続的な生理学的適応の関与を示唆するが、本研究(n=1)から因果関係を断定することはできない。
■ 量のフェーズから質のフェーズへ
では、2022年の最深部はどうか。
このとき、Runningは増えていません。
STEPも横ばい、あるいは微減。
それでも心拍はさらに低下し、揺れも小さくなります。
この段差の前に先行していたのは、
1位 体脂肪率の緩徐な低下
2位 睡眠分散の安定
3位 回復指標の改善
ここでは、量は動いていません。
動いていたのは、質でした。
代謝の安定。
回復の安定。
神経の安定。
心肺強化では説明できない落差が、ここにあります。
■ 構造は、最後に効いてくる
さらに重要なのは、2023年以降です。
施術時間は大幅に減少。
ランニング量も減少。
年齢は上昇。
それでも心拍は崩れない。
これは「鍛え続けている」状態ではありません。
むしろ、外部介入が減っても維持できる状態に移行したと考えるほうが自然です。
量で削り、代謝で底上げし、構造で安定する。
そして、心拍は常に最後に動いている。
第5章|フェーズ分解と時間軸の整理
■ 心拍は最後に動く指標である
本稿は「心拍が下がった理由」を探すものではありません。
問うべきは、何が先に変わったのか。
その順序です。
2014年から2026年までを俯瞰すると、明確に四つのフェーズが存在します。
■ フェーズ1|土台形成期(2014–2018)
筋肉チューニング開始
施術時間増加(累計2,600時間)
筋拘縮の減少
栄養改善(2017年〜)
この時期、心拍はまだ55前後です。
重要なのは、構造は整い始めているが、数値はまだ動いていないという点です。
つまり、土台は作られていた。
■ フェーズ2|刺激期(2019)
年間約3,300kmのランニング
最大の段差発生
心拍低下
分散は最大
ここで初めて数値が動きます。
しかし揺れは大きい。
鍛えたが、まだ安定していない。
■ フェーズ3|安定化期(2020–2022)
ワラーチ導入
ゲルマニウム本格化
代謝改善
分散の減少
量は増えていません。
それでも心拍はさらに落ち着く。
ここで質が関与し始めます。
■ フェーズ4|統合期(2023–2026)
4年ぶりにサッカー再開
リアクティベーション®︎本格化
施術時間は減少
42前後で安定
外部刺激が減っても維持できる。
ここで構造が“自律”します。
■ 時間軸が示すもの
重要なのは、チューニング → ランニング(有酸素運動) → 代謝 → 構造統合という順番です。
単一因子ではない段階的な再構築。
心拍は常に“最後”に動いています。
第6章|筋肉チューニングと筋拘縮
― 土台は何を変えたか
■ 最初に動いていたのは、数字ではなかった
2014年、私は施術を受け始めました。
2016年に整体院を開業して以降、施術時間は飛躍的に増えます。
累計は約2,600時間に及びます。
この期間、安静時心拍はまだ55前後です。
つまり、構造は変わり始めていたが、心拍はまだ動いていない。
ここが重要です。
■ 筋拘縮は「止まった張力」である
筋拘縮とは、単なる硬さではありません。
一部の筋線維が持続的に収縮し、局所循環が阻害されている状態です。
仮説として、
局所酸欠
ATP産生低下
交感神経優位
全身緊張の持続
という連鎖が考えられます。
筋拘縮が多い體は、常に“微細な警戒状態”にある可能性がある。
心拍は、その背景を反映しているのかもしれません。
■ なぜ心拍はすぐに下がらなかったのか
ではなぜ、2014年から施術を受けていたにも関わらず、心拍はすぐに落ちなかったのか。
答えは明確です。
土台だけでは段差は生まれない。
筋拘縮の減少は、
循環の改善
可動域の回復
神経反応の変化
をもたらした可能性があります。
しかし、それは“容量の拡大”であって、まだ刺激は入っていない。
ランニング(有酸素運動)が入るまで、構造は準備状態だった。
■ 筋肉チューニングは「許容容量」を拡げた
2019年に年間3,300kmを走っても崩れなかった。
これは偶然ではありません。
もし筋拘縮が多く、構造が歪んだまま高負荷をかけていれば、心拍はむしろ上がる方向に働いた可能性があります。
しかし実際は下がった。
つまり、筋肉チューニングは段差を生んだ因子ではないが、段差を“許容できる身体”を先に作っていた。
ここが評価です。
■ 土台因子という位置づけ
第4章の時間軸に戻ると、筋肉チューニングは最初のフェーズに存在します。しかし最大段差は2019年に起きた。
よって評価はこうなります。
単独で段差は作らない
しかし他因子の効果を増幅する
分散安定の前提条件となる
これは「補助因子」ではありません。
土台因子です。
第7章|ランニングは何を起こしたのか ― 最大段差の正体
■ 2019年、最大の落差
年間約3,300km。
有酸素運動としてのランニングが本格化した年に、安静時心拍は最大の段差を記録します。
ここで明確に言えることがあります。
心拍を動かした直接因子は、ランニングでした。
ただし、その内訳は重要です。
■ 有酸素が主、無酸素は補助
この期間の運動構成は、
ジョギング(5:00〜6:00/km)/ランニング(4:00〜4:30/km)中心
スプリントなど無酸素運動は週1回程度
次年度からトレイルランなど高強度が増加
つまり、ベースはあくまで持続的有酸素負荷です。
この負荷は、
迷走神経トーンの増加
一回拍出量の増大
心筋効率の改善
を通して、安静時心拍を下げる方向に働きます。
ここまでは一般的な生理学と矛盾しません。
■ しかし、揺れていた
第2章で見たように、2019年の標準偏差は最大でした。
心拍は下がった。
しかし、安定はしていない。
これは何を意味するのか。
負荷に適応しながらも、神経系はまだ揺れていた可能性があります。
鍛えたフェーズは、静かではありません。
むしろ、変化が起きている最中は揺れる。
■ なぜ崩れなかったのか
ここで第5章に戻ります。
もし筋拘縮が多く、構造が未整理の状態で年間3,300kmを走っていればどうなったか。
局所酸欠の蓄積、交感神経優位、回復遅延。
心拍は落ちるどころか、上昇していた可能性もあります。
しかし実際は、段差が生じた。
これは、ランニング単独ではなく、土台の上に乗った刺激だった
と解釈するのが自然です。
■ 起爆因子としてのランニング
評価を整理します。
最大段差を作った
しかし分散は最大
安定はまだしていない
したがって、位置づけはこうなります。
起爆因子としてランニングは心拍を“動かした”。
しかし、心拍を“静めた”のは別の因子です。
第8章|栄養と代謝安定 ― なぜ揺れが消えたのか
■ 段差の後に起きた変化
2019年、ランニングによって最大の段差が生じました。
しかしその年、分散は最大でした。
心拍は下がったが、まだ揺れている。
本当に重要なのは、その後です。
2020年以降、心拍はさらに低下し、そして揺れが小さくなります。
ここで動いていたのは、走行距離ではありません。
■ 栄養改善という背景因子
栄養改善は2017年夏から始まっています。
タンパク質摂取の見直し、ミネラル補充、加工食品の排除。
さらに2020年夏頃から、有機ゲルマニウムを本格化。
これらは急激な段差を作る因子ではありません。
しかし、
回復の質
酸化還元バランス
エネルギー産生効率
に対して、じわじわと作用する。
■ 分散が示す代謝の安定
2022年以降、標準偏差は明確に低下します。
これは単なる低心拍ではありません。
神経の揺れが小さくなった可能性を示唆します。
安静時心拍は、自律神経のバランスを強く反映します。
代謝が安定すると、
夜間の回復が安定する
交感神経の過剰反応が減る
朝の測定値が揺れにくくなる
つまり、ランニングは心拍を動かしたが、栄養は心拍を静めた。
■ ミトコンドリアは「減速の質」に反応する
筋拘縮が解除され、減速が再配分に変わると、局所虚血が減少します。
局所圧が一点化している状態では、毛細血管灌流は阻害され、ミトコンドリアは酸素供給の不安定な環境に置かれます。
再配分が成立すると、
血流が均質化する
剪断ストレスが減少する
NO産生が回復する
ミトコンドリア呼吸効率が安定する
ここで初めて、代謝は安定します。
老化とは、単にミトコンドリア数が減ることではありません。
構造沈下による慢性的虚血環境が、エネルギー産生効率を低下させることです。
減速が整うと、血流は整う。
血流が整うと、ミトコンドリアは働ける。
構造と代謝は分離できません。
■ 安定化因子という位置づけ
評価を整理します。
段差は作っていない
しかし分散を減らした
低値維持を支えた
したがって、位置づけはこうなります。
安定化因子
ここで初めて、心拍は“静か”になります。
しかし、まだ最後のピースが残っています。
2024年以降、施術時間は減少。
それでも崩れない。
第9章|リアクティベーション®︎と構造統合
― なぜ崩れないのか
■ 外部介入が減った
2024年以降、明確な変化があります。
リアクティベーション®︎本格化
足と骨盤の再統合
施術時間は月4時間程度まで減少
年齢は上がっています。
ランニング量もピーク時より減っています。
しかし、安静時心拍は42前後で安定。
ここが最も興味深い点です。
■ 維持フェーズは“鍛える”とは違う
ランニング期は「刺激」でした。
栄養期は「安定」でした。
リアクティベーション®︎期は違います。
これは、構造の再統合です。
足部、骨盤、脊柱の張力連続性が整うと、
無駄な緊張が減る
局所酸欠が減る
神経出力が過剰にならない
結果として、基礎代謝の“揺れ”が減る可能性があります。
■ テンセグリティ仮説
構造が歪んでいると、一部の筋に過緊張が残ります。
それは局所的な問題に見えても、全身の神経系に影響します。
リアクティベーション®︎は主に、
足趾
足裏
骨盤機能
脊柱
を再接続する。
これにより、力が“通る”状態が生まれます。
力が通る體は、余計な警戒をしません。
心拍は、過剰に上がらない。
■ 維持因子としての位置づけ
評価を整理します。
段差は作っていない
分散を直接下げたかは断定できない
しかし低値を維持している
ここで初めて、外部刺激が減っても崩れないフェーズに入ります。
したがって、位置づけはこうなります。
リアクティベーション®︎が維持因子
■ 最終形は“余白”
現在、心拍は42前後。
VO2maxは追っていません。
食生活も多少乱れても維持できる。
これは強さではなく、余白です。
構造が整い、代謝が安定し、神経が過剰反応しない。
心拍はその静かな証拠です。
第10章|総合評価 ― 段階的再構築という仮説
本データ(n=1)は、単一因子モデルを支持しません。
安静時心拍の低下は、ランニングだけでも、栄養だけでも、構造だけでも説明できない。
示唆されるのは、直列的かつ段階的な再構築過程です。
■ 観察事実(時系列の整理)
まず、事実を再確認します。
2014–2018年:筋肉チューニング累計約2,600時間
心拍は55前後で大きな変化なし。
ただし、可動域・緊張パターンは徐々に変化。2019年:ランニング年間約3,300km
最大の段差が発生。平均心拍が明確に低下。
しかし標準偏差は最大。揺れが大きい。2020–2022年:栄養改善・ゲルマニウム本格化
平均はさらに低下。分散は縮小。
低値での安定が始まる。2023–2026年:リアクティベーション®︎本格化
施術時間は減少。ランニング量もピークより低下。
それでも42前後を維持。
ここから分かるのは、心拍が一度に変わったのではないという事実です。
変化は、段階を踏んでいます。
■ 機能仮説(役割の分化)
各因子は競合していません。
役割が異なっています。
● 土台因子:筋肉チューニング
局所的な持続収縮の解除
循環余地の拡張
緊張パターンの再編成
この段階では心拍は動きません。
しかし“許容量”が拡大した可能性があります。
負荷を受け止める器が拡張した、と解釈できます。
● 起爆因子:ランニング(主に有酸素)
迷走神経トーンの増加
一回拍出量の向上
心筋効率の改善
ここで初めて数値が動きました。
ただし、揺れは大きい。
これは適応途中の神経系がまだ安定していないことを示唆します。
段差は作るが、静けさは作らない。
● 安定化因子:栄養・代謝
回復効率の向上
酸化還元バランスの安定
エネルギー産生の平準化
この時期から分散が縮小します。
平均よりも重要なのは、日々の揺れが減ったことです。
心拍の成熟は、低さよりも安定性に現れます。
● 維持因子:リアクティベーション®︎
足部・骨盤の張力連続性の再統合
力の通り道の最適化
無駄な緊張の減少
この段階では外部刺激が減少しています。
それでも数値は崩れない。
これは「鍛えている状態」ではなく、「構造的に安定している状態」と解釈できます。
■ 重要な三点
因子は並列ではなく、直列に連続している
心拍は常に末端指標として追随している
変化は「平均 → 分散 → 維持」の順で現れた
順位は存在しません。
存在するのは、役割と順序です。
■ 結論仮説
本n=1データが示唆するのは次の仮説です。
人体は、土台形成
→ 刺激入力
→ 代謝安定
→ 構造統合
という順序で、段階的に再構築され得る。
安静時心拍は、その過程の末端に現れる結果に過ぎません。
数字は最後に動きます。
その前に、體は静かに変わっている。
終章|心拍は目的ではなかった
私は心拍を下げようとしたことはありません。
走ることも、栄養を整えることも、構造を再統合することも、すべては別の目的のためでした。
結果として、安静時心拍は55から42へと変化しました。
しかし本稿で見てきたように、この変化は単一の因子では説明できません。
土台があり、刺激が入り、代謝が安定し、構造が統合された。
その末端に、数値が現れました。
心拍は目的ではなく、整ったことの副産物でした。
■ 再現可能性について
本研究はn=1です。
したがって、一般化はできません。
しかし、順序という観点においては、示唆は残ります。
もし人体が段階的に再構築されるのであれば、
いきなり刺激を入れるのではなく
まず土台を整え
次に適切な負荷をかけ
代謝を安定させ
最後に構造を統合する
というプロセスは、理にかなっています。
これは再現を保証するものではありません。
しかし、無秩序な介入よりは、はるかに合理的です。
現在、私はVO2maxを追っていません。
心拍も42前後で十分です。
多少食生活が乱れても維持できています。
これは強さの証明ではありません。
余白の証拠です。
数字を追いかけるフェーズは終わりました。
整えば、数字は静かになります。
本稿が示したかったのは、その順序です。
お知らせ1|不調にお悩みの方へ
検査では異常がない。
休んでも、運動しても、なかなか改善しない。
そのような「不調」は、筋肉が硬く縮こまることで、身体全体のバランス(テンセグリティ)が乱れていることが原因かもしれません。
多くの場合、問題は大きなケガや広範囲の不具合ではなく、ごく一部に残った小さな筋肉のこわばり(筋拘縮・トリガーポイント)です。
トリガーポイント(Trigger Point)とは。
— 續池均(kintsuzuike)@MTR Method Lab®︎ (@kintsuzuike) January 22, 2025
筋肉の中にできる「しこり」のようなもの。
特定の部位に過度の負荷やストレスがかかることで発生する筋肉のこわばり。
私たちはこれを「筋拘縮」と呼んでいる。… https://t.co/hIt7e0Ze3E pic.twitter.com/eeZJI9keLa
この小さな拘縮が体内に点在すると、
骨盤の動きが制限され
身体の軸が不安定になり
肩や肘、手足などの末端に負担が集中します
その状態では、どれだけ運動をしても、姿勢や動きを学び直しても、
本来の體の連動性は戻りません。
私たちがまず行うのは、全身を鍛えることでも、動きを無理に作り直すことでもありません。
筋肉チューニングによって、構造を壊している一点の筋拘縮をピンポイントで取り除くこと。
それだけで、體は自然に連動を取り戻していきます。
無駄な回り道をせず、體が本来持っている仕組みを呼び戻す。
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肉チューニング整体院「UROOM」は、慢性的な痛みや不調に悩む“痛み難民”の方々を救うために誕生しました。體を「部分」ではなく「全体のつながり」として捉え、筋肉・骨格・血流を最適化する独自のメソッドで、根本改善と再発予防をめざします。特に大腰筋や骨盤の機能性を重視し、姿勢・動作・呼吸の調和を取り戻すことで、体本来のしなやかさを引き出します。高いリピート率(約60%)を誇り、アスリートからご高齢の方まで幅広く支持されています。

■ 医食同源Lab
医食同源Labは、「食は最良の薬」という理念のもと、自然由来の素材と科学的根拠を融合させた健康食品ブランドです。栄養不足や現代生活による不調に着目し、ミネラル・ビタミン・タンパク質など、體に必要な成分を高品質に補える商品を開発。原料の厳選から製造工程まで徹底的にこだわり、安全性と実感力を重視しています。日々の食卓に寄り添いながら、薬に頼らず「本来の回復力」を引き出すことを目的とし、家族の健康を守る“新しい日常の栄養習慣”を提案しています。
■ noteメンバーシップのご紹介
有料記事をリーズナブルな料金でご購読いただけるメンバーシップを3つのコースで開設しました。
①MTRスタンダードプラン:過去に公開したサッカー専門記事の中から再現性の高い記事を厳選し、毎月2本以上(15日・30日)を公開します。
②體と心を整えるプラン:毎月2本以上の有料記事を公開します。
■ おすすめのnoteマガジン
プロアスリート向けコンディショニングメソッド「MTR Method®︎」の概要と関連noteの集積マガジンです。筋肉チューニング(ケア)、栄養戦略(Growith)、身体操作(リアクティベーション)含めプロサッカー選手のフルサポートは延べ200名を超えました。お陰様で育成年代の選手のご利用も増えています。
サッカー選手のサポートで培ってきた人体のテンセグリティ理論を、野球という競技特性に照らして再構築しています。現役メジャーリーガー投手のサポートを皮切りに、現在はNPB選手にも展開。投球・打撃を単なるフォームの問題として扱うのではなく、骨格配置、張力連動、筋拘縮、並進と回旋の関係など、身体構造の因果から読み解きます。
人体は、骨や筋肉を積み重ねた「部品の集合体」ではありません。張力と圧縮が全体で均衡する、テンセグリティ構造として存在しています。足・骨盤・脊柱・横隔膜・血流・呼吸などを通して、人体を“構造”として読み解きます。症状や技術論の手前にある原理原則を理解することで、體の見え方そのものが変わっていく。そのための思考と知見をまとめています。
オーソモレキュラー栄養療法noteマガジンは、分子レベルで體を整える栄養戦略を解説する専門マガジンです。ビタミン・ミネラル・タンパク質などの働きを科学的に紐解き、最新の知見や実践法をわかりやすく紹介。疲労回復やパフォーマンス向上、病気予防に役立つ“栄養で體を最適化する智慧”を、日常生活やアスリートの実例とともにお届けします。
筋肉チューニング&身体操作noteマガジンは、體を部分ではなく全体のつながりとして捉え、筋肉・骨格・神経を調律する独自の視点を発信するマガジンです。痛みや不調の根本改善から、スポーツにおける動作効率やパフォーマンス向上までを体系的に解説。テンセグリティ構造や骨盤機能、2軸動作など最新の身体理論を実践的に紐解き、誰もがしなやかに動ける體づくりをサポートします。
在宅勤務が長かった4児の父として、仕事と子育てを同時に回した“ダブルオペレーション”の記録です。人体研究家として培った知恵をもとに、心と體と環境のバランスから「子どもが自ら育つ」プロセスを探ります。
学びと氣づきの子育ち実験録。
女性の體はホルモン周期やライフステージによって大きく変化します。本マガジンでは、生理、更年期、妊娠・出産・育児、栄養、骨盤ケア、メンタルなど、女性特有のテーマを幅広く取り上げました。體を整えるための知恵を体系的に学べる内容をまとめています。
體が整えば、心も整います。
このマガジンでは、日々の思考習慣や感情の揺れを見つめながら、メンタルを健やかに保つための視点を探ります。ポジティブ思考に偏らず、中庸を大切にすること。社会毒やストレスをどう受け止め、どう手放すか。體と心の精緻なつながりをひも解きながら、より自然体で生きるための思考法とメンタルの在り方をお届けします。
ミトコンドリア物語noteマガジンは、“生命の発電所”と呼ばれるミトコンドリアをテーマに、エネルギー代謝・老化・持久力・免疫といった多面的な役割を深掘りするマガジンです。共生進化の歴史から最新研究、日常生活での活かし方までをわかりやすく解説。栄養・運動・呼吸などを通じて「増やす・活かす」方法を探り、健康やパフォーマンスを根本から支える智慧をお届けします。
体調管理からパフォーマンス向上まで、すべての基盤となるのが「栄養」です。本マガジンでは、腸内環境・ミネラル・ビタミン・タンパク質など、多角的な栄養戦略を体系的にまとめています。一般の健康志向の方からアスリートまで、身体を根本から整えるための有料記事を収録しました。
腸は「第二の脳」と呼ばれ、免疫・栄養・メンタルにまで影響を与えています。本マガジンでは、腸内細菌の働きと腸脳相関の最新知見をまとめ、體を根本から整えるための学びを提供します。発酵食品や食事、サプリメントの選び方まで網羅し、健康志向の方からアスリートまで、幅広く役立つ内容を収録しました。
人の思考は、無意識のうちに行動や選択を導き、やがて現実を形づくります。本マガジンでは、量子力学的な視点や脳科学、自律神経やホルモンの働きを交えながら、「思考は具現化する」というテーマを体系的に解説しました。自己実現やメンタル強化を目指す方、人生や競技において一歩前に進みたい方に学んでいただきたい内容です。
